2017年09月11日
1「ありふれた」
1.「ありふれた」
~一ヶ月前~
「ナツとナツキって本当にお似合いのカップルだよね〜」
「本当にうらやましい!学校で一番の美形同士だしね。」
「ナツから告白したらしいじゃん!しかも幼馴染同士で名前も同じって漫画みたいだよね。」
「あ〜あ、私にも早く運命の人現れないかな〜。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーー気がつけばナツという男が、学校一の美少女、ナツキと肩を並べて歩いていた。
といってもナツキは俺のことなんてきっと知らないし、まともに話すらしたことのない
ただの学校の後輩だった。
美形同士は何かと噂が立つもので、学校ではすっかり有名人となった二人をながめる俺はただ普通のエキストラのような存在だった。
だから、まさかこんな日がくるとが思っても見なかった。
「アキラ先輩?聞いてます?」
「え?」
「あの・・今度の文化祭も軽音部で演奏されるんですよね?」
おれの憧れの子、水樹夏希が目の前にいる。
「へ?いや、まあ、、そうだけど・・」
「やっぱり!あの、がんばってください!こないだのライブ見に行ってから、
あの私すっかり先輩のファンになっちゃいました!」
ええ〜、あ!あれか・・地元のライブハウスでタイバンしたやつ。
・・・ってゆうか顔近いから!なつきちゃん!
「え?まじですか・・・見に来てくれたの?」
「はい!先輩のギターソロ、本当にかっこよかったです!」
ああ、やばい、はにかんだなつきちゃんも可愛い。。
「・・・ありがとうございます。。頑張ります。」
照れちゃって旨くしゃべれない俺。・・恥ずかしい。
「あはっ、先輩なのに敬語使わなくていいのに!」
・・・・ですよね〜。
「お〜いナツキ、帰るよ!、、、あ、アキラ先輩?」
げ、イケメン彼氏登場かよ。
「俺もこないだ一緒に見にいったんす、ライブ。すっげえかっこよかったっす。また行きますね!」
さわやか過ぎる、これがイケメンって噂のなつきちゃんの彼氏かぁ。
「あ、ああ、、ありがとう。一緒に来てくれたんだ。。二人とも俺より有名人だからさ、なんか照れるな。」
「な〜に言ってんですか!アキラ先輩こそ有名ですよ、自分で曲作って、
歌ってってなかなかできないし。あ、よかったらアドレス交換してもらえませんか?
またライブ情報あったら教えてほしいんで。」
「ああ、いい・・けど。」
「ありがとうございます、じゃあこれおれのIDなんで。」
「ん、わかった登録しとく。・・サンキューな。」
「じゃあ私も交換してください!私も知りたいんで!」
「お前はダ〜メ。」
「なんでよ、ナツのケチ。」
ああ、なるほど、自慢の彼女のアドレスは知られたくないわけね。
「いいよ、彼氏もそういってるんだし、ナツキちゃんはナツ君と一緒にくればいいじゃん。」
そういった瞬間ナツ君の表情が、一瞬真顔になった。
「・・・・よかった。俺の名前知っててくれたんですね。」
「・・・え?」
「いや、なんでもないっす。LINE見たら返信しますね。」
「ああ、、、うん。」
「ほら行くよ、ナツキ。」
「うん!じゃあ先輩、また!」
------------------------------------
「アキラ先輩って優しい人だね〜」
帰り道、ナツキが手を恋人繋ぎのまま俺に言う。
「ああ、そうだね。」
「ライブなんかナツが行きたいって言わなきゃ見に行く機会なかったし。あんなに先輩のバンドがうまいなんてびっくり!」
「アキラ先輩のこと惚れたとか?」
「え、嫉妬?!いやだなあ、私にはナツだけだよ。」
ナツキは照れたようにはにかむ。
「・・・俺も。」
家の前でキスをして。ナツキは家に入るまで手を振り続けてた。これがこの世界の理想で。
でも俺には全く満たされることのない日常で。
ナツキを傷つける気はないけど、
「ナツキ、ごめん。」
俺のためにこの関係を続けて?
−ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
家に帰ってからギターをいじってると、さっき送った返信がナツ君から来ていた。
(登録しました、アキラ先輩これからよろしくお願いします。)
俺の今の気持ちは、学校の有名人カップルに自分の音楽が気に入られているという少しの優越感と、
ナツキちゃんと近づけたナツ君への感謝だった。
またナツキちゃんが見に来てくれる、、、
そう思うと曲作りにも精がでるな。なんて浮かれていたのだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーー3日後。
「お〜いアキラァ、2年が呼んでるぞ。」
「ああ約束してんだ、今いくよ。」
ナツに次のライブチケットあるけど来る?というと「行きます。」とラインが返ってきた。
そう、今日はチケットを渡す約束をしていたのだ。
廊下にでるとナツがいる。
一通り好きな音楽の話で盛り上がっていると思い出したようにナツが言った。
「あ、そういえばチケット貰いにきたんでした!」
「そうだそうだ!2枚だよな?」
「はい、ありがとうございます。」
「一応安くしといたから。」
「いいんですか?嬉しいなぁ。」
「いや俺も嬉しいよ、しかもナツと俺って音楽の趣味合うし。仲良くやれそうだよな。」
「はは、俺もそう思ってました!」
「ちなみにさ、ナツキちゃんとはいつから付き合ってんの?本当にうらやましいよな、あんな可愛い子。」
「あはは、まーナツキとは幼馴染なんで、付き合い長いし。・・でも付き合い始めたのは5月頃で、、最近ですよ。」
「そうなんかぁ〜ま、周りがざわついたのもそのあたりだったかな〜。ナツキちゃん人気あるし、お前も女子から人気だろ?」
「そんなことないですよ〜。」
「うちの女子の何人かも、残念がってたよ。」
「まじですか、告白してくれたら考えたのにな。」
「バーカ。」
贅沢もんだよな、ホントこいつは。
いろいろ話してみて知ったこと。ナツは成績優秀、部活はバスケ部で一年のくせにレギュラー。知れば知るほど完璧な奴なのに、ノリもよくて人柄もよくて。。
本当に男から見ても憎めないやつで。
・・・彼女も完璧でって。。。そう思うと少し嫉妬心が芽生えそうで。
「わりぃ、俺昼飯まだだからもう行くわ。」
じゃあな、と俺はなんだか少し自分が情けなくなってナツから離れようとした。
「っ先輩!」
突然腕をつかまれビックリする。
「すいません・・・・あともうひとつ。聞きたいことが。」
「な、なんだよ。びっくりすんじゃん。」
「好きなんすか?ナツキのこと。」
一瞬息が止まりそうになった。
「な、なんで??」
初めての入学式で彼女を見たときから。きれいな長い髪と少しはかなげな表情がとても美しくて。
ずっと目で追っていた。
でも気づけばあっという間にナツと付き合い始めてて、
俺はあきらめようと努力した、いや今もしてるはずだ。
「俺の存在って先輩にとって邪魔ですか?」
そんなはずない。
「違うって。本当に二人はお似合いだと思ってるし。」
そう、これは本音。二人はどう見てもお似合い。
俺は焦っていた、何かばれるような態度をとった記憶がなかったから。
下を向いているナツの顔こそは見えないが肩を震わせて確実に笑いをこらえている。
「・・・ははっ!でも先輩きっと俺に遠慮しちゃったりするんだろうなー、、、優しいから。」
「てゆうか急になんなわけ?なんでお前笑ってんだよ。からかってんの?」
「いやー別にそんなんじゃなくて。あー、、まあいいや。・・俺でも別れないですから。付き合ったばっかだし。それだけ伝えたくて。」
じゃあ、言って笑顔で去っていくナツを、俺はただ唖然としたまま眺めていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
学校から家に戻っても、ナツの言葉、表情に気持ち悪さを感じリフレインしていた。
最後の会話どうゆう意味だ?本当にそう思った。
仮に俺がナツキちゃんを好きで態度に出してたとしても、
ナツキちゃんと別に二人であったりしてるわけじゃないしなぁ・・
「・・う〜ん。」
