『The Good Liar (2019)』
<個人的な評価:10点中8点>
下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
そうきたかー!という感じで中盤以降はハラハラドキドキしました。
面白かったです。予想外の展開でした。
サスペンス色もあって、人間ドラマもあって、やっぱり先が読めない展開って面白いですね。
観る前に、くれぐれも結末のネタバレはふまないように!
映画感想の前に、ちょっと私だったら...って話を。
私が求める事はないでしょうが、今の時代、インターネットで出会いを求めるという行動は若い人だけではなく、高齢の人もやるんでしょうね。私の母は理解できない!と言ってましたが笑。
私も自分の価値観とは違いますが、批判はしません。
まあ、世の中にいろんな人がいますし色んな価値観があります。特に欧米はオープンですから。60代、70代で再婚とかありますし。まあ、自分は絶対にやらないだろうけど、そういうのも良いと思いますよ。恋愛対象は20代の女性だけ!とかいってる日本のオッサンよりかは、視野が広くて素敵な出会いがありそうです。(オッサンが幸せなら良いし、オッサンの価値観を否定しているわけじゃないです。)
でも、年齢関係なく、いくつになっても、出会いがあったっていいじゃない!と私は思います。
まあ...私や私の家族は、ネット出会いとかは、やらないけどね笑。
私自身、アメリカ国籍でアメリカで生まれたからアメリカ人になるけど、家庭はどちらかというと保守的だし、母が中華系シンガポール人だから、アジアンな感覚もあるんでしょう。父は日本人の血が入っています。だから、自由になんでもあり〜!みたいな、よく日本で誤解されているアメリカンな感覚は、私や家族は持ち合わせてません。アメリカだって広いし、クリスチャンも多いし、意外と一般日本人より保守的な人達だって沢山います。映画でみているアメリカだけが、アメリカではないですからね。
まあ、厳しく保守的な家庭環境もそうだけど、そもそも私は彼氏がいても(今は遠距離だけど)、一人でいる事も大好きで、大学の寮であってもルームシェアは嫌だったので、一人部屋にしたし、その後、マンションに引っ越して、大学2年生から自由にマンションで一人暮らし。今まで側に人がいなくて、寂しい...と思ったことは、一度もなく、むしろ、あえて一人でいる事を選択していました。だから、このコロナ渦の中、あまりストレスを感じる事なく、完全一人暮らし&在宅勤務を満喫してます。ストレスフリーです!3、4日間ぐらい、誰ともしゃべらない事もあります。なんとも思わないし、むしろ気持ちいい。親や弟や彼氏であっても、やっぱり誰かと一緒に暮らすよりかは、一人の方が気楽で自由で好き。あと元々、私自身、自分と自分の家族と親しい人間以外には、あまり興味ないです。もちろん好きな俳優や女優さんとかには、少し興味あるけど。でも基本的に、生活するうえで関わらないといけない人達とだけ関わればいいと思うから、別に友情であれ、なんであれ、新たな出会いを求めた事がない。友達も恋もじゅうぶんすぎるほど足りてるのかな。
もちろん、SNSで、趣味が似た人と通じるのは楽しい。でも、繋がるのは、あくまでも情報収集の為だし、ツイッターはフォロワー800人ぐらいいるけど、ツイッター上でつながった人達と意見交換はしても、自分から深く関わって、友達になる...って事はないですね。
あ、でもオンラインゲームで知らない人と協力する事は、たまにあります。
でも、人生のパートナー、または恋愛対象探しのネットでの出会いか〜笑。
そういう人達は、よっぽど寂しいんだろうね〜
それか新たな刺激を求めているんだろうか。
否定はしないけど、私には縁のない世界ですね。
でも他の人が、まわりに迷惑をかけずに勝手にやるのは否定しないけど、配偶者が死んで2、3年もしないうちに新たなパートナー探しって...私なら悲しい。
