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2022年07月25日

セカンド・インターンシップ





安倍元首相銃撃事件という、世の中を
揺るがす事件が起こりました。



容疑者のプロフィールも取りざたされる中
「無敵の人」というワードも登場。



今回は「無敵の人」を生む背景と、それを
改善する労働社会の在り方について語ります。



まず「無敵の人」とは何でしょうか?



これは2ちゃんねるの創始者、ひろゆきこと
西村博之氏が使い始めたインターネット
スラングです。



社会的に失うものが何も無いために
犯罪を起こすことに何の躊躇もない人を
意味します。



または社会的に失敗し人生に
絶望した人である。



抑止力として機能し得る地位も財産も
人間関係も持たない、すなわち何も
失うものがない。



自分自身の尊厳も喪失しており、
死刑に処せられることも厭わない。



むしろ死刑に処せられたいという
願望を抱く場合すらあり得る。



検索すると、以上のような定義がなされて
います。ここまで追い詰められてしまうのは
何故でしょうか。



これには日本社会の闇「すべり台社会」が
深く関わっていると観ます。



すべり台社会とは以前記事でも紹介しましたが、
簡単に説明すると、一旦ドロップアウトすると
際限なく貧困に滑り落ちてしまう仕組みです。



例えば、短期離職が多かったり長期離職が
あったりすると、再就職では不利になります。



例えやむを得ない理由、家庭や健康上の事情や
ブラック企業で虐待され鬱になってもです。



この社会からの爪はじき感は、味わった人にしか
分からないもの。日本人の自死が多いのはこれが
原因じゃないか、と勘繰りたくなります。



社会のレールから落伍した人には、日本社会は
徹底的に冷たいのです。残酷な現実。



今はいい学校を出て、名の知れた所に就職しても
ドロップアウトの危険が付きまとう。



もはやすべり台社会というよりは、ロシアン
ルーレット社会だ、という人もいます。



前出の西村博之氏は、こう続けます。



「社会に対して絶望して、自殺ではなく
他殺を選ぶ『無敵の人』。



他の先進国でテロが起きるように
日本でも増えると言っていたものの、
数年に一回かと思ったら、



一年に複数回も起きるようになってしまった
日本。社会がキツく当たるなら、自分も社会に
やり返すという『弱者』もいるのです」



もはやかつての日本とは思えないような
戦慄の現実です。



では、これを改善するにはどうすれば
いいのでしょうか。



まず第一に、自己責任論を改める。



ブラック企業にしか入れなかったのは自己責任。
非正規にしか就職できなかったのは自己責任。



この論法が人を際限なく追い詰める。
そんなことを言うのは既得権益者だと怒りの
矛先が向いたりします。怖いことです。



生まれた時期が違っていただけで、就職状況が
大きく変わってしまう。他世代と同じくらいの
努力をしていてもです。



世代や性別、立場などで分断を図る勢力の
思惑にも気づきましょう。



次に、自己責任論を緩和する方策として
社会保障の拡充が要ります。セーフティー
ネットの拡充と言い換えてもいい。



ベーシックインカムもそうですが、失業給付
や職業訓練の拡充も急務です。後で説明する
緊急雇用創出事業も。



失業給付の自己都合による退職で、まるで
制裁のような数か月の待期期間を撤廃すべき。



僕が無敵の人へ向かわずに済んだのは、
警備業があったから。



長期間就職できなかった僕を、緊急雇用対策
事業を経由して受け入れてくれたのです。



このように警備業も、一定のセーフティー
ネットとしての役割があります。おかげさまで
約10年間お世話になりました。



ただ警備業に向かない人もいるのです。そんな人
たちの為に、セーフティーネットたる仕事を創出
するのも急務。



緊急雇用対策事業を経由して、就業するルートを
拡充するのが、現状では一番の方策と観ます。



緊急雇用対策事業は、かつての僕のように
長期間就業できなかった人が優先されます。



半年くらい従事すれば、雇用先との関係もでき
仕事への適性もわかります。そこで準社員位の
ステータスで、就職する門戸を開く。



いわゆる既卒者に対するインターンシップです。
セカンド・インターンシップと言ってもいい。
年齢を問われないのも大きな利点です。



結論として、セーフティーネットとは収入も
さることながら、自分の居場所たるコミュニティを
創出・提供することでもあるのです。



「無敵の人」は社会の閉塞感に対してキレている
に違いありません。そう、自分の居場所がない。



例えばベーシックインカムで最低限の
生活をつないで、自分の居場所を
見つけられるようにする。



ブラック企業が人を使い潰して収益を上げている
のだから、上記のようなセーフティーネットくらい
あって然るべきだと思いませんか?

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かつて10年ほど警備業界で従事してきましたが 限界を感じ、同業界を去りました。 今は港湾施設保安職員として、港湾管理業務に従事しています。
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