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2018年10月10日
10月11日経済指標(結果検証済)
8日、IMFは世界経済見通しを発表し、2018年・2019年の世界GDPは0.2%下方修正されました。貿易摩擦と新興国通貨安を原因に挙げています。
フロリダ湾で発生したハリケーンによって、米メキシコ湾岸の油田で採掘を休止ししています。9日時点で休止油井は20%、10日にフロリダ州に上陸後はほぼ全て休止するそうです。原油在庫が減ると、米物価は上昇しがちです。但し、それが起きるのはこれからで、今日から発表される9月集計分PPI・CPI・輸入物価とは関係ありません。
今夜は21:30に米国PPI、明日11日21:30には米国CPI、明後日12日21:30は米国輸入物価指数が発表されます。今週は米物価指標の週です。
先にCPI発表前後取引での注意点です。
多くの指標解説記事でCPIへの過去反応はやや大きく表示されます。これは、CPIが小売売上高と同時発表だったことが多いためです。
CPIが単独で発表された場合、直後1分足の過去平均跳幅は21pips、同値幅は15pipsです。2018年に入ってからは、これら数字はそれぞれ11pips・2pipsとかなり小さくなっています。
大きく反応すると思っていたのに大して反応しないと、利確の機会を逸してしまいがちです。気を付けましょう。
また、直前10-1分足はたまに大きく跳ねます。けれども、過去に直前10-1分足が10pips以上跳ねたとき、直後1分足との方向一致率は50%です。直前10-1分足が大きく跳ねたからと言って、慌てて追いかけることに意味はありません。
けれども、直前1分足が10pips以上跳ねたとき、直後1分足はいつもその逆方向に反応しています。但し「いつも」と言っても、これは過去事例3回の実績です。実績が少ないので、この結果をアテにするのでなく、もし発表前に直前1分足が大きく跳ねた方向にポジションを持っていたなら、そのとき利確しておいた方が良いでしょう。
本指標の2015年以降の反応程度は次の通りです。()内は2018年の反応程度です。数値は、本指標が小売売上高と別の日に発表されたときの最新値です。
・直前10-1分足の過去平均跳幅は7pips、同値幅は4pips
・直後1分足の過去平均跳幅は20pips(11pips)、同値幅は14pips(5pips)
・直後11分足の過去平均跳幅は26pips(15pips)、同値幅は18pips(10pips)
次に今回発表の市場予想(前回結果)です。
・前月比は+0.2%(+0.2%)
・前年比は+2.4%(+2.7%)
・コア前月比は+0.2%(+0.1%)
・コア前年比は+2.3%(+2.2%)
前月より数値が大きくなった項目と小さくなった項目が混在しているものの、事前差異判別式の解は+0.1です。コア指数の方が重視されます。
事前詳細分析記事における過去傾向に基づく取引方針です。但し、以下の数値は、本指標が小売売上高と別の日に発表されたときの最新値です。
・直前1分足はショートをオーダーし、利確・損切の目安を2・3pipsです。
直前1分足の過去陰線率は90%です。直前の値動きを見て取引を止めることはあっても、ロングをオーダーする選択はありません。
・もし直前1分足が10pips以上跳ねたら、指標発表直前にそれと逆方向にポジションをオーダーし、発表直後の跳ねで利確/損切です。
直前1分足が10pips以上跳ねなかったら、直前10-1分足が陰線だったときに指標発表直前にロングをオーダーし、発表直後の跳ねで利確・損切します。
本来、それらのことが起きなかったときは、前月集計分のISM非製造業価格指数の実態差異と同じ方向にポジションを取ります。但し、このポジションは、本指標の市場予想が同じ方向になっていたら、本指標事前差異が1.0以上の場合のみ取ることにします。
前月集計分のISM非製造業価格指数の実態差異は62.8ー63.4=△0.6です。本指標事前差異は+0.1です。今回は前月集計分のISM非製造価格指数実態差異との関係は使えません。
・指標発表後の追撃は、指標発表後に反応方向を確認したら早期開始・早期利確(損切)です。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は83%です。そして、その83%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは76%です。がしかし、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が反応を伸ばしていたことは50%です。
指標発表後の反応が一方向に伸び続ける場合、勢いは1時間足のレジスタンスやサポートでは止まらない可能性があります。チャートを4時間足や日足に変えてレジスタンスやサポートの位置を見ておきましょう。直後11分足始値に対し40pips前後にそれらがある場合、特に意識しておきましょう。
以下は12日15時頃に追記しています。
CPI発表結果は全体的に予想を下回ったものの、コア前月比・コア前年比が前月同値でプラス推移していました。事後差異・実態差異ともに判別式の解の符号はマイナスで、陰線での反応に対応しています。
発表直後は陰線側にヒゲを形成し、しばらくもみ合い後に陽線側に抜けたものの、上下動を繰り返しました。112.4上抜けが22:45頃で23時頃、日足基準線112.46付近を一時超え、4時間足転換線112.46付近を窺ったものの、その後は株価下落によりUSDは売られました。
詳細分析記事に基づく事前取引方針の採点は全て「✕」でした。
直後追撃は、タイミング次第では僅かに利確できたと思われますが、どちらかと言えば陰線側にヒゲを形成してからは反転に向けて進んでいたので「✕」とします。
取引結果を下表に纏めます。
過去からの成績を下表に纏めます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
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フロリダ湾で発生したハリケーンによって、米メキシコ湾岸の油田で採掘を休止ししています。9日時点で休止油井は20%、10日にフロリダ州に上陸後はほぼ全て休止するそうです。原油在庫が減ると、米物価は上昇しがちです。但し、それが起きるのはこれからで、今日から発表される9月集計分PPI・CPI・輸入物価とは関係ありません。
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今夜は21:30に米国PPI、明日11日21:30には米国CPI、明後日12日21:30は米国輸入物価指数が発表されます。今週は米物価指標の週です。
先にCPI発表前後取引での注意点です。
