仮眠や持ち帰り残業が「労働時間」に加算
されない? 厚労省が基準厳格化、
労災の認定後退の恐れ
上記記事は、2022-1-19東京新聞web版から
です。以下一部抜粋します。
厚生労働省が昨年、過労死などの労災認定をする
際の労働時間の算定について、一定条件下の
仮眠を除外したり、
持ち帰り残業で極めて厳しい基準をとるよう
全国の労働基準監督署に通達していたことが
分かった。
労働時間のとらえ方を労災被災者らの救済を
目的とする労災保険法でなく、法令を守らせる
労働基準法に基づいていることを問題視する
声も強い。
労働時間が実態より過小に算定され、労災の
「不認定」の増加につながる恐れがある。
通達にはつじつまの合わない例もある。
警備員の仮眠時間は「労基法上の労働時間」と
されてきたが、
通達は「睡眠施設があり、睡眠がとれて
業務による過重性がほとんどなければ
労働時間から除外する」と急きょ変更した。
働き方改革法の制定に関わった水町勇一郎・
東大教授(労働法)は
「きちんと議論することなく、労災認定に
かかわる重要な基準や運用を内々に
変えるのは適切でない。
その内容も法の趣旨や働き方改革の方向性に
反するもので問題は大きい」と指摘する。
厚労省労働基準局補償課は「参考事例通り
というのではなく、適切な対応を求めている」
とコメントし、問題はないとの姿勢だ。
以上抜粋を終わります。
今回は、仮眠時間の取り扱いについて焦点
を当てていきます。
過去記事「悩める大手(前編)」で
イオンディライト労働組合は仮眠時間の
賃金発生を勝ち取った事を紹介しました。
上記通達には睡眠施設があり、睡眠が
とれて業務による過重性がほとんどなければ
労働時間から除外する、とあります。
まず、睡眠施設の定義とは?家で寝る環境
に近いものじゃなければいけませんよね?
そうでなければ睡眠は取れませんよ。
僕に経験した施設警備では、仮眠時間は
4時間が相場でした。2時間+2時間と
いうのもありました。
それも22時〜2時・2時〜6時といった
交代で仮眠を取るのが一般的です。
また、仮眠を2人ずつ取る施設もありました。
4人当務の現場でしたが、これも寝れない。
但し、当務手当2000円は付いていました。
安物のパイプ2段ベッドで、相方が寝返り
を打つたびにギシギシ。加えてイビキが
酷ければ寝れたものではありません。
それが嫌で、ソファに寝る隊員もいました。
これが睡眠施設?最低でもカプセルホテル
並みの設備が要ると思うのですが。
もう一つ、業務による加重性とあります。
この定義は何でしょうか。
仮眠中、施設の自火報が発報し飛び起きて
現場を確認に行くことがあります。
これが1年に1回でも、眠りは浅くなり
疲労感が残る。加重性の定義が必要です。
加えて総労働時間との相関も考慮する
必要があります。
例えば24時間拘束の当務明けで、
別の現場の応援に行く。良くある話です。
従事する施設警備の労働時間が
月40時間に抑えられていても、別の
現場の応援に行く分を加えたら・・・
応援が無くても、僕がかつて経験した
施設警備のように月の勤務時間が
250時間というのもありました。
仮眠時間が同じでも、総労働時間が
長ければ、疲労は抜けません。即ち
業務の加重性が大きくなる。
これも一定の基準が必要です。過労死
ライン並みに厳しく決める必要があると
思いませんか。
従業員側から、業務の加重性を認めさせる
のは、かなり難しい。労働組合があっても
苦戦するでしょう。
先に挙げた自火報の対応も、使う側が
大したことはない、と評価すれば
加重性にはあたりません。
このような時代に逆行する通達を見過して
いいものでしょうか。
根底には「警備は大した仕事ではない」と
いった、社会的強者の偏見があります。
保育職や介護職の低待遇と同じ論理です。
そう、これは警備だけの問題ではなく
変則勤務で働く全ての人の問題なのです。
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