2014年02月14日
フレイヤ
フレイヤ(Freja, Freyja)は、北欧神話における女神の1柱。ニョルズの娘であり、フレイの双子の妹[1]。ヴァナディースとも呼ばれる[2]。
カナ表記はフレイア、フレイアー、あるいはドイツ語風にフライア、フライヤとも。綴りは英語やドイツ語では(専門家以外は)Freyaが多い。他にFreiaなど。
美、愛、豊饒、戦い、そして魔法や死を守護する北欧神話の太母。美しい女性の姿をしており女性の美徳と悪徳を全て内包した女神で、非常に美しく、自由奔放な性格で、欲望のまま行動し、性的には奔放であった。
またフレイヤは月の女神でもある。(『月の魔法』著者:ロリー・リード より)
目次 [非表示]
1 概要
2 関係者
3 財産
4 動物
5 主なエピソード 5.1 愛を司る女神
5.2 豊穣の女神
5.3 死者を迎える女神
5.4 黄金を生み出す女神
5.5 その他
6 人間との関わり
7 脚注
8 参考文献
概要[編集]
フレイヤはヴァン神族の出身であり、ヴァン神族とアース神族の抗争が終了し和解するにあたり、人質として父、兄とともにアースガルズに移り住んだとされている[1]。
関係者[編集]
兄は豊穣神フレイ。父は海神ニョルズ。母はニョルズの妹[3]。夫はオーズ[4][5](おそらくアース神族)。娘はフノス[6][5]、ゲルセミ[5]。愛人にオッタル[7](人間)。
財産[編集]
ニルス・ブロメールによって描かれた、猫が牽く車に乗るフレイヤ。彼女の館はフォールクヴァングといい、その広間セスルームニルは広くて美しいといわれており、そこで戦死者を選び取るとされている[8][9]。
ブリーシンガルの首飾り[10]もしくはブリージンガメン[2]という、神をも魅了する黄金製(もしくは琥珀製)の首飾りを所持している。
動物[編集]
豊饒の女神でもあるフレイヤは動物との関わりも多い。多産な豚は彼女の聖獣である。
移動手段として、2匹の猫が牽く車を持っている[9][11]。ヒルディスヴィーニというイノシシも持っていてこれに乗って移動することもある。愛人のオッタルが変身した姿ともいわれている[12]。
フレイヤ自身も動物に変身することがある。フレイヤは夜になると牝山羊に変身して牡山羊と遊ぶという。他に着ると鷹に変身できる鷹の羽衣をもっており、この羽衣は何度かロキに貸している。
主なエピソード[編集]
愛を司る女神[編集]
フレイヤが小人の洞窟で首飾りを見つける場面。
17世紀の写本『AM 738 4to』に描かれたフレイヤ。
性に関してだらしない点があり、首飾りを手に入れる際も、製作した4人の小人たちに求められるまま、4夜をともに過ごしたとされる[13]。人間や神々の中にも多くの愛人がいたという。特にお気に入りだったのが人間の男性オッタルで、彼を猪に変身させてそれに乗って移動することもあったという。そのためか、夫オーズに離縁されている。
フレイとも関係を持った事があるが、ヴァン神族において近親婚は日常的に行われる。『古エッダ』の『ロキの口論』においても、ロキから、フレイヤが兄と一緒にいるときに神々が乱入したことを指摘されている[14]。
人間が恋愛問題で祈願すれば喜んで耳を傾けるともいわれている[9]。
名前の類似からフリッグ(別名フリーン)と混同されやすい。また、愛の女神という点でウェヌスと同一視される。
豊穣の女神[編集]
兄のフレイと共に豊穣神としてアース神族の最重要神とされる。
霜の巨人からしばしば身柄を狙われている。たとえば、破壊されたアースガルズの城壁の建設を請け負った石工は、正体が山の巨人であったが、報酬として望んだのはフレイヤと太陽と月であった[15][16]。また、巨人スリュムがアース神のトールの持つ最強の武器を盗み、返却の条件として出したのは自身とフレイヤとの結婚であった[17]。巨人フルングニルがヴァルハラ宮内で酒に酔った時は、フレイヤとシヴだけを自分の国へ連れて行き後は皆殺しにするなどと豪語した[18]。
死者を迎える女神[編集]
『古エッダ』や『ギュルヴィたぶらかし』では、戦場で死んだ勇敢な戦士を彼女が選び取り、オーディンと分け合うという記述がある。なぜ彼女が主神と対等に戦死者を分け合うとされているのか、理由ははっきりしていない。戦死者をオーディンの元へ運ぶのはワルキューレの役割であるため、フレイヤが彼女たちのリーダーだからと考える研究者もいる。あるいはフレイヤとオーディンの妻フリッグ(別名フリーン)は同じ女神の別の時期の名前であって2人は同一人物だった可能性もあるという。フレイヤがオーディンの妻ならば死者を夫と分け合うのは不自然なことではない。(詳しくはオーズを参照。)さらに、キリスト教への改宗が進んだ時期にはフレイヤがフリッグの地位を占めるようになっていたとも考えられる。その一例として、アイスランドの首領のヒャルティ・スケッギャソンが999年のアルシングの会場で旧来の神々を冒涜した際に謡った詩は、「2匹の犬つまり淫婦のフレイヤとオーディンを一緒にしろ」という趣旨の、2人の関係をほのめかす内容であった[19]。
