2016年04月06日
中国の記者会見、外国人記者の影武者消えたか
中国は外国人記者の影武者を作るのを断念したのだろうか。
16日に閉幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)に合わせて開かれた記者会見では、政治経済の流れがどのように変化するのかを見極めようと、国内外メディアが律義にも会場を埋め尽くした。
これはうっとうしい仕事かもしれない。ほとんどの場合、全人代では政府関係者が事前に検閲した質問をする記者のみに発言させるからだ。今週、中国で(削除されるまで)多くのインターネット利用者の嘲笑を誘った例として、記者会見の司会者が「濃い色のジャケット」を着ている記者に発言を求めた件が挙げられる。だが、司会者から指名された記者は着ていた濃い色のジャケットを脱ぎ、白いジャケットに着替えていたのだ(なぜ白いジャケットを着ていたのに指名されたのだろうか?)。
政策立案者が外国メディアからの困難な質問に対処できないというイメージを隠すためなら、中国は強引に会見を運営することもある。質問の検閲に加え、別の戦略も活用している。実際は中国の国営メディアとつながっているのに、外国のような名前のメディアに所属する外国人のように見える記者に発言させることだ。
ここ数年、司会者はこうした記者に発言させる奇妙なほど巧妙な手口を披露してきた。これらの記者は、農業改革や文化交流といった、当たり障りのない質問をすると期待されているのだろう。そして、北京に駐在する外国人記者グループはますます軽視されるようになってきた。
しかし、今年はやや様子が異なっていた。
過去数年、中国国際放送の系列であるオーストラリアのラジオ局「グローバルCAMGメディア・グループ」に属する記者が独占的に発言していたが、今回は鳴りを潜めたようだ。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、今年の全人代の議事録からCAMGの記者が出した質問を見つけることができなかった。CAMC北京支局にかけた電話に応答した人は、「今年の全人代に記者を派遣したのかは分からない」と話した。
WSJの記者は全人代で、「美中報時」「中評社」「澳洲新快報」「僑報」など、「中国の特徴を持つ外国メディア」にいくつか出くわした。彼らの質問は大豆取引といったつまらない話題から中国のメディア規制などポイントを突いた話題まで、多岐にわたっていた。
By Esther Fung and Rose Yu
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