あなたの生活を応援するスレ

［寄稿］日本で見つけた有難さ https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180802-00031229-hankyoreh-kr

私は北からきました。北朝鮮政府は日本に対して非常に否定的です。しかし私をはじめとした住民たちは、日本という国に対する羨望と憧憬がありました。これは「ボンサンジェ（本産製）」と呼ばれる日本の中古品を通じて接し、「チェポ（在胞）」と呼ばれる在日同胞を通じて経験したことでした。しかし、ただの一度も日本に行けると思ったことはありませんでした。

　韓国に来てみると、日本はその気になれば行ける近い国でした。旅行会社を通じて、または友達とともに計画を立て、秋と冬に何度か訪問しました。その時聞いたのが、真夏の日本旅行は避けた方がいいということでした。しかし、私は今年の夏、向こう見ずにも37〜40度前後の蒸し暑さの中、日本の南部に行ってくることになりました。私は今まで一度も体験したこともない、想像を絶する猛暑を体験しました。しかし蒸し暑さよりも大きな衝撃は別にありました。私は日本といえば世界の先進国、当然韓国よりも良い生活を享受している国などと良く考えていました。しかし真夏の日本ではそのような認識をすっかり消されてしまいました。

　旅行客として私の目に映ったおかしな国日本の姿は2つでした。一つは地下鉄の利用です。韓国の地下鉄は乗客の安全のためにホームドアが設置されており、敬老者の乗客が大変かとエスカレーターを設置するなど日々便利になっています。ところが日本はいつの頃かわからない昔の姿をそのまま維持していました。スクリーンドアが設置されていなかったのです。鉄道機関士が乗客の安全のために駅に停車する時、プラットホームで乗降する乗客をそれなりに見ている程度でした。そして多くの地下鉄の駅にはエスカレーターはなく、途方もない蒸し暑さにもエアコンはやっと何台かあるだけで、それさえ気持ちよい風でなく、熱い風が出ていました。そして何よりエアコンは錆ついていました。そのためでしょうか。相対的に高齢者が多い日本で地下鉄を利用するお年寄りはとても少なかったです。

　もう一つは食堂文化です。この蒸し暑さのなか、ドアを開けっ放しにし、椅子と椅子、テーブルとテーブルの間隔はとても狭くて多くが入る気になれませんでした。その中で仕事をされている方の首に巻かれたタオルに、これまでの日本に対する私の憧れは完全にこわされました。昔も最近も映画やドキュメンタリーを通じて日本人といえばタオルを首にかけたり頭に巻いたプロっぽい人や職人が思い出されました。ある意味、首に巻かれたタオルを通じて執念と情熱がうかがえたといいましょうか。ところが今年の夏、私の目に映ったものは、プロや職人ではない、この蒸し暑さに流れる汗を拭くための文字通り布巾でした。それは熱い太陽の下に出て雨のごとく流れ落ちる汗を拭かなねばならない最も現実的な問題でした。

　日本にいる間じゅう蒸し暑さと戦い、ようやく韓国に戻ったときに全身で感じた幸福感は世の中で何ものとも変えられない感動でした。以後私は韓国社会の全てに満足しています。そして今この瞬間にも感謝しています。

チン・ナリ/大学院博士課程生 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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