2017年10月13日
日曜京都〜第22回秋華賞(GT)
非常に楽しみなレースだが、今年はクロフネ産駒の芦毛アエロリットをはじめ、不安定な3歳牝馬とはいえ信頼に足りそうな馬が多く、秋華賞にしては平穏か・・・に思われたが、しかしここに来ての「雨」は、ただでさえ難しい秋華賞をさらに難しくする意味では大歓迎である。
安定感抜群のアエロリットは、ここまで7戦して掲示板を外したことがない。というか、GTのNHKマイルCと古馬撃破のGVクイーンCの2重賞を含め[3.3.0.1]の絶対的安定感を誇る。しかし唯一の「着外1」は、発表の稍重以上に馬場が重かった印象もある桜花賞の5着、イメージ的にはあまりよくない。
しかし個人の見解でいうなら、当時はまだまだ成長途上の段階だったことが桜花賞5着の理由だと思う。同世代の牝馬限定戦を3回も取りこぼしていた時期である。桜花賞も人気薄ながら小差5着だけに、その後の成長から、アエロリットの評価を下げることは絶対にできない(超小回り京都内回りの最内枠は気になるところだが)。
アエロリットは確固たる中心ととらえたい。しかしアエロリットを負かすことができる馬がいないかといえば、そんなこともなさそうな気がする。たとえば前回トライアルのローズSでアッと言わせたラビットラン(父タピット)はその筆頭だろうし、不器用そうな見た目のイメージとは異なり、コーナリングは素晴らしくうまいファンディーナ(父ディープインパクト)も、ポテンシャルでは負けていないはず。
アエロリットの素晴らしい安定感の根拠となるのが、器用な先行力、良い意味で軽快なスピードにある。おそらく本番は稍重〜重くらいにとどまると思うが、このトリッキーコースで前につけない手はない。おそらく圧倒的人気にある。アエロリットをマークするライバルのチェックも当然厳しくなる。
たとえばラビットランの和田騎手は、テイエムオペラオーでこれでもかというほど中央GTを勝ちまくったのに、その後GTでは不思議なくらい勝ち運に恵まれていないのは、和田騎手の(ほんとうは)マジメな性格が逆に災いしてきたことが原因である気がする。技量の問題ではなく、性格の問題、つまり勝負師としては素直すぎる性格が邪魔をしていた気がしないでもない。
アエロリットから離れた位置で競馬できるラビットランにとって、今回は大チャンスである。しかし和田騎手の生真面目な性格、そして圧倒的に前が有利なコース設定を考えると、前回のような気楽な立場で競馬できなくなるおそれもあると思う・・・中心は、大外枠に入ったカリビアンゴールド(父ステイゴールド)とベテラン田中勝春騎手のコンビにした。
ふつうで考えたら、勝率が半減以下になってしまうはずの京都内回り芝2000mの「大外枠」である。先に行く馬も多く、カリビアンゴールド自身も本来であれば先に行かなければならないが、内から各馬殺到のレースだから、先行争いに加わりたいと考えるのであれば、この枠では絶対的不利が生じる。
大ベテランとなった田中勝春騎手は、中央に転入してきた岩田騎手のお手馬ヴィクトリーを駆って、クラシック初制覇となる皐月賞を優勝し、「先生からは岩田君みたいに乗ってくれって言われましたー」とインタビューで答え、大観衆を笑わせたハートの持ち主。当時すでに中堅〜ベテランの域に達していたが、そういったいい意味での「ゆとり」が勝春ジョッキーの持ち味。
もちろんこれまではそのゆとりがずいぶん自身の足を引っ張ってきたのも事実だが、今回はそれがプラスを生みそうな気がする。「エネイブルとその他」くらいの力差が、もしかしたら今年「アエロリットとその他」と同等であるかもしれないが、だからこそ、ひとクセある人馬の大駆けに期待したい。
そしてもう1頭、アエロリットを負かす可能性があるという意味で注目したいのが、ディープインパクト産駒でもファンディーナではなく、今回おそらくペースを握るはずのカワキタエンカのほう。道悪が不得意な印象があるディープ産駒でも、牝系が重厚な一族で母の父クロフネのカワキタエンカはおそらく道悪も大丈夫なのではないか。
それより何より、人気で最内枠のアエロリットの横山典弘騎手がどう乗るか・・・これがまたこのレースを格段におもしろくしている。ふつうなら、内で包まれたくない立場だけにだれがどう考えても番手にはまると思いきや、このジョッキーの読みは深い。もしかしたら、「包まれるリスク<秋華賞特有の急流に飲まれるリスク」の不等式が大ベテランの脳裏に確信とともに刻まれているかもしれない。
横山騎手は、割と平気でリスクを冒す騎手である。そのひと筋縄でいかない騎乗理念がここまでの大ジョッキーへと押し上げた。安藤元騎手とともに、一番勝ちにこだわるジョッキーである。もし横山典弘・アエロリットが中団あたりを涼しい顔で進んでいたとすると・・・カワキタエンカの残り目は十分である。
当然強引にまくる岩田・ファンディーナの巻き返し、そして力つけたルメール・ディアドラ、安定感ある武豊・リスグラシュー、展開が味方する可能性もある田辺・ハローユニコーンは大穴で少し買いたい。
デムーロ・モズカッチャンも、ソウルスターリングがいないここではオークス最先着だが、人馬とも京都内回り向きとは思えないので今回は軽視する。みなさんにはぜひ買っていただきたい。
◎ カリビアンゴールド
