仕様に関しては9/30(月)のブログと内容が重複するのでここでは取り上げないが、X500Rも市販の光学センサーと専用ソフトを利用したオートキャリブレーションに対応したのが特徴だ。今回の新製品ラインナップを見るとJVCの2013年年末からの販売戦略が垣間見られる。
1) DLA-X900R(日本円で約118万)はソニーVPL-VW1100ES(税抜170万円)とVPL-VW500ES(税抜80万円)の間に挟まれており販売数が見込めないので日本では発売しない。
2) DLA-X700R(税抜80万円)は「D-ILAホームシアタープロジェクター」のブランドを守る為価格帯を変えず、Xenon(キセノン)ランプ光源色シミュレーションやEastman Kodak Companyと富士フィルム株式会社の映画フィルム特性のカラープロファイルを武器に映画マニアに訴求していく。
3) DLA-X55R は税抜60万円だったがDLA-X500Rはオープンプライス化することでD-ILAブランドを傷つけずに柔軟な価格設定を行いVPL-VW500ESでは予算オーバーな客とVPL-HW50ES(実売26万円)のフルHDでは満足出来ない客層を取り込み、販売台数で稼ぐ。
4) DLA-X30は2011年11月発売で競合機種との性能差もあり実売24万円まで下がってしまったのでDLA-X35と切り替え入門機の価格を維持し利益を稼ぐ。
VW500ESの価格と筐体サイズはe-shiftテクノロジーの利点を霞ませる脅威だ。JVCはこれから1年間この3モデルで戦わなくてはならない。VW500ESの販売状況如何でX500Rは新製品ながら意外とお買い得な販売価格になるのではないかと予想する。DLA-X3から買い替えるつもりでこの2台を比較検討してみよう。
1)価格:X500Rは税込49万円、VW500ESは税込76万円が現在の予約価格の様だ。
2)4K性能:X500Rはe-shift3の3840x2160、VW500ESはネイティブ4Kパネルの4096x2160。
3)3D映像:X500Rは1920x1080、VW500ESはリアリティークリエーションによる4096x2160
4)3Dメガネ:X500RはRF(電波)方式PK-AG3 (税抜1.5万円)、VW500ESはフルHDグラス・イニシアチブ準拠TDG-BT500A(税込6千円)
5)光出力:X500Rは1300ルーメン、VW500ESは1,700ルーメン
6)ダイナミックコントラスト比:X500Rは60万:1(ネイティブ6万:1)、VW500ESは20万:1
7)駆動音:X500Rは21dB、VW500ESは約26dB
8)サイズ:X500RはW455 x H179 x D472mm 14.7kg、VW500ESは約W495.6 x H195.3 x D463.6mm 約14kg
9)交換ランプ:X500RはPK-L2312U(税抜2.4万円)、VW500ESはLMP-H260 (税抜4.7万円)
10)HDMI:X500Rは4K/60p(HDMI2.0現在認証中)、VW500ESは4K/60p(4:2:0)
11)HDCP 2.2対応: X500Rは未対応、VW500ESは非公開
こうして詳細にカタログスペックを比較すると、価格重視ならX500R、ネイティブ4Kと3DにこだわるならVW500ESを選ぶことになる。2台とも高級モデルなのにレンズキャップ方式なのが残念だ。電動スライドカバーにするとそんなにコストアップになるのだろうか?
JVCは地道に高画質化に努めており比較視聴した場合、ネイティブとe-shiftの画質差は大きくないと思える。それと同時にネイティブ4Kパネルに対する自分の憧れの強さも実感する。今は画質ではなく0.7型D-ILAデバイス(1920x1080)と0.74型4K SXRD(4096x2160)の差で評価されてしまうのがJVCにとっては不本意だろう。早く4K D-ILAデバイスを搭載したJVCのネイティブ4Kプロジェクターの画を観てみたいと思う。
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