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2017年06月10日

『言葉の力』

久しぶりの更新になります。

みなさん、お元気ですか。
梅雨入りしてしまいましたが、
この週末は良い天気で、
行楽日和ですね。

今日の話題は、
『言葉の力』。

光村の中二の教科書に載っている、
大岡信による随筆です。

大岡信さんは、
朝日新聞に「折々のうた」を連載していた詩人で、
新聞記者や大学教授も経験していて、
先々月お亡くなりになった、
ある意味「旬」な人です。

静岡出身なので、
「大岡信ことば館」という施設を
三島市に開きました。

さて、
教科書に載っている文章ですが、
その内容をひとことで言うと、
「言葉って、それを発した人の生き方が反映されるから、美しい言葉を話したかったら、美しい生き方をしなさいよ」ってことです。

そこから、「相手が発した言葉の背後にあるものを、我々は読み取らなくてはならない」とも解釈できます。

言葉というのは、氷山の一角です。

たとえば、
3歳の女の子が紫陽花の花を見て「わぁ、きれい!」と言ったら、
きっとその花の色や形を気に入って、
そう言ったんだろう、くらいに推測されます。

しかし、
80歳のおばあちゃんが紫陽花の花を見て「わぁ、きれい!」と言ったら、
きっと80年生きてきた中で幾度となく見てきたであろう紫陽花の思い出も重なり、
「幼い頃に庭に咲いていた紫陽花に似ている」
「雨は嫌だけど紫陽花の美しさで梅雨をやりすごせる」
「あの人と出会ったのも紫陽花の季節だった」
「私は水色のがく紫陽花が好きだけど、まさにこれはわたし好みだわ」
などなど、様々な思いが心の奥底にあり、
そのほんの一部が言葉となって、
「わぁ、きれい!」
となったのかもしれません。

それを、
この随筆の中では、
染色家の志村ふくみさんが桜の皮で絹糸を染める話を例えにして
説明しています。

志村さんがピンク色に染めた絹糸から作った着物を大岡さんに見せると、
大岡さんは初め、桜の花びらで染めたのかと思います。
しかし、実際は桜の花が咲く直前の皮で染めたと聞き、
大岡さんはイメージをふくらませます。

そうか、
桜は、本当は木全体が春になるとピンク色に色づいているのだけど、
人間の目に見えるピンク色は、
花びらしかない。
ということは、我々が見ているピンク色は、
桜の木のほんの一部だったんだな。
それって、
言葉の世界でも同じだよな。
我々が見聞きしている言葉って、
それを発している人のほんの一部だもんな。

ということは、
言葉を考えるのは、生き方を考えるのと同じだ。
だって、言葉ってその人そのものを反映するから。

そういう内容です。

桜の花びら=言葉一語一語
桜の木全体=言葉を発した人の生き方・人生・価値観

この構造が分かっていれば、
実に明解な文章ですよ。

なぜこのタイミングで、
この解説をしたかは、
察してくださいね。


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