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2023年03月20日
マッドマシンだよ
昭和のマンガ家は、「マッドマシン」と言うネーミングをえらく好んでいたようです。
初めて、マッドマシンという装置を登場させたのは、手塚治虫先生の「鉄腕アトム」じゃないかと思われます。(1958年「マッド・マシーンの巻」)この時、出てきたマッド・マシーンは、あらゆる機械を狂わせてしまう装置でした。
続いて、石森章太郎先生も、「サイボーグ009」の中にマッドマシンを登場させます。(1965年「オーロラ作戦」)こちらに出てきたマッドマシンも、やはり、機械を狂わせる超音波を出す戦車です。
石森先生は、マッドマシンと言うネーミングが気に入っていたのか、「Sπ(エスパイ)」(1967年)の中にも、マッドマシンを登場させていました。ただし、今度のマッドマシンはメカの名前ではなく、ロボットだけのスパイ団の組織名でした。
桑田次郎先生の「エイトマン」(原作・平井和正先生)の中にも、マッドマシンは出てきます。(1965年「マッド・マシン」)こちらのマッド・マシンとは、他の機械を狂わせるのではなく、狂ったみたいに、自身が無限増殖するからマッド・マシンと呼ばれたのでありました。
そして、最後に、アニメになるはずだった「マッドマシン」(1983年・葦プロ)。こちらは、結局、お蔵入りしてしまいましたが、主人公たちの乗るスーパーカーの総称がマッドマシンだったようです。
初めて、マッドマシンという装置を登場させたのは、手塚治虫先生の「鉄腕アトム」じゃないかと思われます。(1958年「マッド・マシーンの巻」)この時、出てきたマッド・マシーンは、あらゆる機械を狂わせてしまう装置でした。
続いて、石森章太郎先生も、「サイボーグ009」の中にマッドマシンを登場させます。(1965年「オーロラ作戦」)こちらに出てきたマッドマシンも、やはり、機械を狂わせる超音波を出す戦車です。
石森先生は、マッドマシンと言うネーミングが気に入っていたのか、「Sπ(エスパイ)」(1967年)の中にも、マッドマシンを登場させていました。ただし、今度のマッドマシンはメカの名前ではなく、ロボットだけのスパイ団の組織名でした。
桑田次郎先生の「エイトマン」(原作・平井和正先生)の中にも、マッドマシンは出てきます。(1965年「マッド・マシン」)こちらのマッド・マシンとは、他の機械を狂わせるのではなく、狂ったみたいに、自身が無限増殖するからマッド・マシンと呼ばれたのでありました。
そして、最後に、アニメになるはずだった「マッドマシン」(1983年・葦プロ)。こちらは、結局、お蔵入りしてしまいましたが、主人公たちの乗るスーパーカーの総称がマッドマシンだったようです。
2023年03月06日
「リング」 「黒の恐怖」の謎
小説「リング」(1991年初版。鈴木光司・作)とは、言わずと知れた大ヒット映画「リング」の原作ですが、あらためて読んでみますと、本筋以外の部分でひどく気になる事が見つかってしまいました。
話の序盤で、主人公の浅川が、ホラービデオをピックアップするシーンがあるのですが、ここで登場した怪奇映画のタイトルは四つ。
「地獄の家」「黒の恐怖」「エクソシスト」「オーメン」
これらは、浅川が学生時代に見た事のある映画だそうです。
「エクソシスト」(日本公開1974年)と「オーメン」(日本公開1976年)は、説明するまでもないでしょう。「地獄の家」も、邦題「ヘルハウス」(日本公開1974年)の事で間違いないだろうと思います。
ここで問題なのは、最後の一本、「黒の恐怖」です。実は、このタイトルの映画、見当たらないのであります。
「浅川が学生時代に見た事のある映画」と言う説明なので、1970年代ごろの映画だったと考えられます。でも、こんなタイトルの映画は、当時も、それ以降も、日本では全く公開されていないのであります。
念のために、邦題ではなく、英語の原題が「黒の恐怖」と言う作品が無いかも、探してみました。ありません。
映画の原作小説の題名が「黒の恐怖」である可能性も探ってみました。やっぱり、該当作は見つかりません。
ネットでも、さんざん検索にかけてみましたので、私の知識不足で分からなかった訳でもないようです。
じゃあ、何なのでしょう、この作品は? 一本だけ、フェイクの映画タイトルが混ざっていたのでしょうか?でも、だったら、なぜ、そんな事をする必要があったのでしょう?
