2023年の映画感想(12)★
『Driving Madeleine (2022)』
<個人的な評価:10点中7.5点>
下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
予告の時点で惹かれた。タクシーのおっちゃんと、おしゃれな高齢マダムに惹かれたわ。
マダムの方が、亡くなった私のお婆ちゃんと少し雰囲気が似ている。
もちろん歩んだ人生は全く違うが、マダムな雰囲気が似ていて親近感。
うちのお婆ちゃんも、死ぬまでお洒落で、化粧していて、愉快で、面白くって、なぜか保守的な私の母や、私より視野が広い人だったんだよね。15の時、へそピしたのが母親にバレて、超怒られた時も、お婆ちゃんは、お洒落で可愛いねと言ってたし、ミニスカはいても、どんな格好をしても、可愛いといつも褒めてくれてた。
そして、ホラー好きの私や兄弟や従兄弟たちに、怪談を聞かせたりしてた。
一緒にホラー映画も観たよ。そんなお婆ちゃんだった。孫皆に好かれてた。
ちなみに、私の母も、お婆ちゃんの怪談話を聞いて育った笑。戦時の時の話も、大変な話もしてくれたな。
戦争のせいで、大学どころか高校にも行けなかったお婆ちゃんだったけど、人生経験は私よりはるかに豊富だった。高齢者の話を聞くのは勉強になるよ。
さて、自分の話になったが、この映画のあらすじは...
あらすじ
パリでタクシー運転手をしているシャルルは、金もなければ休暇もなく、免許停止寸前という人生がけっぷちの状態にあった。ある日彼に、92歳のマドレーヌをパリの反対側まで送り届けるという仕事が舞い込んでくる。彼女の頼みでパリの街のあちこちに立ち寄るうちに、マドレーヌの知られざる過去が明らかになっていく。
タクシーの中年おっさんと、90代のお婆ちゃん客。
老人ホームに送っていく途中に、寄り道をしまくって、走馬灯のように人生を振り返る婆ちゃん。
良いストーリーだった。お婆ちゃん、時代が時代なだけに、壮絶な人生だったもよう。
まさか刑務所に13年も入っていたとは。
でも、人生に悔い無しみたいな感じの婆ちゃんの生き様が、素敵だなと思った。
ただ私は、よく知らない相手と恋に落ちたりできないし、恋愛脳でもないし、貞操観念もあるから、彼女とは全く違うタイプの人間。だから、16歳で相手をよく知らないのに出会って3か月で未婚で身ごもったり、大人になった後も、とんでもないDV男と結婚したり、これ全部、強制じゃなく、彼女が自分で選択した道なんだよ。私とは正反対のタイプだから、彼女の生き方には賛同できない。
それでも、彼女が素敵に見えるのは、単純に、愛が深くて心が優しい、素敵な人と同時に、子供を守る戦士だったから。。
彼女は被害者面してないし、初恋の男性は、良い思い出のまま、今も胸にしまっている。
恨んでないんだよね。そこが彼女の優しさと愛の深さ。
ぶっちゃけ、私からみたら、DV男も、初恋の既婚者の男性も、クズなんだが、その相手を自分で選んだのは彼女。既婚者のアメリカ人は、彼女と出会った時は未婚だったの??普通、付き合う人が既婚か未婚か確認するよね。不倫願望や略奪愛願望がある女は確認しないけど。
でも、この婆さんは、既婚者と知ったとたんに連絡を切ったから、不倫願望はない人。
という事は、出会った時は、未婚だと思ってたんだよね。男が嘘をついてたか、その時は未婚だったか。
いずれにせよ、3か月で出会って、16歳で妊娠して出産とか、後先を考えない現代のような貞操観念がないDQNみたいな連中が、過去にもいたんだな。婆さんの話だから、高齢者という事もあり、暖かい目でみれたが、よく考えたら、なかなかのヤンチャ女だった。
でも、無職ではない。母親とは仲がよくて、母親の元で、お針子として働いていた。
しかし子供を母親に預けまくって、新しい男を探して、結婚して、その男がDV男だったという。
その男が子供に手を出したので、性器を焼いたのは、怖かったが、笑った。
やられたからやり返しただけ。つか、かなり我慢してた。でも息子に手を出したのは許せん!ってのがトリガーになった。
