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2017年10月29日

 

懐石料理屋と見せかけてハンバーガーを出してくる
夜のお散歩には丁度いい
コウモリ男の灯火





オレンジとみかんを同時に売り渡してくる
若々しいレモンは泣いている
同情する人もいなく
崩れる
間違いなく
時が流れると共に育っている







満開に咲かせたケーキを
年末に頂く
雪解けと共に
人の手によって粉雪舞い散る
1日の終わりに
チョコレートケーキに






シナモンシュガーがしゃべる
念願のカラーリングで
改札口でごたごたしてる
理由を問い訪ねてくる
こんな苦い調味料をダシにして
銀河系でグルグル回っている
甘い言葉をずらずら並べて
誘われるだけの私は
シナモンシュガーをもう一度
振りかけられて
うなだれて
帰路に着く
posted by 柊太郎 at 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) |

2017年10月16日

クリームポット

ピエロのオーナーが物置から茶色の骨董品を持ち出す
茶色のソファー
茶色のじゅうたん
茶色の物置から
何か伝えたそうにしているけど
客としたら普通に見える
奥の方から湯気が立ってる
買わないよ
そんなの客としたら
普通だからね





地べたで寝そべっている窓辺の猫
買い物を忘れた客なんていない
皆遠くの空へ旅立ってしまった
それでも買い物を続けている
曇りの葉巻も吸わず物色してる
これが普通なんだよと
ボソッと呟く





唐突に三時のおやつを差し出された
普通のことをしてもだめだった
クリーム色の空の港町で
少し辛い唐辛子入りのクッキーを作っている





赤いイルカを飼っている半魚人島の班長が
水族館の水色のイルカを眺めている
白く溶けていく離島に水しぶきをあげて
凍りついた足跡を辿る
冬と夏の瀬戸際で明日を見ている
posted by 柊太郎 at 23:07 | Comment(0) | TrackBack(0) |

2017年10月15日

炎ヶ岳

飛べない鳥が溶岩に溶かされてしまった
やがて火を纏った雪崩れ込む溶岩のように羽ばたく
稀に水色の鳥が大雨を呼んで食い止める
火口付近でくつろぐ主
流れ星を小指で掴んで食べてしまう
オーロラは何かの素材にする
約束の日に再び燃えたぎるマグマになって雪崩れ込む
posted by 柊太郎 at 21:06 | Comment(0) | TrackBack(0) |

ピンクタイフーン

特に意味の無いことを書く
嵐が過ぎ去った後だからこそできる
人災とも呼ぼうか
もうすぐ冬が来るというのに
春分の日が来てしまった
本当に無意味だ





帰り道のもてなし
赤い花
黄色の花
思い出す限りの巨人の祝福
山水は早く帰りたがる子供
黄色の花
赤い花
もう忘れなさいと言う巨人
帰りももてなされる







紅すぎる桜の花が血を流してしまった
舞妓傘をしている舞子や歌舞伎役者以外
目を背けてしまった
その間に世界は平和になってしまって
幸せに包まれてしまった
紅い花魅せつけるように
目を背けている間に
どうか幸せが訪れますように





版画を作っている
夜も遅くなって白い霧を切り刻む侍
白銀の刃で白い森の露木を朝が来るまで
朝露のメッキが剥がれてしまっていて
白い森の向こう
木こり達のバザーが開かれている






人間の調子が良くなる頃
太陽は沈んでしまって
太陽が昇る頃
また履修をして
そんな日々に今から絶望して
希望する
スーツ姿で
買い物帰りに
暗闇の空に包まれるまで
詳しいことはまた明日
posted by 柊太郎 at 15:08 | Comment(0) | TrackBack(0) |

2017年10月14日

紺色の鏡

一度きり
欲しいものが手に入れば
もう何もいらない
学ぶ必要もない
同じ一瞬も来ない
嬉しい時と同じ表情をする
鏡には感謝の念で綴られている





花が咲いて種を残していく
喜びの種になるのか悩みの種になるのかわからない
いつも地上に芽を出すところしか見たことがない
花が咲いているところしか見たことがない





水と肥料なら大量にある
雨の日の木はなんとなく笑っている気がする
明日は多分晴れる気がする
先に泣き止むのはどっちだろう





梅干し屋
すっぱくてたまにあまい
運が尽きて消えるまで
一人で黙々と壺に梅干しを漬けている
たまに干す
もう俺に残るのは運だけだ
覚悟しておく




楽しみはとっておくもの
本棚整理とは言っても二段しかないので
上は文庫本
下は趣味の本
天界
人間界
面白い本はもっと地下深く
まだまだまだまだ取っておけ
本棚は狭くて時間も足りないくらいがちょうどいい







初めて 喉が 渇く
それを言語化したのが初めてで
実際は水分を何度も補給している
何かが変わるのを期待している
小さな果物の木が
いくつもの実を落とし
最後に私達にお辞儀をする
初めて喉が潤った
posted by 柊太郎 at 19:13 | Comment(0) | TrackBack(0) |

広がれ

小さな島の住人が手を広げようとしている
それは少し警戒すべき行動だが
伝書鳩が快晴の空を突き抜けてここまで来たので
あまり無駄にもできない
鳩の大群がいる
渡り鳥かもしれないが
黙って眺めるとする





