<個人的な評価:10点中8点>
下記、個人的な感想。
犯人含む全てに関するネタバレあり。
下記、個人的な感想。
犯人含む全てに関するネタバレあり。
アガサ・クリスティの1937年の有名小説『ナイルに死す』が原作。ずっと観たかった映画だ。クリスティの作品の映像化(映画、短編ドラマなど)は、けっこう好きなんだよね。
さて観た感想だが、映像がとにかく本当に綺麗だった。舞台であるエジプトの神秘さや美しさには、見惚れてしまう。あと、当時の時代のファッションをした曲者揃いのキャラ達もそうだが、とにかく舞台設定や時代設定が良い。そういう面もあって個人的な評価は、「8」と、私の中では高評価の部類だ。
しかし、ストーリーだけで言うなら、「7」ぐらいだろう。
最初からネタ&真犯人がわかってた。うーん。やっぱり、過去に読んだ事があったのか?いや記憶にないし読んではいない。だったら、どこかで観たのか。まったく覚えてない笑。でも、冒頭から、トリックだけは鮮明にわかってたんだよね。たぶん、コナンかどっかの推理もので、似たようなトリックを観た事があったからかな。
冒頭でダンスしてた恋人達。サイモンとジャッキー。ジャッキーは、わざと自分の恋人と、あの女に紹介したんだろうなって予想ついた。そして、その時点で、トリックが既にわかってた。デジャブを感じた。
やっぱり、過去に似たのを見たかも!?
相手が親友でも略奪愛も平気でする、人のものを奪う事をなんとも思ってないクソ金持ち女のリネット。
リネットが、そういうクズ女だって事を知ってたから、そういう性格を知った上での計画犯行だろうね。
リネットは正直、殺されても同情しないどころか、死ね!って最初に出てきた時から思ったよ。
演じている女優はすっごくエキゾチックな美人だけどね。でも、リネットというキャラは、ほしいものは全て金で手にいれるし、親友の婚約者も平気で略奪するし、とにかく、とんでもない破壊女。
彼女の父親もなかなかのヤバい男だったらしい。ものすごい資産家だが、とにかく敵が多い一族だった。
リネットは、決して、頭が悪いわけではなく、むしろ狡猾な女でもあるが、ナルシストな己惚れた性格から、男を見る目だけは、なかったようだね。親友の婚約者がすぐに自分に惚れたと信じる自意識過剰っぷりには吃驚だよ。不倫カップルでもありがちな、「私達は大恋愛!」が言い訳だが、やはり、自業自得な展開。同情は一切ないどころか、ざまあみろ!と思った。
恋人のジャッキーを、出会ったばかりのリネットの為にすぐに捨てられるか?あんなに冷たくあしらうか?
確かにそういうクズ男はいるが、なんか、この場合は、けっこう、わざとらしかったので、そういう点もあって、やはり真犯人は、サイモンで、共犯者がジャッキーだなと確信した。
また、この映画には、様々な形の愛が出てくる。
探偵ポアロの過去も出てきた。
あんな形で優しかった婚約者を失ったなんて...
あのヒゲにも、ああいう理由があったのか。
その後も、ずっとポアロは、亡き婚約者を愛する...
最後、ついにヒゲを剃って、新しい恋の予感!?な描写もあったが、個人的にはアレは余計だよ。
永遠に死ぬまで、亡き婚約者を想う...ってのも、ポエティックだったのに。
私はそういう頑固で一途なキャラの方が好きだけどな。
一番可哀想だったのは、ポアロの友達で、3番目に死んだブーク。悲しすぎる。
そういえば印象的なシーンがあった。冒頭で、婚約者サイモンを、親友リネットに紹介し、2人が親密になった事に気づき、涙ぐむジャッキー。もう全てを悟ったかのような彼女の涙。
これから親友を殺す犯行計画の幕開け。
あの彼女の涙は、婚約者サイモンを失いそうだから泣いたという涙ではなく、殺される運命にあるリネットへの最後の同情の涙だったのかも。
そうとも知らずに、親友の恋人を寝取って結婚までするリネット。
彼女がそういう自己中で自分勝手で平気で人を傷つける性格の女だって事も知った上での計画犯行。
親友という設定だけど、そもそも、こいつらどこが親友?
親友が人の婚約者を奪うのか笑。友達ですらないじゃん笑。むしろ敵だよ。
しかもリネットはこうも言った。
自分のまわりに群がる人間は、誰一人信用できない。自分の事を金としかみてないから!
ジャッキーだけは違った...だから、恋人を略奪しても、ずっと友達でいてねwwとか都合の言い事をぬかしてて、性根の臭さに驚いた。
ジャッキーの事をそう思ってたのなら大切にすべきだったんじゃないの?
