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2015年04月11日

4/9(木)DTSがオブジェクトベースサラウンドフォーマットDTS:Xを発表!対応BDソフトの発売はいつ?

4/9(木)DTSがOBJECT-BASED AUDIOのDTS:Xを発表した。今年1月上旬開催の「2015 International CES」で3月発表予定とされていたドルビーアトモス対抗のオブジェクト音声規格だ。

ドルビーアトモス発表の時もそうだったが、オブジェクトベースサラウンドのソフト制作にはそれなりのコストが掛かるのだろう。映画館向けの展開パートナー企業との調整もあり発表が4月にずれ込んだのではと勝手に推測している。

DTS:X とDolby Atmosの音声規格の比較記事は今後出てくるだろうが、いち消費者として気になるのは対応BDソフトの発売だ。

既存のDTSとDolbyサラウンドフォーマット収録の映画BDソフトは幾つもあるので、素人考えではあるが、今までのチャンネルベースのサラウンド作品であれば各チャンネルの音声信号を変換して低コストで両フォーマットを収録したパッケージを作成出来たのではないだろうか。

ところがオブジェクトベースではサラウンドはリミックスの必要はあるし、ドルビーアトモスは特許で守られていて簡単に音声信号の変換ツールを用意出来ない可能性がある。またメタデータ追加により音声信号の容量が増えBD1枚ではDTS:X とDolby Atmosの両フォーマットを収録出来ないともなればメディアの枚数も増えてしまう。

音声フォーマットの違いだけで枚数が増えパッケージ価格が高くなれば販売数にも影響は出る。そうなると制作コストを掛けてまでDTS:X音声を用意する必要はあるのかという話になり…という負の連鎖が想像出来てしまう。ドルビーアトモスでさえ対応ソフトは少しずつしか増えていない状態だから現実味のある嫌な予想だ。

それでも秋には各社が対応AVアンプを発売するので、その頃にはDTS:X BDソフトの発売予定も分かることだろう。

4/8(水)にはHDMI Forumがハイダイナミックレンジ(HDR)伝送対応の「HDMI 2.0a」を発表した。この詳細情報は4/13(月)以降に得られそうだ。この後には「ULTRA HD BLU-RAY」の発表も控えている。まったくデジタルAV機器の進化は速く買うタイミングを見極めるためにも目が離せない。



【関連リンク】

『DTS:X NEWS release』
 http://www.dts.com/corporate/press-releases/2015/04/welcome-to-dtsx---open-immersive-and-flexible-object-based-audio-coming-to-cinema-and-home.aspx

『HDMI 2.0a NEWS release』
 http://www.hdmi.org/press/press_release.aspx?prid=138

2015年03月11日

ケンブリッジオーディオ ミンクス サテライトスピーカーMin12, 22を3/10(火)発売!その改良点は?

HiVi 2014 11月号にCambridge Audio Min11をダウンライト用レールに吊るしドルビーアトモス・トップスピーカーとして使用する工作記事が掲載された。約60mmのユニットを使用した小型スピーカーながらアトモス効果は高いとの評価で注目している。

このMin 11と21の後継機Min 12と22が3/10(火)に発売された。ヨドバシ.comで価格を確認するとMin 12は15,120円、Min 22は23,760円となっている。参考までに販売終了のMin 11は11,760円、Min 21は18,920円だった。今年に入って円安による輸入オーディオの価格改定のニュースをよく聞くので、この製品も新製品切り替えと同時に値上がりしているようだ。

新モデルが旧モデルと余り変わっていなければ安いMin 11/21を購入するということも考えられる。そこでメーカーのホームページを読むと色々と改良されている。

 1) 第4世代のBMRドライバー搭載
 2) 大型ネオジウムマグネット採用
 3) スピーカーコーンストロークをほぼ倍の4mmに増加
 4) Min 22のみBMRウーファー搭載

