2011年05月01日
大人の流儀(伊集院静) 感想
これのカテゴリは自己啓発には入らないかもしれないが
まあ、「大人ならどうするか?」ということを
書いている本である。
かなり個人的で身勝手な意見だが
私はこのような、「美学」とか類の本は
あまり好きではない。
それを若者に押し付ける本はなおさらだ。
それにこのような価値観は
時代によって変わっていくし、
本書の通りに生きることを著者は押し付けては
いないと思うが、理想だからこそ
この通りに生きるのは難しいと思う。
だから、今回は趣向を変えて(?)
著者の「若者批判」(と勝手に思っていること)
について無理やり反論していきたいと思う。
p8、9 私は、人が社会を知る、学ぶ上でのいくつかの 条件のひとつは、‘理不尽がまかりとおるのが世の中だ‘ ということを早いうちに身体に叩き込むことだと思っている。 (中略)なぜ、叱ることが必要なのか。 それは今の新しい人の大半は本気で叱られて経験を持たないからである |
これは、前提として「若者が理不尽をしらない」
ということが問題である。
正直、今の若者は時代のムードが良くない時代に生まれているので
理不尽はかなり味わっていると思う。(これは叱られる慣れてないとは別)
もちろん、叱ることも必要なときがあるだろが
結局会社というのは、「朱に交われば赤くなる」
ということわざがあるように、
ダメな上司が無意味に怒って理不尽を
味あわせてもダメな大人が量産されるだけであろう。
ちなみに著者は「空気を読むこと」と
「時代を読むこと」は違うと書いているが
個人的にこれは無関係ではないと思う。
ただ、変化のスピードがかなり違うので
別物だと思うだけだと思う。
p35、36 違うチャンネルで、東京大学の学生の就職動向が わかったという特集をやっていた。 「官僚は人気がないね。天下りがなくなれば給料もよくないし・・・」 「外資系の会社がいいね。名前もカッコイイし、合コンでも受けるし・・・」 (中略) 学生たちは本気でいっている。これが若者の現状である。 天下りがなくなればと、あるのを前提で就職しようとする 姿勢に呆然としてしまった。 |
「天下りがなくなるのを前提」と書いているが
逆にきこう「じゃあ、天下りはなくなるのか?」
正直、しばらくは天下りはなくならないと思う。
そもそも、それを批判した民主党でさえなくすことは
できなかった。
だったら、もうあることを前提として就職したほうが
いいのではないか?
それが「理不尽がまかりとおる世の中」で
生きていくひとつの方法だと思う。
そもそも、この情報はテレビの情報らしいが
個人的にテレビの情報はあまり鵜呑みにしていない。
別に間違ったことを話すと思えないが
ことを大げさに言っているのだと思ったほうがいい。
テレビの就職の話題で「合コン」なんて言葉をだすのは
普通はしないだろうから。
p105、106 カウアイ島に渡る飛行機には若いアメリカ兵が搭乗していた。 屈強な体格。目が違う。当り前だ。彼等は敵を倒す訓練を日々 やっている。敵とは人であり、倒すとは殺害することだ。 中国でも、韓国でも、フランスでもスペインでも、 兵士の目は皆似ている。こういう目は日本の若者にはない。 彼等を厳しい訓練に耐えさせてるのは愛国心である。 これに匹敵する強靭な精神というのは古代から見つからない。 |
これはまず愛国心というものはどんなものか
ということがわからない。
逆に国は日本国民を本気で国をかけて守るか?
というと実はあまり守らないと思う。
イラクでボランティアが捕まったときも
自己責任といったし、今回の地震の被災者のために
思い切った決断もできない。
日本の文化や身近な人は守ろうと思うだろし
天皇陛下も敬っているが
日本の政治を見て愛国心を持つ人は少ないと思う。
では、日本人は人間性がないのかというと
それも違うと思う。
今回の地震で多くの人がボランティアに参加したし
募金とかも多く集まった。
世界でも絶賛されたようだ。
p126 よく若い人が煙草を吸ってる年寄りにむかって 嫌な顔をするのを見るが、失礼である。 君たちが、そうやってなにもしないで生きていられるのは、 その年寄りが頑張ってきたからである。 |
煙草については、老人でも若者でも
吸う人は吸うように思うし
吸わない人は、吸わないように思う。
いやな顔をされるのは
煙が迷惑だろうから、相手が若者でなくても
嫌な顔をするのでは?と思ってしまう。
ちなみに老人が頑張って若者が何もしていない
とか言っているが、たぶん彼等は将来にわたって
その老人の年金を払うようのなると思う。
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