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2020年02月29日

【戦争秘話】人間爆弾「桜花」隊長が終戦後に受けた「謎の秘密指令」




 【戦争秘話】人間爆弾「桜花」隊長 が終戦後に受けた「謎の秘密指令」

              〜現代ビジネス 2/29(土) 10:01配信〜

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               桜花を抱いた一式陸上攻撃機

 元号が令和と変わって程無い昨年(2019年)7月20日、一人の元海軍士官が世を去った。湯野川守正(1921〜2019)「人間爆弾」と呼ばれた特攻機「桜花」隊指揮官の最後の生き残りだった。音楽評論家・湯川れい子氏の実兄でもある。
 湯野川は戦後、航空自衛隊に入り空将補迄勤めたが、終戦間も無い頃には海軍から密命を帯び、本籍地と名を変え別人として潜行して居た時期がある。戦後史の空白とも言える海軍の密命と潜行の一部始終を、湯野川は生前、筆者に語り残して居た・・・


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            「人間爆弾」とも呼ばれた特攻機「桜花」

 一機で一艦を屠る「帝国海軍の最終兵器」

 格納庫に置かれた特攻機「桜花」を見て、第七二一海軍航空隊に着任した23歳の湯野川守正中尉(後大尉)は「随分単純な飛行機だな」と思った。と同時に「しかし、敵艦に命中すれば威力は大きいだろう。今の日本にこれしか出来ないのなら仕方が無い。面白い、此奴で戦って遣ろうじゃないか」と決心した。
 現在の茨城県鹿嶋市と神栖市に跨る神之池基地。戦況が決定的に不利と為り、戦争の帰趨(きすう)が誰の目にも明らかに為った、昭和19(1944)年11月の事である。

 桜花は、1.2トンの爆弾に翼と操縦席とロケットを着け、それを人間が操縦して敵艦に体当りすべく開発された超小型の飛行機で「人間爆弾」とも呼ばれる。母機の一式陸上攻撃機に懸吊されて敵艦近くまで運ばれ、投下されると主に滑空で、ときには装備したロケットを噴射して、搭乗員もろとも敵艦に突入することになっていた。文字通り一機で一艦を屠ることを目的とした、帝国海軍の最終兵器だった。

 湯野川は大正10(1921)年、羽州米沢藩士の血を引く海軍大佐湯野川忠一の次男として、父の勤務先だった長崎県佐世保で生まれた。後の聯合艦隊司令長官・山本五十六大将の妻・禮子は、湯野川の父の従妹に当たる。幕末・維新の戊辰戦争で、米沢藩と越後長岡藩が同盟関係に在った誼(よしみ)から、長岡出身の山本と縁戚関係に為ったのだと云う。
 昭和14(1939)年、東京の麻布中学校を出て、広島県江田島の海軍兵学校に七十一期生として入校。卒業後は戦艦「伊勢」に乗組み、更に軽巡洋艦「阿賀野」水雷士としてソロモン諸島で戦った後、第四十期飛行学生と為った。練習機教程を経て、大分海軍航空隊・筑波海軍航空隊で、戦闘機搭乗員としての訓練を受けて居た。

 湯野川が筑波海軍航空隊に居た昭和19(1944)年8月中旬「必死必中の新兵器」の搭乗員の募集が行われた。新兵器の詳細は伝えられ無かったが、フィリピンで初の特攻隊が編成される2ヵ月前のこの時点で、体当り攻撃は既に海軍の既定方針だったのだ。

 「大きな国難の中、決死の覚悟は搭乗員なら等しく持って居たと思いますが、一撃で死に至る任務には矢張り多少の躊躇(ちゅうちょ)は有りました。しかし、尋常な手段では勝て無い戦争だとは自覚して居たから、それがドンな兵器かは判ら無いが、有効な兵器が有るなら結構な事、コレを立派に使って遣ろうと決めました。もし戦争に負けるにしても、負けっプリと云うのは有ると思って居ましたからね。
 足った一つの命、それを有効に使って遣ろうと云う気持ち。母が悲しむだろうとか、色んな事が頭を過りましたが、私は次男で最初から戦死要員の積りだったから、2時間位で悩むのを辞めました」

 
 湯野川は翌日「熱望」の意志を上層部に伝える。そして11月6日付で、新兵器「桜花」を主戦兵器として編成された第七二一海軍航空隊(七二一空・通称「神雷部隊」)に転勤を命じられた。七二一空は司令・岡村基春大佐、飛行長(後副長)・岩城邦廣少佐、桜花隊と母機の一式陸攻隊・直掩戦闘機隊からなり、初めから体当り攻撃を前提とした、言わばプロの特攻部隊だった。