どの項目も音質向上が見込まれる重要な改良点なのでここで旧モデルを選択するメリットは感じられない。特にMin 21において低音再生能力が向上したのはアトモス用途に有益だ。

この3月にはDTSから家庭用オブジェクト音声規格DTS:Xの詳細が発表される予定なので、こちらの発表とそれに対応したAVアンプの発売を待ってドルビーアトモス・トップスピーカーの設置方法をのんびり検討することにしよう。(笑)



【関連リンク】

『ミンクス ケンブリッジオーディオ』
 http://naspecaudio.com/category/Minx-CambridgeAudio/

2014年09月19日

9/17(水)オンキヨーがドルビーアトモス・イネーブルドスピーカーを発表、そのアトモス効果はどうなのか?

9/17(水)オンキヨーがドルビーアトモス・イネーブルドスピーカー「SKH-410(B)」を発表した。10月中旬発売予定でONKYO DIRECT価格は2本1組で税別19,800円だ。

主な特徴は次の通り。
 1) Dolby Atmos (ドルビーアトモス)再生環境構築用のアドオンスピーカー
 2) Dolby社規定の特殊フィルター内蔵
 3) フロアスタンディング型スピーカー上に設置して使用(視聴時の耳の高さより上の位置に設置することを推奨)
 4) 8cmシングルコーン、W120×H153×D155ミリ、重さ1.2kg

何故発表が9/17(水)なのかと思ったらHiViとAV Reviewの発売日だったからと両誌のレポート記事を見て気付いた。最初1本約2万円と勘違いしたが、実際は1本1万円なのでアトモス環境を揃えるハードルはかなり低くなる。

実際設置しようと考えると気になるのは次の2点。
 1) 置き場とするスピーカーのキャビネットに傷は付かないか。
 2) SKH-410をどう固定するのか。

1.2kg程度ではちょっと太いスピーカーケーブルを繋げたら、その重さで動いてしまいそうだし、先日9/16(火)の様な震度4クラスの地震が来たら落下してしまいそうだ。S-1EXやS-3EXの上に置くには少し勇気が必要だ。(苦笑)

特殊フィルター内蔵の為アトモスハイトチャンネル用にしか使用できない点も注意したい。試しに購入して結局効果に満足出来ず天井スピーカーを導入したとしても、ハイトQフィルターのオン/オフスイッチがなければこのスピーカーは別用途への転用が効かないと考えられる。

またイネーブルドスピーカーによるアトモス効果はどの程度なのだろうか。

AV Review 10月号40ページによると”天井スピーカーと比較して、頭上の空気感が少し薄くなるが、高さ方向の音場の広がりは充分に感じ取れる”とのこと。

HiVi 10月号49ページによると”このシアタールームの天井が吸音処理されているせいか、上から音が降ってくるアトモスならではの3次元的なリアルなプレゼンス感は希薄だった”との評価だ。

やはり天井素材により音の反射効果が左右される様なので、自分の部屋で視聴せず導入することはちょっとした賭けになりそうだ。(汗)

HiVi 10月号69ページには”ドルビーの説明では天井スピーカーは頭上だけではなく両端でも大丈夫”との話もあるので費用はかさむがCabasse(キャバス)IO2(1本10万円)やEOLE3(1本4万円)の導入も考えたいと、リビングの天井と壁を見廻している。(笑)



【関連リンク】

『イネーブルドスピーカー SKH-410』
 http://www.jp.onkyo.com/news/newproducts/audio/avr_up_skh410/index.htm

2014年09月18日

オンキヨー11.1ch対応AVレシーバーTX-NR3030を発表、1台で7.1.4ch構成に出来るのはこのモデルだけ!

