2016年02月05日
白ハトを黒く塗ったカラス?
先日から、国会で安倍総理が「憲法9条」の改正に言及しています。
その根拠は、
「憲法学者の7割が自衛隊を違憲だと言っているのだから、その状況をなくすべき」
なんだそうですが、
ならば、
学者の9割以上が 「違憲」 と判断した安保法制も、
もちろんなくすべきですよね?
自民党の 稲田朋美 政調会長は、
「9条は1項で戦争放棄、2項で戦力不保持を定めている。 にもかかわらず
自衛隊が存在しており、現実に合わなくなっている9条2項をこのままにして
おくことこそが立憲主義の空洞化だ」 と指摘しました。
しかし、安保法制に対して、多くの憲法学者が違憲としたにもかかわらず、
強行に成立させたのは自分達ですから、それこそ立憲主義を無視した行為
だといえます。
自衛隊が憲法違反だという認識を持ちながら、その自衛隊に集団的自衛権を
認めれば、更に違反することがなぜ分からないのでしょう。(
都合のいいときだけ憲法学者の意見を利用し、都合が悪いときには無視をする。
これを ご都合主義 と言わずして何と言うのでしょう?
自衛隊の前身は 「警察予備隊」 だというのをご存知でしょうか?
ポツダム宣言受諾後、日本は連合国の統治下にありましたが、1950年に朝鮮戦争
が勃発し、駐留していたアメリカ軍が戦場へ送り出されたことによって、日本の防衛
が手薄な状態になりました。
その隙をついてソ連の侵攻が危惧されたため、自衛の手段として、第2警察である
警察予備隊が作られました。 つまり、今でこそ自衛隊と呼ばれていますが、そもそも、
あらゆる犯罪(侵略など)から身を守る警察権の延長であり、法的には軍隊ではなく
警察に準ずる存在だということです。
わかり易くいえば、日本の海上を行き来する白塗りの武装した船は、海の警察である
COAST GUARD といい、同じ武装した船でも、グレーに塗られたものは海の軍隊である
NAVY といいます。
海上保安庁HPより海上自衛隊HPより
これはどこの国でも共通の決まりごとになっています。
しかし、海上自衛隊は自己防衛が目的の警察にあたるため、NAVYを名乗れない。
だから Japan Maritime Self Difence Force (海上自衛隊)という名称になっているのです。
例え船体がグレーに塗られていていも、
白ハトが羽に黒ペンキを塗って 「私カラスよ!」 と言うようなもので、
所詮 中身はハト なんです。
この海上自衛隊が警察権を行使するために日本近海で活動をするなら問題ありませんが、
他国で武力行使しようものなら、武装した民間人と見なされ海賊扱いになりますので、
武力行使 (後方支援を含む) を目的とした自衛隊の海外派遣は、明らかな憲法違反です。
自衛隊は、日本が外国から攻撃、あるいは侵略を受けた際、それを阻止するため必要最小限の
実力を保持する組織で、戦力には該当しないというのが歴代内閣の見解です。
自衛隊を違憲とする意見(シャレじゃないですよ)があるのは確かですが、長年の間、議論を
積み重ねてきた政府見解には、それなりの重みがあり、国民もそれに馴染んでいたはずです。
好戦的な同盟国であるアメリカが、過去にどれだけ戦争をしても、日本の存立が脅かされる
ようなことは一度もありませんでした。
オイルショックの時に、間違って 「トイレットペーパー買いだめ」 したぐらいしか
思いつきませんよね(笑)
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