 「11月6日、茨城県の百里原基地に到着すると、七二一空本部は既に神之池基地に移動して居て、残留部隊の指揮官だった陸攻隊の野中五郎少佐に『湯野川中尉参りました。ヨロシクお願いいたします』と着任の挨拶をしました。すると野中少佐は『遠路ハルバルご苦労さん。オヤ、お前さん綺麗な目をしてるな。バージンか?薄汚いバージン等早く落としときな』と、恐れ入った指示を頂きました。
 当時、着任の申告は余り形式ばって居なかった様に思います。数日後、兵から叩き上げたベテラン搭乗員・椛沢義雄中尉の着任の場に偶然居合わせましたが、敬礼を終えた椛沢中尉の第一声は『隊長!来ましたぞ』であり『来たな、ご苦労さん』と云うのが野中少佐の返事でした」


 全機が撃墜された「桜花」の初攻撃

 程無く神之池基地で、桜花の練習機型「K1」での滑空訓練が始まった。母機の一式陸攻から、ハシゴを伝ってK1の操縦席に収まると、風防を閉めバンドを締めて各部を操作し、異常無ければ『・---・』と、電信音で母機に合図を送る。高度3500メートル、投下のタイミングが来ると、母機から『・・・-・』と云う信号が届き、最後の短符が耳に届くと同時にK1は母機から切り離される。

 「乗り込んだ時は余り好い気はしませんが、投下されてガーッと機首を突っ込んで、250ノット(時速約460キロ)位の高速で操縦桿を動かしてみた途端、これは好い!と思った。舵の効きが好いし、素晴らしく操縦し易い。零戦の様なエンジンの有る飛行機だと、下手に急降下するとどうしても機首が浮いてしまいますが『桜花』(K1)は自由自在、思った所へキチンと持って行けるんです。逆説的ですが『桜花』程安全な飛行機は無いとさえ思いました」

 「人間爆弾」が救命具に

 K1による訓練は各人一回のみで、それが終わればアラユル作戦に使用可能な『技倆A』と見做される。その後の訓練は、零戦を使っての襲撃訓練等が主体と為る。11月25日には桜花隊の分隊編成が行われ、第一分隊長・平野晃大尉(戦後、航空幕僚長)、第二分隊長・三橋謙太郎中尉、第三分隊長・湯野川守正中尉、第四分隊長・林冨士夫中尉の四個分隊編成と為った。(三橋・湯野川・林の3名は12月1日大尉と為る)

 分隊長は、イザ出撃の際には、自ら桜花を操縦して敵艦に体当りする立場の指揮官である。53名の搭乗員を預かる分隊長と為った湯野川は、12月1日、海軍兵学校のクラスメートでもある三橋謙太郎大尉と共に、岡村司令同席の下、聯合艦隊司令長官・豊田副武大将から直々に、フィリピン・レイテ島沖の敵艦隊への体当り攻撃の内示を受けた。予定期日は12月23日。その為、辻巌中尉以下、七二一空の桜花整備員11名がフィリピンへ先発する。

 「出撃は元より望む処。三橋が『後23日の命か。どうする?』と笑いながら話し掛けて来たのを憶えて居ます。処が、私達が乗る筈の桜花を輸送途中の空母『信濃』と『雲龍』が相次いで米潜水艦に撃沈され、もう一隻の空母『龍鳳』は、目的地を変更して台湾の基隆に58機を輸送したもののフィリピン迄運べず、作戦は中止に為ってしまいました。先発した整備員達はフィリピンに残され、陸上戦闘で全員が戦死しました。アレは気の毒だった・・・・」

 「信濃」沈没時、生存者の救助に当たった駆逐艦「濱風」水雷長・武田光雄(当時大尉)によると「信濃」に搭載されて居た50機の桜花は、弾頭を着けて居無かった為、沈没時に機体が海面に浮き、それに捉まって救助された者が多かったと云う。「人間爆弾」が、図らずも救命具に為ったのだ。
 一方「雲龍」は、敵潜水艦の魚雷を受けた後、積んで居た30機の桜花の誘爆で轟沈した事が生存者の証言で明らかに為った事から、その後の輸送は、敵潜水艦の目標に為るのを避け、目立た無い小さな輸送船で行う事に為った。

 米陸軍の大型爆撃機・ボーイングB-29による日本本土への空襲はㇲでに始まって居たが、昭和20(1945)年に為ると、日本近海に敵機動部隊が出没する様に為り、艦上機による空襲も又猛威を振るい始めた。
 3月18日、米艦隊発見の報告を受け、大分県の宇佐基地に展開して居た湯野川率いる桜花隊に出撃命令が下る。母機の陸攻隊(攻撃第七〇八飛行隊)指揮官は足立次郎少佐。だが、出発準備をホボ完了、襲撃方法の打ち合わせを終えて別杯の用意が整えられ様として居た時、基地は敵艦上機の奇襲攻撃を受けた。執拗で激しい銃爆撃に、飛行場に並んだ一式陸攻18機の大半が地上で焼失した。

