2020年07月15日
キングコングの恐竜たち
少年時代の私は、「キングコング」という映画に、あまり興味がありませんでした。怪獣映画とは言っても、ただ一匹の巨猿が暴れるだけの内容だと思っていたからです。ところが、実際の「キングコング」(1933年の第1作)は、コング以外にも、多数の恐竜も大活躍する、まるで私好みの作品だったのであります。
その事に、少しずつ、私が気が付いたのは、第三次怪獣ブーム(1979年〜)が始まって、海外のいろいろな怪獣映画の情報も、ぼつぼつと得られるようになってからでした。
私が「キングコング」を気にかけるようになった最初のきっかけは、「世界の大怪獣ものしり大博士」(1979年・桃園書房)の中で「キングコング」のことを紹介していた、次の一文です。
「(キングコングは)怪力のもち主で、密林に棲む恐竜をうちまかした。」
これを読んで、私は大いに動揺しました。
と言うのも、それまでの私は、「キングコング」とは、コングが都会に連れて来られて、大暴れした末に、ビルから転落するだけの映画だと思っていたからです。なのに、コングと恐竜が戦うシーンがあると言うのならば、それは、是非とも見てみたいのです。
桃園書房の書籍では、のちに「大魔獣恐竜ものしり大博士」(1981年)の中でも、より詳しく、このように書かれていました。
「ドクロ島には他にもティラノサウルスや、プテラノドンなどが住んでいるが、やはりコングにはかなわない。」
さらに、「大魔獣恐竜ものしり大博士」には、「コングの息子」(1933年の映画「コングの復讐」)の事まで言及されていたのでした。「(コングの息子も)怪獣たちと闘ったりしている。」なんて書かれてあったものだから、ますます気になってしまうのです。
その後、朝日ソノラマの「世界怪獣大集合」(1981年)を購入しますと、そこには「キングコング」の登場怪獣として「■キングコング■エラスモサウルス■ステゴサウルス■ブロントサウルス■プテラノドン■ティラノサウルス」と言う一覧が紹介されていました。
さらに、「世界怪獣大集合」の系列雑誌である特撮誌「宇宙船」のVol.9(1982年・朝日ソノラマ)には、人形アニメを扱った「魔法の映像」と言う企画が特集されまして、そこの「キングコング」の項目では「★キングコング★ステゴサウルス★ブロントサウルス★二本足トカゲ★チラノサウルス★エラスモサウルス★プテラノドン」と言う、ほぼ完璧な登場恐竜のリストが載ったのでした。(この「二本足トカゲ」が、2017年のリメイク版「キングコング 髑髏島の巨神」のスカル・クローラーに相当します)
ここまで分かったら、ますます「キングコング」の本編そのものが見たくなるのです。
そして、私が、実際に「キングコング」の映画を目にする事ができたのは、ビデオが一般家庭に普及しだした1980年代後半でした。私が大学生だった頃です。
「キングコング」の恐竜大乱闘シーンをついに目撃した私は、文句なく、この映画を気に入り、借りてきたビデオもすぐダビングしてしまったのでした。(もちろん、個人観賞用にね!)
今では、「キングコング」は、廉価版のDVDまで購入してしまいました。そこまで大好きな映画の一つなのであります。
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