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2017年02月04日

走れメロスの対立関係

太宰治の『走れメロス』は、
中学二年生が使う全ての国語の教科書に掲載されているので、
日本で中学時代を過ごす人なら避けて通れない小説、
と言えるかもしれません。

あの友情が好きだった、という人もいれば、
自分(太宰)は熱海に檀一雄を置いたまま裏切ったくせに何を言ってるんだ、という人がいたり、
シラーの叙事詩をノベライズしただけだろ、という人がいたり、
「芋虫ほどにも前進かなわぬ」みたいな表現を面白がる人がいたり。

私個人は太宰治より志賀直哉、なのですが、
授業は面白おかしくやってます。

この作品についてあれこれ話し始めると、
とんでもなく長い記事になりそうなので、
この中に出てくる主な登場人物の関係についてのみ、
今回は話そうと思います。

主人公メロス、暴君ディオニス、メロスの親友セリヌンティウス。

メロスは人を疑うのが嫌いな男、
ディオニスは人を信じられない男、
という設定で出てくるので、
メロスvsディオニスという関係だと思ってしまいそうですよね。

でも、メロスは100%白ってわけじゃない。
もうダメだと思った時にセリヌンティウスを裏切って悪徳者になろうとした。

逆に、ディオニスだって100%黒ってわけじゃない。
信じられないと言いながら、
どこかで孤独から救ってくれる人を待ってる節がある。
メロスを襲った山賊が本当にディオニスが放った奴だとしたら、
メロスはシラクスに帰ってきてしまうのではないかと
「信じて」いたことになる。

つまり、メロスとディオニスはどちらも清濁併せ持った
似たもの同士と言える。

それに対して100%白なのは、
セリヌンティウスである。
数年ぶりに会った友だちに有無を言わさず人質にされ、
王城でメロスを信じて待っていた。
最後にメロスと殴り合うシーンがあって、
そこでは、待ってる間に1度だけちらと疑った、と言っているけど、
弟子のフィロストラトスがセリヌンティウスはメロスを疑わなかったと言っているので、
正直に告白したメロスに恥をかかせないよう配慮して、
メロスに合わせてあのような発言をしたのではないかとも取れる。

人間誰しも聖人君子ではないから、
読んで感情移入できるのは、
セリヌンティウスよりメロスやディオニスの方だと思うけどね。

『走れメロス』の人間関係は
メロス&ディオニスvsセリヌンティウス
という話でした。






posted by 良岑吏茶 at 01:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説
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