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2022年01月24日

☆夢を叶えた人B☆

しばらくして、あたしはこの漫画家と二人で遊ぶ機会をようやく作ったので、
タメの特権とばかりに「さすがに仕事中のナンパはダメだって〜」など苦言も呈してみた。
そうすると、この人は『〇ちゃんはみんなと違うから話すけど……』と前置きし、
自分のこれまでの半生を独演会のように話し始めた。
いじめの経験、それによって精神疾患になり、何年も現在進行形で苦しんでいることなど。
何となくいじめられる経緯は日ごろの言動から簡単に予測できたのだが、
特に何か口をはさむことはせず、黙ってこの人の話を聞くことに徹した。

この人は、バイトできることが非常に楽しくてうれしいと語っていた。
学生時代に経験できなかった『みんなで仲良く』ができるから、だそうだ。
あたしは中学時代に、予期せぬ形ではあれいじめ加害者になったこともあるし、
そして同時にいじめ被害者でもあったが、少なくとも助けてくれる友人がいた。
彼には味方になってくれるはずの友人が徐々に自分と距離を取るようになり、
そして日ごとエスカレートしていくいじめに耐えられず、
登校拒否するしかなかったと語っていた。

学生時代の辛い経験で精神疾患に悩まされ、それでも夢に向かって漫画を描き続け、
結果としてプロ漫画家の仲間入りができたことは、尊敬しかない。
話を聞きながら、この人の「馴れ馴れしさ」や「異常な社交性」は、
このいじめが原因で、人との距離感が上手く調整できなくなったのかなと考察した。
もちろん他にもいろんなことが織り重なっているのは言うまでもないが、
彼なりにいろいろ自分の中で模索しているところだったのかもしれない。

みんなと仲良くしたい気持ちが暴走して、空回りしてしまっていることを、
彼は残念ながら気付いていなかった。
もしかしたら気付いていたかもしれないが、それを口に出すことは無かった。
いずれにしてもプロの漫画家と遊べる機会は今後無いだろうと思い、
その日は彼の相談に耳を傾けつつ、楽しい時間を過ごした。
あたしは彼の努力に敬意を示し、また同時に漫画家としての立場を称賛し、
絶対成功してほしいと願った。

その後あたしは大学を卒業し、彼も漫画の仕事が決まったとかでバイトを辞めた。
互いに忙しくなったため、自然と連絡を取ることはなくなって、関係は無くなった。
そのまま最近までずーっとこの人のことは忘れていたわけだけど……
それでも一時期は仲良くしていたので、成功していたことを知って嬉しい。
夢を掴めたのは才能だけではなく、陰の努力と苦労があったことは、計り知れないだろう。
そんな素晴らしい人と一瞬でも接点を持てたことは、ありがたいなと素直に思う。
海外在住のあたしは、今後この人に再会できる可能性はほぼ皆無だと思うが、
陰ながら今後の活躍を応援したいと思うし、機会があれば漫画も読んでみたい。

《完》

☆夢を叶えた人A☆

仕事中は一方的だが、休憩中には徐々にちゃんと会話が成立するようになっていった(笑)
話していくうちに家が近いことがわかり、遊ぼう!と誘われることが増えた。
仕事中でなければ迷惑ではなかったから、その誘いには一応乗っかったのだが、
それ以降、講義中に『いつ空いてる?』なんてメールがしょっちゅう送られてくるようになった。
あんな社交的なのに、他に友達いない人なのか?と違和感を持つようになった。

