2018年07月07日
【宗教】死刑執行がどのような影響をもたらすか… それでも麻原彰晃を崇め続ける“狂気”の後継3団体「危険度ランク」[07/07] [無断転載禁止]bbspink.com
7月6日午前8時ごろ、法務省は坂本弁護士一家殺害事件や地下鉄サリン事件などを引き起こした宗教団体オウム真理教の元代表・麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚(63)と、元幹部ら計7人の死刑執行を発表した。
死刑確定の2006年から数えて12年、1995年の逮捕から数えて23年という長い年月を経ての執行だった。まだまだ真相解明に至っていない部分もあるが、これにて一連のオウム真理教絡みの事件は、一旦幕を閉じることとなる。
当局は、宗教団体のカリスマ的存在であった松本智津夫死刑囚の死刑執行が「神格化を招き、後継団体信者の動きを活発化させる恐れがある」と懸念しており、かねて慎重な姿勢を示していた。しかし、今年1月に一通りの裁判が終わったことや、来年には元号が改正されることなどの事情を鑑みての執行だったと思われる。
ここで、当局に活発化を懸念されているオウム真理教の主な3つの後継団体について、その危険度を推測してみよう。
まず、破産したオウム真理教の直系後継団体であり、最大派閥といわれているのが『Aleph(アーレフ)』だ。発足当初は、当時オウム真理教の広報担当として各種メディアに登場し注目を浴びた上祐史浩氏が組織内の実権を掌握。上祐氏は麻原を「尊師」ではなく「旧団体代表」と呼び、信者に対してその肖像への祈祷などを禁じた。また上祐氏は各種メディアに対してもオウム真理教との関係性を強く否定、事件の再発防止に務めると主張し続けていたが、そんな氏の「麻原脱却路線」は麻原信奉派の強い反発を招くこととなり、結局組織は分裂。06年に上祐氏は自分を支持する一部信者を引き連れてアーレフを脱退したのだった。
こうして、上祐氏という“タガ”が外れたアーレフ内では、年々麻原信仰が強まり続けているという。13年の公安調査庁発表によると、アーレフの信者数は約1500名以上で、その保有資産は10億円以上と推定されている。思想といい規模といい、アーレフは最もオウム真理教に近い後継団体だといえる。[危険度:★★★★☆]
そんな上祐氏がアーレフ脱退後に立ち上げたのが『ひかりの輪』だ。現在、世田谷に本拠地を構えており、信者数は約200人ほどだという。「オウム真理教事件の総括と反省のもと設立」を謳い文句にしており、上祐氏は「オウム事件被害者への賠償」「麻原信仰からの脱却支援」「信者間の生活扶助」などが団体の主な役割であると述べている。
13年ごろからは「『宗教団体』ではなく、思想哲学の『学習教室』である」と主張し、教団内における偶像崇拝廃止などを発表。現在は哲学系セミナーの様子をネットで配信するなど、仏教哲学団体の様相を呈している。決して油断はできないが、規模と主だった活動を見る限り、アーレフよりは危険度が低いように思える。[危険度:★★★☆☆]
続く
上記の2団体は、ともに公安審査委員会の観察処分対象であり、さまざまなメディアで取り沙汰されていることからご存じの方も多いことだろう。しかし、もう1つの後継団体、通称『山田らの集団』のことは知らないという方も多いのではないだろうか。
この珍妙な呼称は、代表が「山田美沙子」という古参信者であることから公安が便宜上付けたものであり、正式な組織名は明かされていない。設立の経緯は、『官報』(平成30年1月30日号外第19号)に、
《「Aleph」においては、平成25年末ごろ、麻原の妻・松本明香里および正悟師・二ノ宮耕一らが、麻原の二男を「Aleph」へ復帰させようとしていたのに対し、麻原の三女・松本麗華らが、これに反対するよう「Aleph」の幹部構成員らに働き掛けたことにより、「Aleph」内に意見対立が生じ、平成27年1月、「Aleph」の幹部構成員であった山田美沙子を中心とする集団(以下『山田らの集団』という。)が、かかる意見対立の結果、「Aleph」とは一定の距離を置いて活動を開始した》
と掲載されており、どうやら麻原妻と3女の対立という“お家騒動”の結果生まれた団体であるようだ。この団体の前身はアーレフの金沢支部で、現在も石川県金沢市内に拠点を構え、約30名ほどのメンバーが在籍しているという。
昨年末には公安による立ち入り検査が執行。その際に公開された拠点内部の写真には、松本智津夫の写真が飾られており、また今年3月には「麻原生誕祭」を開催、信者たちがオウムソングを熱唱している姿が報道されている。
これらから、規模こそは最も小さいものの、先の2団体以上に麻原信仰が強い団体であることは間違いない。
かつてのオウム真理教がごく少数の幹部連中だけであれだけの凶行に及んだことを思えば、30人という数は決して油断できるものではない。むしろ数が少ない分だけ、より危険思想が洗練され、過激な行動に出る可能性は十分に考えられるように思える。[危険度:★★★★★]
以上3つの主なオウムの後継団体を解説、その危険度を記した。ここ数年、なぜかこれら後継団体の信者は増加の一途をたどっており、その数は3団体国内外合わせて2000人を超え、公安当局も警戒を強めている。
果たして今回の松本智津夫および幹部ら7名の死刑執行が後継者たちにどのような影響をもたらすのか…。彼らがかつてのオウム真理教のごとき暴挙に及ばぬよう祈るばかりだ。
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当局は、宗教団体のカリスマ的存在であった松本智津夫死刑囚の死刑執行が「神格化を招き、後継団体信者の動きを活発化させる恐れがある」と懸念しており、かねて慎重な姿勢を示していた。しかし、今年1月に一通りの裁判が終わったことや、来年には元号が改正されることなどの事情を鑑みての執行だったと思われる。
ここで、当局に活発化を懸念されているオウム真理教の主な3つの後継団体について、その危険度を推測してみよう。
まず、破産したオウム真理教の直系後継団体であり、最大派閥といわれているのが『Aleph(アーレフ)』だ。発足当初は、当時オウム真理教の広報担当として各種メディアに登場し注目を浴びた上祐史浩氏が組織内の実権を掌握。上祐氏は麻原を「尊師」ではなく「旧団体代表」と呼び、信者に対してその肖像への祈祷などを禁じた。また上祐氏は各種メディアに対してもオウム真理教との関係性を強く否定、事件の再発防止に務めると主張し続けていたが、そんな氏の「麻原脱却路線」は麻原信奉派の強い反発を招くこととなり、結局組織は分裂。06年に上祐氏は自分を支持する一部信者を引き連れてアーレフを脱退したのだった。
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続く
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これらから、規模こそは最も小さいものの、先の2団体以上に麻原信仰が強い団体であることは間違いない。
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