2014年02月11日
レバント
レバント (Levant) とは東部地中海沿岸地方の歴史的な名称。厳密な定義はないが、広義にはギリシャ、トルコ、シリア、キプロス、レバノン、イスラエル、エジプトを含む地域[1]。現代ではやや狭く、シリア、レバノン、ヨルダン、イスラエル(およびパレスチナ自治区)を含む地域を指すことが多い。歴史学では、先史時代・古代・中世にかけてのこれらの地域を指す。
レヴァントは英語の発音だが、もとはフランス語のルヴァン (Levant) で、「(太陽が)上る」を意味する動詞「lever」の現在分詞「levant」の固有名詞化である。
肥沃な三日月地帯の西半分にあたるレバントは、最初の農耕が始まった場所とされる。シリアのテル・アブ・フレイラ遺跡(11050BP, 紀元前9050年頃)では最古級の農耕の跡(ライムギ)が発見されている。
かつて東部地中海沿岸のアナトリアからシリア、パレスチナ、エジプトにかけては多数の富裕な港があり、イタリアのヴェネツィア共和国、ジェノヴァ共和国、ピサ、アマルフィなど海洋都市国家は競ってこれらの港と貿易を行い、その利益をめぐり互いに戦争を行うほどだった。この貿易をレヴァント貿易(東方貿易)と呼び、その港のある東部地中海沿岸をレヴァントと呼んだ。イタリアの海洋都市国家がレヴァントとの貿易で輸入したのは、これら地中海沿岸で生産されたものもあったが(農産品や織物など)、それらよりも、遠くインドや東南アジア、中国、あるいはアフリカからなどから運ばれてきた絹、スパイス、胡椒、象牙など高価で希少な、ヨーロッパではぜいたく品とされた品々が主だった。
レパントの海戦が戦われたギリシャの都市名レパント (Lepanto) としばしば間違われるが、無関係である。また、レバノン (Lebanon) とも音が似ているが、これはアラム語起源の古い地名であり、偶然の一致である。
レバントにちなんだ言葉[編集]
レバント海
レバント赤 (Levant red)
シナヨモギ(英語版) (Levant wormseed) シナ花油 (Levant wormseed oil)
レバンター(英語版) - 地中海西部に吹く東風(語源が同じ)
レバントモロッコ (Levant morocco) - 羊・山羊などの皮
レバントストラックス (Levant storax) - ストラックス(植物性樹脂)の一種
レヴァントは英語の発音だが、もとはフランス語のルヴァン (Levant) で、「(太陽が)上る」を意味する動詞「lever」の現在分詞「levant」の固有名詞化である。
肥沃な三日月地帯の西半分にあたるレバントは、最初の農耕が始まった場所とされる。シリアのテル・アブ・フレイラ遺跡(11050BP, 紀元前9050年頃)では最古級の農耕の跡(ライムギ)が発見されている。
かつて東部地中海沿岸のアナトリアからシリア、パレスチナ、エジプトにかけては多数の富裕な港があり、イタリアのヴェネツィア共和国、ジェノヴァ共和国、ピサ、アマルフィなど海洋都市国家は競ってこれらの港と貿易を行い、その利益をめぐり互いに戦争を行うほどだった。この貿易をレヴァント貿易(東方貿易)と呼び、その港のある東部地中海沿岸をレヴァントと呼んだ。イタリアの海洋都市国家がレヴァントとの貿易で輸入したのは、これら地中海沿岸で生産されたものもあったが(農産品や織物など)、それらよりも、遠くインドや東南アジア、中国、あるいはアフリカからなどから運ばれてきた絹、スパイス、胡椒、象牙など高価で希少な、ヨーロッパではぜいたく品とされた品々が主だった。
レパントの海戦が戦われたギリシャの都市名レパント (Lepanto) としばしば間違われるが、無関係である。また、レバノン (Lebanon) とも音が似ているが、これはアラム語起源の古い地名であり、偶然の一致である。
レバントにちなんだ言葉[編集]
レバント海
レバント赤 (Levant red)
シナヨモギ(英語版) (Levant wormseed) シナ花油 (Levant wormseed oil)
レバンター(英語版) - 地中海西部に吹く東風(語源が同じ)
レバントモロッコ (Levant morocco) - 羊・山羊などの皮
レバントストラックス (Levant storax) - ストラックス(植物性樹脂)の一種
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