当初「グレイテスト・ヒッツ」「グレイテスト・ヒッツ VOL.2」[Limited Edition, SACD] クイーンの発売予定日は2012/10/31(水)とされていた。
ところが10/01(月)にアマゾンから「お客様にご予約いただいている以下の商品の発売日が変更されたため、お届け予定日を変更いたしましたのでお知らせいたします。」というメールが届いた。新たな発売日は2012/12/26(水)となった。
そして先日11/30(金)「ご注文商品について、メーカーより発売中止の連絡がありました。そのため誠に勝手ながら、ご注文商品をキャンセルさせていただきました。」というメールが届いた。
予約までして楽しみに待っているファンに説明もなく「発売中止」の一言で済ませられる商売って接客業では考えられないと思いつつ、逆に想像の余地(scope for imagination)が出来て良いと勝手にその理由を考察することにした。
「発売中止」になる主な原因は3点考えられる。
1)予約が集まらず販売数が少なく製造するだけ赤字になる。
2)製造上のトラブルが発生してやむなく中止とした。
3)ベスト盤を発売することで既存オリジナルアルバムの販売機会損失になると判明した。
1)はクイーンの人気やベスト盤のニーズを考えるとありえない。2)も既にSACDが発売されているのでマスター入手困難等の原因は考えられない。となると3)がその理由である可能性が高い。オリジナルアルバム発売が2011/12/14で1年経過してもまだ流通在庫がある状況で発売すべきでないと考えたのか。
そういえば2011/04/21にe-onkyo musicで配信が始まったクイーン「グレイテスト・ヒッツ」「グレイテスト・ヒッツ VOL.2」の配信形式は96kHz/24bit WMA LosslessでDRM付きとなっていてLINN DS/DSM等のネットワークオーディオプレーヤーでは再生できない。そこで近くFLAC DRMフリーで再配信を計画しているのではないか。だからその販売に競合するSACDを発売中止にしたという裏読みも出来る。
レコード会社にとってハイレゾ音源配信は数少ない売り上げが伸びている市場で続々参入してきている。その需要が一巡した後はPCM音源からDSD音源とフォーマットを変えて再度需要を喚起しようとするかもしれない。だがその次の市場を考えているのか。
今なら売上確保にベスト盤発売という手がある。だが配信が主流になったらファンは既に音源が手元にあるので自分好みのプレイリストを作り自分だけのベスト盤を楽しんでいること予想出来る。そんな時代に既存のヒット曲を集めただけのベスト盤は売れるとは考えにくい。せいぜい期間限定でヒット曲を集めたお買い得パッケージダウンロード販売を行う程度になると考えられる。
そうなると当日のライブ音源を焼いて販売する「持ち帰りCD」のネット版として公演ごとのライブ音源を配信するようになるかもしれない。ファンやコレクターにとっては嬉しくも恐ろしい時代の始まりだ。(笑)
【関連リンク】
『クイーン「Greatest Hits I/II」の新旧CDと96/24音源を岩井喬が比較試聴!』
http://www.phileweb.com/review/article/201104/21/289.html
『音楽ソフト市場、14年ぶりに拡大 中高年下支え』
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDC2600Q_W2A121C1EA2000/
『CDの販売減に反比例して増える公演数、ライブ市場は有望か?』
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK06045_W2A800C1000000/
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