南海トラフ巨大地震 評価検討会「特段の変化は観測されず」
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南海トラフで巨大地震が起こる可能性を評価する定例の検討会が開かれ、「特段の変化は観測されていない」とする見解をまとめました。
専門家でつくる検討会は、南海トラフの想定震源域やその周辺で観測されたデータを分析しました。
巨大地震の想定震源域にあたる地域では、先月(4月)以降、目立った地震はありませんでした。
一方、想定震源域やその周辺では「深部低周波地震」と呼ばれる小規模な地震が、▼紀伊半島北部から東海で3月25日から先月9日にかけて、▼四国中部で先月1日から7日にかけて、▼紀伊半島北部で先月21日から25日にかけて観測されています。
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これに伴って、周辺の複数の「ひずみ計」でわずかな地殻変動が観測され、想定震源域のプレートの境目が深いところでゆっくりとずれ動く「短期的ゆっくりすべり」が原因とみられています。
また、先月中旬からは「浅部超低周波地震」と呼ばれる小規模な地震が、鹿児島県の種子島の東方沖から宮崎県のはるか沖合にかけて観測され、プレートの境目の浅いところで発生した「ゆっくりすべり」が原因の可能性があるということです。
このほか、▼四国中部では2019年の春ごろから、▼九州南部ではことしはじめから、それまでの傾向と異なる地殻変動が継続的に観測され、プレートの境目が年単位でゆっくりとずれ動く「長期的ゆっくりすべり」が原因とみられています。
こうした現象はこれまでもたびたび観測されていることから、検討会は「大規模な地震の発生の可能性がふだんと比べて相対的に高まったとみられる特段の変化は観測されていない」とする見解をまとめました。
検討会の会長で東京大学の平田直 名誉教授は「ふだんと比べて南海トラフでは巨大地震が発生する可能性が高くなったというデータは得られていないが、ふだんとは30年以内に70%や80%の確率で地震が発生するということなので、地震への十分な備えを進めてほしい」と述べました。
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タグ:非常食