 「ヨシ、行くぞ! と覚悟を決めた処で、悔しかったですね……。この時はコテンパンに遣られました。本当に、悪夢の様な光景でした」

 と、湯野川は回想する。

 敵機が待ち構えて居た

 足立・湯野川隊が大打撃を受けたので、長崎県の大村基地に退避して居た野中五郎少佐の指揮する陸攻隊(攻撃第七一一飛行隊)が急遽、鹿児島県の鹿屋基地に進出し、三橋謙太郎大尉を隊長とする桜花隊を抱いて3月21日、敵機動部隊を求めて出撃する。

 しかし、桜花隊を護衛するべき零戦隊も18日の戦闘で戦力を消耗して居て、十分な護衛戦闘機を持た無いまま出撃した陸攻18機(内桜花懸吊15機)は、待ち構えた敵戦闘機に全機が撃墜され、桜花による初の攻撃は失敗に終わった。
 この日の戦死者は、桜花隊が三橋大尉以下15名、陸攻隊は野中少佐以下135名、零戦隊も漆山睦夫大尉以下10名、計160名に達した。









 個性豊かで優秀な兵達(つわものたち)
 
 以後、桜花の出撃は延べ10回に及び、米側記録との照合で駆逐艦1隻を撃沈、3隻に再起不能と成程の大きな損傷を与え、他3隻を小破させた事が判明して居るが、七二一空は「桜花」搭乗員55名を含む829名もの戦死者を出した・・・陸攻搭乗員や護衛の零戦搭乗員、又零戦で特攻出撃した者も含む。
 結果的に、期待された威力を十分に発揮する事は出来ず、七二一空では、零戦に500キロ爆弾を搭載した爆戦隊を合わせて出撃させる様に為った。その為、零戦による航法訓練も念入りに行われた。

 4月14日には、攻撃第七〇八飛行隊の澤柳彦士大尉の率いる一式陸攻7機が桜花を抱いて出撃したが、司令部のミスで、目標地点が攻撃隊に60浬(約111キロ)も誤って伝えられると云う事があった。湯野川は〈目標に到達するも敵艦発見せず。敵位置知らせ〉と云う澤柳機からの悲痛な電信を司令部で聞いて、オヤッと思ったが、調べてみると最初の位置が間違って居た事が分かり、何たる事をと航空参謀に食って掛かったと云う。澤柳隊は、改めて指示された目標に向かう途中で敵戦闘機に捕捉され全機が撃墜された。

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 「それでも隊員達の士気は旺盛でした。隊の編成当初には、心の乱れを見せた者も一部には居ましたし、悩みが無かったと言えば嘘に為るでしょうが、後は皆張り切って立派に遣って居ましたよ。最善を尽くして死ぬのは本望、淡々と順番を待つ。私自身の思いは、出撃したら一人でも多くの敵を遣っ付けて遣ると、それだけでした。
 未だ若かったですから、生きるの死ぬのと云う事は余り深刻に考え無い。只、人に後ろ指をさされまい、士官として部下に恥ずかしく無い態度でありたい、と云う気持ちは常に持って居ましたね」

 
 七二一空は、司令以下、当時としては選りスグリの人材を配して編成されて居た。岡村司令は、昭和初年、編隊アクロバット飛行の「岡村サーカス」一番機として知られた戦闘機の名パイロット、岩城副長も歴戦の水上機搭乗員だった。

 「岩城さんは激しい気性の中にも温情の有る人でした。九州の富高基地(現・宮崎県日向市)に進出した時、敵艦上機の空襲を受けた事がありました。総員退避の命令が何度も出て居ましたが、艦上機の空襲は飛行機の軸線がコチラに向いて居無ければ絶対に遣られる事は無いからと、私達は皆、退避せずに土手の上で見物して居た。
 すると突然、後ろからバリバリッと機銃を撃たれたんです。ビックリして振り返ると、幅10数メートルの川向うにある銃座で、岩城さんが真っ赤な顔をしてコチラに向けて機銃を撃って居ました。コリャ適わん、と思って防空壕に退避して、夕方、腹に据え兼ねて岩城さんに文句を言いに行きました。
 『ナンで我々を撃ったんですか?』 そしたら『君は判らんのか!』と逆に怒られた。『海軍では敵前における命令違反は銃殺だ。空襲警報・総員退避と云う命令が出て居るのに君達は退避せんじゃないか!』全くもう、恐れ入りましたよ」


