今回は単回帰分析にはなくて、重回帰分析にしか起こらない「(5)かぶりの問題を確認する」という話です。
【重回帰分析の解説の流れ】
(1)複数の原因と結果の仮説を立てる
(2)回帰式「y=a1x1+a2x2……+b」を導き出す
(3)母集団でも、各原因を使うのが適切かを検定する
(4)回帰式の精度を確かめる
(5)かぶりの問題を確認する
(6)どの原因が予測結果に利いているのかを調べる
(7)別の原因の影響をコントロールする
ここまでは統計の初心者にも伝わりやすいように「かぶりの問題」と呼んできましたが、正式名称は「多重共線性の問題」と言います。
回帰モデルが成立するには、満たさなければならない“前提”があります。
その前提が崩れたとき、多重共線性の問題が起こります。
そのことについては、前の講義でも紹介したドリンク開発の事例を使って説明しましょう。
開発者は「味の評価点数」に加え、「GRP(テレビCMの延べ視聴率)」と「配荷率(店頭カバー率)」という3つの独立変数を使って、従属変数である「ドリンクの売上本数(百万本)」を予測する回帰モデルを導き出しました。
重要なのは、この回帰モデルがどういう特徴を持っているのかということです。
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00741/00007/?n_cid=nbpnxr_mled_new