9/17(水)オンキヨーがAVレシーバーTX-NR3030とTX-NR1030を発表した。ONKYO DIRECT価格は11chパワーアンプ搭載のTX-NR3030が税抜30万円、9chパワーアンプ搭載のTX-NR1030が税抜20万円で10月下旬発売予定だ。

主な特徴は次の通り。
 1) Dolby Atmos (ドルビーアトモス)対応
 2) DSD5.6MHzダイレクト再生対応
 3) HDMI 2.0規格準拠YCbCr 4:2:0 4K映像伝送対応
 4) 著作権保護技術HDCP2.2対応
 5) バーブラウン192kHz/24bitDAC搭載
 6) 音場設定機能AccuEQ Room Calibration(アキュイーキュー・ルーム・キャリブレーション)搭載

Itmediaの記事によるとHDCP2.2対応はMAIN IN3とMAIN OUTのHDMI端子のみとのことだ。フラグシップモデルのTX-NR3030はこれ1台で最大7.1.4ch構成のアトモスが楽しめるのが魅力だ。気になるのはオンキヨーだけがYCbCr 4:2:0止まりなこと位だ。

サイズは両モデルとも同じでNR3030が22kgとNR1030より1.5kg重い。両モデルの差はニュースリリースからだとNR3030がEI型3トランス電源搭載、パワーアンプが2ch多い程度しか無い。これで価格差が10万円ということはNR1030のコストパフォーマンスが非常に良く思える。比較視聴すればこの価格差が納得出来るだけの音質差はある筈なので是非その機会を得たいものだ。

これまで発表された各社のドルビーアトモス対応フラグシップAVアンプは下記の通り。
 ヤマハ   RX-A3040 9chパワーアンプ搭載 税抜25万円  9月下旬発売予定
 パイオニア SC-LX88  9chパワーアンプ搭載 税抜33.5万円 9月下旬発売予定
 マランツ  SR7009  9chパワーアンプ搭載 税抜23万円  10月中旬発売予定
 デノン   AVR-X5200W(未発表)

こうして見るとNR1030は9chパワーアンプ搭載モデルとしてハイクラスの最低価格だし、NR3030は11chパワーアンプ搭載モデルなのに他社9chパワーアンプ搭載モデルより安いと言う絶妙な価格帯を抑えている。この秋AVアンプのシェア争いに注目だ。



【関連リンク】

『AVレシーバーTX-NR3030/1030』
 http://www.jp.onkyo.com/news/newproducts/audio/txnr3030_1030/index.htm

2014年09月13日

マランツ9.1ch AVサラウンド・レシーバーSR7009発表!デノンAVR-X5200Wの仕様はこれで判明?

9/12(金)マランツがDolby Atmos対応9.1chアンプSR7009のプレスリリースをホームページに掲載した。10月中旬発売予定で価格は税抜き23万円だ。

次の通り(株)ディーアンドエムホールディングス内のDENONブランドのAVレシーバーと共通する仕様が多い。
 1)Wi-Fi&Bluetooth対応
 2)4K/60p 4:4:4 24bit映像信号対応HDMI端子
 3)アナログデバイセス社製32bit FP DSP SHARCプロセッサ4基搭載
 4)オートセットアップ機能Auddyssey Multi EQ XT32搭載
 5)13.2chプリアウト音声出力端子

HDAM搭載電流帰還型プリアンプ採用といった点がマランツならではの特徴だ。「スマートセレクト機能」は多機能なAVレシーバーを手軽に操作するのに便利な機能でこれは良い。何通り設定出来るのか詳細が気になる。

外部パワーアンプを使えば7.1.4ch、9.1.2chスピーカー配置にも対応出来るが、SR7009がマランツの2014年最上位モデルだとのことなのでSR7011(?)という11chパワーアンプ搭載機種は今年は登場し無さそうだ。

さて気になるHDCP 2.2対応だが製品情報には記述がない。HiVi 9月号13ページにデノンAVR-X4100Wは未対応との記述があるのでマランツにも期待しないでおこう。(汗)