○ アエロリット
▲ カワキタエンカ
△ ラビットラン、ファンディーナ、リスグラシュー、ハローユニコーン、ディアドラ
重注 レーヌミノル
安定感抜群のアエロリットは、ここまで7戦して掲示板を外したことがない。というか、GTのNHKマイルCと古馬撃破のGVクイーンCの2重賞を含め[3.3.0.1]の絶対的安定感を誇る。しかし唯一の「着外1」は、発表の稍重以上に馬場が重かった印象もある桜花賞の5着、イメージ的にはあまりよくない。
しかし個人の見解でいうなら、当時はまだまだ成長途上の段階だったことが桜花賞5着の理由だと思う。同世代の牝馬限定戦を3回も取りこぼしていた時期である。桜花賞も人気薄ながら小差5着だけに、その後の成長から、アエロリットの評価を下げることは絶対にできない(超小回り京都内回りの最内枠は気になるところだが)。
アエロリットは確固たる中心ととらえたい。しかしアエロリットを負かすことができる馬がいないかといえば、そんなこともなさそうな気がする。たとえば前回トライアルのローズSでアッと言わせたラビットラン(父タピット)はその筆頭だろうし、不器用そうな見た目のイメージとは異なり、コーナリングは素晴らしくうまいファンディーナ(父ディープインパクト)も、ポテンシャルでは負けていないはず。
アエロリットの素晴らしい安定感の根拠となるのが、器用な先行力、良い意味で軽快なスピードにある。おそらく本番は稍重〜重くらいにとどまると思うが、このトリッキーコースで前につけない手はない。おそらく圧倒的人気にある。アエロリットをマークするライバルのチェックも当然厳しくなる。
たとえばラビットランの和田騎手は、テイエムオペラオーでこれでもかというほど中央GTを勝ちまくったのに、その後GTでは不思議なくらい勝ち運に恵まれていないのは、和田騎手の(ほんとうは)マジメな性格が逆に災いしてきたことが原因である気がする。技量の問題ではなく、性格の問題、つまり勝負師としては素直すぎる性格が邪魔をしていた気がしないでもない。
アエロリットから離れた位置で競馬できるラビットランにとって、今回は大チャンスである。しかし和田騎手の生真面目な性格、そして圧倒的に前が有利なコース設定を考えると、前回のような気楽な立場で競馬できなくなるおそれもあると思う・・・中心は、大外枠に入ったカリビアンゴールド(父ステイゴールド)とベテラン田中勝春騎手のコンビにした。
ふつうで考えたら、勝率が半減以下になってしまうはずの京都内回り芝2000mの「大外枠」である。先に行く馬も多く、カリビアンゴールド自身も本来であれば先に行かなければならないが、内から各馬殺到のレースだから、先行争いに加わりたいと考えるのであれば、この枠では絶対的不利が生じる。
大ベテランとなった田中勝春騎手は、中央に転入してきた岩田騎手のお手馬ヴィクトリーを駆って、クラシック初制覇となる皐月賞を優勝し、「先生からは岩田君みたいに乗ってくれって言われましたー」とインタビューで答え、大観衆を笑わせたハートの持ち主。当時すでに中堅〜ベテランの域に達していたが、そういったいい意味での「ゆとり」が勝春ジョッキーの持ち味。
もちろんこれまではそのゆとりがずいぶん自身の足を引っ張ってきたのも事実だが、今回はそれがプラスを生みそうな気がする。「エネイブルとその他」くらいの力差が、もしかしたら今年「アエロリットとその他」と同等であるかもしれないが、だからこそ、ひとクセある人馬の大駆けに期待したい。
そしてもう1頭、アエロリットを負かす可能性があるという意味で注目したいのが、ディープインパクト産駒でもファンディーナではなく、今回おそらくペースを握るはずのカワキタエンカのほう。道悪が不得意な印象があるディープ産駒でも、牝系が重厚な一族で母の父クロフネのカワキタエンカはおそらく道悪も大丈夫なのではないか。
それより何より、人気で最内枠のアエロリットの横山典弘騎手がどう乗るか・・・これがまたこのレースを格段におもしろくしている。ふつうなら、内で包まれたくない立場だけにだれがどう考えても番手にはまると思いきや、このジョッキーの読みは深い。もしかしたら、「包まれるリスク<秋華賞特有の急流に飲まれるリスク」の不等式が大ベテランの脳裏に確信とともに刻まれているかもしれない。
横山騎手は、割と平気でリスクを冒す騎手である。そのひと筋縄でいかない騎乗理念がここまでの大ジョッキーへと押し上げた。安藤元騎手とともに、一番勝ちにこだわるジョッキーである。もし横山典弘・アエロリットが中団あたりを涼しい顔で進んでいたとすると・・・カワキタエンカの残り目は十分である。
当然強引にまくる岩田・ファンディーナの巻き返し、そして力つけたルメール・ディアドラ、安定感ある武豊・リスグラシュー、展開が味方する可能性もある田辺・ハローユニコーンは大穴で少し買いたい。
デムーロ・モズカッチャンも、ソウルスターリングがいないここではオークス最先着だが、人馬とも京都内回り向きとは思えないので今回は軽視する。みなさんにはぜひ買っていただきたい。
◎ カリビアンゴールド
○ アエロリット
▲ カワキタエンカ
△ ラビットラン、ファンディーナ、リスグラシュー、ハローユニコーン、ディアドラ
重注 レーヌミノル
投稿者:ASHIGE2|21:38