まあ、男に関しては、ざまあみろって感じだけど、痛そう。この婆さんの何がいいって、私とは違うタイプの人なんだが、自分の行動には責任をもっていて、常に戦ってた戦士のような人だった。
今のクソフェミとは、違う、本当の意味でのフェミニストで戦士。
ただ、やっぱり、子供の立場を考えると可哀想だな。DVの継父からは逃れられたかもしれないが、母親は刑務所行き。悲劇だよ。学校でもイジメられてただろうし。
「お前の母親、父親のチ●チンを、焼いたんだろ!!」って...描写はなかったが、イジメられてたのは明白。
今の時代でもそうだけど、男女、どっちにもいえるけど、安易に子連れで再婚する人は、嫌い。
子供の気持ちも考えてほしい。虐待事件とかみても、母親の再婚相手とかだたりする。
男でも女でも、恋愛を優先して、子供を二の次にする人は嫌い。子供を作ったからには、離婚したあとも、シングルでも、子供の気持ちを優先に考えてほしいわ。
この映画の婆さんは、子供優先だったけどね。夫を攻撃した動機も、子供の為だから。
時代が時代なだけに、夫がいないと不便だった事もあったろうし、それで安易に結婚してしまったのかもしれない。
でも、子供からしたら....また別の見方があるよね。
婆さんも辛かったろうけど、婆さんの息子も、婆さんの母親も、かなり辛かっただろう。
その後、婆さんの息子はカメラマンになって、ベトナムで戦争に巻き込まれて死亡。
その息子には、死ぬ前に家族がいなかったのだろうか。恋人がいなかったのだろうか。
映画では描かれてないからこそ、考える余地が広がる。
タクシーのオッサン、ぶっきらぼうにみえて、心が優しいよね。
寡黙だけど、高齢者には優しいタイプかな。
高齢女性の想い出の場所を共に訪れる優しい男で、とっても素敵だよ。
こういう男性、好きだな。
婆さんの壮絶な人生に感動して、自分の愛する妻を、紹介したい!って強い想いに泣いた。
まるで、孫のようだ。
最初は、人生にイライラしぱなっしで、無愛想だったオッサンが、婆さんの話を聞くにつれて、優しい表情になっていくのが良い。しっかり、話を聞いているんだよね。
私の祖父祖母は亡くなったが、高齢者の話をしっかり聞くと、彼ら彼女らの人生は壮絶だったんだなと、自分の悩みなんか、ちっぽけに見えてくることがある。私の祖父祖母も戦争を生き抜いた人達だったから。
このタクシーのオッサン、実は、婆さんの孫かな??と予想してたが、そういうのは、明らかにされないまま終わった。2人は赤の他人と思ってただろうし。赤の他人だけど、財産を譲った。血の繋がりより大事な絆をみた。最後はやっぱり泣いたな。
ちなみに、思い出の地を巡るタクシーの旅が、パリのちょっとした観光案内にもなっているのも良いね。
ちょっとパリ観光という感じで観た。
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今年に入って
、映画館で観た映画(2023年1月〜現在まで)は、12作。
好きな順番に...
(1)『The Super Mario Bros. Movie (2023)』全体評価:9.5点
(1)『RRR (2022)』全体評価:9.5点
(3)『Dungeons & Dragons: Honor Among Thieves (2023)』全体評価:9点
(3)『不思議の国の数学者(2023)』全体評価:9点
(5)『Air (2023)』全体評価:8.5点
(5)『Orphan: First Kill (2022)』全体評価:8.5点
(5)『Babylon (2022)』全体評価:8.5点
(8)『Everything Everywhere All at Once (2022)』全体評価:8点
(9)『Driving Madeleine (2022)』全体評価:7.5点
(9)『名探偵コナン 黒鉄の魚影 (2023)』全体評価:7.5点
(9)『Missing (2022)』全体評価:7.5点
(12)『Veneciafrenia (2023)』全体評価:6.5点