多くの指標解説記事でCPIへの過去反応はやや大きく表示されます。これは、CPIが小売売上高と同時発表だったことが多いためです。
CPIが単独で発表された場合、直後1分足の過去平均跳幅は21pips、同値幅は15pipsです。2018年に入ってからは、これら数字はそれぞれ11pips・2pipsとかなり小さくなっています。
大きく反応すると思っていたのに大して反応しないと、利確の機会を逸してしまいがちです。気を付けましょう。
また、直前10-1分足はたまに大きく跳ねます。けれども、過去に直前10-1分足が10pips以上跳ねたとき、直後1分足との方向一致率は50%です。直前10-1分足が大きく跳ねたからと言って、慌てて追いかけることに意味はありません。
けれども、直前1分足が10pips以上跳ねたとき、直後1分足はいつもその逆方向に反応しています。但し「いつも」と言っても、これは過去事例3回の実績です。実績が少ないので、この結果をアテにするのでなく、もし発表前に直前1分足が大きく跳ねた方向にポジションを持っていたなら、そのとき利確しておいた方が良いでしょう。
本指標の2015年以降の反応程度は次の通りです。()内は2018年の反応程度です。数値は、本指標が小売売上高と別の日に発表されたときの最新値です。
・直前10-1分足の過去平均跳幅は7pips、同値幅は4pips
・直後1分足の過去平均跳幅は20pips(11pips)、同値幅は14pips(5pips)
・直後11分足の過去平均跳幅は26pips(15pips)、同値幅は18pips(10pips)
次に今回発表の市場予想(前回結果)です。
・前月比は+0.2%(+0.2%)
・前年比は+2.4%(+2.7%)
・コア前月比は+0.2%(+0.1%)
・コア前年比は+2.3%(+2.2%)
前月より数値が大きくなった項目と小さくなった項目が混在しているものの、事前差異判別式の解は+0.1です。コア指数の方が重視されます。
事前詳細分析記事における過去傾向に基づく取引方針です。但し、以下の数値は、本指標が小売売上高と別の日に発表されたときの最新値です。
・直前1分足はショートをオーダーし、利確・損切の目安を2・3pipsです。
直前1分足の過去陰線率は90%です。直前の値動きを見て取引を止めることはあっても、ロングをオーダーする選択はありません。
・もし直前1分足が10pips以上跳ねたら、指標発表直前にそれと逆方向にポジションをオーダーし、発表直後の跳ねで利確/損切です。
直前1分足が10pips以上跳ねなかったら、直前10-1分足が陰線だったときに指標発表直前にロングをオーダーし、発表直後の跳ねで利確・損切します。
本来、それらのことが起きなかったときは、前月集計分のISM非製造業価格指数の実態差異と同じ方向にポジションを取ります。但し、このポジションは、本指標の市場予想が同じ方向になっていたら、本指標事前差異が1.0以上の場合のみ取ることにします。
前月集計分のISM非製造業価格指数の実態差異は62.8ー63.4=△0.6です。本指標事前差異は+0.1です。今回は前月集計分のISM非製造価格指数実態差異との関係は使えません。
・指標発表後の追撃は、指標発表後に反応方向を確認したら早期開始・早期利確(損切)です。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は83%です。そして、その83%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは76%です。がしかし、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が反応を伸ばしていたことは50%です。
指標発表後の反応が一方向に伸び続ける場合、勢いは1時間足のレジスタンスやサポートでは止まらない可能性があります。チャートを4時間足や日足に変えてレジスタンスやサポートの位置を見ておきましょう。直後11分足始値に対し40pips前後にそれらがある場合、特に意識しておきましょう。
以上
以下は12日15時頃に追記しています。
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【事後検証】
CPI発表結果は全体的に予想を下回ったものの、コア前月比・コア前年比が前月同値でプラス推移していました。事後差異・実態差異ともに判別式の解の符号はマイナスで、陰線での反応に対応しています。
発表直後は陰線側にヒゲを形成し、しばらくもみ合い後に陽線側に抜けたものの、上下動を繰り返しました。112.4上抜けが22:45頃で23時頃、日足基準線112.46付近を一時超え、4時間足転換線112.46付近を窺ったものの、その後は株価下落によりUSDは売られました。
詳細分析記事に基づく事前取引方針の採点は全て「✕」でした。
直後追撃は、タイミング次第では僅かに利確できたと思われますが、どちらかと言えば陰線側にヒゲを形成してからは反転に向けて進んでいたので「✕」とします。
取引結果を下表に纏めます。
過去からの成績を下表に纏めます。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
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ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
注記以上
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タグ:CPI,PPI
2018年10月09日
10月10日経済指標(結果検証済)
米最高裁判事に共和党が推す候補が議会承認されました。同判事の承認を巡る騒ぎで、民主党は支持率を下げていたことが報道されていました。議会戦術というのはそういうものかも知れませんが、どーせそーなるのに嫌がらせしてる、と世間に見られると、支持率が下がるものなのでしょう。
共和党への支持者は、米大統領が「それはないだろう」と思われていた選挙公約さえブレずに守ろうとしていることを挙げます。民主党への支持は、「それはないだろう」という理由と、要するに「あいつが嫌いだ」という理由に尽きるようです。TVではわかりやすい反応をした人の姿が放映されるので、それを見ているこちらも影響されます。日本で影響されても全然関係ないけど。
但し、支持率とは別に、米選挙結果の予想には寄付金額というバロメータがあります。こちらは民主党が昨年・一昨年の寄付金額を既に上回っており、共和党は苦戦が伝えられています。
中間選挙は11月6日で、あと1か月を切りました。
どうなるのでしょう。ちっとも関係ないけど。
さて明日10日は、
が発表されます。
17:30の取引は、今回見合わせることにします。事前分析の方針も適用外とします。
まず、貿易収支は過去に発表後の反応方向への影響がほぼないことがわかっています。ここは問題ありません。
