私が気になっていた”マウントアダプターでEFレンズを使用した際のAF速度”だが磯 修氏=日経トレンディネットの記事によると”EOS Mとの組み合わせでは速度が大幅に落ちてしまう。”とのことだ。
また吉村 永氏のファーストインプレッションではEF-Mマウントレンズでも”実写してまず感じたのは、AFによるピント合わせの遅さだ。2年ほど前、ミラーレス一眼が登場したばかりのカメラと同等のAF性能だと考えればよさそう。”と評価している。
落合憲弘氏も”AFの動作も遅いんだが”と書いている。それ以外でもタカラcanチューハイCM並みの辛口コメントを書いているので今後キヤノンから仕事の依頼はこなくなりそうだと余計な心配をしてしまうほどだ。(苦笑)
“担当者によると、オートフォーカスの速度は今後改善していくということだが、被写体が中央以外(撮像素子の位相差AFセンサーがない領域)にある場合の遅さはカバーできない。”とあるので初心者はEFレンズに手を出さない方が良さそうだ。
これらの記事を読むとキヤノンは以下のシナリオ通りにユーザーを導こうとしているようだ。
Step 1:キヤノンとEOSブランドでユーザーにEOS Mを購入してもらう。
Step 2:EOS M購入者がEFレンズと外付けフラッシュを購入する。
Step 3:使い込んだユーザーがAF速度の遅さ、ファインダー(EVF)がないこと、バリアングル式液晶でないこと不満を持つ。
Step 4:ユーザーがレンズ資産の生きるキヤノン一眼レフカメラに買い替える。
このシナリオ通りに計画が進むようキヤノンは 1)外付けEVFは用意しない。 2)EF-Mマウントレンズのロードマップを明らかにしない。 という作戦に出た。
ステップ1はニコン1も売れているそうだからEOS Mもキヤノンのブランド力と販売店への影響力から間違いなく売れるだろう。
ステップ2は思惑通り進むだろうか。既存のミラーレスカメラのユーザーの殆どはレンズキットのレンズで満足して追加レンズを購入しないと聞く。これがEOS Mでも同じであれば殆どのユーザーにとってマウントアダプターは不要な付属品となる。(苦笑) これはEOS Mの販売量に比例してEFレンズの販売本数が増えるか否かで明らかになるだろう。
ステップ3の段階でレンズ資産を持たないユーザーは不満を解消してくれる他社のミラーレスカメラ購入を検討するか、キヤノンへEOS Mのミドルモデルを要求するようになる可能性がある。
初めから不満点が分かっている老舗メーカーのカメラとその不満点が解消されている家電メーカーのカメラとではどちらを選んだ方が満足するのか。購入前にいくらでもクチコミを調べられるネット時代においてEOS Mはユーザーの選択眼を試す様な製品だと思う。
パナソニックLUMIX DMC-G5の日本発売が未だに発表されないのはEOS Mのこういった弱点を突こうと販売広告戦略を練り直しているからではないか、そんな予感がする。
【関連リンク】
『一眼市場は激変か!? キヤノン、ミラーレス参入の狙い』
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20120723/1042063/?P=1
『キヤノン「EOS M」実機検証、Kissと比べて質感や操作性も良好』
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20120724/1042086/
『キヤノン「EOS M」、プロカメラマンが触った実感は?』
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