FMエアチェックをしたくてもカセットデッキ、DATデッキ、MDデッキと次々と録音メディアは移り変わり今ではほとんどこれらのオーディオ機器と録音媒体が売られていない。FMラジオ内蔵のICレコーダーを使うしかないのかと思っていた所に据え置き型ステレオマスターレコーダーが発売されると言うのだから注目せずにいられない。
プロ用機器に留守録機能はないだろうと思いつつ仕様を確認するためホームページを見ると、取扱説明書がアップされていたので一通り目を通してみた。
取扱説明書22ページの「不慮の電源遮断について」の説明の中に”本機能は、録音中に外部タイマーなどで電源を切るなどといった使用を想定した機能ではありません。”と書かれている。アナログ録音やデジタルでもリアルタイムでメディアに記録しているのであればタイマーによる電源オフでも既に録音済みの内容に問題は生じない。
どうやらDA-3000はデータをバッファに溜め25秒ごとにファイルへ書き込む方式の様で、タイミングによってはファイル破損の危険性があると言う。これではタイマー録音には使えない。残念だ。
28ページの「シンク録音」機能は留守録に使えそうな機能と期待していた。DA-3000は電源を入れたまま録音ポーズ状態にして置き、タイマーでFMチューナーの電源が入り音声が入力されたと同時に録音開始する。これならばファイル破損の心配もない。録音番組が終わりチューナーの電源が落ちて無音状態になれば5秒後にまた録音待機状態になると言う。問題は消費電力が24Wということだ。
33ページの「録音時間について」で録音モード別の1GB当りの録音時間が表になっている。FM放送の”音声信号の最高周波数は15kHz”なのでPCM 48kHz/24bitモードで十分だ。その場合32GBのSDカードを使えば29時間以上録音できる。
PCMやDSDで録音しておけばバックアップも取れるしパソコンがあれば再生も出来る。機械的動作がないので壊れにくいしSDカードは今しばらく入手に困ることはないだろう。過去の録音機器とは比べ物にならない便利さと録音データの寿命の長さを保証してくれそうだ。
58ページの「定格」によると記録メディアSDHCカードは32GBまで、CFカードは64GBまで対応とある。USBメモリーからの再生も可能なのでハイレゾプレーヤーとしても使える。
業務用モデルなのに実売価格は10万円前後と聞くと安いと思ってしまう。実際AV Phileの注目は高くONKYO DIRECTでは既に”※人気製品のためお届けにはお時間を頂く場合がございます。”と赤文字表示になっている。
DA-30000にタイマー機能を内蔵して留守録に使える民間機器として発売してくれないだろうか。そんなモデルが発売されれば迷わず購入する。この製品の人気を見て他社から同機能のレコーダーが発売されればオーディオ業界も面白くなるだろう。テレビの全録レコーダーがあるくらいなのだからどこかのメーカーにラジオの全録レコーダーを開発してもらいたいくらいだ。
【関連リンク】
『TASCAM DA-3000』
http://tascam.jp/product/da-3000/overview/
『アナログ由来のPCオーディオ機器? TASCAM「DA-3000」』
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1307/29/news088_3.html
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