11:00〜12:00 −第1部−「月がきれい」魅力と込められた思い
出演はMC、株式会社フライングドッグ 南健プロデューサー、北海道大学観光学高等研究センター 山村高淑教授の3名。11時半から参加した。
【南健プロデューサーの話】
・「月がきれい」はリアルな中学生の恋愛を描きたくて企画したオリジナルアニメ作品だ。
・リアルな恋愛アニメとして「僕等がいた(2006年7月放送)」「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(2011年4月放送)」「一週間フレンズ。(2014年4月放送)」「たまこラブストーリー(2014年4月公開)」の系譜に連なる作品だ。
・好きな作品ではあるが「霊感が無いから幽霊は見えない」「一週間で記憶がリセットされる奇病はない」「言葉を喋る鳥はいない」とツッコミを入れたくなってしまう。現実的に起こりうる日常を描きたいのでアニメ的な設定要素は排除した。
・ヒロインが川越から千葉市川に引っ越すことになったが、私が若い頃の武蔵野線の印象が寂しかったので市川を選んだ。高校生にとって片道1時間半電車賃1,000円は大変だと思える遠距離感が欲しかった。
・アニメ制作に長く関わって作品中にマスコットキャラクターがいると何かと便利と分かっているので水野茜に芋のマスコットを持たせた。川越には別の芋キャラクターがいることが分かったがマイナーなので新たに芋キャラを作ってしまった。
・家族がヒロインの性格を語るのはダサい演出なので、緊張すると芋マスコットで心を落ち着かせると言った心理状態を映像で見せることが出来て成功だった。
・エンディングは岸誠二監督が依頼したスタッフが制作した。試写を見てこう仕上がったのかと感心したが、景色は四季が移り変わっているのに2人の服装が1年中同じということに違和感があり修正するよう注文を付けた。
・エンディングテーマ「月がきれい」と合う素晴らしいEDアニメに仕上がったが、こちらをオープニングにする訳にいかないしなあ、と監督と話した記憶がある。
・90年代前後のカバー曲を6曲使ったのは、リアルさにこだわり地味な展開になるのでヒット曲で場面を盛り上げる意図があった。オリジナル曲では視聴者に浸透するまで時間が掛かるのでカバーを採用したが、アレンジや歌手は統一して作品に馴染むよう工夫した。
・選曲基準はシングルで100万枚売れたヒット曲とし、楽曲は監督に一任したが「初恋」は私(南プロデューサー)が推薦した。
・安曇小太郎と水野茜が2人きりの時に余り会話をせず、帰宅してからLINEで語り合うのは異性を意識し始めた年齢の自然な付き合い方だろうと思って演出した。
・LINEスタンプのデザインはスタッフがそれらしくデザインしたが、寅さん似の男性キャラは松竹に怒られるかもと思いつつ余り似ていないのでOKを出した。後日企業から商品化の許可願いが来たが、さすがに問題になるだろうと止めている。
【山村高淑教授の話】
・1週間前に『アニ玉祭』のスタッフから恋愛アニメの系譜を語って下さいと言われ吐きそうになりながらずっと恋愛アニメばかり観てこのスライドを作成した。
・新海誠監督は恋愛アニメを作り続けているが、初期のSFアニメにモノクロ液晶表示のPHSが出てきて制作年代を感じさせるのが面白い。
・「うる星やつら」もラムちゃんの一途さを評価して純愛アニメと認定した。愛情表現は電撃だ。例え相手の迷惑になったとしても。
・意外と中学生が主人公の恋愛アニメは少ない。中学生が主人公だと(シンジとかアムロみたいに)戦いに巻き込まれるアニメが多かった。
・主人公は高校生だが精神年齢は中学生なので「中二病でも恋がしたい!」は中学生作品とした。
ソニックシティホールからソニックシティビル4階の市民ホール401・402へ雨に濡れず移動する経路が分からず時間を浪費したのが勿体無い位、色々と面白い話聞けて楽しい時間だった。
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