月次GDPは、英国国家統計局が2018年7月から公表を開始したばかりの指標です。当該月最終日から約40日後に公表されます。
一方、従来の四半期速報値は当該期から約1.5か月後に公表されるようになりました(従来は約1か月後)。今後発表される速報値は支出面や所得面も踏まえて推計されます。これまでの速報値は生産面だけのデータで作成されていました。
このことは、鉱工業生産指数・製造業生産指数の位置づけが相対的に低下することを意味すると思われます。どのぐらい低下するのか(低下しないのか)は、まだ把握できていません。
月次GDPが発表され始めた7月以降先月まで、3回続けて鉱工業生産指数・製造業生産指数と同時発表されています。両指標が今後も同時発表されるのかどうかはわかりません。
両指標が同時発表された過去3回で、指標結果の影響力の強さを見比べておきましょう。
指標結果の良し悪しは事後差異判別式の解を用います。
鉱工業生産指数・製造業生産指数の事後差異判別式は、3✕鉱工業前月比の(発表結果ー市場予想)+2✕鉱工業前年比の(発表結果ー市場予想)+1✕製造業前月比の(発表結果ー市場予想)、という判別式を用いると、この判別式の解の符号と直後1分足の方向一致率は過去79%となっています。つまり、この判別式は過去の実績からアテにできます。
一方、月次GDPの事後差異は前月比の、発表結果ー市場予想、を事後差異判別式の解とします。
下表Aは、鉱工業生産指数・製造業生産指数の事後差異判別式の解です。Bは月次GDPの事後差異判別式の解です。そして、Cは直後1分足の符号付き終値pipsです。
A B C
5月集計分 △5.4 0 △15
6月集計分 +0.9 △0.1 △ 5
7月集計分 △1.1 +0.1 △ 2
8月集計分 今回です
これでは残念ながら、どちらの指標の影響力が強いかをまだ判別できません。
よって、今回の取引は見合わせることにします。
発表のタイミングから言えば、1・4・7・10月に発表される月次GDPは、従来のGDP速報値に相当しそうな気がします。そうかどうかは、今回の発表結果と反応程度を見て検討するしかありませんね。
以下、10月10日12時過ぎに追記しています。
21:30は、米国PPIが発表されます。
本指標は発表直後もその後10分も最終的に指標結果の良し悪しに素直に反応しがちです。がしかし、反応は小さく影響持続時間が短い傾向があります。2017年以降は、直後11分足跳幅が20pipsに達したことが一度もありません。
変な話ですが、PPIの改善/悪化が大きいと、その後で発表されるCPIの発表前に盛り上がることが多い気がします。「変な話」というのは、本来、PPIはすぐ後でCPIが発表されても、同月集計分だから反映されないはずだから、です。「盛り上がる」とは、CPI発表前にPPIの改善が大きければUSD買、PPIの悪化が大きければUSD売になりがちなことです。盛り上がりは欧州時間序盤を終えた頃から始まります。
実際、CPI発表前の解説記事にもPPIの結果に触れたものが散見されます。けれども、事実は同月集計のPPIとCPIの改善/悪化が一致したことなんて過去53%しかありません。ほぼサイコロで丁半決めるのと同じです。
市場予想(前回結果)は、
・前月比が+0.2[%](△0.1[%])
・前年比が+2.8[%](+2.8[%])
・コア前月比が+0.2[%](△0.1[%])
・コア前年比が+2.5[%](+2.3[%])
で、事前差異判別式の解は△0.4です。
過去の反応程度(2018年発表分)は、
・直前10-1分足が3pips(3pips)
・直後1分足が8pips(3pips)
・直後11分足が11pips(6pips)
です。2018年に入ってからはほとんど反応しない指標となっています。
過去の傾向を踏まえた事前取引方針は次の通りです。
・直前10-1分足が10pips以上跳ねた場合は、直後1分足の反応方向を示唆している可能性があります。指標発表直前にポジションを取得し、発表直後の跳ねで利確/損切します。
・追撃は、指標発表直後に開始し短期で終えないといけません。2018年に入ってからは、たった3pipsを狙うことも難しくなっています。取引するなら欲張らないことが大事です。
・再追撃で抜けたら追うべき閾値は15pipsです。直後1分足跳幅が15pipsに達しないときは、上下動を利用して2・3pipsを狙うしかありません。
以下、10月10日23時頃に追記しています。
PPI結果は、PPI前年比が市場予想を下回った以外に、他の項目は市場予想通りでした。前回の対比では、PPI前年比が低下した以外は、前回を上回りました。コア指数は、前月比・前年比ともに前回を上回っていました。
事後差異は△0.6、実態差異は+0.5です。
指標発表後の反応はほぼなく、小さな上下動を続けていましたが、22:15過ぎぐらいから大きく下げ始めました。この下げは本指標とは関係ありません。チャートを見比べると、ダウが下げて、EURとGBPが買われているようです。
ダウの下げはわかりませんが、EURとGBPは週明けにも離脱条件の合意が近いとの報道が行われているからです。がしかし、そういった記事の内容は「今後数日の集中的な協議で週明けに国境問題で暫定的な合意が成立する可能性がある」ものの「多くの未解決の問題がまだ残っている」というものです。
一体どっちなんだという感じです。
ともあれ、本指標とは関係ない動きです。
事前詳細分析に基づく取引方針は、再追撃を「上下動を利用した2・3pips狙い」というのが判定に迷います。「判定不可」としておきます。
取引結果は下表の通りでした。
事前方針を示しての過去からの本指標取引での成績を下表に纏めておきます。
下表Aは、鉱工業生産指数・製造業生産指数の事後差異判別式の解です。Bは月次GDPの事後差異判別式の解です。そして、Cは直後1分足の符号付き終値pipsです。
A B C
5月集計分 △5.4 0 △15
6月集計分 +0.9 △0.1 △ 5
7月集計分 △1.1 +0.1 △ 2
8月集計分 +0.6 △0.1 0
データ数が揃わないと、やっぱりわからいようですね。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
共和党への支持者は、米大統領が「それはないだろう」と思われていた選挙公約さえブレずに守ろうとしていることを挙げます。民主党への支持は、「それはないだろう」という理由と、要するに「あいつが嫌いだ」という理由に尽きるようです。TVではわかりやすい反応をした人の姿が放映されるので、それを見ているこちらも影響されます。日本で影響されても全然関係ないけど。
但し、支持率とは別に、米選挙結果の予想には寄付金額というバロメータがあります。こちらは民主党が昨年・一昨年の寄付金額を既に上回っており、共和党は苦戦が伝えられています。
中間選挙は11月6日で、あと1か月を切りました。
どうなるのでしょう。ちっとも関係ないけど。
