1)8月4日の円売り介入は80円台と一旦円安方向へ振れたものの暫くして70円台と円高に戻ってしまった。この裏にミセス・ワタナベ(Mrs. Watanabe)の存在があった。FX投資家は円取引の約3割を占めると言われるが、その取引スタイルは円安を見越した「円売り外貨買い」が多い。介入により円安になった時点で利益確定の円買いを行うので介入効果を打ち消すと言う。
2) 30〜40代の女性対象「投資女子会」をあるFX会社主催した。8月よりレバレッジが25倍に抑えられたが、この会社ではこれを顧客層開拓のチャンスと見ている。現在2割しかいない女性等新たな投資家を呼び込もうとしている。
3)FX口座を外貨の受け取りに使う人が増えたと言う。両替所や銀行では1ドル当りの手数料が2〜3円だがマネーパートナーズの両替サービスでは20銭で済む。この会社では4月に比べ8月の顧客数は約5倍になったという。
4)新光投信が扱っているアメリカの複数RITEをまとめたファンドが毎月の分配金と円高により人気を集め、震災後の資金流入トップになった。だが8月に米国景気懸念、国債格下げにより米国のリート相場が1割下落して資金流入が鈍ってきた。担当者は「投資家達は変調の様子を見極めようと慎重になっているが、今後相場が落ち着けば再度資金が入ってくるだろう」と語っていた。
5)ある調査では予想外の円高が続き、2010年のFX投資家のうち収益を上げたのは2割、損失を被ったのは4割とのことだ。
ゲストの株式会社ローソン代表取締役社長 新浪剛史氏は次のようにコメントしていた。
1)日本と米国は同じゼロ金利で金利差が無い様に見えるが日本はデフレ、米国はインフレと実質金利は日本が高い。このファンダメンタルを直さないと円高は終わらない。一国の為替介入では解決しない。
2)企業のリスクヘッジとしては円高が続くと考え為替の予約をしている。
3)原材料は安くなり収益上のプラスになる。だが円高で国内産業の空洞化が止まらず雇用状況が厳しくなり景気が悪くなるという悪い円高心理が消費を抑えることになるだろう。
4)よって今年下期は消費者の購買力が弱くなり小売の売上は厳しくなると予測している。
円高により海外投資のチャンスとは言えるが、荒れた相場では休むのも立派な投資戦略という。ここ数ヶ月は様子見が賢明と言うことなのだろう。
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