ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のドイツ・グラモフォン録音100周年記念ボックスということで演奏、録音技術ともハズレはないと確信していたが2カ月掛けて50枚聴き終えた評価は、期待通り聴き応えのある内容で満足だ。
100年間の録音が網羅されていることを忘れて順番通り「CD 1: ベートーヴェン:交響曲第5番(ニキシュ)」を大きな音で聴き始めたものだからその音質に驚かされた。1913年録音だから昔の白黒映画で聴くSP盤の音そのもので慌ててボリュームを下げた。(冷汗)
ハイファイにはほど遠い音質だが、録音された音楽を聴けたのは当時の金持ちだけだったのだから、101年後の今、一般市民の私がこうして気軽に聴けることが感慨深い。
こうして「CD 13:ヒンデミット:画家マチス(ヒンデミット)[1955年録音]」までモノラル録音が続くが、
CD 2: ベートーヴェン:交響曲第5番(フルトヴェングラー)[1928年録音]
CD 4: チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」/スメタナ:モルダウ(カラヤン) [1939年録音]
CD 10:スメタナ:モルダウ/ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」(フリッチャイ)[1953年録音]
CD 11:ベルリオーズ:幻想交響曲/ムソルグスキー:展覧会の絵(マルケヴィチ)[1953年録音]
といった演奏は魅力的だ。改めてフルトヴェングラーを聴くと情感豊かな演奏で人気の理由が分かった様な気がした。
「CD 14:ベートーヴェン:交響曲第9番(フリッチャイ)[1958年録音]」からやっとステレオになり、音場の広がりと豊かな響きを楽しめるようになる。
CD 25:ワーグナー:「神々のたそがれ」ハイライト(カラヤン)[1970年録音]
CD 26:「ペール・ギュント」組曲第1&第2/ホルベルク組曲/十字軍の王シーグル(カラヤン)[1971年録音]
CD 28:ストラヴィンスキー:火の鳥/詩編交響曲(カラヤン)[1972年録音]
CD 33:ビゼー:「カルメン」ハイライト(カラヤン)[1980年]
と70年代はカラヤン全盛時代だ。
締めを飾るのが「CD 50:R.シュトラウス:ツァラトゥストラはかく語りき(ドゥダメル)[2012年録音]」というのはオーディオファイルを狙った選曲だろうか。(笑)
作曲家ではベートーヴェンとマーラー、そしてカラヤン指揮が多いのはベルリン・フィルなので当然のこと。ボックスの重さがそのままオーディオの歴史とも言えて、録音された年の出来事を調べつつ聴くのもまた一興な音楽のタイムカプセルだ。
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