あたしは自分の違和感を確認するために、
仕事中にほかのスタッフとこの漫画家との距離感をチェックしてみた。
彼はあたしとある男性社員の2人にのみ、粘着傾向にあることがわかった。
あたしは年齢的なことと、多分漫画家さんにとっては『よき理解者』的立ち位置だったようだ。
もう一人の男性社員は『俺、カリスマ』とか言えてしまう人だったのだが、
漫画家さんのある問題行動に対し、その男性社員から本気なお叱りを受けたことで、
兄弟のような感情が生まれたようだった。
後に『あの人の真剣な叱責に感動した』と涙目で語っていたのが、印象に残っている。
それ以外のみんなは、思春期を通り過ぎた常識ある若者なので、仕事中は普通に接している。
休憩中も一緒に食事に行くものの、自分の話ばかりでみんなドン引きしてしまい、
みんなケータイいじるようになってしまったという、非常に芳しくない状況だった。
何かとみんなで飲み会することが多かったのだが、その時も異様なほど羽目を外し、
異常な悪ノリによって、更にみんなとの関係に溝をつくることになってしまった。

あたしはバイトが休みでも仲良しの子とはしょっちゅう食事に行っていたが、
その時にこの漫画家への不平不満を次々と吐き出していた。
仕事中接客してるかと思ったら、女の子ばかりに話しかけて関係ない話してる、とか、
連絡先交換していた、とか、その女の子と食事してるところに遭遇した、などなど止まらない(笑)
おお〜と思って聞いていたが、仕事中に連絡先交換はさすがに引いた。
社会人としてあり得ない行動のオンパレードだった。
いくら今後漫画家として生きていくにしても、最低限の社会常識がわかっていないようでは、
成功もできないのではないだろうか。
あたしは自分ができた人間とは決して思わないが、一応善悪の判断くらいは出来ると思っている。
ちょうど就職活動していて、社会に出て働く志を持っているわけだから、それは当然のことだ。

Bへ続きます⇒⇒

☆夢をかなえた人@☆

あたしが学生時代のバイト先に、短期間ではあるが『漫画家』が在籍していた。
当時この漫画家はまだ無名で、あたしたち周囲の認識も『自称プロ』くらいだった。
今となっては、夢に向かって努力している人に対して非常に失礼な認識だったと思うが、
あたし自身高校時代に、人生最大の挫折を経験したことで卑屈な考えしかできず、
夢溢れるこの人に対して、どうしても冷めた見方しかできなかった。
特に何かきっかけがあったわけではないが、
最近ふと学生時代のバイト仲間のインスタを見ていたらこの人を思い出したので、
ネットで調べてみたら、この人のウィキペディアページが見つかった。
ウィキペディアに記載されている内容を見る限り、今は漫画家として成功しているようだ。
それを見ていたら懐かしさや嬉しさからいろいろ思い出したので、
身バレして今の成功の妨げにならない程度に、書き綴ってみようかな。

ちなみにこんな書き方すると、あたしとこの漫画家の間に何かあったのでは?と疑われそうだが、
あたしはこの人に対して恋愛感情は一切無く、もちろんこの人もそんなことは無かっただろう。
女好きではあったようだが、歴代彼女の話を聞く限りみんなあたしとは正反対のタイプだった。
互いに変な気が無いから、この人も事細かに自分のことをあたしに話したんだと思う。

あたしがこの漫画家と働いていた当時、まだデビューして間もない頃だったそうだ。
これは後にこの人が自分で語ってくれて知ったことだが、
駆けだしでは本業の漫画家業はまだ不安定、バイトして食いつないでいたという。
大学4年だったあたしは、自分の時間を確保するためシフトを調整し、
あまり積極的に勤務していなかったので、この人の具体的な採用時期などは不明だった。
別のバイト仲間から『強烈な漫画家が新しく入った!』とだけ聞いていたので、
わざわざ休日のあたしに連絡してくるほどだから、相当な人物だと予想していた。
あたしがこの漫画家との初対面の日、確か土曜日であたしは遅番シフトだった。
いつも通りに出勤して、荷物をバックルームに置きに行こうとしたところ、
背後から『おはようございま〜す』と威勢よく話し掛けられた。
こちらが挨拶する声も遮って『○○と言います。よろしくお願いしま〜す』とはじまり、
そこからマシンガン自己紹介トークが数分にわたって繰り広げられた。
これだけで十分強烈な印象だったのだが、漫画家アピールが特にすごかった。
なぜ仲間がわざわざ連絡くれたのか、この僅かな時間で十分理解できた。
まだタイムカード押してないしなァ……と本気で困っていたら、
店長から『遅番朝礼始めるよ〜』とお呼びがかかったおかげで、何とか解放された。
その日はそれだけだったが、人見知りのあたしにとってはある意味恐怖体験だった。
レジ担当だったあたしは、お客さんが途切れた時に売り場を見ていたら、
女の人に声掛けしている漫画家の姿が目に入った。
新人で接客できるなんてすごいわ〜と、その社交性に感心した。