 桜花の母機と為る陸攻隊の2人の飛行隊長も、足立次郎少佐(後飛行長)が「サリ気無く行こうや」が口癖の、スマートな士官だったのに対し、野中五郎少佐は、五色の吹流しや陣太鼓で部下の指揮を鼓舞する親分肌、正反対のタイプながら、何れ劣らぬ名指揮官として部下達の信望を集めて居た。
 隊員も又、前途有為な若者達だった。富高基地で特攻待機中、宿舎にして居た防空壕の中で、一人、夜遅く迄勉強をして居る学徒士官が居た。明日をも知れぬ命でありながら、最後迄勉強しようとする姿に湯野川は心打たれ「偉い!君は本物だ」と声を掛けたと云う。

 東京帝国大学卒、予備学生十四期出身の内藤祐次少尉。戦後、大手製薬会社エーザイ株式会社取締役社長・会長を務める。他の隊員たちにもエピソードは尽き無い。皆夫々、個性豊かで優秀な兵(つわもの)が揃って居た。

 死の覚悟を以て暴挙を止めた司令長官

 6月の沖縄戦終了後、七二一空は本土決戦に備えて各地に分散配備される様に為り、湯野川は、桜花隊の先任分隊長として、石川県の小松基地で終戦を迎えた。

 「8月15日迄、私は戦争が終わるとは想像もして居ませんでした。敵が本土に上陸して来たら、新しい桜花二二型を陸上爆撃機『銀河』に積んで戦う、俺の隊だけで敵の一個師団を引き受けると思って居た。玉音放送も、ソ連が参戦したのを受けて、天皇陛下が一億国民に頑張れと仰るんだと予想して居ました」

 搭乗員を、宿舎にして居た民家の庭に整列させたが、ラジオの調子が悪く、湯野川は、近所の民家に飛び込んで玉音放送を聞く。

 「戦争終結を告げるその内容に衝撃を受け、全く心中穏やかではありませんでした。逆上に近かった、とも思います。隊員達に『戦争が終わったらしいが私には理解出来ない。今日迄数多くの仲間が血を流して来たのは何の為だ。更に状況を見たい』と告げて、解散させました」
 
 その晩、湯野川は、同室の陸攻搭乗員・古米精一大尉と共に、小松基地の近くで静養中の兵学校時代の教官・渡辺久少佐を訪ねた。渡辺少佐は、海軍省軍務局長・保科善四郎中将の女婿である。ソコには、思い掛け無い重大な情報があった。保科中将から渡辺少佐に宛てた書簡である。

 「巻紙に、此処に至る経緯を事細かに述べた後、終戦は陛下のご聖断によるもので、重臣の謀略等では無い事、短慮を慎むべき事が書かれて居ました。全身の血がサーッと退く思いでした」

 翌8月16日の朝礼で、湯野川は「休戦に為った模様である。静観しつつ即応の態勢を維持したい」と訓示した。

 「東大で国際法を学んだ要務士に聞くと、コレは一時の休戦的なもので、敵が上陸して来たら戦っても好いと云うので、ヨシ、アメリカ軍が来たら皆殺しにして遣る、と、尚も遣る気満々で待ち構えて居ました」

 8月18日、会議の為指揮官参集の命令を受け、湯野川は七二一空飛行長・足立少佐と共に大分基地の第五航空艦隊司令部に赴く。ソコに集まった指揮官達の中には抗戦論を唱える者も多く、戦争を継続すべきだとの強硬意見も出されたが、司令長官・草鹿龍之介中将の、

 「私は聖慮を受け大命に従う。納得し難い者は先ず私を血祭りに挙げた上で行動されよ。今日迄必死で戦って来た諸官の血祭りに為ったとて、私は悔やむものでは無い。だが、私を血祭りに挙げず、私が指揮を執る以上は、諸官の命令への服従を要求する」

 との言葉に、皆、静まり返った。小松基地の七二一空は、最後迄戦う気構えを崩さず、秩序を保ったママ、8月21日、草鹿中将の命を受けて解散式を挙行、3年後の3月21日(桜花隊初出撃の日)午前10時、靖国神社での再会を約して22日に一斉に復員した。









 極秘命令により身分を偽り地下潜行

 8月22日の午後、隊員達を一式陸攻に分乗させて全国に送り出し、水交社(海軍士官の宿泊・集会施設)で一人暗然として居た湯野川の元へ足立少佐より、至急基地に戻る様電話があり、直ぐに迎えの車が遣って来た。

 「司令室に入ると、小松基地指揮官・遠山安己大佐・足立少佐と、もう一人、連絡に来られた第七二三海軍航空隊(七二三空)飛行長・中島正中佐が居られ『君に新任務が有る、受諾する決心が有れば、第二徳島基地に行って七二三空司令・青木武大佐の指示を受ける様に』と言われました。未だ私が役立てる事が有るなら幸いと、夕刻、零戦で小松基地を離陸、徳島へ向かいました」
 