「リング」は、けっこうなベストセラーですので、この「黒の恐怖」の謎については、すでに、ファンたちの間で騒がれていそうな感じもします。ところが、こちらも、ネットで調べてみても、まーったく、どこにも何も書かれていないのでありました。過去に、この謎に触れたファンたちの会話や解析でもあれば、かろうじて、どこかに記録が残っていそうな気もしたのですが。
さて、皆さんの中に、この「黒の恐怖」の正体が分かった人は、いますか?
話の序盤で、主人公の浅川が、ホラービデオをピックアップするシーンがあるのですが、ここで登場した怪奇映画のタイトルは四つ。
「地獄の家」「黒の恐怖」「エクソシスト」「オーメン」
これらは、浅川が学生時代に見た事のある映画だそうです。
「エクソシスト」(日本公開1974年)と「オーメン」(日本公開1976年)は、説明するまでもないでしょう。「地獄の家」も、邦題「ヘルハウス」(日本公開1974年)の事で間違いないだろうと思います。
ここで問題なのは、最後の一本、「黒の恐怖」です。実は、このタイトルの映画、見当たらないのであります。
「浅川が学生時代に見た事のある映画」と言う説明なので、1970年代ごろの映画だったと考えられます。でも、こんなタイトルの映画は、当時も、それ以降も、日本では全く公開されていないのであります。
念のために、邦題ではなく、英語の原題が「黒の恐怖」と言う作品が無いかも、探してみました。ありません。
映画の原作小説の題名が「黒の恐怖」である可能性も探ってみました。やっぱり、該当作は見つかりません。
ネットでも、さんざん検索にかけてみましたので、私の知識不足で分からなかった訳でもないようです。
じゃあ、何なのでしょう、この作品は? 一本だけ、フェイクの映画タイトルが混ざっていたのでしょうか?でも、だったら、なぜ、そんな事をする必要があったのでしょう?
「リング」は、けっこうなベストセラーですので、この「黒の恐怖」の謎については、すでに、ファンたちの間で騒がれていそうな感じもします。ところが、こちらも、ネットで調べてみても、まーったく、どこにも何も書かれていないのでありました。過去に、この謎に触れたファンたちの会話や解析でもあれば、かろうじて、どこかに記録が残っていそうな気もしたのですが。
さて、皆さんの中に、この「黒の恐怖」の正体が分かった人は、いますか?
2023年03月04日
脳みそ大首領
(「平成・令和生まれに捧げる特撮学」追加データ)
悪の組織の大ボス(大首領)と言うのは、最初、その正体を隠している場合が多い。そして、実体が不明の段階では、眼(あるいは、単眼を強調した形態)だけを部下に見せている大ボス、と言うのも少なくないのだった。
アクマ族の大魔王ガルバー(1976年「超神ビビューン」)、恐竜軍団の恐竜魔王ゴッテス(1977年「恐竜大戦争アイゼンボーグ」)、ガイゾックの真の支配者(1977年「無敵超人ザンボット3」)、ネオショッカーの大首領(1979年「仮面ライダー」)、デスダークの総統タブー(1982年「大戦隊ゴーグルファイブ」)、ネジレジアの邪電王ジャビウスI世(1997年「電磁戦隊メガレンジャー」)、インフェルシアの冥獣帝ン・マ(2005年「魔法戦隊マジレンジャー」)など。ゲゲゲの鬼太郎の宿敵であるバックベアードも、巨大な目玉の西洋妖怪王だった。
ほとんどの場合は、この眼とは、大ボス自身の本物の眼である。(つまり、大ボスそのものが巨大なのだ)なぜ、自分の目玉だけを外に晒しているのかと言うと、そこには、文字どおり、「睨みを利かす」と言う目的もあったのかもしれない。また、眼には「眼力」「目ぢから」「邪眼」などの意味合いも見いだす事ができて、まさに、眼こそは表に出すのには、もってこいの部位だったのだ。
ちなみに、ゴースン党の大魔王ゴースン(1972年「快傑ライオン丸」)は、口だけを部下の前でも見せていると言う異例パターンだったが、眼の場合と比べると、やはり、どこかユーモラスな感じがしたのは否めなかった。
