14:00〜14:35 第7回アニメ・マンガの聖地サミットin埼玉 −第1部− 埼玉県産コンテンツのそれはそれは深〜い愉しみ♪
出演は司会:柿崎俊道、北海道大学教授:山村高淑、漫画家:渡邊ポポ、新潮社編集者:佐藤優作の4名。
ポポ先生が自分は子供の頃、藤子不二雄作品ばかり読んでいてテレビアニメの「ドラえもん」をVHSでループ再生していた。藤子作品を卒業して他の漫画家作品を読むようなことはなかった。中学生の時お遊びで漫画を描いたがすぐに止めてしまい、大学卒業時に何の仕事に就くか考え、一分野で頭角を出せるだろうと漫画家目指した。
アシスタントをしながら出版社に何回も原稿を持ち込んだが、アドバイスは厳しく、スクリーントーンを貼り過ぎて「サルに初めてスクリーントーンを渡したら喜んでペタペタ貼ったみたいだ」と言われたこともある。他の出版社では「君は漫画を読んだことあるのかな?マンガの基準は少年ジャンプだから読みなさい」と言われ、初めてジャンプを読んだ。漫画家のアシスタントは主に背景ばかり描いているので漫画を描くのとは違うものだとデビュー前の苦労を語った。
商業誌デビュー後の作品を読んだ数名の編集者から声掛けられたが、新潮社を選んだのはブランドイメージが良かったからだ。新作の打ち合わせをしていて『埼玉の女子高生ってどう思いますか?』の構想を語るポポ先生の熱意に中てられ、連載が決まった。
上尾に住んでいるのに『埼玉の女子高生ってどう思いますか?』の舞台が行田なのは、小学生の時さきたま古墳の見学へ行った時の行田市の印象が強かったからで、大宮や浦和にしなかったのは施設が揃い過ぎていて面白くないからだ。
季節に応じた話を描いているが、連載開始時は4月でコミックス3巻になってもまだ6月の話を描いている。内容は濃くないのに『スラムダンク』並みの展開の遅さだ。(笑)
編集者は東京出身なのでローカル過ぎるネタを注意してもらえるのが助かる。普通に”十万石饅頭”を登場させたら「何ですか?」と言われ説明を加筆必要があると気付かされた。
山村教授からもっと埼玉ローカルに特化したらどうですかと問われた時は、埼玉県民733万人全員がコミックスを買ってくれれば『ワンピース』を超えるので十分商売になりますが…と笑って答えていた。
主人公の女子高生トリオ白鳥小鳩、姫宮アグリ、東上みなとの3人は読者層である男性が思っている女子高生的なキャラでリアリティを求めていない。リアルな話にしたらもっとえげつなくなるだろう。白鳥と姫宮は変なことを言うキャラ、東上は普通のキャラとして設定し連載を始めた。
ネーム作りは完璧を狙うので時間が掛かり過ぎていることを自覚している。「池袋」の回では20ページの作品に60ページも描いて推敲を重ねてしまった。時間があれば作画は好きだが、ネームに手間取りいつも時間に追われ時計を見ながら作画している。
作品を描く前に必ず取材をしており、ロケハンすると予想とは違う結果になることもある。キャラクターにベレー帽を被せたら似合わないというネームを切って、実際被せたら似合っていたので台詞を変えたこともある。ラーメンの話の時は佐藤さんと一緒に食べに行き、取材の許可を取って写真撮影させてもらった。
行田のゼリーフライ取り上げていないのは知識不足でどの店が一番美味しいか分からないからで、うかつに取り上げられない難しい題材だ。お薦めの店等の情報があったら教えて欲しい、と語っていた。
山村教授から、他の作品で「ねるねるねるねを湧き水で作ると美味しい」とありましたがあれも取材したのですかと問われたら、勿論です。やってみたら予想外の結果になることもありますからと答えていた。
ポポ先生は、埼玉ネタを抜いても、3人のキャラクターが登場するだけで面白いと言われるような作品にしたいと抱負を語っていた。埼玉県へのアドバイスとして自らハードルを下げる様な魅力の伝え方をして「埼玉の割にいいじゃん」と言ってもらえることを狙うべきと語った。
改めて埼玉県民は自虐ネタが好きだなあと思う、笑いの絶えないトークショウだった。
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