 七二三空は、艦上偵察機「彩雲」による特攻部隊として編成されたばかりの航空隊だった。司令・青木武大佐は、艦上機搭乗員の出身だが、大尉時代の一年間軍務を離れ一民間人の立場で、要は諜報員としてソ連のウラジオストクに潜入した経歴を持つ。此処で青木大佐から湯野川に伝えられたのは「地下に潜行して欲しい」と云う意外な話だった。

 「ご自身の体験談も含め、地下に潜る際の注意事項を幾つかと、これは中央で高松宮様のご承認を得て実行されて居る事だからと伝えられ、当座の潜伏資金として2万円・・・大卒初任給ベースで換算すると現代の5500万円前後を渡されました。次の指示に付いては、12月12日12時、山口県の正明市駅(しょうみょういちえき 現・長門市駅)で伝える、と云うだけで、潜行の目的等、それ以上の具体的な指示は一切受けて居ません」

 湯野川は、青木大佐のアドバイスで、原爆の爆心地に近い広島市田中町十四番地を本籍地と定め「海軍一等整備兵曹吉村実」の名で七二三空の復員証明書の交付を受けて潜行生活に入った。同時に、湯野川大尉は、小松基地を飛び立ち行方不明、自決した事とされ、その存在が抹消された。

 「潜伏先を決めるに当たっては、自分を知る者の誰も居ない山陰地方をアチコチ回りました。初めは、小学校の小使(用務員)でもと思いましたが、小使と云うのは地元の事を好く知って居なきゃ為らんと言われ、農家の住み込みを当たってみたら、手伝いは有り難いが住み込みは困ると断られました。
 そして要約、9月上旬、島根県温泉津(ゆのつ)町(現・大田市)の浅野さんと云う老婆宅の2階に落ち着き、吉村実として、温泉津町役場の土木部技手の仕事に就きました。月給は85円、当時としては高給でした」


 湯野川が温泉津町役場に勤めて居た9月下旬、七二一空桜花隊分隊長だった新庄浩大尉が、終戦連絡将校の腕章を着け「この役場に吉村実さんと云う方がいらっしゃるそうですが」
と、訪ねて来た。岡村司令・足立飛行長からの伝令であると云う。「大分の第五航空艦隊参謀長・横井俊之少将に会ってその指示を受ける様に」と云うのがその用件だった。この時伝令を務めた新庄は、筆者のインタビューに、

 「湯野川大尉が吉村実と名を変えてソコに居る事は承知して居ましたが、只伝言を伝えただけで、私にも湯野川さんの任務や目的は判ら無かった。郵便だと他の誰かが見るかも知れず、電話も盗聴の恐れがあるから、その為だけに私を行かせたんでしょう」と語って居る。湯野川の回想・・・。

 「10月上旬、大分へ赴き横井少将にお会いしました。横井少将の話は『陛下の御身等に万一の事が有る場合に備え無ければ為ら無い。コレを七二一空司令・岡村基春大佐、三四三空司令・源田實大佐が担当する事に為り、夫々の部隊で人員を選抜し拠点を構成する。三四三空は既に動いて居る。七二一空は岡村司令から君を指揮官にとの連絡が有った。隊員を15名選抜し事業拠点を持って貰いたい。七二一空に渡す機密費が200万円用意されたが、今は色々な状況で40万円しか渡せ無い』と云うものでした。
 考える時間を一晩頂き、草鹿長官にもご意向を聞きましたが、私自身存在が抹消され、青木大佐関与の別件が既に発動されて居て、公式に表面で動け無い事、事業等と言われても全く自信が持て無い事を理由に辞退させて頂きました。後日の風聞では、横井少将は後に、自ら皇族を海路で運ぶ為の機帆船を購入し、佐賀関で海運業を起こされた様ですが・・・」


 連合軍による天皇の処遇が不透明であった終戦直後、天皇の処刑を含めた最悪の事態に備えて、皇統を絶やさず国体を護持する為、皇族の子弟の一人を匿い養育すると云う計画だった。
 「皇統護持作戦」とも呼ばれる本件に付いては、司令・源田實大佐、飛行長・志賀淑雄少佐以下、20数名の隊員が既に九州で行動を起こして居た(戦後秘史 秘密裏に36年間も遂行されて居た皇統護持作戦とは? https://gendai.ismedia.jp/articles/-/66598)が、七二一空では、副長・岩城中佐が病気で倒れ、湯野川は既に潜行生活に入って居た事もあって動くに動け無かったのである。

 本当の目的は謎のママ

 12月12日12時、打ち合わせに従って、青木大佐・中島中佐等と正明市駅待合室で落ち合った湯野川は、その夜、任務の解除を伝達された。潜行の目的・任務の内容に付いては最後迄聞かされず仕舞いであった。受け取った2万円には手を着けて居なかったので青木大佐に返却した。