これでアトモス対応表明をしたメーカーからの新製品発表は一通り済んだ。あとはONKYO TX-NR3030、TX-NR1030やDENON AVR-X5200Wの正式発表待ちとなるが、SR7009の仕様を見ればX5200Wの機能はほぼ予想出来るだろう。(笑)

アトモス視聴レポートを読むと音場再現に各社の特徴が出る様だ。デノンとマランツは同じ方向性を取りそうだが、これは自分の耳で確認しないといけないだろう。視聴会が楽しみだ。



【関連リンク】

『新製品発表 Dolby Atmos対応、9chアンプ搭載 SR7009』
 http://www.marantz.jp/jp/News/Pages/PressReleaseDetails.aspx?PRID=45

2014年08月29日

8/27(水)パイオニアAVアンプ“SC-LX”シリーズ2014年2モデル発表!Dolby Atmos対応は?

8/27(水)パイオニアからAVアンプ“SC-LX”シリーズ2014年のハイクラス2モデルが発表された。

9月下旬発売予定のSC-LX88は税抜33.5万円とSC-LX78は税抜25万円となっている。前モデルのSC-LX87が税抜33.3万円、SC-LX77が税抜24.8万円だったのでほぼ同価格だ。機能を強化、音質を向上させても値上げが出来ないとはAVアンプ市場の競争は厳しい。

2モデル共通の新機能は次の3点だ。
1)4K/60p対応HDMI装備(4:4:4伝送可能)
2)MCACC Pro搭載
3)Dolby Atmos対応(ファームウェアアップデート)

SC-LX88固有の機能は以下の通り。
1)USB DAC機能搭載
2)低磁束ノイズ電源トランス採用

SC-LX88が11chパワーアンプを搭載して1台で7.2.4構成が出来たら良いと期待していたので相変わらず9chなのはちょっと残念だが、予想通りの機能強化でまあ納得。ところがヤマハに続きパイオニアもHDCP 2.2非対応ということが分かり、落胆してしまった。

各社からこれだけ新製品が発表されているのにHDCP 2.2対応モデルはオンキヨーしか選択肢がないのでは寂し過ぎる。HiVi 9月号P.21によるとSONYは年内のアトモス対応AVアンプの発売予定はないとのことで期待出来ない。残るはマランツだけだ。

逆にここまで各社が対応しないのにはコストや技術的な理由以外の何かがあるのかもしれない。例えばHDCP 2.2の次期バージョンが予定されているとか、4KチューナーはHDCP 2.2対応でなくても良いとなったとか色々と想像してしまう。(苦笑)

各社9月下旬を発売日のターゲットとしているのは、この時期までにDolby Atmosの正式発表があるのだろう。HiVi9月号P.20によるとソフト権利者との合意が遅れているらしいので、実は9月に出荷されるモデルは既にドルビーアトモスに対応しているが機能がオフになっている、ファームウェアのアップデートはそれをオンにするだけ等と言う展開もありそうだ。(笑)

SC-LX90ユーザーとしてAVアンプ買替の絶好の機会と今年の新モデルに期待していたが予想外のHDCP 2.2非対応で購入意欲が削がれてしまった。まずはオンキヨーAVアンプの視聴を重点的に行うようにしよう。


2014年08月22日

8/20(水)ヤマハAVレシーバー“AVENTAGE”シリーズ2014年2モデル発表!Dolby Atmos対応は?

8/20(水)ヤマハからAVアンプ“AVENTAGE(アヴェンタージュ)”シリーズ2014年のハイクラス2モデルが発表された。

RX-A3040は9月下旬発売予定税抜25万円とRX-A2040は9月中旬発売予定税抜18万円となっている。前モデルのRX-A3030が税抜27万円、RX-A2030が税抜19万円だったのでそれぞれ2万円、1万円安い。機能を強化して価格も下げているのだから恐るべき企業努力だ。それほどAVアンプの市場が縮小しているのだろうか。

