前作『Q』が別世界線や夢オチ扱いになるストーリーを想像していたら正当な続編になっていたのは意外だった。本編155分という上映時間は長く、特に冒頭から村に保護されたシンジの無気力ぶりを延々と見せつけられるのは辛い。その後精神的に立ち直り父ゲンドウと真正面から向き合うのに必要な通過儀礼としても思い切った演出だと思う。
SF設定の大風呂敷を広げ、父と息子による決戦は途中実写やメタ構成になったりして不安を覚えたが無事終劇となり一安心した。結局壮大な親子喧嘩と和解の話に収まったのはコミックス版のシン・解釈と言う感じだ。
アスカの設定がレイの同類になっていたりマリがいたことでシンジが救われたりと言った3人の女性キャラの扱いの変化は庵野監督自身の結婚により女性観が変わったのだろう。エヴァがより一層監督の自叙伝的なアニメになっている様に感じた。では監督は父との親子関係に何か思うことがあるのだろうか?
ゲンドウが『ふしぎの海のナディア』のガーゴイルっぽく見えるのは庵野アニメを追いかけて来た者の宿命だろう。TV版の24話までのワクワクした話の展開に続く2度目の完結は私が期待していたものとは異なっていたが新劇場版を完結させてもらえて良かった。
エヴァのメディア購入マラソンは1996/02/03発売のLD盤[水平解像度400本]から始まりDVD-BOX(NTSC:720x480)、BD[FHD:1920x1080]と続きUHD-BD[4K:3840x2160]でゴールとなった。27年1カ月で完走させてくれて関係者に「ありがとう!」だ。
シン・エヴァの音声がアトモスだったら2.0chから5.1chと続くサラウンドフォーマットの歴史そのものになったのに残念だ。それにしてもエヴァがホームシアター上映で『スターウォーズ』並みに再生メディアが4種も替わる作品になるとは感慨深い。
赤いDVD-BOXを持っているから青い『新世紀エヴァンゲリオン NEON GENESIS EVANGELION Blu-ray BOX』は購入していないがさすがにDVDからの4Kアプコンの画質は辛い。まあ視聴頻度を考えればDVDで問題ないと思うが気になるBOXだ。
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