 「12月1日の国勢調査と同時に実施された進駐軍の調査は厳しいもので、私の様に終戦直後にその地に移り住んだ様なのは一遍に浮かび上がる。危無いと思い又任務の解除もあって、昭和21(1946)年1月、第二復員省(旧海軍省)に出頭して、本名の湯野川守正大尉として復員証明書を貰い帰郷しました。
 私は公職追放の解除が遅く、兵学校で十期程上のクラスより後に為りましたが、これは、国勢調査で怪しまれ、進駐軍の要注意リストに載って居たからであろうと推測して居ます」


 その後の湯野川は、職にアブレタ七二一空の旧部下達を集め、下関で、米軍の撒いた機雷を除去する掃海艇部隊の指揮官を務めた後、戦時中「箱舟」(構造を簡略化した戦時標準船)の大量建造で財を為し、軍令部顧問の肩書きも持って居た川南豊作が経営する長崎の川南工業で沈船引き揚げの仕事に就いた。
 川南工業は、三四三空の皇統護持作戦の主要メンバーが、秘密任務の隠れ蓑として勤めて居た拠点である。源田大佐や志賀少佐、湯野川のクラスメート・山田良市大尉等も此処で働いて居たが、互いの任務や境遇に付いて触れる事は全く無かったと云う。

 昭和23(1948)年、川南工業を退社、以後は水産業等幾つかの仕事に従事し、曲折を経て航空自衛隊に入隊。自衛隊では航空実験団初代司令等を歴任し、昭和50(1975)年空将補で定年退官した。

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                空将補時代り湯野川氏

 「人生の半分は運命に支配される。何処でも行った処でベストを尽くすしかありません。そう云う意味で、海軍生活は性に合って居たし、伸び伸びとして楽しかった。勿論、辛い事も随分ありましたが、それは戦争だから仕方が無い。遭遇した青春のひとコマひとコマは全て、今微笑を以て振り返られると思って居ます」
 
 七二一空の隊員達は、部隊解散時の約束通り、昭和23年3月21日に40余名もの生存者が靖国神社に集い、昭和26年以降は毎年、戦没隊員の慰霊祭を行った。
 桜花部隊には、七二一空(神雷部隊)の他、昭和20年2月、錬成部隊として神之池基地で編成された七二二空(龍巻部隊)、7月、本土決戦に備えて大阪湾に侵入する敵艦隊をジェットエンジン装備の桜花四三型乙を以て比叡山からカタパルトで発進し、迎え撃つべく開隊した七二五空が有り、最盛期には各隊併せて1100名を超える元隊員が戦友会員として名を連ねて居た。

 組織としての戦友会は平成8(1996)年に解散したが、その後も元搭乗員有志が世話人と為って、戦没隊員達の慰霊を欠かさず続けて来た。
 「人間爆弾」と云う悲壮なイメージとは裏腹に、桜花搭乗員達のプライドは極めて高く、他の部隊には類を見無い程の団結を、戦後75年を経て生存者が残り少なく為った今もなお保ち続けて居る。七二一空桜花隊の分隊長は、戦死した三橋大尉の他は平野晃大尉、湯野川大尉、林冨士夫大尉、新庄浩大尉が、平成に為っても揃って存命だったが、一人又一人と鬼籍に入り、最後に残った湯野川が令和の初めに亡く為った事は、冒頭で述べた通りである。

 湯野川が戦後の一時期、負わされた秘密任務に付いては、同様の指示を与えられ、地下に潜った若手士官が、海軍兵学校で湯野川の一期後輩だった泉五郎大尉等数名居たとされる。これを将来の日本再建に向けた人材温存の作戦と見る向きもあるが、その本当の目的は、湯野川にも最後迄判ら無いママだった。
 直接従事し、渦中に居た者でサエ全容を知ら無い。国家の「秘密任務」とは、本来その様なものなのだろう。只『高松宮日記』(中央公論社)第八巻(昭和21年11月6日)に、湯野川だけがもしやと感じ得る痕跡が僅かに残されて居た。

 そこには〈一四〇〇(筆者註:午後2時)情報会(松本氏)〉と有り、編者の註では「松本氏」に付いて不詳とされて居るが、湯野川が当座の潜伏費用を受け取り、徳島の七二三空を離れる際、青木大佐から『もし、追加の資金が必要に為った時には、横浜市中区山手町三三番地の松本某氏に連絡すれば、直ぐに対応がある』と言われて居たと云う。
 湯野川は、これ等「松本氏」が同一人物ではないかと考えて居たものの、個人的な面識も無く定かでは無い。20数年前、同姓同番地の人の死亡記事が新聞に載ったのを湯野川は見た。現在、その地に痕跡が伺えるものは残されて居ない。

