あくまでも個人的な映画感想です。
ネタバレ注意!自己責任で!
『The Death & Life of John F. Donovan』
(ジョン・F・ドノヴァンの死と生)
(ジョン・F・ドノヴァンの死と生)
<個人的な評価:10点中7点>
コロナウイルス対策で、映画館を避けてたのですが、どうやら日曜日の夜で、この映画は比較的空いてたので、前列すべて、後ろ列すべて、自分の列すべて、誰もいないのを確認して、ぎりぎりで席をとって、鑑賞しました。自然と前方の席になってしまいますが、まあ人がまわりにいないのが良い。
(位置より、まわりに誰もいないのが最重要。)
あらすじ
アメリカの人気俳優、ジョン・F・ドノヴァンが亡くなってから10年の時が経過した。そんなある日、若手俳優のルパート・ターナーはドノヴァンと交流していたときの記憶を不意に思い出すのだった。11歳の頃、ターナーはドノヴァンと手紙のやり取りを重ねていたのである。
本作はターナーの回想を通して、ドノヴァンの死の真相を描き出していく。
ジョンがカッコいいのと、最後のバイクのシーンがなぜか無駄にかっこいいのが印象的。
ENDINGの曲で、BITTERSWEET SYMPHONY が流れてたのが良い。この曲は、CRUEL INTENTIONSという、私の好きな古い映画で、その映画のENDINGにも流れてました。
この映画はフィクションだけど、主演が Kit Harington なだけに、色々とおもう事があり、それもこの映画を観るキッカケになりました。Kit Harringtonは、私の大好きなドラマ Game of Thronesで、Jon Snow を演じていた。Jon Snow は特別好きなキャラではないし、むしろ苦手なキャラだが、俳優がすごくキャラにはまっていたと思う。(Game of Thronesの俳優たちは、みんな凄く役にはまっていると思う。長く暗いドラマで、役にはまってたからこそ、憑依型の俳優が多かったからこそ、苦悩をかかえてたんだろうな。)
Kit Harringtonは素晴らしい俳優です。
Game of Thrones で、瞬く間に、さらに大人気になりました。。
けど、実在の Kit Harringtonの苦悩を知っている人は多くはないと思います。
彼は、Game of Thronesの最後の収録が終わった直後に、過呼吸をおこしています。
収録が終わったあと、リハビリ施設にしばらくいました。
誰よりも重い衣装をきてたし(本人いわく)、長年、難しいキャラを演じて、この長編ドラマで、かなり病んだのか、プライベートでも何かあったのか、真実は知りませんが、うつ病を発症していました。
だから、収録直後に、凄く高級なリハビリ施設に入ったんです。これは凄くいい案だと思う。
俳優たちの心のケアを大事にすべきだと思います。どんなにスーパースターでも彼らだって、繊細な人間なのだから。
偶然か否か、この映画の有名俳優の名前も、ジョン。
実在のスーパースター Kit Harringtonも苦悩を抱えてた。
その Kit Harringtonが演じるスーパースター John F. Donovanも苦悩を抱えてた。
映画やドラマで演じて、実生活でも他人から認められようと好かれようと演じて、それってある意味、凄く疲れるし、虚しいなと思いました。
俳優のジョンが、ドラマや映画で演じてるキャラが、魔法使えるヒーロー的な存在で大人気で好かれるキャラで、彼自身も、実生活でそのキャラのイメージを壊さないように好かれるように演じてたのだろうか。
本当の自分を隠して。
((リアルでもそうですよね。逆バージョンで、演じてるキャラが視聴者から嫌われてるから実生活でもなぜかその俳優が叩かれるとか。日本ではたぶんあまりそういうの見かけた事ないと思うし、ある意味、小さい頃からフィクションと現実の区別がつく日本人はそういうひどい事をする人は少ないと思うけど、残念なことに、海外では多い。アメリカでも多い。良い大人がそういう事をすると、バカなんじゃないのって思う。なぜ、映画で嫌われ役を演じてるからって現実で視聴者にそのことで叩かれなくちゃいけないんだ笑。その俳優が現実で犯罪や不倫をしたわけでもないのに!でも、そのような嫌がらせ行為のせいで、俳優たちだって病んでいくんです。))
この映画の文通相手のターナー少年は、うるさすぎて発狂しすぎて個人的に好きなタイプのキャラではないけど、少年にも苦悩がありました。新しい土地、子役、イジメ。人は生きていれば誰だって苦悩がある。
そして、同じように、いや、人気だからこそ、もっと複雑かもしれない、スーパースターが抱える苦悩は深いのかもしれない。
でも、最後、ジョンは、自殺ではないと私は解釈しました。
ターナーがいうように。明日への希望もあったと。
ただ眠りたいんだ...という手紙の文章はなんか悲しい。
深い眠りについて、起きたら、ちゃんと“自分”になって生きよう、という希望はあったと思う。
でも、ただ眠りたい、眠りたいんだ、ってそこまでジョンが追いつめられてたと思うと切ない。