女性が死んだ際にフレイヤの元へ迎えられるという伝承もあり、サガにおいて、自殺すると決めた女性が、フレイヤの元で食事するまでは断食を続けると語る場面がある[20]。
黄金を生み出す女神[編集]
『巫女の予言』に登場する女性グルヴェイグの正体は彼女だと考えられている。「グルヴェイグ(Gullveig)」という名は「黄金の力」を意味し[21]、黄金の擬人化、または黄金の力が女性の姿をとった存在だとされている[22]。
フレイヤが行方不明になった夫を捜して世界中を旅する間に流した赤い涙は、地中に染み入って黄金になったとされている[6]。そのため黄金は、フレイヤの名乗った別名から「マルデルの涙」と呼ばれることもある[23]。
その他[編集]
グルヴェイグに関連したエピソードとして、グルヴェイグは「セイズ(英語版)」という魔法を使って人々をたぶらかした[15]が、フレイヤもセイズを使うことができ、オーディンに教えたとされている[24]。セイズの本質は人の魂を操る事にあり、霊を呼び寄せて予言を受けたり、己の肉体から魂を分離して遠くで起きた事を知る事ができたという。セイズの使い手は女性とされ、男性が使う事は不快がられた。オーディンがセイズを使う事に対してロキは女々しいやり方と罵倒している。
行方不明のオーズを探す間にフレイヤは様々な異名を名乗った。たとえばMardöll(マルドル、マルデル)、Hörn(ホルン、ホーン)、Gefn(ゲヴン、ゲフン)、Sýr(スュール、シル)が知られている[2]。
女神ゲフィオン(Gefjun)にはフレイヤとの共通点がみられる。フレイヤの別名の中には「ゲヴン」(Gefn)という、「ゲフィオン」に似た名前がある。またフレイヤが女性の死者を迎えるように、ゲフィオンも処女で死んだ女性を迎えている。山室静は2人を同一神格と考えるには材料が不十分としている[25]が、H.R.エリス・ディヴィッドソン(英語版)は「ゲフン」とゲフィオンが関連していると考えている[26]。
出典のはっきりしないエピソードであるが、ラグナロクが到来する前にフレイヤは「どこかへ行ってしまう」ともいわれている。
人間との関わり[編集]
スウェーデンのストックホルム・ユールゴーデン、ユールゴーズブロン(英語版)にあるフレイヤの像。
J. Penroseによって描かれたフレイヤ。
ウィキメディア・コモンズには、フレイヤに関連するカテゴリがあります。
ドイツ語で「女性」を意味する「フラウ」(Frau)の語源といわれている。
高貴の婦人をフローヴァ(奥方)という尊称はフレイヤからきているという。
第二次世界大戦中にドイツ軍が使用した対空レーダー「フレイヤ」も彼女が由来である。
原子番号23の元素バナジウム(Vanadium)は、同じくこの女神の英名バナジス(ヴァナディース、Vanadis)にちなんで命名された。
1862年に発見された小惑星も彼女にちなんで(76)「フレイア(Freia)」と命名された。同様に、1884年に発見された小惑星には(240)「ヴァナディース(Vanadis)」と命名された。
金曜日(Friday)はフレイヤの日とされる。
脚注[編集]
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1.^ a b 『北欧の神話』122頁。
2.^ a b c 『エッダ 古代北欧歌謡集』252頁(『スノッリのエッダ』第一部『ギュルヴィたぶらかし』35章)。
3.^ 『ヘイムスクリングラ 北欧王朝史(一)』39頁(『ヘイムスクリングラ』の『ユングリング家のサガ』)。
4.^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』11頁(『古エッダ』の『巫女の予言』)。
5.^ a b c 『ヘイムスクリングラ 北欧王朝史(一)』52頁(『ユングリング家のサガ』)。
6.^ a b 『エッダ 古代北欧歌謡集』251頁(『ギュルヴィたぶらかし』35章)。
7.^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』212頁(『古エッダ』の『ヒュンドラの歌』)。
8.^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』53頁(『古エッダ』の『グリームニルの歌』第14節)。
9.^ a b c 『エッダ 古代北欧歌謡集』245頁(『ギュルヴィたぶらかし』24章)。
10.^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』90頁(『古エッダ』の『スリュムの歌』第13節)。