 終戦直後の日本陸海軍上層部が企図した、水面下における一連の策動、その全体像を把握するのは難しい。日本国の独立自尊の立場を守る為、連合軍による日本占領の方針如何によっては何らかの手が打てる様、様々な動きがあった事だけは確かである。関係者が全て物故した今と為っては、昭和史の謎として残るしか無いのかも知れない。


 桜花 動画

       神立 尚紀 カメラマン・ノンフィクション作家   以上











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新型コロナで「情報汚染」されたメディアが報じ無い「5つの真実」




 新型コロナで「情報汚染」されたメディア が報じ無い「5つの真実」


         〜現代ビジネス 松村 むつみ 2/29(土) 7:01配信〜

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           松村 むつみ 放射線科医・医療ライター
 
 毎日の様に、新しい感染者が発表される新型コロナウイルス肺炎。国内流行に伴い、SNSに「お湯で予防できる」等のデマが飛び交って居る事が報じられて居るが、注意すべきはSNSだけでは無い。メディア、特に民放テレビのワイドショーでも、コメンテーターや医師等が不正確な医療情報を根拠に恐怖を煽る場面が見られる。必要以上に不安を煽られる事無く、冷静に対処する為に、報じられて居る内容が真実かを検証したい。

 1.「医療崩壊」は起きて居ない

 先日放送された或る朝のワイドショーで、病院が対応出来るPCR検査(新型コロナウイルス肺炎の確定診断に必要な検査)の件数が増え無い事を憂う男性医師が「早期発見、早期治療が必要。軽症でも全例にPCR検査を」と力説し、同番組では「軽症の人は家に居るしか無く、病院から見捨てられて居る。これは医療崩壊だ」と云う論調が一貫して支配的だった。
 しかし、現時点で医療崩壊は起こって居ない。只、一人ひとりが冷静に為り、事実に基づいて行動しないと、病院のキャパシティが崩壊し、武漢の様な「医療崩壊」が起こる可能性もゼロでは無い。

 重症の患者が適切な環境で肺炎の治療が行われる上で、軽症患者への検査で限られた病院のリソースが割かれるのは問題だ。又、新型コロナウイルス感染は、発症すると一週間程発熱や咳等の風邪症状が続くが、8割の人は重症化する事無く治癒すると云われて居る。8割の人には治療が必要無い疾患なのだ。
 だから「軽症の患者は自宅に居るしか無い。それは医療崩壊ではないか」と云う主張は事実では無い。例え病院に行ったとしても治療法は何も無く、家で十分な栄養と休養を執るのが重症化を防ぐ上で重要に為る。

 只、保健所では、医師が検査が必要と判断しても検査が受けられ無い事態が実際に発生して居り、日本医師会は現在調査に乗り出し改善を勧告して居る。しかし繰り返すが、重症化する一部の人を除いて特別な治療は必要無く、仕事を休んで休養し、周囲に感染させ無い様努める事が大事だ。そしてこの対応は、新型コロナウイルス肺炎に限らずインフルエンザや普通の風邪でも同じだ。

 2. 「全員にPCR検査すべき」は適切では無い
 
 政府は現在、PCR検査は重症例に絞る方針であり、重症例に医療資源を集中し、軽症例は自宅待機を推奨して居る。その為、中には病院や保健所から検査を断られる人も居る。

 この「検査を断られる」と云う現実に対し、多くのワイドショーのコメンテーターや「専門家」達は憤る。大学教授で、感染症が専門だと云う或る女性コメンテーターは、PCR検査が為されて居ない事に対し「疫学調査がキチンと行われて居ない」「見え無い事は無かった事にすると云う感じ」と発言して居た。同番組では検査が増え無い事に付いて「政府による隠蔽」であると示唆する向きもあった。
 しかし現在、国内では散発的な流行が起こって居り、新しい発症は殆ど経路の判ら無い感染だ。感染者は、国内に大量に居る訳では無いものの、或る程度広がって居ると推測される。その様な状況で、無症状例や軽症例にPCR検査を行って感染を確定し隔離をしても意味が無い。最早感染者を「隔離」する段階では無く為って居る。

 新型コロナウイルス肺炎は、今の処抗ウイルス薬等特定の治療薬は無く、対症療法を行うだけであり、無症状や軽症例に特別な治療は必要が無い。「検査を行っても治療法や対処法が変わら無い場合、その検査は行う意味が無い」と考えるのが医学の原則なのだ。
 又、元々新型コロナウイルス感染に対するPCR検査は、感度・・・感染して居る人の中で陽性の結果が出る確率が高くは無く、30〜70%程度と云われて居る。検査をしても或る程度の「見逃し」が起こる為、陰性と診断されても実は感染して居る事がある。