死人に口なしだけど、私の彼がそんな事するんだったら絶対に悲しいし、イヤですね。てか再婚とかも個人的には嫌です。私の両親がそれをやっても大反対します。既に長年作り上げてきた家庭と絆を、赤の他人にぶち壊されたくないし介入してほしくないし、夫婦とは唯一無二の存在で、新しい人は作ってほしくないですね。まあ、私の両親は、そんな事をするような人達じゃないけどね。他の人がするのはどうでもいいし否定はしない。けど私はしないし私の家族にはしてほしくないってだけです。
さて、どうでもいい自分語りをしたけど、実はこの映画は、別に夫&妻と死別した高齢男女がネットを通して出会い新たな人生を歩む...という物語ではないですよ。
ただ、ネットの出会いは危険もあるよ〜というのは、当たり前だけど、改めて認識させられました笑。
ネット出会い好きな人は、気を付けた方がいいよ。
ネットの世界が嘘だらけなのは当たり前だけど、詐欺とかも横行してるしニュースにもなってますからね。
さて、映画の話に戻りますが、最初から、この淑女な老女も何か隠しているかな、この人も詐欺師なのかな、と思ってました。詐欺師が詐欺師に騙される物語なのかなーと思ってみてました。でも実際は、もっと根深い復讐の物語でした。
そして面白かった。結末は衝撃的だったし良かったし、個人的に評価は高いです。
やっぱり予想外の展開というのは面白いよね。予想できる展開とか飽きるし、予想できないハラハラドキドキが楽しい。だからこそ、見る前にネタバレは絶対に踏まないように気を付けてました。
この先、私が書く事は、ネタバレなので、注意!
主人公、一見、穏やかそうで害のなさそうな高齢の紳士Roy。
こいつ、詐欺師です。最初は結婚詐欺や投資詐欺をやる程度かなと思ったけど、人殺しでもあった。かなり悪どい。ただの詐欺師ではなく、存在そのもの自体が詐欺で人殺し。過去も黒です。
性根が腐ってるので、最後の展開は、ざまあみろ!としか思わなかった。
もう一人の主人公Bettyですが、彼女は資産家の未亡人。上品で寂しそうな高齢の淑女です。
夫を亡くして、寂しく暮らしていて、オンラインでパートナー探し。
病気持ちで余命は、そんなに長くない。でも実は彼女にも秘密が。
そして正体は...
最後に話します。
そして私の好きなキャラでもあるSteven。
お祖母ちゃん想いの面倒見の良い優しい孫。頭もよく、心配しているだけじゃなく、行動派でもあります。
けど彼の正体は...
彼にも秘密があるけど、冒頭から中盤までは、本当に面倒見がいい、お祖母ちゃんの事を心配していて、交際にも反対している感じの青年だったので、私は彼に共感して、観てました!!自分のお祖母ちゃんだったら、本当に心配だし。てか、もっと全力で阻止する笑。
そしてBettyの家のまわりをウロウロしている車。謎の人物。強盗が物色しているのかな?
........
序盤から中盤までは、詐欺師Royが、いかにして純粋なBettyを騙していくか...でした。
でも、Bettyもただ純粋な老婆というだけではなく、元Oxford Universityの教授で賢い女性でもあるので、簡単にコロっと騙されません。それでも、徐々に二人は友好を深めていきます。
中盤から、どんどんサスペンス風になっていき、そして、Royの過去も少し出てきて...そして終盤、そうきたかーー!!!
結論からいうと、Bettyは別に詐欺師じゃない。けど、Bettyが最後は、Royを騙して勝った感じですね。
これは根深い復讐の物語。
Bettyの正体は...裕福な老女というのは間違いないです。
でも本名はBettyではなく、Lili...
そう、Lili...
真実はずっと側にあった。あの絵画のLili。
共同口座のパスワードでも、Lili...
でも、彼女の事を本人から言われるまで何一つ思い出さなかったRoy...いや、本名はHans.
