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2014年02月13日

ルテチウム

ルテチウム (英: lutetium, lutecium) は原子番号71の元素。元素記号は Lu。希土類元素の一つ(ランタノイドにも属す)。ランタノイドの元素としては最も重い。4f軌道は全て占有されている。銀白色の金属で、常温、常圧で安定な結晶構造は六方最密充填構造 (HCP)。比重は9.84、融点は1652 °C、沸点は3327 °C(融点、沸点とも異なる実験値あり)。

水にゆっくりと反応して溶け、酸に易溶。常温で空気中に置かれると表面が曇る。高温で酸化物 Lu2O3 となる。ハロゲンと簡単に反応する。化学的性質はイットリウムに似る。原子価は、+3価が唯一安定である。



目次 [非表示]
1 用途
2 歴史
3 同位体
4 出典


用途[編集]

ルテチウムの地殻内の天然存在比は金や銀と比べるとずっと多いが、プロメチウムを除くランタノイド中では最も少ない。酸化ルテチウムを添加することにより、これまでのセラミックスの耐熱性を高める研究や、ベータ線を利用した放射線治療への応用などの研究もなされているが、現在のところ実用段階にはいたっていない。

歴史[編集]

カール・ヴェルスバッハが1905年にスペクトル分析で Yb2O3 内に新元素を発見。2年後に単体分離。また、ジョルジュ・ユルバンが同年に単体分離。パリの古名ルテティア (lutetia) にちなんでユルバンが命名した。但し、ヴェルスバッハはカシオペイウム (casiopeium) と名付けている。

同位体[編集]

詳細は「ルテチウムの同位体」を参照

ルテチウムは天然に2つの同位体が存在する(ルテチウム175、ルテチウム176)。ルテチウム176は半減期378億年の放射性同位元素である。学術的にはルテチウム176がハフニウム176へ放射崩壊する半減期が378億年と非常に長いため、古代の地層岩石や宇宙鉱物など、数億〜数十億年単位の古い年代測定を必要とする分野で利用され始めている。

出典[編集]

1.^ Magnetic susceptibility of the elements and inorganic compounds, in Handbook of Chemistry and Physics. CRC press. (2000). ISBN 0849304814.
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