ーーー$€¥£A$ーーー
さて明日10日は、
- 17:30 8月集計分英国月次GDP・8月集計分英国鉱工業生産指数・製造業生産指数・8月集計分英国貿易収支
- 21:30 9月集計分米国PPI
が発表されます。
ーーー$€¥£A$ーーー
17:30の取引は、今回見合わせることにします。事前分析の方針も適用外とします。
まず、貿易収支は過去に発表後の反応方向への影響がほぼないことがわかっています。ここは問題ありません。
月次GDPは、英国国家統計局が2018年7月から公表を開始したばかりの指標です。当該月最終日から約40日後に公表されます。
一方、従来の四半期速報値は当該期から約1.5か月後に公表されるようになりました(従来は約1か月後)。今後発表される速報値は支出面や所得面も踏まえて推計されます。これまでの速報値は生産面だけのデータで作成されていました。
このことは、鉱工業生産指数・製造業生産指数の位置づけが相対的に低下することを意味すると思われます。どのぐらい低下するのか(低下しないのか)は、まだ把握できていません。
月次GDPが発表され始めた7月以降先月まで、3回続けて鉱工業生産指数・製造業生産指数と同時発表されています。両指標が今後も同時発表されるのかどうかはわかりません。
両指標が同時発表された過去3回で、指標結果の影響力の強さを見比べておきましょう。
指標結果の良し悪しは事後差異判別式の解を用います。
鉱工業生産指数・製造業生産指数の事後差異判別式は、3✕鉱工業前月比の(発表結果ー市場予想)+2✕鉱工業前年比の(発表結果ー市場予想)+1✕製造業前月比の(発表結果ー市場予想)、という判別式を用いると、この判別式の解の符号と直後1分足の方向一致率は過去79%となっています。つまり、この判別式は過去の実績からアテにできます。
一方、月次GDPの事後差異は前月比の、発表結果ー市場予想、を事後差異判別式の解とします。
下表Aは、鉱工業生産指数・製造業生産指数の事後差異判別式の解です。Bは月次GDPの事後差異判別式の解です。そして、Cは直後1分足の符号付き終値pipsです。
A B C
5月集計分 △5.4 0 △15
6月集計分 +0.9 △0.1 △ 5
7月集計分 △1.1 +0.1 △ 2
8月集計分 今回です
これでは残念ながら、どちらの指標の影響力が強いかをまだ判別できません。
よって、今回の取引は見合わせることにします。
発表のタイミングから言えば、1・4・7・10月に発表される月次GDPは、従来のGDP速報値に相当しそうな気がします。そうかどうかは、今回の発表結果と反応程度を見て検討するしかありませんね。
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以下、10月10日12時過ぎに追記しています。
21:30は、米国PPIが発表されます。
本指標は発表直後もその後10分も最終的に指標結果の良し悪しに素直に反応しがちです。がしかし、反応は小さく影響持続時間が短い傾向があります。2017年以降は、直後11分足跳幅が20pipsに達したことが一度もありません。
変な話ですが、PPIの改善/悪化が大きいと、その後で発表されるCPIの発表前に盛り上がることが多い気がします。「変な話」というのは、本来、PPIはすぐ後でCPIが発表されても、同月集計分だから反映されないはずだから、です。「盛り上がる」とは、CPI発表前にPPIの改善が大きければUSD買、PPIの悪化が大きければUSD売になりがちなことです。盛り上がりは欧州時間序盤を終えた頃から始まります。
実際、CPI発表前の解説記事にもPPIの結果に触れたものが散見されます。けれども、事実は同月集計のPPIとCPIの改善/悪化が一致したことなんて過去53%しかありません。ほぼサイコロで丁半決めるのと同じです。
市場予想(前回結果)は、
・前月比が+0.2[%](△0.1[%])
・前年比が+2.8[%](+2.8[%])
・コア前月比が+0.2[%](△0.1[%])
・コア前年比が+2.5[%](+2.3[%])
で、事前差異判別式の解は△0.4です。
過去の反応程度(2018年発表分)は、
・直前10-1分足が3pips(3pips)
・直後1分足が8pips(3pips)
・直後11分足が11pips(6pips)
です。2018年に入ってからはほとんど反応しない指標となっています。
過去の傾向を踏まえた事前取引方針は次の通りです。
・直前10-1分足が10pips以上跳ねた場合は、直後1分足の反応方向を示唆している可能性があります。指標発表直前にポジションを取得し、発表直後の跳ねで利確/損切します。
・追撃は、指標発表直後に開始し短期で終えないといけません。2018年に入ってからは、たった3pipsを狙うことも難しくなっています。取引するなら欲張らないことが大事です。
・再追撃で抜けたら追うべき閾値は15pipsです。直後1分足跳幅が15pipsに達しないときは、上下動を利用して2・3pipsを狙うしかありません。
以上
以下、10月10日23時頃に追記しています。
【事後検証】
PPI結果は、PPI前年比が市場予想を下回った以外に、他の項目は市場予想通りでした。前回の対比では、PPI前年比が低下した以外は、前回を上回りました。コア指数は、前月比・前年比ともに前回を上回っていました。
事後差異は△0.6、実態差異は+0.5です。
指標発表後の反応はほぼなく、小さな上下動を続けていましたが、22:15過ぎぐらいから大きく下げ始めました。この下げは本指標とは関係ありません。チャートを見比べると、ダウが下げて、EURとGBPが買われているようです。
ダウの下げはわかりませんが、EURとGBPは週明けにも離脱条件の合意が近いとの報道が行われているからです。がしかし、そういった記事の内容は「今後数日の集中的な協議で週明けに国境問題で暫定的な合意が成立する可能性がある」ものの「多くの未解決の問題がまだ残っている」というものです。
一体どっちなんだという感じです。
ともあれ、本指標とは関係ない動きです。
事前詳細分析に基づく取引方針は、再追撃を「上下動を利用した2・3pips狙い」というのが判定に迷います。「判定不可」としておきます。
取引結果は下表の通りでした。
事前方針を示しての過去からの本指標取引での成績を下表に纏めておきます。
ーーー$€¥£A$ーーー
下表Aは、鉱工業生産指数・製造業生産指数の事後差異判別式の解です。Bは月次GDPの事後差異判別式の解です。そして、Cは直後1分足の符号付き終値pipsです。
A B C
5月集計分 △5.4 0 △15
6月集計分 +0.9 △0.1 △ 5
7月集計分 △1.1 +0.1 △ 2
8月集計分 +0.6 △0.1 0
データ数が揃わないと、やっぱりわからいようですね。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
注記以上
広告以上
2018年10月08日
