【デザイン:5】
右側のジョグダイヤルと銀色で大型のインシュレーターがマニア心を刺激する。サイドウッドが高級感を醸し出して私好みのデザインだ。フロントパネルには英語でゴチャゴチャと搭載技術と機能が印刷されている。GX1やレンズで悪評のロゴの多さはこの頃からの伝統らしい。お陰でこのレビューを書く際の参考なった。(笑)
【操作性:4】
パイオニアLD-S1(1986年発売・定価20万)に搭載され憧れた機能、デジタルメモリーによるCLVディスク特殊再生が出来るのが特徴の1つだ。AUTO REVERSE(両面自動再生)も1992年当時のモデルの中で一番高速だったと記憶している。本体のみで殆どの機能が操作出来るほどボタンが多いが整然と機能分けされていて使い易い。
今のモデルでは考えられないが、トレイを開けたままパワー・オフにするとトレイが出たままで電源が切れてしまう。オフ前に必ずクローズしなければならず不便だ。また片面ディスクでも必ず自動的に裏面を再生してしまうのもアナログ的で面倒だ。(苦笑)
【再生画質:3】
デジタル・サーボ&フィールド・ノイズ・リダクション&アドバンスドTBC&3ライン・ロジカル・コム・フィルターと4つの高画質機能が搭載されておりHiViベストバイLDプレーヤー部門上位だったと記憶している。TH-L37DT3の画面サイズならばS端子接続でSDながら意外と画質が良く観ることが出来る。
100インチでも高画質ソフトであればそこそこ観られるが、画質が荒かったりソフトフォーカスの演出が施されていたりすると目が無理してピントを合わせようとするので非常に疲れる。(苦笑)
1992年当時であれば”5”だがHD画質を知ってしまった20年後の2012年では”3”が良いところだろう。この頃から松下電器(現パナソニック)は画質向上の為積極的にデジタル技術を使うようになりその遺伝子がNV-SB900やDMR-BW200に繋がるのだから記念的なモデルと個人的に思っている。
【音質:4】
MASH(multi-stage noise shaping)方式DAC搭載で1992年当時は音質も良かったと記憶している。LD映画のドルビープロロジックサラウンドでどれだけ興奮させられたことか。BDのHDサラウンドに比べればチャンネルセパレーションや周波数特性は劣るのにその思い出だけは今も鮮烈だ。思い出は美化されるものだからだろうか。
今回アナログ接続でCDを何曲かじっくり聴いたがSC-LX90の「192kHzサンプリングレートコンバーター」効果もあり予想以上に音が良い。10kg強の筐体の重さ、LD用トレイの大きさ、LD用の強力なDDモーター等物量が効いているのだろう。
【読み取り精度:3】
LDに関してはデジタル・サーボとアドバンスドTBCによりかなり安定している。まあLDソフト自体の不良はプレーヤーの方ではどうにかなるものではなかった。(苦笑)
残念なのは信号トラックの幅を狭めて容量を増やした最大収録時間約80分のCDが再生出来ないことだ。お陰でここ十数年の間に発売されたCDをこのプレーヤーで聴くことは出来ない。しかも収録時間だけでは判別出来ずTOCが読めなくて初めて分かるという面倒臭さだ。
またトレイの素材と本体内部の構造が原因なのか静電気が帯び易くトレイにCDを入れっぱなしにしておくと1週間でCDの信号面が埃で雲って再生しにくくなってしまう。目に見えるほど汚れるというのは今まで私が使ってきたプレーヤーの中でこれ1台だけ。だからレンズクリーナーが必須と言うメンテナンス性の悪さが欠点だ。
【出力端子:3】
金メッキ端子でS端子と光デジタル出力を備えるが電源コードはメガネタイプだ。最近の薄型デジタルTVがY/C分離にコストを掛けているとは思えないので3ライン・ロジカル・コム・フィルターを使用したS端子の方がコンポジット信号より画質が良いと思われるが届く長さのケーブルもないのでテストはしていない。(苦笑)
【サイズ:3】
LDプレーヤーなので当然大きく重い。それでも当時の他社製品と比べてコンパクトな方だったと記憶している。
何年も放置していたらトレイが出てこなくなりついに寿命か!?と思わされたがトレイカバーを開けてトレイ本体を揺すったら動くようになった。20年経過した今でも動いてくれるのは嬉しい。アクリル樹脂で錆びるLDソフトより長生きしてくれそうだ。LDもLDシングルと同じようにポリカーボネートを採用していればもっと寿命が伸びただろうに残念だ。
【関連リンク】
『Multi Laser Disc Player LX-900』
http://motor.geocities.jp/rtpcdp/TechnicsFile/odio/tecni/dvd_ld/lx_900.html
『レーザーディスク』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%82%AF
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