2モデル共通の新機能は次の4点だ。
1)4K/60p対応HDMI装備(ファームウェア更新によりRGB、YCbCr 4:4:4、YCbCr 4:2:2にも対応予定)
2)Wi-Fi内蔵
3)Dolby Atmosレジスタードマーク対応(ファームウェア対応)
4)ネットワークオーディオ機能Apple Lossless96kHz/24bit再生対応

RX-A3040固有の機能は以下の通り。
1)シネマDSP HD3(エイチディ キュービック)搭載
2)11.2chプリアウト装備
3)YPAO 3D測定によるシネマDSP HD3の再現性アップ

RX-A30x0シリーズは毎年大商談会で視聴しているので今年の新モデルに期待していたところ予想通りの機能強化で私的にポイントは高い。ところがHDCP 2.2非対応ということが分かり、私の購入候補リストから落とすことにした。

大商談会で毎回ヤマハブースにおいて講演を行っている麻倉先生はヤマハAVセンターDSP-Z11の愛用者(HiVi 2014年8月号 P47に掲載)。”近い将来、何らかの方法で音声も出せるようにする予定”と言っているのでこれはてっきりRX-A3040 HDCP 2.2対応のリークだと思っていた。それだけに非対応とは驚いた。

「HOME THEATER JAPAN 2014 SUMMER」でも使用されていたONKYO TX-NR838はHDCP 2.2対応だが、音の傾向からヤマハが好きな人がオンキヨーを選ぶとは考えにくい。搭載しているDACもESS製とTI/バーブラウン製と異なる。

このままでは麻倉先生は4KレコーダーTU-UD1000で録画したネイティブ4K番組を音声なしのままで観続けるしかない。先生がAVセンター選定をどうするのか気になるヤマハの新製品発表となった。(苦笑)

もっともヤマハにはAVプリアンプCX-A5000がある。このバージョンアップモデルA5010(?)がアトモス&HDCP 2.2対応で「HOME THEATER JAPAN 2014 WINTER」開催前には登場する、と勝手に想像している。(笑)

現在アトモス対応がファームウェア更新というモデルしか発表されていないので実際どの程度まで機能が追加されるのか不明のままだ。更新後に仕様が確定してから購入を検討した方が良さそうだ。(汗)

【関連リンク】

『ヤマハ AVレシーバー RX-A3040 RX-A2040』
 http://jp.yamaha.com/news_release/2014/14082001.html


続きを読む...

2014年06月26日

「パイオニアとオンキヨーのホームAV事業の機能の一部統合」のニュースに期待してみた

2014/06/23(月)の「ドルビーアトモス家庭版発表」のニュースに続いて2014/06/24(火)には「パイオニアとオンキヨーのホームAV事業の機能の一部を統合することに向けて具体的な検討を開始」と「パイオニアホームエレクトロニクス株式会社の株式の一部をベアリングおよびオンキヨーに譲渡」という大きなニュースがあった。

もっともこの件についても14/05/15に『AV(音響・映像)機器事業を手掛ける子会社の株式売却を検討』と報道されていたので正式発表は時間の問題だったと言える。

「ああ、やっぱり…」
家庭用AV機器の企画・製造・販売は一定規模以上の企業活動を維持出来る事業ではなくなってしまったことをソニーの苦境を耳にする度に実感させられていただけに、意外と冷静にこのニュースを受け止めている自分がいる。

昨年のCEATEC JAPAN 2013のパイオニアブースではオーディオ関連製品の展示は隅の方で数点だけと言う寂しさでカーエレクトロニクス事業重視の方針は明らかだったし、2013年以降AV機器の新製品はAVアンプと安価なBDプレーヤーが中心で他にAV Phileが注目するような製品が発売されたと言う記憶がない。そのAVセンターの価格低下は急速で、とても利益を上げられる事業には見えない。