11.^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』272頁(『ギュルヴィたぶらかし』49章)。
12.^ 『北欧神話』(デイヴィッドソン)188頁。
13.^ 『北欧の神話』124頁。
14.^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』83-84頁。
15.^ a b 『エッダ 古代北欧歌謡集』11頁(『古エッダ』の『巫女の予言』)。
16.^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』258-259頁(『スノッリのエッダ』42章)。
17.^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』89-92頁(『スリュムの歌』)。
18.^ 『「詩語法」訳注』24-25頁(『スノッリのエッダ』第二部『詩語法』)。
19.^ 『北欧の神話』125-127頁。
20.^ 『北欧の神話』126頁。
21.^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』122頁。
22.^ 『巫女の予言 エッダ詩校訂本』168頁。
23.^ 『北欧の神話』127頁。
24.^ 『北欧の神話』55頁。
25.^ 『北欧の神話』171頁。
26.^ 『北欧神話』(デイヴィッドソン)186頁。
参考文献[編集]
H.R.エリス・デイヴィッドソン『北欧神話』米原まり子、一井知子訳、青土社、1992年、ISBN 978-4-7917-5191-4。
V.G.ネッケル他編『エッダ 古代北欧歌謡集』谷口幸男訳、新潮社、1973年、ISBN 978-4-10-313701-6。
シーグルズル・ノルダル『巫女の予言 エッダ詩校訂本』菅原邦城訳、東海大学出版会、1993年、ISBN 978-4-486-01225-2。
スノッリ・ストゥルルソン『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 -(一)』谷口幸男訳、プレスポート・北欧文化通信社、2008年、ISBN 978-4-938409-02-9
谷口幸男「スノリ『エッダ』「詩語法」訳注」『広島大学文学部紀要』第43巻No.特輯号3、1983年。
山室静『北欧の神話 神々と巨人のたたかい』筑摩書房〈世界の神話 8〉、1982年、ISBN 978-4-480-32908-0。
カナ表記はフレイア、フレイアー、あるいはドイツ語風にフライア、フライヤとも。綴りは英語やドイツ語では(専門家以外は)Freyaが多い。他にFreiaなど。
美、愛、豊饒、戦い、そして魔法や死を守護する北欧神話の太母。美しい女性の姿をしており女性の美徳と悪徳を全て内包した女神で、非常に美しく、自由奔放な性格で、欲望のまま行動し、性的には奔放であった。
またフレイヤは月の女神でもある。(『月の魔法』著者:ロリー・リード より)
目次 [非表示]
1 概要
2 関係者
3 財産
4 動物
5 主なエピソード 5.1 愛を司る女神
5.2 豊穣の女神
5.3 死者を迎える女神
5.4 黄金を生み出す女神
5.5 その他
6 人間との関わり
7 脚注
8 参考文献
概要[編集]
フレイヤはヴァン神族の出身であり、ヴァン神族とアース神族の抗争が終了し和解するにあたり、人質として父、兄とともにアースガルズに移り住んだとされている[1]。
関係者[編集]
兄は豊穣神フレイ。父は海神ニョルズ。母はニョルズの妹[3]。夫はオーズ[4][5](おそらくアース神族)。娘はフノス[6][5]、ゲルセミ[5]。愛人にオッタル[7](人間)。
財産[編集]
ニルス・ブロメールによって描かれた、猫が牽く車に乗るフレイヤ。彼女の館はフォールクヴァングといい、その広間セスルームニルは広くて美しいといわれており、そこで戦死者を選び取るとされている[8][9]。
ブリーシンガルの首飾り[10]もしくはブリージンガメン[2]という、神をも魅了する黄金製(もしくは琥珀製)の首飾りを所持している。
動物[編集]
豊饒の女神でもあるフレイヤは動物との関わりも多い。多産な豚は彼女の聖獣である。
移動手段として、2匹の猫が牽く車を持っている[9][11]。ヒルディスヴィーニというイノシシも持っていてこれに乗って移動することもある。愛人のオッタルが変身した姿ともいわれている[12]。
フレイヤ自身も動物に変身することがある。フレイヤは夜になると牝山羊に変身して牡山羊と遊ぶという。他に着ると鷹に変身できる鷹の羽衣をもっており、この羽衣は何度かロキに貸している。
主なエピソード[編集]
愛を司る女神[編集]
フレイヤが小人の洞窟で首飾りを見つける場面。
17世紀の写本『AM 738 4to』に描かれたフレイヤ。