さて、このような正体不明の大ボスたちでも、実際の姿が暴かれてしまうと、その本体と言うのは、脳みその形をしているケースを、よく見かけるのだった。
なぜ、大ボスが脳みそなのかと言うと、そもそも、脳とは肉体の司令塔だからであろう。その為、一番偉い(頭のいい)大ボスとは、イコール脳みそのイメージが当てはまりやすかったのかもしれない。実に単純な連想なのだ。
最初に、脳みそを悪の大ボス役に当てはめた作品が何だったのかは、正確には分からない。例えば、SF小説ならば、1943年の「ドノヴァンの脳髄」(作・シオドマク)あたりが、人を支配する脳みそキャラのハシリだったのであろう。海外の古い映画だと、「The Space Children(宇宙の子供)」(1958年)や「SF第7惑星の謎」(1962年)などに、脳みその形をした宇宙人と言うのが登場していた。ただし、「The Space Children」に出てくる脳みそ宇宙人は悪者ではない。
日本の作品では、まず、SF小説にて、脳みそだけの状態の悪のボスと言うのを見つける事ができる。1966年の「少年画報」掲載の「新世界遊撃隊」(作・矢野徹)に登場したファンタズマがそれだ。
続いて、マンガの分野では、「サイボーグ009」(作・石森章太郎)に出てきたブラックゴースト団の総統(1967年「地下帝国ヨミ編」)が、脳みそ状態の大ボスだった。もっとも、「サイボーグ009」では、0012と言う脳みそキャラが、すでに出演済みだったので、ブラックゴースト総統の方は、三人組の脳みそと言うスタイルをとっていた。
しかし、脳みそと言うモチーフがグロかったからなのか、映像作品では、なかなか、脳みそボスが採用される事はなかったようだった。「サイボーグ009」の劇場アニメ(1967年)でも、肝心のブラックゴーストのボスは、普通のコンピューターにと置き換えられていた。
ウルトラ怪獣のチブル星人なんて、実質上、宇宙人の脳みその怪物だったのであるが、形が前衛すぎて、脳みそのイメージは皆無だった。このチブル星人も、「ウルトラセブン」(1967年)で初登場した時は一侵略者に過ぎなかったものの、のちに、「ウルトラマンギンガS」(2014年)や「ウルトラマンタイガ」(2019年)に再出演した時は、立派なボスキャラとして、他の怪獣や宇宙人たちの上に君臨する事となる。
第二次怪獣ブームの頃から、ズノウ星人(1971年「宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン」)やノウゲルゲ(1972年「超人バロム・1」)といった脳みそ型の怪人も、じょじょにテレビのスクリーンにも登場しだしたのだが、これらは大ボスではない。
その後、昭和の仮面ライダー全ての共通の敵である岩石大首領と言うのが現われたのだが、これを内部で操っていたのが、恐らくは、宇宙人の脳みそ(目玉付き)であった。(1975年「仮面ライダーストロンガー」)
「鉄人タイガーセブン」(1973年)に登場するムー一族の大ボス・ムー大帝も、古代ムーの時代から、脳みそだけの姿になって、生き永らえてきた存在である。
「宇宙鉄人キョーダイン」(1977年)のダダ兵団を率いていたのは巨大ロボットの闇将軍ガブリンだったのだが、ガブリンに命令を下したダダ星のアルファタ・ダダーリン王は、すでに脳みそだけの状態になっていた。
ハワード・ロックウッド財団の主人であるマモーも、その正体は巨大な脳みそだった。これは、第130代マモーの脳みそである。(1978年「劇場版 ルパン三世」)
「無敵超人ザンボット3」(1977年)に登場するガイゾックも、その本当の支配者はコンピュータードール第8号と名乗る物体で、その名の通り、正確にはコンピューターだったのだが、外見は思いっきり脳みその形をしていた。やはり、巨大な脳みそである。
「太陽戦隊サンバルカン」(1982年)のブラックマグマでも、最後の最後に、真の黒幕として、全能の神と言うのが出現した。その正体は不明だが、少なくても、見た目は人間の脳みそだった。
また、これは海外アニメであるが、「ミュータントタートルズ」(1987年)に出てくるディメンションXのクランゲ帝王も、実質上、脳みそタイプに分類できる悪の大ボスである。
