<個人的な評価:10点中8点>
下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
ピノキオは色んなバージョンがあるが、DISNEYのピノキオが一番、知名度が高いだろう。
『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』、少しゴシック要素があるのも特徴だ。
DISNEYのピノキオとは若干、ストーリーが違うので、新しい目線で見る事ができた。
「親子の愛情」や、「思いやりの心」はもちろん、当時のイタリアの社会情勢や戦争や死生観もテーマである。大人が観ても楽しいし、ファミリーで観ても楽しめる作品だろう。
物語の舞台はベニート・ムッソリーニが支配するファシズム時代のイタリア。
少年たちは、学校で、兵士になるように洗脳教育を受けていた。時代が時代だからしょうがないが、戦争とは本当に悲しいものだ。
ゼペットには、父親想いの行儀の良い息子カルロがいた。しかし、ある日、戦争で幼き息子カルロを失ってしまう...
カルロが、教会の爆破に巻き込まれて亡くなった描写まで描かれており、戦争とは無残なものだなと思い知らされる。ゼペットは酒に溺れるようになるが、ブルーフェアリーが彼を哀れみ、もう一度、父親になるチャンスを与える。
ゼペットは、息子カルロの墓から生えた木で、ピノッキオを作る。そして、ピノッキオは、ブルーフェアリーに命を吹き込まれて生まれてきた。
大人しくて行儀の良かったカルロと異なり、ピノッキオは乱暴者で自由奔放な性格。
しかし、とても純粋だ。
皮肉な事に、ピノッキオが生まれた世界は、市民が従順な操り人形として生きる世界。
ゼペットとピノッキオの心情的な対立も、行儀の良かった息子カルロの代わりを求めるゼペットと自由奔放なピノッキオという構造で描かれているのが面白い。
しかし、根っこは、ピノッキオも、優しく、父親想いなのだ。
世間知らずで純粋ではあるけどね。その後、ピノッキオも、色々と学んでいくのだ...
相変わらず、DISNEY同様に、クリケットは、良い性格をしている笑。
クリケットは、ピノッキオの良心になるよう奮闘。
何度も何度も潰されても生きているのが...さすが。
今回の作品で面白いのは、ブルーフェアリーが二人いる事だ。2人は姉妹。一人は冥界の番人みたいなフェアリーだ。
ピノッキオは最後、父親と再会できて、最後まで父親の側にいて父親を看取ったが、
友達のクリケットや、猿が、老いてなくなっても、ピノッキオは人間ではないので、そのまま死ななかった。
彼は自分の運命を受け入れて、愛する人達を看取った。
最後、ピノッキオが少年になるのかと思いきや、一度は少年になったけど父親を救う為に命をおとしたんだね。そしてクリケットの願いで、ピノッキオは生き返ったけど、生き返ったピノッキオは、人間ではなく、元の木材ピノッキオなのか。
なんで、あの願いで、人間としてピノッキオを生き返らせて!と言わなかったのか。
何でもかなえられる願いなのに。
最後、1人ぼっちになったピノッキオは、どこにいくのだろうか。
自然に返るのかな...