寿司屋でコーヒー？

コーヒーはカフェや喫茶店で、という考えはもう古いかもしれません。

セブンイレブンで焙煎したてのコーヒーが爆発的にヒットしました。

今や寿司屋でもコーヒーを出す時代になってしまいました。

厨房から延びるレーン上を、カップに入ったコーヒーが高速で

流れてきます。

タッチパネルで注文したコーヒーは、店内をのんびり回遊する寿司を

追い越し、猛スピードで席にたどり着いたのです。　ひえ～！！

厨房を飛び出して、わずか数秒。こんなスピード感のあるコーヒーは

見たことがありません。

回転寿司の「無添くら寿司」では、12月から

プレミアムコーヒー「KULA CAFE」を導入しました。

寿司は全皿100円ですが、コーヒーは1杯150円　(^_^;)

厨房にあるスイス製の本格マシンで、一杯ずつ、豆から

挽いて抽出するようです。

人口も平均給与も減り続ける日本ではいま、企業同士の熾烈な

パイ獲得競争が繰り広げられています。

ホームセンターで水、ドラッグストアでお菓子。「どこでも何でも買える」

時代に、どうやって客を取り込むか・・。

その解をいま、多くの企業がコーヒーに見いだしている状況です。

くら寿司もそうだ。もともと、ゆっくりと店内を回遊する回転レーンでは、

おいしいコーヒーは出せなかったのです。

だが商品が注文客のもとに高速で届く「注文専用高速レーン」ができて

以降、くら寿司では温かいラーメンも、夏には冷たいかき氷も

提供できるように。

挽きたてコーヒーも、香り高いまま届くようになりました。

　

しかし回転率重視の業態で、なぜコーヒーのような

“くつろぎアイテム”を提供するのでしょう。

くら寿司を運営するくらコーポレーションの広報宣伝部の

辻明宏さんは語ります。

「飲食店が乱立するいま、寿司屋の競争相手はファミレスであり牛丼屋。

　その中で選んでもらうため、ニーズの高かったコーヒーの提供を始めた」

寿司屋のライバルは寿司屋のみにあらず。

まさにボーダーレスの時代です。