とまあ、こんな感じで、かなりの割合で、脳みその形をした大ボスと言うのが存在するのだ。
やがて、TVゲームが普及しだすと、今度はゲームの世界で、脳みそ型のラスボスが頻繁に登場するようになりだした。「グラディウス」(1985年)や「メトロイド」(1986年)、「魂斗羅スピリッツ」(1992年)などの最終ボスがそうだったし、「グラディウス」の姉妹編である「沙羅曼蛇」(1986年)に至ると、一面のボス(ゴーレム)からして脳みそ怪物なのだ。これらの脳みそボスたちは、同ゲームの新作でも、よく再採用されたものだから、結果として、最新のゲーム上でも、なおも、変わらぬ姿を披露し続けたのであった。
大ボスに限定せず、体の一部だけが印象的な脳みそ状になっていた怪人までピックアップしていくと、ハカイダーやサイモン・ライト、メタルナミュータント、顔のない悪魔、ダークブレイン、モジョ・ジョジョなど、それこそ、様々なジャンルの創作物から、該当者を見つけだす事ができて、もはや、キリがない。つまりは、脳みそと言う器官は、それだけ、クリエイターの想像力を掻き立てる体の部位だったと言う事なのであろう。
悪の組織の大ボス(大首領)と言うのは、最初、その正体を隠している場合が多い。そして、実体が不明の段階では、眼(あるいは、単眼を強調した形態)だけを部下に見せている大ボス、と言うのも少なくないのだった。
アクマ族の大魔王ガルバー(1976年「超神ビビューン」)、恐竜軍団の恐竜魔王ゴッテス(1977年「恐竜大戦争アイゼンボーグ」)、ガイゾックの真の支配者(1977年「無敵超人ザンボット3」)、ネオショッカーの大首領(1979年「仮面ライダー」)、デスダークの総統タブー(1982年「大戦隊ゴーグルファイブ」)、ネジレジアの邪電王ジャビウスI世(1997年「電磁戦隊メガレンジャー」)、インフェルシアの冥獣帝ン・マ(2005年「魔法戦隊マジレンジャー」)など。ゲゲゲの鬼太郎の宿敵であるバックベアードも、巨大な目玉の西洋妖怪王だった。
ほとんどの場合は、この眼とは、大ボス自身の本物の眼である。(つまり、大ボスそのものが巨大なのだ)なぜ、自分の目玉だけを外に晒しているのかと言うと、そこには、文字どおり、「睨みを利かす」と言う目的もあったのかもしれない。また、眼には「眼力」「目ぢから」「邪眼」などの意味合いも見いだす事ができて、まさに、眼こそは表に出すのには、もってこいの部位だったのだ。
ちなみに、ゴースン党の大魔王ゴースン(1972年「快傑ライオン丸」)は、口だけを部下の前でも見せていると言う異例パターンだったが、眼の場合と比べると、やはり、どこかユーモラスな感じがしたのは否めなかった。
さて、このような正体不明の大ボスたちでも、実際の姿が暴かれてしまうと、その本体と言うのは、脳みその形をしているケースを、よく見かけるのだった。
なぜ、大ボスが脳みそなのかと言うと、そもそも、脳とは肉体の司令塔だからであろう。その為、一番偉い(頭のいい)大ボスとは、イコール脳みそのイメージが当てはまりやすかったのかもしれない。実に単純な連想なのだ。
最初に、脳みそを悪の大ボス役に当てはめた作品が何だったのかは、正確には分からない。例えば、SF小説ならば、1943年の「ドノヴァンの脳髄」(作・シオドマク)あたりが、人を支配する脳みそキャラのハシリだったのであろう。海外の古い映画だと、「The Space Children(宇宙の子供)」(1958年)や「SF第7惑星の謎」(1962年)などに、脳みその形をした宇宙人と言うのが登場していた。ただし、「The Space Children」に出てくる脳みそ宇宙人は悪者ではない。
日本の作品では、まず、SF小説にて、脳みそだけの状態の悪のボスと言うのを見つける事ができる。1966年の「少年画報」掲載の「新世界遊撃隊」(作・矢野徹)に登場したファンタズマがそれだ。