日本収支指標「国際収支」発表前後のUSDJPY反応分析
日本収支指標「国際収支」発表前後の反応分析には、
@ 経常収支(季調前)
A 貿易収支
を用います。
本稿は、過去の指標結果と反応方向の関係を分析することによって、本指標発表前後のUSDJPY取引に役立つ特徴を見出すことがテーマです。そのため一定期間毎に数値を最新に更新しています。今改訂はかなり久しぶりなこともあって全面改訂いたしました。
なお、本稿の指標分析は2015年1月集計分〜2018年7月集計分(同年9月発表分までの43回)の発表結果を反映しています。一方、反応分析は2015年1月集計分〜2017年8月集計分(同年10月発表分までの32回)しか行っていません。
ここ1年はチャートを写すのも止めました。何しろ反応しないのです。
結論から述べます。本指標の特徴は以下の通りです。
よって本稿は、反応分析よりも指標分析という面が強いものです。読み物としてお楽しみ頂ければ幸いです。
以下、事前差異(=市場予想ー前回結果)と事後差異(=発表結果ー市場予想)と実態差異(発表結果ー前回結果)の関係を多用します。差異がプラスのとき陽線・マイナスのとき陰線と対応していれば、反応が素直だと言うことにします。
経常収支は「貿易収支(モノの輸出入)」だけでなく、「サービス収支(サービスの輸出入)」「第一次所得収支(対外金融債権・債務の利子・配当金等)」「第二次所得収支(居住者と非居住者間の対価を伴わない資産提供)」の合計です。
下左図はこれら内訳の年次推移を示しています。昨年2017年以前3年間と5年前と10年前の推移となります。第一次所得収支と第二次所得収支という分類は最近のことで、かつては「所得収支・経常移転収支」と呼ばれていました。この図には以前の所得収支・経常移転収支を含めていません。
かつては、経常収支に占める貿易収支が大きかったものの、2007年には既に貿易収支が所得収支・経常移転収支を下回っています。アベノミクスで黒田バズーカが最初に発射された2012年には、貿易収支がマイナスでした。その後JPY安が進み、2016年には貿易黒字に転じました。
この図から、変動しているのが貿易収支(赤●)ぐらいで、他のサービス収支・第一次所得収支・第二次所得収支はほぼ一定だということがわかります。よって、国際収支発表時には貿易収支が重視される訳です。
その貿易収支は、米大統領が今のように問題視しなくても、いつもどことでもしょっちゅう問題に挙がっていました。相手先地域別の貿易収支を上右図に示します。
まず対米黒字(青●)は、今も昔も貿易黒字の筆頭です。
最近話題のカナダ・メキシコも含めたNAFTA相手(青○)は、意外なことに対米黒字額とほぼ重なっています。カナダからメープルシロップを、メキシコからテキーラを輸入する額はたいしたことないけど、カナダ経由・メキシコ経由で米国に持ち込まれる日本製品・部品も、日本から見る限り大したことありません。
次になぜか誤解の多い対中貿易収支です。
統計資料では、中国との貿易で日本はずっと赤字続きです(赤●)。以前は中国の人件費は安いことが国内でも広く知られていたので、安いモノが日本に入ってくるのは当然だと思っていた人が多いようです。
これは、日本の人件費が安かった時代に、繊維・鉄鋼・造船・自動車・電機が欧米市場を席捲したことを連想した短絡的解釈が広まった、と思われます。
けれども、そうした誤解が広まる原因は、香港を含めていないからです。香港も中国に含めた場合(橙●)、中国+香港との貿易収支はずっとほぼトントンが続いていることがわかります。
このことは少し説明が必要です。
以前から中国は、日本に資源・食品・雑貨を輸出し、最近ではそれに家電・通信機器・PC等が加わっています。この場合、中国国内に設けた縁区(えんく:貿易上の優遇措置のある特区)から日本は輸入します。
一方、日本から中国に輸出する部品材料・半完成品も、その縁区に向けて輸出されるものの、香港経由で広州の縁区がよく利用されます。これは、広州や広州の隣の深川地区に日系メーカーが多いことだけが理由ではありません。香港の貿易商社や中国法人香港支店は、対中輸出を行う上での契約相手として信頼・信用が絶大なのです。その裏付けは、いかにも中国人らしく「何だかうまくやってくれた」実績に基づくものです。
もちろん、香港経由で東南アジア向けの輸出もありますが、香港の対日貿易赤字額が中国の対日貿易黒字額に匹敵するのは、そうした実情があるからです。
ともあれ、将来はさておき、中国との貿易は金額推移だけを見れば、これまで相互にうまくいっています。但し、そこに香港の存在は欠かせません。対中貿易推移は香港も含めて見ないと、実情と違う話になってしまいます。
そして、欧州で対日貿易赤字の大きい英国(緑●)は、EU諸国への貿易窓口となっていました。英国だけで、独・仏の合計額の数倍の日本製品を輸入しています。ブリグジットによって、これがどう変化するのかが注目されています。
EU諸国で英国に次ぐ対日貿易赤字国は蘭国です。
こうして見ると、日本の貿易は、中国も含めて高いモノを買ってくれる国を相手に稼いでいることがわかります。
過去の市場予想と発表結果の推移を以下に示します。
市場予想は発表直前の値を用い、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままを用います。これは本指標の推移そのものより、指標発表直前直後の反応程度や反応方向との関係を重視しているためです。
以下の図は本記事の更新とは別に、適宜、最新のものに差し替えます。
先に経常収支です。
一見、季節要因が大きな指標であることがわかります。例年、1月と6月は落ち込み、3月と7月は良くなっています。
次に貿易収支です。
経常収支の1月の落ち込みと3月の戻しは、貿易収支の季節要因に依るものだったことがわかります。ただ、経常収支で見られた6月の落ち込みと7月の戻しは、貿易収支では起きていません。
ともあれ、毎月のUSDJPYレートの変動に対し、単月毎の経常収支や貿易収支の変動がほぼ無関係なことがわかります。むしろ、単月毎になら季節要因よる指標変動の方が、発表結果と市場予想との差異よりも圧倒的に大きいことがふたつのグラフから読み取れます。しかも、市場予想の精度は非常に高いことも見て取れます。
これらのことを自然に考えれば、もし仮に国際収支が為替に影響するなら、指標発表以前に為替に織り込まれるでしょう。
本指標に限らず、日本指標では判別式の基準を決めるのに困ります。
一般に、指標結果が良ければその国の通貨が買われ、悪ければ売られます。けれども、日本指標では必ずしもそうとは言えません。
前述の通り、指標発表以前にほぼ市場予想通りの発表結果が為替に織り込まれているなら、経常収支や貿易収支の結果がどうあれ、指標発表直後1分足への影響は小さいと考えられます。
下図は、左が経常収支事後差異に対する直後1分足終値、右が貿易収支に対する直後1分足終値、をプロットしたものです。