性に関してだらしない点があり、首飾りを手に入れる際も、製作した4人の小人たちに求められるまま、4夜をともに過ごしたとされる[13]。人間や神々の中にも多くの愛人がいたという。特にお気に入りだったのが人間の男性オッタルで、彼を猪に変身させてそれに乗って移動することもあったという。そのためか、夫オーズに離縁されている。
フレイとも関係を持った事があるが、ヴァン神族において近親婚は日常的に行われる。『古エッダ』の『ロキの口論』においても、ロキから、フレイヤが兄と一緒にいるときに神々が乱入したことを指摘されている[14]。
人間が恋愛問題で祈願すれば喜んで耳を傾けるともいわれている[9]。
名前の類似からフリッグ(別名フリーン)と混同されやすい。また、愛の女神という点でウェヌスと同一視される。
豊穣の女神[編集]
兄のフレイと共に豊穣神としてアース神族の最重要神とされる。
霜の巨人からしばしば身柄を狙われている。たとえば、破壊されたアースガルズの城壁の建設を請け負った石工は、正体が山の巨人であったが、報酬として望んだのはフレイヤと太陽と月であった[15][16]。また、巨人スリュムがアース神のトールの持つ最強の武器を盗み、返却の条件として出したのは自身とフレイヤとの結婚であった[17]。巨人フルングニルがヴァルハラ宮内で酒に酔った時は、フレイヤとシヴだけを自分の国へ連れて行き後は皆殺しにするなどと豪語した[18]。
死者を迎える女神[編集]
『古エッダ』や『ギュルヴィたぶらかし』では、戦場で死んだ勇敢な戦士を彼女が選び取り、オーディンと分け合うという記述がある。なぜ彼女が主神と対等に戦死者を分け合うとされているのか、理由ははっきりしていない。戦死者をオーディンの元へ運ぶのはワルキューレの役割であるため、フレイヤが彼女たちのリーダーだからと考える研究者もいる。あるいはフレイヤとオーディンの妻フリッグ(別名フリーン)は同じ女神の別の時期の名前であって2人は同一人物だった可能性もあるという。フレイヤがオーディンの妻ならば死者を夫と分け合うのは不自然なことではない。(詳しくはオーズを参照。)さらに、キリスト教への改宗が進んだ時期にはフレイヤがフリッグの地位を占めるようになっていたとも考えられる。その一例として、アイスランドの首領のヒャルティ・スケッギャソンが999年のアルシングの会場で旧来の神々を冒涜した際に謡った詩は、「2匹の犬つまり淫婦のフレイヤとオーディンを一緒にしろ」という趣旨の、2人の関係をほのめかす内容であった[19]。
女性が死んだ際にフレイヤの元へ迎えられるという伝承もあり、サガにおいて、自殺すると決めた女性が、フレイヤの元で食事するまでは断食を続けると語る場面がある[20]。
黄金を生み出す女神[編集]
『巫女の予言』に登場する女性グルヴェイグの正体は彼女だと考えられている。「グルヴェイグ(Gullveig)」という名は「黄金の力」を意味し[21]、黄金の擬人化、または黄金の力が女性の姿をとった存在だとされている[22]。
フレイヤが行方不明になった夫を捜して世界中を旅する間に流した赤い涙は、地中に染み入って黄金になったとされている[6]。そのため黄金は、フレイヤの名乗った別名から「マルデルの涙」と呼ばれることもある[23]。
その他[編集]
グルヴェイグに関連したエピソードとして、グルヴェイグは「セイズ(英語版)」という魔法を使って人々をたぶらかした[15]が、フレイヤもセイズを使うことができ、オーディンに教えたとされている[24]。セイズの本質は人の魂を操る事にあり、霊を呼び寄せて予言を受けたり、己の肉体から魂を分離して遠くで起きた事を知る事ができたという。セイズの使い手は女性とされ、男性が使う事は不快がられた。オーディンがセイズを使う事に対してロキは女々しいやり方と罵倒している。
行方不明のオーズを探す間にフレイヤは様々な異名を名乗った。たとえばMardöll(マルドル、マルデル)、Hörn(ホルン、ホーン)、Gefn(ゲヴン、ゲフン)、Sýr(スュール、シル)が知られている[2]。
女神ゲフィオン(Gefjun)にはフレイヤとの共通点がみられる。フレイヤの別名の中には「ゲヴン」(Gefn)という、「ゲフィオン」に似た名前がある。またフレイヤが女性の死者を迎えるように、ゲフィオンも処女で死んだ女性を迎えている。山室静は2人を同一神格と考えるには材料が不十分としている[25]が、H.R.エリス・ディヴィッドソン(英語版)は「ゲフン」とゲフィオンが関連していると考えている[26]。
出典のはっきりしないエピソードであるが、ラグナロクが到来する前にフレイヤは「どこかへ行ってしまう」ともいわれている。
人間との関わり[編集]
スウェーデンのストックホルム・ユールゴーデン、ユールゴーズブロン(英語版)にあるフレイヤの像。
J. Penroseによって描かれたフレイヤ。
ウィキメディア・コモンズには、フレイヤに関連するカテゴリがあります。
ドイツ語で「女性」を意味する「フラウ」(Frau)の語源といわれている。