ベットの上寝っ転がって悩んでいたらラインがちょうどいいタイミングで来た。
(「先輩、さっきいろいろ冗談言っちゃってすいません。また、ライブとかあったら教えてください!」)
このラインがきて安心した単純な俺はぐっすり眠りについたのだ。
~一ヶ月前~
「ナツとナツキって本当にお似合いのカップルだよね〜」
「本当にうらやましい!学校で一番の美形同士だしね。」
「ナツから告白したらしいじゃん!しかも幼馴染同士で名前も同じって漫画みたいだよね。」
「あ〜あ、私にも早く運命の人現れないかな〜。」
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ーーー気がつけばナツという男が、学校一の美少女、ナツキと肩を並べて歩いていた。
といってもナツキは俺のことなんてきっと知らないし、まともに話すらしたことのない
ただの学校の後輩だった。
美形同士は何かと噂が立つもので、学校ではすっかり有名人となった二人をながめる俺はただ普通のエキストラのような存在だった。
だから、まさかこんな日がくるとが思っても見なかった。
「アキラ先輩?聞いてます?」
「え?」
「あの・・今度の文化祭も軽音部で演奏されるんですよね?」
おれの憧れの子、水樹夏希が目の前にいる。
「へ?いや、まあ、、そうだけど・・」
「やっぱり!あの、がんばってください!こないだのライブ見に行ってから、
あの私すっかり先輩のファンになっちゃいました!」
ええ〜、あ!あれか・・地元のライブハウスでタイバンしたやつ。
・・・ってゆうか顔近いから!なつきちゃん!
「え?まじですか・・・見に来てくれたの?」
「はい!先輩のギターソロ、本当にかっこよかったです!」
ああ、やばい、はにかんだなつきちゃんも可愛い。。
「・・・ありがとうございます。。頑張ります。」
照れちゃって旨くしゃべれない俺。・・恥ずかしい。
「あはっ、先輩なのに敬語使わなくていいのに!」
・・・・ですよね〜。
「お〜いナツキ、帰るよ!、、、あ、アキラ先輩?」
げ、イケメン彼氏登場かよ。
「俺もこないだ一緒に見にいったんす、ライブ。すっげえかっこよかったっす。また行きますね!」
さわやか過ぎる、これがイケメンって噂のなつきちゃんの彼氏かぁ。
「あ、ああ、、ありがとう。一緒に来てくれたんだ。。二人とも俺より有名人だからさ、なんか照れるな。」
「な〜に言ってんですか!アキラ先輩こそ有名ですよ、自分で曲作って、
歌ってってなかなかできないし。あ、よかったらアドレス交換してもらえませんか?
またライブ情報あったら教えてほしいんで。」
「ああ、いい・・けど。」
「ありがとうございます、じゃあこれおれのIDなんで。」
「ん、わかった登録しとく。・・サンキューな。」
「じゃあ私も交換してください!私も知りたいんで!」
「お前はダ〜メ。」
「なんでよ、ナツのケチ。」
ああ、なるほど、自慢の彼女のアドレスは知られたくないわけね。
「いいよ、彼氏もそういってるんだし、ナツキちゃんはナツ君と一緒にくればいいじゃん。」
そういった瞬間ナツ君の表情が、一瞬真顔になった。
「・・・・よかった。俺の名前知っててくれたんですね。」
「・・・え?」
「いや、なんでもないっす。LINE見たら返信しますね。」
「ああ、、、うん。」
「ほら行くよ、ナツキ。」
「うん!じゃあ先輩、また!」
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「アキラ先輩って優しい人だね〜」
帰り道、ナツキが手を恋人繋ぎのまま俺に言う。
「ああ、そうだね。」
「ライブなんかナツが行きたいって言わなきゃ見に行く機会なかったし。あんなに先輩のバンドがうまいなんてびっくり!」
「アキラ先輩のこと惚れたとか?」
「え、嫉妬?!いやだなあ、私にはナツだけだよ。」
ナツキは照れたようにはにかむ。
「・・・俺も。」
家の前でキスをして。ナツキは家に入るまで手を振り続けてた。これがこの世界の理想で。
でも俺には全く満たされることのない日常で。
ナツキを傷つける気はないけど、
「ナツキ、ごめん。」
俺のためにこの関係を続けて?