経常収支にせよ貿易収支にせよ、発表結果が市場予想を上回っても下回っても、直後1分足が陽線になるか陰線になるか、これではわかりません。
判別式を求めても無意味なことがわかります。
もし本指標結果の良し悪しを事前に示唆する指標があったとしても、本指標発表後の反応が素直でなく、どっちにどれだけ反応するかわからないのです。
本分析は行いません。
もし本指標結果の良し悪しを事前に示唆する指標があったとしても、本指標発表後の反応が素直でなく、どっちにどれだけ反応するかわからないのです。
本指標での反応分析は簡単に留めます。
過去の4本足チャートの各ローソク足平均値と、最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅の分布を下表に纏めておきます。
全体の78%が3pips以下しか跳ねていません。始業直前にこんな指標で取引してる場合じゃありません。
経常収支・貿易収支のそれぞれの事後差異に対する直後1分足終値の分布は、1.3項に記載済です。結論は、発表結果がどうあれ、直後1分足は方向も程度もわからない、でした。
次に、直後1分足終値に対する直後11分足終値の分布を下図に示します。
相関係数が低いものの、対角線(黒線)の上側にドット分布が偏っているように見えます。ただこれは、調査期間が株価上昇時期と重なっていることが原因と思われます。
巻頭記載の通り、本指標での取引は勧められません。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
@ 経常収支(季調前)
A 貿易収支
を用います。
本稿は、過去の指標結果と反応方向の関係を分析することによって、本指標発表前後のUSDJPY取引に役立つ特徴を見出すことがテーマです。そのため一定期間毎に数値を最新に更新しています。今改訂はかなり久しぶりなこともあって全面改訂いたしました。
なお、本稿の指標分析は2015年1月集計分〜2018年7月集計分(同年9月発表分までの43回)の発表結果を反映しています。一方、反応分析は2015年1月集計分〜2017年8月集計分(同年10月発表分までの32回)しか行っていません。
ここ1年はチャートを写すのも止めました。何しろ反応しないのです。
ーーー$€¥£A$ーーー
結論から述べます。本指標の特徴は以下の通りです。
- USDJPY反応分析というタイトルに反し、本指標結果に基づく取引は勧められません。ほぼ反応がないことに加え、指標結果の良し悪しと反応方向に一貫した傾向があまりないのです。
よって本稿は、反応分析よりも指標分析という面が強いものです。読み物としてお楽しみ頂ければ幸いです。
T.指標分析
以下、事前差異(=市場予想ー前回結果)と事後差異(=発表結果ー市場予想)と実態差異(発表結果ー前回結果)の関係を多用します。差異がプラスのとき陽線・マイナスのとき陰線と対応していれば、反応が素直だと言うことにします。
【1.1 指標概要】
経常収支は「貿易収支(モノの輸出入)」だけでなく、「サービス収支(サービスの輸出入)」「第一次所得収支(対外金融債権・債務の利子・配当金等)」「第二次所得収支(居住者と非居住者間の対価を伴わない資産提供)」の合計です。
下左図はこれら内訳の年次推移を示しています。昨年2017年以前3年間と5年前と10年前の推移となります。第一次所得収支と第二次所得収支という分類は最近のことで、かつては「所得収支・経常移転収支」と呼ばれていました。この図には以前の所得収支・経常移転収支を含めていません。
かつては、経常収支に占める貿易収支が大きかったものの、2007年には既に貿易収支が所得収支・経常移転収支を下回っています。アベノミクスで黒田バズーカが最初に発射された2012年には、貿易収支がマイナスでした。その後JPY安が進み、2016年には貿易黒字に転じました。
この図から、変動しているのが貿易収支(赤●)ぐらいで、他のサービス収支・第一次所得収支・第二次所得収支はほぼ一定だということがわかります。よって、国際収支発表時には貿易収支が重視される訳です。
その貿易収支は、米大統領が今のように問題視しなくても、いつもどことでもしょっちゅう問題に挙がっていました。相手先地域別の貿易収支を上右図に示します。
まず対米黒字(青●)は、今も昔も貿易黒字の筆頭です。
最近話題のカナダ・メキシコも含めたNAFTA相手(青○)は、意外なことに対米黒字額とほぼ重なっています。カナダからメープルシロップを、メキシコからテキーラを輸入する額はたいしたことないけど、カナダ経由・メキシコ経由で米国に持ち込まれる日本製品・部品も、日本から見る限り大したことありません。
次になぜか誤解の多い対中貿易収支です。
統計資料では、中国との貿易で日本はずっと赤字続きです(赤●)。以前は中国の人件費は安いことが国内でも広く知られていたので、安いモノが日本に入ってくるのは当然だと思っていた人が多いようです。
これは、日本の人件費が安かった時代に、繊維・鉄鋼・造船・自動車・電機が欧米市場を席捲したことを連想した短絡的解釈が広まった、と思われます。
けれども、そうした誤解が広まる原因は、香港を含めていないからです。香港も中国に含めた場合(橙●)、中国+香港との貿易収支はずっとほぼトントンが続いていることがわかります。
このことは少し説明が必要です。
以前から中国は、日本に資源・食品・雑貨を輸出し、最近ではそれに家電・通信機器・PC等が加わっています。この場合、中国国内に設けた縁区(えんく:貿易上の優遇措置のある特区)から日本は輸入します。
一方、日本から中国に輸出する部品材料・半完成品も、その縁区に向けて輸出されるものの、香港経由で広州の縁区がよく利用されます。これは、広州や広州の隣の深川地区に日系メーカーが多いことだけが理由ではありません。香港の貿易商社や中国法人香港支店は、対中輸出を行う上での契約相手として信頼・信用が絶大なのです。その裏付けは、いかにも中国人らしく「何だかうまくやってくれた」実績に基づくものです。
もちろん、香港経由で東南アジア向けの輸出もありますが、香港の対日貿易赤字額が中国の対日貿易黒字額に匹敵するのは、そうした実情があるからです。
ともあれ、将来はさておき、中国との貿易は金額推移だけを見れば、これまで相互にうまくいっています。但し、そこに香港の存在は欠かせません。対中貿易推移は香港も含めて見ないと、実情と違う話になってしまいます。
そして、欧州で対日貿易赤字の大きい英国(緑●)は、EU諸国への貿易窓口となっていました。英国だけで、独・仏の合計額の数倍の日本製品を輸入しています。ブリグジットによって、これがどう変化するのかが注目されています。
EU諸国で英国に次ぐ対日貿易赤字国は蘭国です。
こうして見ると、日本の貿易は、中国も含めて高いモノを買ってくれる国を相手に稼いでいることがわかります。
【1.2 指標推移】
過去の市場予想と発表結果の推移を以下に示します。