高貴の婦人をフローヴァ(奥方)という尊称はフレイヤからきているという。
第二次世界大戦中にドイツ軍が使用した対空レーダー「フレイヤ」も彼女が由来である。
原子番号23の元素バナジウム(Vanadium)は、同じくこの女神の英名バナジス(ヴァナディース、Vanadis)にちなんで命名された。
1862年に発見された小惑星も彼女にちなんで(76)「フレイア(Freia)」と命名された。同様に、1884年に発見された小惑星には(240)「ヴァナディース(Vanadis)」と命名された。
金曜日(Friday)はフレイヤの日とされる。
脚注[編集]
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1.^ a b 『北欧の神話』122頁。
2.^ a b c 『エッダ 古代北欧歌謡集』252頁(『スノッリのエッダ』第一部『ギュルヴィたぶらかし』35章)。
3.^ 『ヘイムスクリングラ 北欧王朝史(一)』39頁(『ヘイムスクリングラ』の『ユングリング家のサガ』)。
4.^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』11頁(『古エッダ』の『巫女の予言』)。
5.^ a b c 『ヘイムスクリングラ 北欧王朝史(一)』52頁(『ユングリング家のサガ』)。
6.^ a b 『エッダ 古代北欧歌謡集』251頁(『ギュルヴィたぶらかし』35章)。
7.^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』212頁(『古エッダ』の『ヒュンドラの歌』)。
8.^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』53頁(『古エッダ』の『グリームニルの歌』第14節)。
9.^ a b c 『エッダ 古代北欧歌謡集』245頁(『ギュルヴィたぶらかし』24章)。
10.^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』90頁(『古エッダ』の『スリュムの歌』第13節)。
11.^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』272頁(『ギュルヴィたぶらかし』49章)。
12.^ 『北欧神話』(デイヴィッドソン)188頁。
13.^ 『北欧の神話』124頁。
14.^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』83-84頁。
15.^ a b 『エッダ 古代北欧歌謡集』11頁(『古エッダ』の『巫女の予言』)。
16.^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』258-259頁(『スノッリのエッダ』42章)。
17.^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』89-92頁(『スリュムの歌』)。
18.^ 『「詩語法」訳注』24-25頁(『スノッリのエッダ』第二部『詩語法』)。
19.^ 『北欧の神話』125-127頁。
20.^ 『北欧の神話』126頁。
21.^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』122頁。
22.^ 『巫女の予言 エッダ詩校訂本』168頁。
23.^ 『北欧の神話』127頁。
24.^ 『北欧の神話』55頁。
25.^ 『北欧の神話』171頁。
26.^ 『北欧神話』(デイヴィッドソン)186頁。
参考文献[編集]
H.R.エリス・デイヴィッドソン『北欧神話』米原まり子、一井知子訳、青土社、1992年、ISBN 978-4-7917-5191-4。
V.G.ネッケル他編『エッダ 古代北欧歌謡集』谷口幸男訳、新潮社、1973年、ISBN 978-4-10-313701-6。
シーグルズル・ノルダル『巫女の予言 エッダ詩校訂本』菅原邦城訳、東海大学出版会、1993年、ISBN 978-4-486-01225-2。
スノッリ・ストゥルルソン『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 -(一)』谷口幸男訳、プレスポート・北欧文化通信社、2008年、ISBN 978-4-938409-02-9
谷口幸男「スノリ『エッダ』「詩語法」訳注」『広島大学文学部紀要』第43巻No.特輯号3、1983年。
山室静『北欧の神話 神々と巨人のたたかい』筑摩書房〈世界の神話 8〉、1982年、ISBN 978-4-480-32908-0。
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