僕が警備員を辞めた理由

カテゴリ「プロローグ〜交通誘導警備編」で
僕は初めての警備会社、A社に入り交通誘導警備
に従事しました。



そこで組んだベテラン隊員。彼は還暦を過ぎて
いた元大工で、阪神淡路大震災の復興特需まで、
大工として活躍していたそうです。



今回はその時のエピソードから、組織で
上手くやるにはいくら個人の能力が高くても、
敵わない要素がある、という話をします。



前出の元大工さんの話によれば、熟練工は
もはや必要としない。高性能の建設機械を
持っている事が、生き残りのカギだ。



熟練工の技術を、高性能の建設機械は早く
正確に再現してしまう。もはや個人の技術
云々では太刀打ちできない、というもの。



高性能の建設機械は、工期も短縮するので
しょう。資本主義の中にあってはマイナスと
なるものがない、ということです。



このように、個人の能力が他の何かにとって
変わられる環境では、生き残ることも難しく
なります。



個人の能力を凌駕するアイテムを持っている
事が、競争に勝つ秘訣なのです。



ここまではアイテムの話をしました。但し
これを持つには財力が要ります。



今から話すのは、アイテムではなくもっと
別の要素を以て、個人の能力を凌駕していく
といった話をします。



先に紹介したのか建築業界の話でしたが、
今から話すのは警備を含め一般的な労働者
に多く当てはまるはずです。



上司部下という立場の違いで、言いたい事が
言えない。同僚間でも力関係で言えない事も
あるでしょう。角が立つからです。



個人的な能力が高ければ、一目置いて
もらうことも出来ますが、基本的な組織内
ステータスは変わりません。



そこで個人の声にレバレッジをかけるものが
必要。レバレッジとは投資用語でテコを意味
します。



要するに個人の声を大きくする、上まで
響くテコを持つ事が、有利になるのです。



具体的にテコとは人間関係。組織内で力ある
人とのつながりを持つ、可愛がってもらう。



まず、誰が組織内で真の実力者か見極める必要
があります。そして接近して気に入ってもらう。



実力者とは組織内に限りません。影響力を持つ
人と繋がりがあれば、かなり生きやすくなる。



警備ならクライアント側の実力者と仲良くなる。
労組や社外ユニオンを吟味した上で、幹部クラス
との繋がりを持つ、など。



実力者との繋がりを持つメリットは、上司に
直接もの申すと角が立つような事案でも、
建前上、体制側と体制側の折衝になること。



これが個人の声にレバレッジをかける意味なの
です。個人の声を組織レベルに増幅する。



なので、入った組織で上手くやっていきたい
なら、個人の能力を高める以上にレバレッジを
かける人間関係の構築が重要になります。



僕は警備時代、その辺の立ち回りを軽視して、
冷や飯を食わされる羽目になったことも。



個人の能力を凌駕するものがある、これに気づかぬ
ゆえの愚でした。



特に警備であれば、能力による序列は他の仕事
に比べつきにくい。
警備隊のお荷物にならなければ、合格でしょう。



結論として、「真の実力者と繋がる」が
個人の声にレバレッジをかける秘訣。
これは運の要素も多分に含みます。



転職には会社ガチャ、そして上司ガチャと
いった２段構えのガチャが待っています。



職場によって人間関係の相性というガチャも
あります。合わなければ、合うまで探し続ける
目的の転職もあっていいのかも知れません。



そして僕のように警備業界に居場所はないな、
と悟ったら、新天地を求めるがよろしく転職先
を見つける旅に出るのも一考なのです。

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