市場予想は発表直前の値を用い、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままを用います。これは本指標の推移そのものより、指標発表直前直後の反応程度や反応方向との関係を重視しているためです。
以下の図は本記事の更新とは別に、適宜、最新のものに差し替えます。
先に経常収支です。
一見、季節要因が大きな指標であることがわかります。例年、1月と6月は落ち込み、3月と7月は良くなっています。
次に貿易収支です。
経常収支の1月の落ち込みと3月の戻しは、貿易収支の季節要因に依るものだったことがわかります。ただ、経常収支で見られた6月の落ち込みと7月の戻しは、貿易収支では起きていません。
ともあれ、毎月のUSDJPYレートの変動に対し、単月毎の経常収支や貿易収支の変動がほぼ無関係なことがわかります。むしろ、単月毎になら季節要因よる指標変動の方が、発表結果と市場予想との差異よりも圧倒的に大きいことがふたつのグラフから読み取れます。しかも、市場予想の精度は非常に高いことも見て取れます。
これらのことを自然に考えれば、もし仮に国際収支が為替に影響するなら、指標発表以前に為替に織り込まれるでしょう。
【1.3 指標結果良否判定方法】
本指標に限らず、日本指標では判別式の基準を決めるのに困ります。
一般に、指標結果が良ければその国の通貨が買われ、悪ければ売られます。けれども、日本指標では必ずしもそうとは言えません。
前述の通り、指標発表以前にほぼ市場予想通りの発表結果が為替に織り込まれているなら、経常収支や貿易収支の結果がどうあれ、指標発表直後1分足への影響は小さいと考えられます。
下図は、左が経常収支事後差異に対する直後1分足終値、右が貿易収支に対する直後1分足終値、をプロットしたものです。
経常収支にせよ貿易収支にせよ、発表結果が市場予想を上回っても下回っても、直後1分足が陽線になるか陰線になるか、これではわかりません。
判別式を求めても無意味なことがわかります。
【1.4 指標間一致性分析】
もし本指標結果の良し悪しを事前に示唆する指標があったとしても、本指標発表後の反応が素直でなく、どっちにどれだけ反応するかわからないのです。
本分析は行いません。
U.反応分析
もし本指標結果の良し悪しを事前に示唆する指標があったとしても、本指標発表後の反応が素直でなく、どっちにどれだけ反応するかわからないのです。
本指標での反応分析は簡単に留めます。
【2.1 反応概要】
過去の4本足チャートの各ローソク足平均値と、最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅の分布を下表に纏めておきます。
全体の78%が3pips以下しか跳ねていません。始業直前にこんな指標で取引してる場合じゃありません。
【2.2 個別反応分析】
経常収支・貿易収支のそれぞれの事後差異に対する直後1分足終値の分布は、1.3項に記載済です。結論は、発表結果がどうあれ、直後1分足は方向も程度もわからない、でした。
次に、直後1分足終値に対する直後11分足終値の分布を下図に示します。
相関係数が低いものの、対角線(黒線)の上側にドット分布が偏っているように見えます。ただこれは、調査期間が株価上昇時期と重なっていることが原因と思われます。
V.分析結論
巻頭記載の通り、本指標での取引は勧められません。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
注記以上
2018年10月07日
9月次成績に基づく過去傾向分析の有効性検証
雇用統計翌週から次の雇用統計までの指標分析結果と取引結果を前月の月次成績とします。9月3日〜10月5日の経済指標発表前後が対象となります。この期間の主要経済指標のうち、ここに含めていないのはADPと豪州小売ぐらいです。
成績を気にするのは、各経済指標の詳細分析記事の結論である事前取引方針の妥当性を検証し続けるためです。
9月次の運用益は+2.77%で、年換算運用益では40%弱でした。2017年成績は50%強で、pipsは2017年のどの月より少ない一方、取引回数はむしろ多かったので、調子の悪さが数字に表れています。
詳細分析記事に挙げている過去の傾向を踏まえた取引方針の成績は次の通りです。
この成績にオカルトは含めず、判定はリンク先の詳細分析記事の結論が今回の発表でも通用したのかを判定しています。個別の判定が自己弁護になっていないかズルが気になるなら、個別の結果検証済の記事に判定根拠を示しているので、そちらを参照願います。
以上のことから、現在の経済状況なんて一切関係なく、過去の傾向さえ分析すれば、3回に2回弱はまともに取引できました。そして、前提さえ満たせば60%の勝率が期待できたことが確認できました。
しかしながら、70%以上の期待的中率で取引方針を定めている割に、勝率は期待より10%も低くなってしまいました。その原因は3つ考えられます。
事前分析の成績を、1か月に亘って注目指標発表をほぼ全て連続して記録し続けたのは初めてです。ここに挙げた原因が当たっているかどうかは、もう少しこうしたことを続けてみる必要があるでしょう。
まぁ、経済指標発表前後の反応方向は60〜80%程度の再現性しかないので、70%以上の的中率を狙うというのがチャレンジなのです。
次に実際の取引成績です。
事前取引方針は、細かく決めすぎると裁量の余地がなくなって、自動取引と同じになってしまいます。がしかし、少なくとも現時点では、まだ自動取引のプログラムは経済指標発表前後の取引が苦手なことがわかっています(指標発表直後の一瞬を除く)。自動取引プログラムとの違いは、事前取引方針でどこを事前に決めずに自分の裁量でやるかがポイントとも言えます。
また、事前取引方針を決めていても、ポジションをオーダーするタイミングを逸したら取引を止めることができます。そしてもし、たった数秒間だけチャートの動きの先読みが50%以上当てられるようになれば、特に追撃方針の取引で利幅を事前方針よりも少し稼げます。
だから、こうしたやり方だと、実際の取引の勝率が事前分析の勝率よりもやや高くなるのは当然です。
結果は次の通りでした。
こうした結果は、それぞれ以下の原因によると考えられます。
でもこんなときこそ、pipsはチャート次第であり、自分でできることは勝率維持しかない、と自戒しないといけませんよね。
ともあれ、1か月3時間の取引時間こそ超えたものの、ポジション保有中はずっとチャートに張り付ける程度の時間には収まりました。チャートを見ていないときは、チャートの次の動きのクセを読むスキルが上達しません。
そして、スプレッド25倍の場合、取引通貨ペアで最も高いGBPJPYのレート149.07円の1枚✕10倍/25=¥596,280です。この資金に対し月次運用益は+2.77%となります。これは年率換算で35%ぐらいに相当します。
逆説的には、こうした計算に意味を持たせるためにも、勝率を安定させないといけません。
この半分でも毎年そうできなるなら、投資としてまぁ十分です。
