元は大手自動車部品メーカーの下請けで売上10億円の8割を1社に頼っていたところ、リーマンショック後その会社が中国進出を決めて1年後に取引を停止すると宣告された。社員との対策会議の結果自社製品開発に取り組み、その初めての製品がEgrettaだ。2年の開発期間を経てスピーカーに命名した日、窓の外にシラサギがいることに総務課の女性が気付いたと言うエピソードが語られた。
メイド・イン・ジャパンにこだわり職人が組み上げるスピーカーは売上の2割を占める。現在開発技術課では次世代スピーカーとしてフィルムスピーカーを開発している。0.01ミリのフィルムを蛇腹状に折り畳む技術がオリジナルだと言う。このスピーカーにより大幅な小型化と20kHz以上の高音域の再生が可能になる。
広島市ひろしま医工連系・先進医療イノベーション拠点ではこのスピーカーを車に搭載してハイレゾ音源による脳活性化を図り居眠り運転防止や前方注意力の向上に活かせないか研究している。
冒頭20分間がオオアサ電子の取材で、新宿西口ヨドバシカメラのオーディオ売り場も取材されていた。エグレッタはハイエンドショウで見た記憶はあるが音像派の私は興味が無く試聴しなかった。
番組では無指向性スピーカーの特徴と強みが説明されて、会社近くの森で生録した野鳥の鳴き声が再生され「まるでその場にいるよう」と評されていた。確かに自然環境音は最適な音源だろう。ただ現行のオーディオソフトが前方指向性のあるスピーカーで聴くことを前提にマスタリングされていることを考えるとソフトを選びそうな気がする。
20数年前からオーディオ関連の下請けを行っていたのでオーディオ製品開発を選んだと言う話だが、何も会社経営の危機にマーケットが縮小している業界に進出しなくてもと思った。ところが社長が「ブランドは無くても良い製品ということで認めてもらえた」と話しているのを聞いて、趣味嗜好性の強い業界を選んだ先見性に感心した。
現在フィルムスピーカーを開発中とのことだが、基本的な考え方はELACのJETトゥイーターと同じ様だ。番組ではスピーカーを小型化出来ると言っていたので、思わず「トゥイーターはもとから小さい」とツッコミを入れたくなった。(笑)
また「ハイレゾを再生出来る」というアナウンスには違和感を覚えた。「ハイレゾ音源に収録されている超高音域を再生出来る」をグラフで見せてくれたものの言葉にするとこんな説明になるのだろうか。(苦笑)
丁度HiVi3月号P10に麻倉怜士先生が寄稿している『4K時代における「HiViの目標」』の中でハイレゾ音源の効果に関して言及されている。ハイパーソニック(ハイレゾ)再生時に基幹脳の活性が上がるそうなので今後カーオーディオにスーパートゥイーター搭載ブームが来るかもしれない。
それにしてもリーマンショックは本当に世界経済を混乱させたのだと実感させられるエピソードだった。そして今は米国量的緩和終了が「フラジャイル(fragile)5」と呼ばれている新興国通貨を下落させているのだから本当に人騒がせな話だ。(汗)
【関連リンク】
『下請け脱出スペシャル! 未来は自分の力で切り拓け!』
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/20140220.html
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