ネットワークプレーヤーN-50(2011年11月発売)やインテグレーテッドアンプ A-70(2012年10月発売)が登場した時にはパイオニアの復活と喜んだものだが、2013年7月にAV事業をパイオニアホームエレクトロニクス株式会社という子会社に分離することで事業再構築の計画は着々と進んでいた訳だ。

“両社のブランド力や優れた技術など強みとなる経営資源を互いに有効活用し、コスト競争力を向上させる”との話に期待したいが実際はどうなるのだろうか。過去の提携ニュースを振り返ってみよう。

2007/09/20に発表された『シャープとパイオニアの資本業務提携』は両社から安価なBDプレーヤーが発売された位しか成果は出せなかったと記憶している。

2012/01/20には『オンキヨーとティアックの資本業務提携』が発表されたが、この2年間にその成果が出ているのだろうか?イベントで共同ブースを構えているもののAVセンターのオンキヨーとハイエンドオーディオのエソテリックでは競合製品が少ないためなのか、少なくとも最近発売された両社の新製品からその効果は感じられない。もっともエソテリックGrandiosoシリーズを開発出来たのは資本強化で資金が得られたお陰だとしたら、それが提携成果なのかもしれない。

そして今回のパイオニアとオンキヨーの場合はAVセンターで見事に取扱製品が競合しており部品購入から物流・販売といった点でコスト削減が期待出来そうだが、一方でシェアの奪い合いの恐れもある。今後パイオニアはコンシューマー向け、オンキヨーはカスタムインストーラー向けといった棲み分けを検討するのだろうか。

昨今のデノンとマランツが次々と魅力的な新製品を発表しているので、私にはデノンはAVセンターを受け持ち、マランツはピュアオーディオに力を入れる、と上手く棲み分けている様に見える。ユニバーサルBDプレーヤーを共同開発して両社の持ち味を生かしてカスタマイズして特徴のある製品を発売しているのも成果だろう。

この5月に発売されたオンキヨーのAVセンターに「音場設定AccuEQ Room Calibration(アキュイーキュー・ルーム・キャリブレーション)」と「バス・フェイズ・アライメント」機能が搭載されているので、既にパイオニアとの業務提携の成果が出ているのかもしれない。

この秋に両社から発売されるドルビーアトモス搭載のAVアンプの仕様に注目だし、ペアとなるユニバーサルBDプレーヤーが同時に発売されることを期待したいと思う。




【関連リンク】

『ホームAV事業における資本・業務提携に関する基本合意書の締結について』
http://pioneer.jp/corp/news/press/2014/pdf/0624-1.pdf

『パイオニア、AV事業売却先との協業も視野』
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDZ150FQ_V10C14A5TJ2000/

2014年06月07日

JVCポータブルデジタルレコーダーRD-R1のFM録音タイマー機能はオマケ程度、ICラジオレコーダーとしては落第点!

6/6(金)夜、埼玉県に大雨・洪水警報が出ている中黒猫さんがJVC RD-R1を届けてくれた。早速開封してFMタイマー録音をしようとセッティングしてみた。作業手順は以下の通りだ。

 1)P10:付属のACアダプターのコードにコアフィルターを取り付ける。
 2)P18:時計の日時を設定する。
 3)P27:録音品質を設定する。
   PCM24bitにすると付属の2GB micro SDカードには1時間50分しか録音できない。まずは16bitで試し録りしよう。

 4)P47:FM放送局をオートプリセットする。
  1階の部屋の中だとFMアンテナを伸ばし切ってもNACK5、JWAVE、NHK-FM東京の3局しか自動登録されなかった。2階の窓際でプリセットしたところ7局が登録された。

 5)P53:FM録音タイマーをセットする。
  1プログラムのみと知っていたが、開始と終了時間しか設定出来ない。カレンダー検索再生機能があるのでてっきり曜日指定出来る物と思い込んでいた。録音タイマー待機状態にしておくと毎日同時刻の番組を録音してしまうので不便だ。