人見知りのあたしも、漫画家さんと数回シフトが一緒になるとさすがに慣れてきた。
ただこの人はあたしが自分と同じ年齢だとわかると、より馴れ馴れしさに拍車がかかり、
休憩中、仕事中構わず自分の話を延々してくるようになった。
さすがに勤務時間中にぐいぐい来られるのは困るので、やんわり仕事中だと注意はしていたし、
その困惑の気持ちは顔や態度にも出ていたと思う。
その様子を周りのバイト仲間たちは気付いていたので、助け船を出してくれることもあったが、
当の本人は全くわかっていないから、ちょっと悩まされた。

Aへ続きます⇒⇒

2022年01月21日

☆年賀状問題A☆

☆年賀状問題@☆からの続きです⇒⇒

あたしはいわゆる晩婚だったので、実際のところ本当は妬みとかあったでしょ?
なんて聞かれそうだが、本当にそういう気持ちは微塵も湧かなかった。
それは当時のあたしが、自身の結婚や出産に対してまるで執着がなく、
趣味や仕事に没頭しすぎていたことが大きいのかもしれない。
でも、もしあたしが婚活に行き詰まっていたなら、どうだろう。
残念だけど素直にお祝いできず、幸せアピールなんていらない!と思うかもしれない。
でも一方では、年賀状を「幸せマウント」なんて感じてしまうような可哀そうな思考では、
いつまでも自分が苦しいだけだということもわかっているから、葛藤するかもしれない。
みんなの幸せを祝いたいけど、妬ましい……とね。

多かれ少なかれ、何かしら人生の行き詰まりを感じている人はいるから、
手元を離れた年賀状に対して、相手の反応を期待することは辞めた方がいいかもしれない。
自分にとっては人生の節目であっても、他人にとっては辛い時期を過ごしていることもある。
たまたま見たネットニュースでは、出産報告を兼ねた年賀状を独身の親友に送ったが、
その返しがスタンプだけで失礼だ!と憤慨し、そのまま言い争いになったという内容。
お正月用などのスタンプではなく、普段からよく使用されるスタンプだったとか、
なかなか相手への要求が強い方だな……と読みながらちょっと引いてしまった。
もちろんご友人の連絡方法も、もう少し気を遣うべきだとは思うものの、
年賀状送り主の方が「失礼だ」と主張するほど、スタンプのご友人が完全に悪いとも言い難い。

連絡しないという選択だってできた中、スタンプで年賀状を拝見したことは伝えている。
多少モヤモヤはするかもしれないけど、そこで素直に納得しておくのも大人の対応だった。
親友だから、思わず本音をぶつけてしまったのかもしれないが、
親友ならそのスタンプで感じ取ってあげることもできたかもしれない……
この年賀状送り主は、勝手に良い反応を期待し、さらには相手に不満をぶつけておきながら
「わたしに落ち度はない」と考えているようだけど、その態度に十分落ち度がある。
アンタ、わたしが出産したんだから祝いなさいよ!と無意識に一方的に要求していることに、
全く気が付いていない残念な人になってしまっている。
出産経験のある立場でもあるため、出産を祝ってほしい思いも十分にわかるが、
これは身内だけが特別喜ばしい事で、他人にとっては些細な祝い事でしかないのだ。
産後ハイになって、生まれた自分の子どもの写真を誰彼構わず大量に送って、
うちの子、可愛いでしょ!!と感想を強要することと同じ行動と言える……