エメラルドグリーンは欲望の色
翼のない両生類が何も抱えず
腹を減らしている
エメラルドグリーンは枯渇の色
湖の水を飲んで羽ばたく鳥も
エメラルドグリーン





旅芸人が山奥へ
全てがひっくり返るリバースマウンテン
着る服も金も全部失った
稲妻が落ちた山のふもとで
立派な工芸品屋ができた
おつりが沢山返ってくる
白い正装したピエロのオーナーがいる






列車で向かう
点滅している木でできたプラットホームまで
トロッコに乗る
ゴツゴツした信号機を無視して
カーテンを半分閉め忘れた人
夜は点灯している煮物あたりを食べる
posted by 柊太郎 at 12:27 | Comment(0) | TrackBack(0) |

荒野の旅人

昨日通った荒野には
青と黄と赤の光
それだけ
音も建物も無く
いつも何かが一つ足りない
青と黄と赤が交代ばんこで満たしてくる





湖の前に立ち尽くす
水面には不思議な渦巻きが浮かんでいて
それは私に向かって飛んでくる
吸い込まれると思いきや案外そうでもなくて
なぜかお茶を差し出される
一呼吸置いて私は謎かけをする
無理して答えなくて良い
喉が潤う
なんら不思議ではない
だけど思念を飛ばしてくる青の魔術師
私は謎かけをした





室町時代に借りた茶碗を返しに行く象牙色
だいぶ薄れてしまったが
黄色の眼差しは鋭く
都のイチョウを散らす
気高い色がお通りになられる
やけくそになって踏み荒らす象
黄色の百姓





焼け焦げた
黒いコインを
真っ赤に燃やす
黒の商人が待っている
ファンタジー映画が始まりそうな時間帯
話は済んでいる
金を集める





旅立つ覚悟がない
その代わり三色の光をやろう
乾燥している地面
乾燥している地肌
同じ朝を迎えた荒野
先に旅立った旅人
空港から飛び立つ頃
私も荒野を後にする
posted by 柊太郎 at 10:55 | Comment(0) | TrackBack(0) |

プランナパンプキング

かぼちゃのおばけがこちらを向く
あらすじを考えてはいるが
一向に光が見えない
闇に埋もれていくばかり
かぼちゃの灯籠ぶらさげて
考えることをやめた
だけどこれから朝が来て昼が来て夜が来る
とにかく計画を立てた






いきなりおとぎ話をされても困る
話をするために玉手箱を探したが
玉手箱がないので
近くのスーパーで段ボール貰ってきたり
工芸館でリボンを買ってきたり
誰か騙すための人を探したりしているうちに
玉手箱はもうできていた
簡単に作れるけど
みんな驚いた





アルコール漬けの男が生還した
飛んで火に入る虫のように
そのまま液体の中で浮遊していたほうが楽だったりする
それを見た蜘蛛も水の中に飛び込んだ





暗い墓地のような迷宮でかぼちゃのランプを灯し さ迷っている
答えは出ているが墓守のようにずっとさ迷っている
しきたりやルールを破ったためずっと意地を張っている
眠ってしまった
レモン色のおばけが空から降ってくる
眠気覚ましのガムや目覚まし時計の音
空はずっと晴れている
手持ちぶさたで何にもお土産もない
ちょうどいい が無かったから
posted by 柊太郎 at 05:20 | Comment(0) | TrackBack(0) |

Almighty

素晴らしい
一人で考え込む時間は素晴らしい
結束して答えを出すことも素晴らしい
沢山の困難を乗り越えた人々も素晴らしい
それでも今日は一人一人に試練がやってきて
照りつける太陽に対して人々はそっぽを向いて生きている
少し色の違った火の粉を振りかけられても
素晴らしいと言えるだろうか
posted by 柊太郎 at 04:51 | Comment(0) | TrackBack(0) |

DOUSE

どうせパチンコ打ち行っても負ける
それならまだ無意味な休日を過ごした方が良い
白銀の羽があたかも今日を描く
古びた絵画は胸の奥にしまってある
思想の暗い男が現れる
晩秋の森で白銀の羽を拾い集めている
恐らく白銀の鷲を作る気だと思う





このままいけばとか
何もしなければなど
僅かな想像力でも先が見えていた
時計の針が動く音はたまにずれる
その思念が時計に振り向くまでの間
確かにずれていた
だるまさんが転んだ
だるまは泣いていた
人間のために働く歯車のような人生を辞めて
だるまは笑っていた
その笑顔は誰にも見せることなく
だるまは揺れる
僅かな力で





記憶は全て雨を糸で操る
鍾乳石
雨に打たれた鍾乳石は
鍾乳洞から抜け出して
記憶を探して
青い羅針盤の上で
なぜか今日は晴れを望んでいる
モアイ像




沼には天使がいる
僕はただ沼に引き込まれるだけで
もがいている内に
次々と言葉を浴びさせられて
また地上へと引きずり込まれる
何もかも足下から崩れる
何もかも証明した
何もかも沈んでいくから
だけどここには天使がいる
愚直に忘れないで と叫ばれる





男の足音はもちろん羽を集める音
集めすぎた葉は季節外れの時間外の規格外の
惑星で咲く
男も少し粗暴になる
この地球の核から繋がる根が
集めすぎた鉱石たちを振り払う
posted by 柊太郎 at 03:09 | Comment(0) | TrackBack(0) |
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