成績を気にするのは、各経済指標の詳細分析記事の結論である事前取引方針の妥当性を検証し続けるためです。
9月次の運用益は+2.77%で、年換算運用益では40%弱でした。2017年成績は50%強で、pipsは2017年のどの月より少ない一方、取引回数はむしろ多かったので、調子の悪さが数字に表れています。
【詳細分析記事による過去傾向に基づく事前取引方針の妥当性】
詳細分析記事に挙げている過去の傾向を踏まえた取引方針の成績は次の通りです。
この成績にオカルトは含めず、判定はリンク先の詳細分析記事の結論が今回の発表でも通用したのかを判定しています。個別の判定が自己弁護になっていないかズルが気になるなら、個別の結果検証済の記事に判定根拠を示しているので、そちらを参照願います。
- 事前分析成績は36勝24敗(勝率60%、採用回数60回)
- 事前分析の取引方針を採用できなかったことは、前提を満たさずに取引できなかったことが23回、判定不可だったことが11回、その他取引不可が2回で、計36回です(96回の取引を事前準備し、うち60回で取引可能=方針採用可能率63%)。
以上のことから、現在の経済状況なんて一切関係なく、過去の傾向さえ分析すれば、3回に2回弱はまともに取引できました。そして、前提さえ満たせば60%の勝率が期待できたことが確認できました。
しかしながら、70%以上の期待的中率で取引方針を定めている割に、勝率は期待より10%も低くなってしまいました。その原因は3つ考えられます。
- 各指標の詳細分析記事の内容が、まだ10%分だけ思慮不足・分析力不足の可能性があります。
- 現在は過去3・4年で最も指標発表前後のボラティリティが小さい時期です。指標結果への反応が小さいときは、指標結果への反応がトレンドに埋もれてしまって勝率に誤差が生じやすくなる可能性があります。実際、米豪NZの金融政策発表時の反応は、以前に比べて明らかに小さくなっていました。
- 過去の傾向分析が活用できるのは、過去と同じような経済情勢の場合です。一方、最近は分析記事の多数を占める米国指標が「〇年ぶりの良い結果」という非日常的状況が多く発生しました。
事前分析の成績を、1か月に亘って注目指標発表をほぼ全て連続して記録し続けたのは初めてです。ここに挙げた原因が当たっているかどうかは、もう少しこうしたことを続けてみる必要があるでしょう。
まぁ、経済指標発表前後の反応方向は60〜80%程度の再現性しかないので、70%以上の的中率を狙うというのがチャレンジなのです。
【事前取引方針中心の実取引成績】
次に実際の取引成績です。
事前取引方針は、細かく決めすぎると裁量の余地がなくなって、自動取引と同じになってしまいます。がしかし、少なくとも現時点では、まだ自動取引のプログラムは経済指標発表前後の取引が苦手なことがわかっています(指標発表直後の一瞬を除く)。自動取引プログラムとの違いは、事前取引方針でどこを事前に決めずに自分の裁量でやるかがポイントとも言えます。
また、事前取引方針を決めていても、ポジションをオーダーするタイミングを逸したら取引を止めることができます。そしてもし、たった数秒間だけチャートの動きの先読みが50%以上当てられるようになれば、特に追撃方針の取引で利幅を事前方針よりも少し稼げます。
だから、こうしたやり方だと、実際の取引の勝率が事前分析の勝率よりもやや高くなるのは当然です。
結果は次の通りでした。
- 過去分析に基づく事前方針に沿った取引は、27回行って18勝9敗でした(勝率67%、準備していた事前取引方針に対する方針実施率30%、取引可能だったときの方針実施率45%)。
但し、取引可能と言っても仕事中はできないので、この方針実施率はもしも24時間取引できたなら、という数字です。 - それとは別に、過去分析に基づかない、もしくはポジション保有時間延長による取引は11勝1敗でした(全取引39回に対する方針順守率69%)。
この12回の多くは、ポジションエントリーのタイミングが方針通りで、イグジットのタイミングが方針に沿わなかった事例です。事前詳細分析の寄与は大きいと思えるものの、寄与度を測ることはできません。 - この月次期間での取引時間は3時間27分10秒、損益は+165.32pipsでした。1分足1本当たりの損益は+0.79pipsということになります。
この結果は、2017年成績に比べ効率がかなり悪化しています。
こうした結果は、それぞれ以下の原因によると考えられます。
- 方針実施率30%というのはやや高い気がします。こういうカウントを月次で連続して行ったことは初めてなので「気がする」です。いつもはもっと取引機会をパスすることが多いという気がします。当月は久しぶりに分析と取引の成績を付けていたので、それを少し意識していました。
当月は、ベースとなる事前方針の勝率が60%しかなかった上に、そういう余計な事情が影響したと考えられます。 - 方針外取引の勝率が高くなるのは当たり前です。
例えば、指標発表後の反応が非常に強く、一方向に伸び続けている場合、早期利確という方針通りに利確したりしません。そうした場合に時間を長く取れば、強いレジスタンスやサポートに到達することも多くなり、そこで逆張りをすればまた勝率が上がります。これも方針外取引になります。
反応が非常に強いかどうかは、その指標毎の過去の反応程度を知っていれば、それを目安にできます。また、直後1分足終値に対し直後11分足終値が反応を伸ばしたことが過去何%かを知っていれば、それも判断の参考になります。 - 取引の効率が下がった点は、仕方がない面もあります。
裁量部分(方針外)での取引の勝率が高い以上、この原因は事前方針に基づく取引が原因です。そして、事前方針に基づく取引での成績が悪いことは、今が過去傾向と少し違う動きをしがちな時期にあることが原因と考えます。
特に、前月の各国中銀の金融政策発表時(3回)の反応は小さく、しかも米国経済指標は過去〇年ぶりの高水準ということが多くありました。これらのことは明らかに過去の分析対象期間になかったことです。
よって、当月の効率が2017年の平均より悪化していることには仕方がない面があった、と結論づけます。
でもこんなときこそ、pipsはチャート次第であり、自分でできることは勝率維持しかない、と自戒しないといけませんよね。
ともあれ、1か月3時間の取引時間こそ超えたものの、ポジション保有中はずっとチャートに張り付ける程度の時間には収まりました。チャートを見ていないときは、チャートの次の動きのクセを読むスキルが上達しません。
そして、スプレッド25倍の場合、取引通貨ペアで最も高いGBPJPYのレート149.07円の1枚✕10倍/25=¥596,280です。この資金に対し月次運用益は+2.77%となります。これは年率換算で35%ぐらいに相当します。
逆説的には、こうした計算に意味を持たせるためにも、勝率を安定させないといけません。
この半分でも毎年そうできなるなら、投資としてまぁ十分です。
以上