続いて、マンガの分野では、「サイボーグ009」(作・石森章太郎)に出てきたブラックゴースト団の総統(1967年「地下帝国ヨミ編」)が、脳みそ状態の大ボスだった。もっとも、「サイボーグ009」では、0012と言う脳みそキャラが、すでに出演済みだったので、ブラックゴースト総統の方は、三人組の脳みそと言うスタイルをとっていた。
しかし、脳みそと言うモチーフがグロかったからなのか、映像作品では、なかなか、脳みそボスが採用される事はなかったようだった。「サイボーグ009」の劇場アニメ(1967年)でも、肝心のブラックゴーストのボスは、普通のコンピューターにと置き換えられていた。
ウルトラ怪獣のチブル星人なんて、実質上、宇宙人の脳みその怪物だったのであるが、形が前衛すぎて、脳みそのイメージは皆無だった。このチブル星人も、「ウルトラセブン」(1967年)で初登場した時は一侵略者に過ぎなかったものの、のちに、「ウルトラマンギンガS」(2014年)や「ウルトラマンタイガ」(2019年)に再出演した時は、立派なボスキャラとして、他の怪獣や宇宙人たちの上に君臨する事となる。
第二次怪獣ブームの頃から、ズノウ星人(1971年「宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン」)やノウゲルゲ(1972年「超人バロム・1」)といった脳みそ型の怪人も、じょじょにテレビのスクリーンにも登場しだしたのだが、これらは大ボスではない。
その後、昭和の仮面ライダー全ての共通の敵である岩石大首領と言うのが現われたのだが、これを内部で操っていたのが、恐らくは、宇宙人の脳みそ(目玉付き)であった。(1975年「仮面ライダーストロンガー」)
「鉄人タイガーセブン」(1973年)に登場するムー一族の大ボス・ムー大帝も、古代ムーの時代から、脳みそだけの姿になって、生き永らえてきた存在である。
「宇宙鉄人キョーダイン」(1977年)のダダ兵団を率いていたのは巨大ロボットの闇将軍ガブリンだったのだが、ガブリンに命令を下したダダ星のアルファタ・ダダーリン王は、すでに脳みそだけの状態になっていた。
ハワード・ロックウッド財団の主人であるマモーも、その正体は巨大な脳みそだった。これは、第130代マモーの脳みそである。(1978年「劇場版 ルパン三世」)
「無敵超人ザンボット3」(1977年)に登場するガイゾックも、その本当の支配者はコンピュータードール第8号と名乗る物体で、その名の通り、正確にはコンピューターだったのだが、外見は思いっきり脳みその形をしていた。やはり、巨大な脳みそである。
「太陽戦隊サンバルカン」(1982年)のブラックマグマでも、最後の最後に、真の黒幕として、全能の神と言うのが出現した。その正体は不明だが、少なくても、見た目は人間の脳みそだった。
また、これは海外アニメであるが、「ミュータントタートルズ」(1987年)に出てくるディメンションXのクランゲ帝王も、実質上、脳みそタイプに分類できる悪の大ボスである。
とまあ、こんな感じで、かなりの割合で、脳みその形をした大ボスと言うのが存在するのだ。
やがて、TVゲームが普及しだすと、今度はゲームの世界で、脳みそ型のラスボスが頻繁に登場するようになりだした。「グラディウス」(1985年)や「メトロイド」(1986年)、「魂斗羅スピリッツ」(1992年)などの最終ボスがそうだったし、「グラディウス」の姉妹編である「沙羅曼蛇」(1986年)に至ると、一面のボス(ゴーレム)からして脳みそ怪物なのだ。これらの脳みそボスたちは、同ゲームの新作でも、よく再採用されたものだから、結果として、最新のゲーム上でも、なおも、変わらぬ姿を披露し続けたのであった。
大ボスに限定せず、体の一部だけが印象的な脳みそ状になっていた怪人までピックアップしていくと、ハカイダーやサイモン・ライト、メタルナミュータント、顔のない悪魔、ダークブレイン、モジョ・ジョジョなど、それこそ、様々なジャンルの創作物から、該当者を見つけだす事ができて、もはや、キリがない。つまりは、脳みそと言う器官は、それだけ、クリエイターの想像力を掻き立てる体の部位だったと言う事なのであろう。