1972年に発売されたLINN SONDEK LP12は各パーツを組み合わせてユーザーの好みに合ったアップグレードが行えるアナログプレーヤーとして46年間販売されている。
SELEKT DSMはこの考えを最新のデジタルオーディオ機器に持ち込んだBTO的なAV製品と言え、本田氏も注目している。
参考:機能を選べる「LINN Selekt」で再考する、AVシステムの新しいカタチ
https://av.watch.impress.co.jp/docs/series/avt/1170722.html
この様にモジュール別にアップグレード出来るAV機器が増えてくれればHDMIのバージョンアップやサラウンド規格の追加ごとに製品の買い換えをせずに済むのにと思う。もっともLINNのアップグレード料金は基盤といったハードウェア交換になるので、かなり高額だ。ユーザーでないので計算したことは無いが旧製品を下取りに出して最新モデルを購入するのと比べどの程度お得なのだろうか?
19/03/10(日)に隣のまとなさんからコメントを頂いた。「ありがとうございます。」
OPPOやリンの様に積極的にソフトのアップデートやハードのアップグレードを行う日本メーカーが少ないのは寂しい限り。素人なので的外れな点もあるかと思うが、何故なのか理由を考えてみた。
1)日本にはAV機器メーカーが多く価格競争になりがちでコストアップの原因となるアップグレード可能な構造に作れない。
2)利益率が低く将来のアップグレードモジュール開発費用を捻出できない。
3)コストぎりぎりのハード構成にしているためファームウェアのアップデートによる機能追加が出来ない。
4)仕様を定めるメーカーや団体が多く規格のロードマップを描き難く将来のアップグレード計画が立て難い。
5)ネジ1本からの音質画質チューニングを行っているのでモジュール化による音質画質の低下を嫌っている。
6)ハードウェア技術者重視でソフトウェア技術者を育てるのを怠ってきた。
7)追加モジュールが増えると製品組み合わせが増え、ファームウェア開発とテストコストが増加して利益が出なくなる。
8)製品売り切りのビジネスモデルで商売してきており会社組織がアップデートビジネスに対応出来ない。
9)AV機器マーケットは縮小しており経営も厳しく新しいビジネスモデル挑戦する企業体力が無い。
思い返すと、AV製品はパソコンとは異なりパーツの標準化はされていないし、CPUとOSといった基幹部分を寡占するメーカーがないので本当に各メーカーの足並みが揃わず色々な規格が乱立して消えて行ったものだと思う。
LINN SELEKT DSMのコンセプトには賛同するが、規格が枯れているアナログプレーヤーの成功体験がデジタルオーディオに通用するかと言えば難しいのではないかと心配する。
特に今後HDMIの伝送信号高速化に伴うノイズ対策はモジュール化でも対処出来るのか気になる点だ。SELEKT DSMの真価が問われるのはHDMI端子モジュールが発売されドルビーアトモス等に対応した時だろう。その時には購入を検討するかもしれない。
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