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2018年06月03日

小委員会の中間整理を解説します@

度々アントレです!
ちょっと旅行気分が抜けない今日この頃ですが、ソロソロ切り替えていきたいと思いますw

久々に資エネ庁の”なっとく”を覗いてみたところ、例の再エネ大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会の中間整理資料が展開されていたので開いてみましたw

当方もこの小員会は3回ほど傍聴してますのでその雰囲気を踏まえ、旅行気分の頭の切替も踏まえ(笑)、解説してみたいと思いますw

まず、資料ですが、51ページあります。文字も多いので、面食らっちゃいますが、発電家(含む予備軍)の皆さんに置かれましては、自身の事業活動に超絶に影響が出そうな文献ということになります。まずはキッチリ読破・理解をお願いしますね。(ちょっと難しい用語連発で実は結構難解なのですが。。。)

1.はじめに(P2〜P3)
要約すると、再エネが主力電源化となるのはもはや確定。一方でコスト削減待ったなし。なので色々な施策を講じていく必要がある。というお題目ですねw この背景や日本における再エネの現状、課題、今後の展開等はしっかり押させていきましょう。

2−@.再生可能エネルギーの主力電源化に向けて
FIT法の施行から6年が経過して、今後はイロイロ工夫が必要と言っています。「将来的には FIT 制 度等による支援が無くとも、再生可能エネルギーが電力市場の中でコスト競争に打ち勝ち、 自立的に導入が進むようにしなければならない」と、明確に書かれていますので、脱FITがキーワードとなってくることは確実ですw

で、FITをどう変えていくのか、ちょっと気になる記載がP7にあったので抜粋します。
脱FITに言及しているところで、

「電源ごとの性質の違いに応じ、それぞれに適切な制度 を構築していく必要があり、FIT 法附則第 2 条第 3 項に規定された FIT 法の抜本見直しの期 限(2020 年度末まで)に向け、検討を進めていくべきである」

とあります。つまり、2020年度末、後2年とちょっとでFITの抜本見直しがある、と言う事ですねw

自立って一体なに?という部分は、P6に書いてある、

「直近期間の導入量に応じてて価格低減率が変動する Sliding-scale、市場価格で の取引にプレミアムを上乗せして支援する Feed-in Premium や卸電力市場への直接販売制、 買取価格を競争入札により決定する仕組」

ということになろうかと思います。先行している欧州の真似ですねw

※遅くともこの時点(2020年度末)で野立て太陽光、つまり事業用の低圧50Kw未満のジャンルは試合終了になっちゃうかなぁってのがアントレの予測ですw

それと気になる点はP9にある、「2.太陽光パネルの廃棄対策 」ですね。P10のアクションプランに以下の記述があります。

● 発電事業者による廃棄費用の積立てを担保するための施策について、検討を開始する。
右矢印1資源エネルギー庁(2018 年度中を目途に結論を目指す)】
●同時に、現行 FIT 制度の執行強化にも取り組み、
‒ 廃棄費用の積立計画・進捗状況の毎年の報告を義務化し、
‒ それを認定事業者の情報として公表するほか、
‒ 必要に応じて報告徴収・指導・改善命令を行う。
右矢印1資源エネルギー庁(2018 年度中)】


つまり、パネル廃棄費用の積み立てルールの制定、運用開始が2019年度から始まる。ということになりそうですねw

次、P11にも気になる記載がw

「非 FIT 電源に係る非化石価値について、 住宅用太陽光発電設備のFIT買取期間が初めて終了する2019年度の発電分から非化石価値 取引市場の取引対象とすることを目指し、着実に検討を進めていく必要がある」

「非 FIT 電源に係る非化石価値について、 住宅用太陽光発電設備のFIT買取期間が初めて終了する2019年度の発電分から非化石価値 取引市場の取引対象とすることを目指し」とあります。アクションプランは以下です。

