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2017年09月12日

2.「ありふれた日常に」

2.「ありふれた日常に」

ーーーーー私は本当にナツの恋人になれたんだ。

ずっと幼馴染だった。自慢の幼馴染。
ずっと好きだった、ずっと見てきた。
ナツはモテる。小さい時から誰からも愛されてた。


あれは二か月前のこと。

クラスメイトの男「ずっとナツキのこと好きだったんだ、俺と付き合ってください!!」

ナツキ「え・・・、そんな、急に言われても・・」

周りの女子「いいじゃ〜ん、サトル君イケメンだし、付き合っちゃえば?超お似合いなんですけど!」


・・・・・・・わかってないな。


なんなのまじ。ほんっとウザいんだけど。
告白断るこっちの目にもなってよ。穏便に振るのもかなりテクニックいるんだからね。
みんなの前で告るとか拷問だよ。また変な噂立つ。


ほんとやめて。


私に関わってこようとしないで。



ナツキ「・・・ごめんなさい。でも、気持ちはすごく嬉しいから。」

今回もいい人ぶっちゃってごめんなさい。
でも私が毎日がんばって勉強してるのも、
毎月雑誌を買っておしゃれをしてるのも、
毎日分けて隔てなく周りにやさしくするのも。
私はナツに釣り合う人でいなきゃいけないから。


それだけ。


--------


ーーーーーーーー放課後、教室。


ナツ「またお前告白されたって?今年入って何回目だよ。」

ナツキ「ナツが高校入ってから全然一緒に帰ってくれなくなったからじゃん。」

ナツ「俺だって付き合いとかあるし。」

ははっと無邪気に笑う。
ナツはいつもそうやって私の気持ちを簡単に踏みにじる。

ナツキ「・・・ナツだって前告白されてたじゃん、好きな人いるって断ったって聞いた。」

ナツ「なにそれ、、って情報はやっ。」

ナツキ「ねえ・・好きな人できたの?だから前みたいに一緒に帰ってくれなくなったの?」

そんなんじゃなくて、と笑いながらなつが続ける。
まるで私をあやすように。いつもみたいに。

ナツ「・・・お互い付き合いもあるし、って思っただけ。別にわざと一緒に帰らないわけじゃないよ。」

ナツキ「・・・私はナツが好きなんだよ。知ってるでしょ。」

ナツ「・・・・・・・。」

ナツキ「ねえまだ私とは付き合えない?」

ナツ「・・・・・・・。」


やばい、泣きそうーー。ナツだって困ったようにに私を見てる。
困らせたくないのに、困らせてしまう。


だめだ。


「私先帰るね・・でも。」

「前から言ってるけど、私はナツの為なら悪い奴にでもなるから。
どんなことになっても今度は私がーーー」

思わず必死になり、気づいたら私はにナツに詰め寄っていた。ナツの表情は困ったままだ。


ガラッ!


急に教室のドアが開いたのでびっくりして振り返ったら知らない先輩がいた。

アキラ「あっ・・・と悪い!取り込み中だった・・?」

頭を掻きながら気まずそうに入ってきたのは知らない先輩だった。

アキラ「ちょっと後輩に貸してたCDを取りに来ただけだから、ほんとに。」

ナツキ「・・いえ、全然大丈夫です、気にしないでください。」

その先輩は私を見て驚いた顔をした。そしてすぐ顔を反らした。

アキラ「・・あ、そっかそっか!じゃ、俺もう行くし。」

そそくさとその先輩が出て行った。
ナツの方を見ると凄く冷めた目で出て行った先輩のドアを見つめている。

ナツキ「・・・・。」

ナツ「ナツキ。・・・・じゃあ付き合ってみる?俺と。」

ナツキ「え、」

ナツ「・・・俺別に好きな人なんていないよ。ただ付き合うとかどうかなと思ったから。
でもよく考えればナツキとは今までも家族同然に仲良くしてきたし、
そろそろ考えてみてもいいよな。」

ドアを冷めた目で見つめながら言った。

ナツ「それにさ―ーー」

すっとナツキに視線を送り、笑顔でこう言った。

ナツ「俺たちならお似合いのカップルだよね。きっと。」

とてもとても悪い笑顔だった。でもそれでもよかった。
だって私はナツが好きだから。

だって今度は私がナツを守るから。



”これは私とナツが付き合うことになった日ーーー。”











posted by れな。 at 02:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説
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