ときたま何とも不思議に感じることがある。
私は40代なので20代前半に就職したときには、パソコンやデジタルカメラはなかった。
通信手段は電話とファクスであり、写真はフィルムで写真屋で現像しなければならななった。
今や通信にはEメールがあり、写真撮影はデジタルカメラで撮影できる。
しかし、何故か生産性はあまり変わっていないように感じるのである。
何故かと深く考えてみると、人間の思考能力は20年前と然程(さほど)変わっていないからである。
Eメールは確かに早く伝達できるが、1通を読む能力はファクスの時代と変わりなく、一日に100通受信しても、全てをその日のうちに処理することは難しいことなのだ。
結局、その顛末は出来るだけ全てを処理しようとする思いに駆られることで、浅く判断するようになり、重要なことを読み落とし、失敗を招くことがあるのではないか。
科学の世界は、今後も驚異のスピードで進んで行くだろう。
それも良し。
ただ人間は、虎や雀やカエルや鯛のように動物なのである。
自然の中に身を置くとそれがよく分かる。
デジタルのスピードについてゆける新しい人類を望むが、私には出来そうにない。
酒を飲んで海や山でゆっくりさせてもらおう。