これは、Lili の復讐の物語。
でも、Liliが、ずっと復讐に生きていたわけじゃなく、ちゃんと家族もいて愛されている人生を送っているのは良かった。こんな性根腐ったクズ男への復讐にずっと生きてたら可哀想だもんね。
Royの正体は、Hans。
そして、Liliは、Hansをずーっと昔から知っていた。
少女時代のLili、裕福な家庭の末っ子。
15歳のHansは、Liliの英語の家庭教師だった。
戦時下だったから、Hansにも同情する面はあるけど、職があったにもかかわらず、彼はLiliの裕福な家庭に嫉妬をして、Liliの姉に嫌がらせをして、Liliの好意を逆手にとって、あろうことか幼いLiliをレイプした。若い時から性根が腐っていた。それだけじゃなく、その後、Hansは、Liliの父親を密告し、父親は絞殺され、絶望のあまり母親は自殺。その後、3人の姉も死んでいった。残されたのはLili。
でも、Liliは、ずっと家族の復讐に生きてたわけではなく、彼女も成長し、結婚し、家族に恵まれ、裕福な暮らしをしていた。それでも、Hansみたいな男が、まだ、のうのうと生きていて詐欺などの悪事を働いているのも許せなかったんだろう。なにより、Liliは、幸せな生活を送っているものの、心はまだ、あの日、あの部屋、あの頃に閉じ込められたまま。Hansと向き合わなければいけない、そう....
だから、今回の計画。
Liliは、家族や友人の協力も得て、この一大劇をやりとげた!
1人でやったんじゃなく、家族や友人の協力を得て計画をたてたのが最高。
Liliは、それだけ家族に愛されていたんだよ。
(ちなみに、少女時代のLili、どっかでみた事あったと思ったけど、Game of ThronesのCerseiの少女時代を演じてた。小説Cerseiのイメージと少し違うから、どうなの?って当時GoTを観てた時は配役に疑問を持ってた。まあ、配役は置いといて... 皮肉にも、Liliも信頼してた家庭教師のHansにレイプされたし、Cerseiも信頼してた弟Jaimeにレイプされたね。信頼してた人に裏切られたというのは辛いな。)
そうそう、Liliの家の前をウロウロしていた怪しい人物。
あの人こそが、Liliの実の孫で名前はMichael!!!
Liliは、実は沢山の孫がいて、Michaelはその一人。
彼も計画に協力したけど、やはり、最愛の祖母が危険な犯罪者Hansと一緒に暮らしているのが心配なのか、現場をウロウロしていたんだね。お祖母ちゃん想いの心の優しい孫!
というと、Stevenは誰?となりますよね。
Stevenも、孫同然だろうけど、彼は実は一番協力してくれた人で、Hansの過去と悪事を色々と暴いてくれた人。すごく頼りになる優秀で良い奴!!Stevenが、Liliとは直接、血はつながっていない。Stevenは、孫Michaelの親友(または恋人かな?)で、Liliの事を、とっても慕っている良い奴です。
医者も協力者の一人!
Liliは、病気ではなく、健康でピンピンしていて、老婆というほどでもなく、まだまだ人生これからという感じで良かったです。
あと、Liliは、Hansの口座の金を全て奪う事はせず、彼が直近で犯した詐欺で被害に遭った人に返済する為のお金も、あえて残しておいたってのが最高にかっこいいです笑。
そもそも復讐といっても別に、Hansを殺そうという事ではなかったしね。
復讐に堕ちて悪魔になった女!ってわけじゃないのが、良い。
戦争の中だったからHansの過去も哀しかったものだろうけど、それでも物にあふれた現在、まっとうに生きる事もできるはずなのに、Hansは、長い人生の中、改心して良い人になるチャンスもあったのに、クズ気質は年をとっても変わらなかったからね。クズは年をいくらとってもクズのままか〜笑。
最後は、因果応報というのかな。
Hansは、Hansにふさわしい場所にいて終了。
Liliは、最後は、郊外の大きな屋敷で沢山の孫や家族に囲まれて、優雅なお茶会を楽しんでいました。
Happy End。
スッキリする終わり方だった。
Liliが、幸せで良かった。