『The Fall (落下の王国)(2006)』
<個人的な評価:10点中8.5点>
下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
前から気になってた作品。ようやく観れた。
インド出身のTarsem Singh監督の独特な世界観が好きだし、映像美がすばらしい。
映像美を堪能した。
重傷を負ったスタントマンの男性が少女に語るおとぎ話という設定も最高に良い。
少女がとても子供らしく無垢でかわいらしかった。
1915年のLA。無声映画のスタントマンをしていた主人公ロイは、撮影中に大怪我を負い半身不随となり自暴自棄になっていた。他の俳優にも恋人を奪われ、生きる希望を失っていた。
そんなとき入院中の病院で、ある無垢な少女に出会った。
彼女はオレンジの収穫中に木から落ちて腕を骨折して入院していたルーマニアからの移民アレクサンドリア。
腕は骨折しているが元気で自由に動き回っている明るい少女だ。
おとぎ話をせがむ少女に、ロイは、自分でてきとーに作ったおとぎ話をきかせる。
少女が、真剣に聞いてるので、ロイもおとぎ話の趣向を練っていく様が面白い。
少女との時間は安らぎの時間のようでもあったが、実はロイは、動けない自分に代わって自殺するための薬を少女に盗ませようと思い付いたのだ。そして、アレクサンドリアに物語の続きを聞きたかったら、薬をとってきてとお願いする。もちろん自殺するという事は一切話さずに......
無垢なアレクサンドリアは、薬をとってくるが.......
ちなみに、おとぎ話の時は、場面が変わって、別世界のファンタジー世界で、映像美がすごい!!
その不思議な世界でのおとぎ話は、いつしか少女にも希望を与え、やがて、ロイ自身をも救う壮大な物語となっていった。その物語にすごい美女が出ていたが、実際は聖女でも何でもなく、美しいのも外見で、中身は微妙な女で、物語でも主人公に見切りをつけられたのが最高に良いね!!!スッキリする笑。なんか、そういう設定もユニーク。女が被害者!みたいな最近の展開はウンザリするから!
あと、恋愛脳賛美の映画が多いが、この映画では、主人公は失恋から立ちなおったのだ。特に新しい恋人をみつけたという描写もないしね。無垢な少女と自分が作ったおとぎ話のおかげで、立ち直ったのだ。
リアルでも、ロイは、自分を捨てた恋人を吹っ切る事ができた。そして、少女アレクサンドリアのおかげで、もう一度、生きようと思った...
その後、ロイは復活して、映画で活躍!アレクサンドリアはロイと会う事はなかったが、映画が大好きになったアレクサンドリアは、ロイを映画で発見する。
ロイにしかできない演技。「落ちても」「落ちても」も、復帰するロイ!
映画をみて、ロイの復帰を喜ぶアレクサンドリア。映画は終了。
それにしても、無垢な子供の想像力ってスゴイなーと思う。
アレクサンドリアは、飾った美少女という感じではなく、変に賢いわけでもなく、本当に子供らしい愛らしさをもっている愛嬌がある子。行動も言動も子供そのもの。
そんな無垢な天使のような彼女だからこそ、想像力が豊かだし、ロイが語ったおとぎ話は、彼女の脳内で、色鮮やかな色がついて壮大な物語として再生されてた。
そして、出てくる登場人物を、自分の知っている人達に当てはめているのが、かわいらしいし面白かった。
個人的に、映像美でもストーリーでも評価できる作品。
超感動した!!というわけではないけど、とても良作だと思う。
なので、8.5点です。