写真付き年賀状がいけないわけではない。
確かに受け取って辛い気持ちを持つ人も中にはいるだろうが、それは心に留めておけばいい。
送った側が年賀状への返信を過剰に期待することも、やめた方がいい。
互いに一歩譲り合っていれば、こんなアホみたいな問題は起こらないのに、
互いの立場を主張して譲らないから、友達関係が破綻してしまう。
そもそも譲り合えないようなら、本当の親友ではなかったのかもしれない。





タグ:年賀状

2022年01月18日

☆年賀状問題@☆

毎年年末年始に見かける、年賀状に関する記事。
年賀状の歴史自体はそれほど長いわけではないようだが、
郵便制度が開始された当時はそれほど多くなかった新年の挨拶文書、
ハガキが誕生すると途端に現在の年賀状のようなものが普及したそうだ。
☆これはWikipediaから得た情報ですw

さて、ここ数年問題になっている写真付き年賀状。
簡単に操作できるデジタル機器が増え、安価にセルフプリントできる昨今、
多くの人が気軽に採用するようになった新しい風習の一つだと思うが、
20年くらいまでは写真屋さんなどの店頭注文が当たり前で、値段もそれなりだった。
もちろん今でもそのサービスは存在して、変わらず決して安価とは言えないが、
セルフプリントとの仕上がりの違いは、一目瞭然でもある。
そうしてお金を掛けて用意した、特別な年賀状への反応が良くなかった場合、
思わず愚痴りたくなる気持ちも分からなくはない。

例えば子どもの写真付き年賀状について、出産報告や成長報告したい親心だろうが、
受け取った方の中には、どうしても良い印象が持てない人が居るそうだ。
確かに婚活中の方や、ましてや不妊治療中の方には敏感な内容かもしれないが、
送る方にしてみれば新年のご挨拶兼近況報告くらいの感覚。
子どもの写真付きと並行して賛否を呼ぶものがウエディングフォト付き年賀状も挙がる。
新年のおめでたい雰囲気に併せての慶び事報告は、決して無礼だとは思わない。
それを『幸せマウント』と受け取られてしまうのは、非常に残念なことだろう。

結婚と出産って、誰の人生にとっても大きな人生の節目になるわけだから、
年賀状で報告するのは至極普通のことだと思うが、
世の中いろんな人が居て、それぞれにいろんな事情を抱えているため、
みんなに祝ってほしい!というのはとても難しいことでもある。
ただ年賀状を準備する際に、わざわざAさんは婚活中で、Bさんは妊活中、
Cさんは既婚で子どもも居るから……など、分けることなんてできない。
いつから年賀状送付の条件って、こんなにハードになったのだろう。


以前、職場や仕事関係者への写真付き年賀状は控えたほうが好ましいと、
年賀状デザインの本だかに記載されているのを見かけた。
しかし、自分が受け取った職場の方からの年賀状には写真付きが多かったことに驚いた。
零細企業で全員が顔なじみな会社だから、気にする必要はないんだろうと思ったし、
むしろこの年賀状のおかげで、それまで関係が薄かった同僚との会話にもつながった。

会社の暗黙ルールで就職後からは毎年年賀状を用意していたが、それはほぼ会社用。
自分の年齢が30歳に近づくにつれて、学生時代の友人たちも年賀状を送ってくれるようになった。
せっかく送ってくれるからと、あたしも既婚の友人分を用意するようになった。
あたしの友人たちは、ほぼ結婚を機にメールからハガキにシフトチェンジされ、
やがて子どもやペットの写真に変わっていった。
どれも微笑ましくて、新年から良い気分になれる素敵な年賀状で、届くのが楽しみだった。

Aへ続きます⇒⇒
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