●非 FIT 電源に係る非化石価値の市場取引について、着実に検討を進める。
右矢印1資源エネルギー庁(2019 年度の発電分から市場取引対象とすることを目指す)】


コレ、いったい何を言っているかというと、FITが終了した再エネ電力については、発電時にCO2を排出しない電源ということで、「ゼロエミッション価値」がある、と評価されることになります。これを「非化石証書」として市場でオークション形式で取引する、という仕組みが検討されています。欧米では既に施行されており、火力発電で電力を賄っている企業が恣意的にこの非化石化証書を取得、つなり、再エネ電気を購入することで、ゼロエミッション企業として世の中(顧客や投資家、株主ですね)にアピールが出来る、という仕組みとなります。

大きな企業になればなるほどどれだけ環境貢献に寄与しているかは、世界的に非常に重要なテーマとなりつつありますので、もしかしたら20年後のFIT終了後の皆さんの発電した電力はそーった時勢に乗って付加価値が高くなる、という可能性は大いにあるのかなと思っています。

2−A.再生可能エネルギーの大量導入を支える次世代電力ネットワークの構築
これは簡単に言うと、日本版コネクト&マネージの件ですね。本ブログでも何度か言及してきましたが、今まで原発再稼働に備えて、各電力会社が隠し持っていた系統の空きが、再エネ側にも提供されるような仕組みが施行されることになります。再エネは抑制懸念があったのですが、この仕組みの導入により、そのリスクはかなり軽減されるのかな、と個人的には考えてます。だって、理論上、容量が倍になる。というお話ですからねw

一方、気になる点もございます。こちらもブログで言及してきましたが、例の「発電側基本料金」です。
端的に言うと、系統の容量増強等の費用を、その使用者、つなり再エネ発電家もちゃんと負担していきましょうよというお話で合って、キロワットあたり、毎月いくら、とかになりそうなんですが、内容としては筋が通っていると思います。ただ、既に稼働済みの発電所に対して、後出しジャンケンは困るよね。というお話かと。

P31に以下の記載があります。

「発電側 基本料金の導入に当たっては、FIT 買取期間中・終了後を問わず他の電源と同様の条件で 課金することを基本としつつ、@FIT 認定を受けて既に調達価格が確定しているもの、A 発電側基本料金の導入後に FIT 認定を受ける(調達価格が決まる)ことになるもの、それ ぞれについて、どのような場合に FIT 買取期間中の調整措置が必要か、検討するべきであ るが、具体的な調整措置の在り方については、調達価格等算定委員会等において議論され る必要がある。」

っと、まあ、詳細はこれから煮詰めます。ですね。

また、

「既存 FIT 電源のうち、利潤配慮期間の高い IRR を基に算 定された調達価格の適用を受けているものについてまで、調整措置を適用する必要はないのではないか」 との意見があった。 」

とあるので、過去分の遡及はなさそう、とも取れます。

いずれにしても継続ウォッチ要ですねw

アクションプランは以下です。

●再生可能エネルギー電源に対しても、他の電源と同様、FIT 買取期間中・終了後を問わ ず、kW 一律で課金する仕組みを導入する。
右矢印1電力・ガス取引監視等委員会(2020 年以降できるだけ早期を目途に導入を目指 す)、資源エネルギー庁】
● FIT 買取期間中の電源については、価格転嫁ができないことを踏まえ、どのような場 合に、どのような調整措置が必要か、調達価格等算定委員会等において議論を行う。
右矢印1調達価格等算定委員会等(発電側基本料金の導入までに)】


まあ、2020年度以降、出来るだけ早期に、とありますので、たぶん、ちょっと先のお話かな、、、なのと、過去分訴求は絶対に揉めるので、これまた時間が掛かりそうで、個人的には多少楽観視しております。

次、3.主力電源化に向けた電源ごとの対応 ですが、ちょっと長くなるので一旦切りますねw

ちょっとイロイロゴチャゴチャあるので、別途、時系列時でまとめてみたいとも思ってます。

次回をお楽しみに〜w

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