タイマー録音で「ライン入力」を選べればオーディオ用FMチューナーと繋げて留守録音機として使えたのだが、その機能も無い。入力レベル調整も出来ないので再生機器側の出力レベルを調節して適正な録音レベルを決める必要がある。調査不足を反省する。

140607a.jpg


DC IN端子がFMアンテナの根元にありアンテナの角度調整する時に電源ケーブルが邪魔だ。FMロッドアンテナの長さは345ミリ、ICZ-R51の620ミリより短く感度に少々不安がある。2機種のFM音質を比較してみたが、R1の方がFMステレオ放送時のサーという高音域のノイズが気になる。

音はICZ-R51より小ぶりなのに力強さがあり迫力を感じる。“アクティブクリアサウンド”機能で音量に応じて低音や中音域を強調しているからで、長時間聴いていると耳が疲れそうな気がするものの用途に合った音作りだ。これを聴いてしまうとICZ-R51は音があっさり淡白で線が細く感じる。

楽器練習用途でレビューすればまったく違う評価になるだろうが、ICラジオレコーダーとして見た場合、星1つと厳しい点数を付けるしかない。ICZ-R51の機能の洗練さを実感することになった。(苦笑)

6/7(土)のFM番組を2機種で同時録音して、その音質の差をブログに書くつもりでいたらmicro SDカードがスロットにしっかり刺さっていなかった様でR1は録音されていなかった。マイクロSDカードは小さ過ぎて扱い難い。この点からも余りメディアの交換を想定していないことがうかがえる。

さてJVC RD-R1のリニアPCM(48kHz/16bit、48kHz/24bit)録音機能を生かす使い道がないか考えることにしよう。(汗)

2014年06月05日

FMエアチェックに使える?JVCケンウッドがポータブルデジタルレコーダーのレッスンマスターRD-R20発表!

FMエアチェックを手軽に高音質で行えないかと14/01/30のブログでICラジオ・レコーダーについて調べ、14/02/03にソニー ポータブル・ラジオ・レコーダーICZ-R51購入レポートを書いた。本当はLPCMで録音出来る機種が欲しかったのだが、検索しても希望に沿うモデルは無かった…。

そう思っていたら6/3(火)JVCケンウッドがレッスンマスターという音楽レッスンに役立つ機能を搭載したポータブルデジタルレコーダーXA-LM30、XA-LM10、RD-R20を発表した。楽器演奏に縁の無い私だがこのニュースを見たらRD-R20はFMチューナー内蔵でリニアPCM(48kHz/16bit、48kHz/24bit)録音出来ると言う。

これは魅力的なFMエアチェック用レコーダーになるかもしれないと仕様を調べて見た。タイマー内蔵でタイマー録音出来るのは当然だが1プログラムしか設定出来ないのは残念過ぎる。しかも録音タイマー待機中はR20を使うことが出来ないと言うのも不便だ。また外部FMアンテナ端子も無くロッドアンテナだけでは48kHz/24bit録音を活かせる電波受信環境を整えるのは難しそうだ。

詳しい機能を確認しようと前モデルRD-R1/R2の取扱説明書を一通り読んでみたが、FMラジオはオマケみたいな機能と割り切るしかなさそうだ。製品コンセプトが音楽演奏の練習に使うデジタルレコーダーなのだから仕方ない。

もっとも既に流通在庫のみとなったRD-R1は48kHz/24bitレコーダーでFMエアチェックも出来、ステレオミニプラグライン入力端子があるのでアナログ音源のLPCMアーカイブにも使える。これが9000円で買えるとはお買い得ではないか!

ICZ-R51で録音したい番組が2つ重なっていると1つは諦めるしかないのでRD-R1をFM用にしようと思わずポチってしまった。(笑)



【関連リンク】

『ポータブルデジタルレコーダーRD-R20』
http://www3.jvckenwood.com/audio_w/home/rd-r20/
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