そんな大切な友達の婚約者を略奪婚して、よくあんな図々しく被害者ぶってられるなー。
この映画にもう少し足した方が良かった部分は、ジャッキーの動機。
金目当てなのはわかったけど、それ以外にも、あるのでは?
例えば、復讐。リネットの父親のせいで、ジャッキーの父親は死んだとか、破産したとか。
そういう裏事情があってもおかしくない。
でも、リネットと知り合い、友達になっていき、憎しみに加え、友情も抱くようになった。
愛憎。
だから、ジャッキーは、悩んだのかも。
自分の婚約者サイモンを紹介して、それでリネットが、理性をもって、断ってたのなら、ジャッキーの気持ちを大切にしてたのなら、そもそも、殺人計画はダメになってたし、殺人もおきなかったかもしれないし、ジャッキーも、親友を殺すのをためらっただろう。
でも、あのダンス場で、平気で親友の婚約者を奪おうとするリネットをみて、計画は続行!となったのかもね。
サイモンとジャッキーが愛し合ってたのはわかるけど、リネットの財産が目当てという以外にも、復讐とかなにか他の理由があってもおかしくなかったね。
そもそもリネットみたいな女には、本当の友達ができるはずがないよ。
Gossip GirlのSerenaみたいなやつ。Serenaは、平気で親友の恋人(しかも幼馴染)を寝取ったり、平気で既婚者や教授と寝たり、そんな腐った根性をしていた。でも、リネットは、Serenaよりかは賢い。Serenaの場合は、単純に尻軽の酔っ払い女。それに対して、リネットは狡猾。
親友の婚約者を奪って、自分がすぐに結婚しちゃう!っていう根性もヤバい。
それでも、男を見る目がなかったがゆえに、自分に己惚れすぎたゆえに、その男に殺されてしまった。
己惚れという点では、Serenaも似てたな。恋人が詐欺師で自分の美貌ではなく金目当てだったし笑。あと、ずっと自分の事を愛してくれていると思い込んでた男にもフラれたどころか暴露小説を書かれたし爆笑。
とにかく、一見、男に不自由してないように見えるけど、実際は、こういうタイプの女は、男を見る目がない。まあ、人のものを横取りする時点で、ちょっと見る目がないか。
リネットの死は、親友の婚約者を寝取り略奪婚という自分勝手な行動をしたカルマが返ってきたのだろう。
下記は登場人物。
★ エルキュール・ポアロ
世界一の名探偵。本作では過去の一部が明かされる。独特な推理方法を持っている。
★ リネット・リッジウェイ
父親から莫大な遺産を相続した大富豪の美女。親友の婚約者サイモンと会ったその日に略奪し結婚までする性悪泥棒女。亡き父親も性悪でよくない噂もあり敵は多かったらしい。
★ サイモン・ドイル
リネットの新婚の夫。婚約者ジャッキーをあっさり捨てて、大富豪であるジャッキーの親友リネットと結婚する性悪男。しかし実は.......
★ ジャクリーン・ド・ベルフォール
リネットの親友でサイモンの元婚約者。愛称はジャッキー。
サイモンをリネットに奪われて、サイモンにも捨てられて、情緒不安定な悲しきストーカーと化す。しかし実際はなかなかの演技っぷり。
★ ブーク
ポアロの親友。『オリエント急行殺人事件』より続投し、前作ではオリエント急行を運営する鉄道会社の重役だったが後に退職し、本作では母親と旅行している。
★ ユーフェミア
ブークの母親。絵描き。やや過保護な気難しい性格で息子がとても大切。恋愛に関しては悲観的で冷淡。
★ サロメ・オッタボーン
有名なブルース歌手。過去にリネット親子に人種差別された経験があるが、リネットは子供だった事もあり、サロメは水に流している。(リネットは幼少期から性格わる!!)
★ ロザリー・オッタボーン
サロメの姪でマネージャー。リネットとは同級生で友人。
★ ウィンドルシャム
医師。かつてリネットに恋をし、プロポーズしたが断られた過去がある。
★ アンドリュー
リネットのいとこで財産管理人。ブークからは「腹黒そうな男」と評されている。実際に強欲な奴ではある。
★ マリー・ヴァン・スカイラー
リネットの名付け親で後見人。富や贅沢を軽蔑していて、過剰な金は寄付すべきと考えている慈善事業家。
★ ミセス・バワーズ
スカイラーの看護師で友人。スカイラーと対照的に金に目がない。株の大暴落で資産を失った過去を持つ。
実は、スカイラーとは、ただの親密な関係。
★ ルイーズ・ブールジェ
リネットのメイド。喫煙者。第二の犠牲者になってしまう。
あの人気ドラマGame of Thronesに出てたローズ・レスリーが演じている。