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2023年07月18日

あと20キロ痩せるにはどうしたらいい

あと20キロ痩せるにはどうしたらいい?管理栄養士の答えが納得感しかなかった
岡田明子:管理栄養士


「これを食べたらやせました」「この運動でやせました」……さまざまなダイエット情報があふれている現代。今回は、読者の方から寄せられた、「いろいろなダイエット法をためしているが、思うように体重が減らない」というお悩みに答えます。20kgやせるためにやるべき7つのこととは?(管理栄養士 岡田明子)

20kg落としたい!
プロテイン+ゆで玉子で置き換えダイエット
 今回、相談をいただいたのは、「万年ダイエッターですが、なかなか体重が落ちません」という35歳女性のHさん。20kg減を目指してダイエット中です。

 ここ数年で、80kgの大台に乗ってしまいました。何とかしなくてはと、2カ月前からダイエットに取り組んでいます。毎日1万歩は歩いています。プロテインを飲んで3日間のファスティング(断食)をしたり、ゆで卵ダイエットをしたりして、2カ月で6kg減らしました。

 ここ1カ月は、たんぱく質をメインに取っています。1日にゆで玉子を5〜7個食べていました。プロテインを飲む量は、たんぱく質8g分を4〜5杯に分けて。甘いものが大好きなので、プロテインは甘めのフレーバーのものを選び、甘酒や豆乳で割って飲んでいます。

 昼食は好きな外食ランチを食べています。間食はなるべく控えて、プロテインバーや、高カカオチョコレートなどを少し食べています。なかなか、甘いものがやめられないのも悩みです。

 まだまだ体重が重いので、あと20kg痩せるにはどうしたらいいでしょうか?運動は苦手ですが、今後は、簡単なストレッチや太極拳を始めてみようと考えています。……という相談でした。

置き換えダイエットの落とし穴

置き換えダイエットの落とし穴
間食はカロリーオーバーに注意
 Hさん、1日1万歩を歩いたり、さまざまなダイエットにチャレンジしたりと頑張られていますね。

 プロテインやゆで玉子などの置き換えダイエットは、置き換えをすることで、食事の摂取量を減らすことができ、一時的に体重は落ちます。ただ、継続することが難しいため、普通の食事に戻すとリバウンドしやすい点が懸念されるダイエット方法です。そのため、体重が落ちた後に、摂取量を調整しながら通常の食事に戻す必要があります。

 プロテインは、ダイエットしながらでも必要な栄養素が取れるので、良い面もありますが(参考:ダイエットや美容にも効く!プロテインの「効果的な飲み方」基礎知識)、人間は噛んだり、咀嚼したりすることで満腹中枢が刺激されて満足感が得られるため、食材を咀嚼し、いろいろな食べ物を目で確認しながら食べることも大切です。また、プロテインは飲みやすくするために甘味料が添加されていることが多いので、糖質の摂取量もチェックが必要になるでしょう。

 Hさんは、間食に栄養の取れるプロテインバーを選んでいますが、食事にプラスして栄養補助食品を取ると、カロリーオーバーにつながることもあります。また、抗酸化物質が取れ、通常のチョコレートよりも砂糖が少ない高カカオチョコレートは、ダイエット中に甘いものが食べたいときに良い食品ではありますが、カカオは脂質が多い食材のため、高カカオチョコレートは、脂質を多く取ることになります。砂糖を控えることができても、食べる量が増えてしまうと、脂肪やカロリーを取り過ぎてしまうので注意が必要です。


甘いものがやめられない人へのアドバイス
食べるなら時間は13時〜15時、200kcal以下に
 Hさんは甘いものがやめられないのが悩みとのことですが、甘いものがやめられない方は食事に問題があることが少なくありません。

 実際、Hさんの食事を見ると、プロテインやゆで卵でファスティングをしたり、昼食は好きな外食をしているということで、栄養が偏っていたり不足したりしている可能性が高いです。

 まずは、主食、主菜、副菜とバランスよく食事が取れているかチェックしてきましょう。特に主食を極端に減らすと、ブドウ糖の供給が減り、甘いものへの欲求が増してしまいます。また、主菜のタンパク質が不足すると、腹持ちが悪くお腹が空きやすくなります。まずはバランス良く3食取り入れた上で、甘いものが欲しくなった場合は、食べる時間と量を決めて食べましょう。時間栄養学の観点から、13〜15時はBMAL1が低く脂肪が蓄積しにくい時間帯なので(https://diamond.jp/articles/-/319956)、その時間帯に食べるのもよいでしょう。量は1日に200kcal以内を目安にしてみましょう。果物は食べ応えや甘さもあり、ビタミンや食物繊維も取れるので間食におすすめです。

あと20kgやせるためには
何をすればいい?
 最後に、Hさんがあと20kg減量を目指す方法をお伝えしていきます。

 ご自身で万年ダイエッターとおっしゃるほど、ダイエットの情報をたくさんお持ちかと思います。しかし、流行りのダイエット方法は、一時的に効果が出ても、日常生活に落とし込み、継続することが難しい方法が多いのです。それよりも、日々の食生活を整えていく方が近道になります。

<方法>
(1)なぜ20kg痩せたいのか?20kg痩せたらやりたいことなどを書き出して、イメージをふくらませる
(2)ダイエットの開始日を決める
(3)ご自身の食事を毎日書き出す(間食や飲み物も全て書き出す)
(4)1日でバランスの取れた食事になっているかをチェックする
 →主食(ご飯、麺類など)、主菜(肉、魚など)、副菜(野菜、キノコ類、海藻類など)、この3つが取れているかを色別にしてマーカーでチェックすると分かりやすい
(5)足りていない食材を意識して取り入れ、食べ過ぎている食材を減らす
(6)甘い飲み物(清涼飲料水、ジュース、砂糖入りのコーヒーなど)を飲んでいる場合は量を減らし、水かお茶に切り替える
(7)間食が食べたくなったら、時間帯や量を決めて、なるべく栄養の取れるナッツや果物を取り入れる
(3)〜(6)を繰り返すだけでも、体重は徐々に落ちてきます。簡単なストレッチや太極拳を始められることは良いことなので、活動量も増やしていけるとよいですね。

 ダイエット成功のコツは、情報に惑わされず、バランスの良い食事を基本に食べることが近道です。しっかり栄養を取ることで、お腹が空きにくくなり、体調の変化も感じられるようになってきます。流行りのダイエット方法に惑わされず、まずはご自身の食生活を見直すことから始めていきましょう。

■編集部より
読者の皆様から食事相談を募集します
本連載の著者・管理栄養士の岡田明子さんのアドバイスを受けるチャンス!

ご相談は下記をメールに記入頂き、dol_dokusha@diamond.co.jpまでお寄せ下さい。
・具体的なお悩み
・ご年齢(年代でも可)
・性別・仕事や生活スタイル(例:早朝から15時までシフト勤務、深夜までデスクワーク、営業で外出が多い など)
・3日分程度の食事記録(例:1日目朝は食パン1枚、ハム3枚、サラダ、ヨーグルト、昼は… など)

アドバイスは連載記事の中でご回答する予定です。その際にご相談の内容は、連載の中で個人が特定されない形で紹介させて頂く可能性がございますのであらかじめご了承ください。なお、ご病気の方の食事相談は大変恐縮ですがご回答しかねます。かかりつけの医師にご相談をお願いいたします。

タグ:ダイエット
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