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家に帰ってからギターをいじってると、さっき送った返信がナツ君から来ていた。
(登録しました、アキラ先輩これからよろしくお願いします。)
俺の今の気持ちは、学校の有名人カップルに自分の音楽が気に入られているという少しの優越感と、
ナツキちゃんと近づけたナツ君への感謝だった。
またナツキちゃんが見に来てくれる、、、
そう思うと曲作りにも精がでるな。なんて浮かれていたのだ。
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ーーーー3日後。
「お〜いアキラァ、2年が呼んでるぞ。」
「ああ約束してんだ、今いくよ。」
ナツに次のライブチケットあるけど来る?というと「行きます。」とラインが返ってきた。
そう、今日はチケットを渡す約束をしていたのだ。
廊下にでるとナツがいる。
一通り好きな音楽の話で盛り上がっていると思い出したようにナツが言った。
「あ、そういえばチケット貰いにきたんでした!」
「そうだそうだ!2枚だよな?」
「はい、ありがとうございます。」
「一応安くしといたから。」
「いいんですか?嬉しいなぁ。」
「いや俺も嬉しいよ、しかもナツと俺って音楽の趣味合うし。仲良くやれそうだよな。」
「はは、俺もそう思ってました!」
「ちなみにさ、ナツキちゃんとはいつから付き合ってんの?本当にうらやましいよな、あんな可愛い子。」
「あはは、まーナツキとは幼馴染なんで、付き合い長いし。・・でも付き合い始めたのは5月頃で、、最近ですよ。」
「そうなんかぁ〜ま、周りがざわついたのもそのあたりだったかな〜。ナツキちゃん人気あるし、お前も女子から人気だろ?」
「そんなことないですよ〜。」
「うちの女子の何人かも、残念がってたよ。」
「まじですか、告白してくれたら考えたのにな。」
「バーカ。」
贅沢もんだよな、ホントこいつは。
いろいろ話してみて知ったこと。ナツは成績優秀、部活はバスケ部で一年のくせにレギュラー。知れば知るほど完璧な奴なのに、ノリもよくて人柄もよくて。。
本当に男から見ても憎めないやつで。
・・・彼女も完璧でって。。。そう思うと少し嫉妬心が芽生えそうで。
「わりぃ、俺昼飯まだだからもう行くわ。」
じゃあな、と俺はなんだか少し自分が情けなくなってナツから離れようとした。
「っ先輩!」
突然腕をつかまれビックリする。
「すいません・・・・あともうひとつ。聞きたいことが。」
「な、なんだよ。びっくりすんじゃん。」
「好きなんすか?ナツキのこと。」
一瞬息が止まりそうになった。
「な、なんで??」
初めての入学式で彼女を見たときから。きれいな長い髪と少しはかなげな表情がとても美しくて。
ずっと目で追っていた。
でも気づけばあっという間にナツと付き合い始めてて、
俺はあきらめようと努力した、いや今もしてるはずだ。
「俺の存在って先輩にとって邪魔ですか?」
そんなはずない。
「違うって。本当に二人はお似合いだと思ってるし。」
そう、これは本音。二人はどう見てもお似合い。
俺は焦っていた、何かばれるような態度をとった記憶がなかったから。
下を向いているナツの顔こそは見えないが肩を震わせて確実に笑いをこらえている。
「・・・ははっ!でも先輩きっと俺に遠慮しちゃったりするんだろうなー、、、優しいから。」
「てゆうか急になんなわけ?なんでお前笑ってんだよ。からかってんの?」
「いやー別にそんなんじゃなくて。あー、、まあいいや。・・俺でも別れないですから。付き合ったばっかだし。それだけ伝えたくて。」
じゃあ、言って笑顔で去っていくナツを、俺はただ唖然としたまま眺めていた。
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学校から家に戻っても、ナツの言葉、表情に気持ち悪さを感じリフレインしていた。
最後の会話どうゆう意味だ?本当にそう思った。
仮に俺がナツキちゃんを好きで態度に出してたとしても、
ナツキちゃんと別に二人であったりしてるわけじゃないしなぁ・・
「・・う〜ん。」
ベットの上寝っ転がって悩んでいたらラインがちょうどいいタイミングで来た。
(「先輩、さっきいろいろ冗談言っちゃってすいません。また、ライブとかあったら教えてください!」)
このラインがきて安心した単純な俺はぐっすり眠りについたのだ。
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