 持ちロん、呼吸困難がある等、肺炎が明らかに疑われる場合は、適切な環境下で治療を受ける為にも検査が必要だ。重症例は、酸素やステロイドの投与、場合によっては人工呼吸器の装着等の治療を要する。こうした重症例に適切に対応する為にも、上述した様にPCR検査を広く実施する事に政府が躊躇するのは理解出来る。 ワイドショーではPCR検査の保険適用の必要性が声高に叫ばれて居り、近く保険適用に為る見込みだが、軽症患者が急に増えれば、現在の仕組みでは陽性が判ると入院し無ければ為ら無い為、医療現場の混乱が予想される。それこそ「医療崩壊」が起こり兼ね無い。

 3. 患者の「ドクターショッピング」が問題

 患者の立場からすると「ひとつの病院で診断が着か無ければ、他の病院に行った方がキチンと診断を着けて貰えるのではないか」と思うのではないだろうか。しかし、それは正しく無い。
 新型コロナウイルス感染は、初発症状は普通の風邪と見分けが就き辛く、4日間以上、37.5度の発熱が続くのが受診基準の一つに為って居る様に、経過を見無いと区別が着き辛く、症状が出て1週間以上してから悪化する事もある。

 一つの医療機関に複数回掛かれば、医師も経過から総合的に判断する事が可能だが、複数の医療機関を一回ずつ受診してしまうと、一回限りの受診では医師も判断が難しい事が多い。現に、ワイドショーに出て来る「検査を断られた」と云う例は、多くの人が二度・三度と病院を変わり、ドクターショッピングして居る。
 西日本新聞では、熊本で最初にコロナウイルス感染と診断された女性が「検査を断られ病院をタライ回しにされた」と云う報道が為されたが、その患者自らが病院を3ヶ所受診して居るのだ。こうした報道が為される中で、診察した医師側の証言が全く紹介され無い事も疑問だ。

 複数の病院を受診すると、返って適切な診断が為され無い事がある事を覚えて置いた方が好いだろう。一度受診して「検査出来ない」と言われても、高熱が続き、後で必要と判断される事もある。

 4. 「不安だから病院に行く」が感染リスクを高める

 「病院へ行か無いで、出来るだけ家で休みましょう」と言われると、不安に為る事は理解出来る。しかし、繰り返すが、新型コロナウイルス感染は大半の人に取って、特に40代迄の人に取っては重症化するケースは非常に少なく「ただの風邪」と同じと考えて差し支え無い。
 心臓病や高血圧等、基礎疾患の有る人が発熱して居たら適切な対応を執る必要性があるが、そうで無い場合、無暗に病院へ行く事は返って感染リスクを高める。

 実際に、指定病院のベッドだけでは足りず、指定病院以外の病院にも新型コロナウイルス肺炎の患者が入院して居る。中国からの論文では、発症した全患者の中で院内感染が4割を超えると云う報告もあり、中国では医療従事者への感染が問題に為って居る。家や職場で日常生活を送るよりも、病院では遥かに高いリスクに晒されることに為る。
 「不安」の為に病院に懸かって感染しては本末転倒だ。発熱して居ても、症状が軽く息苦しい訳でも無いのなら、仕事を休んで家で寝て居るのが一番リスクの少ない選択だろう。厚労省が定めた受診基準を満足していても、直接病院に行くのでは無く、先ずは帰国者・接触者相談センターに電話相談する事を忘れ無いで欲しい。

 5. 陰性でも仕事に行ってはいけ無い場合がある

 厚生労働省の受診基準を満たして検査を受け、陰性だった場合は直ぐにでも仕事に行きたい、と思う人も居るだろう。日本の職場では休みが取り易い環境の処も未だ少なく、リモートワークに対応出来るのは極一部だ。
 しかし、検査が陰性でも、実は感染して居る事が有るから注意が必要だ。PCR検査は痰が出る場合は痰を執るが、そうで無い場合は鼻や喉を綿棒で擦って検体を捕って検査に出す。ウイルスは主に肺に居る事が多く、鼻や喉等の上気道に居ない場合は検査で陰性が出てしまう。又、症状が未だ余り出て居ない感染の初期には、体内のウイルス量が少なく陰性が出る事もある。
 この様な事情があるので、検査が陰性でも、感染して居ないと直ぐ判断する事は難しい。熱が有れば仕事は休んで、出来るだけ家に居るべきだ。

 国内でも流行が始まった今だからコソ、改めて、不安を煽られずに冷静に対処する事が必要だ。症状が無い人でも、手洗いやマスクの装着・・・現段階では、感染予防と云うよりは「周囲に感染させ無い為」のマスクと考えた方が好い、十分な睡眠と栄養に心掛けたい。


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          松村 むつみ 放射線科医・医療ライター   以上










 安倍首相のクソ側近に芸能界激怒 

 大規模イベント自粛要請しながら パーティー&マスク配布


               〜東スポWeb 2/29(土) 17:10配信〜

 クソ側近の余りにも軽率過ぎる言動に日本国民の怒りは収まら無い! 

       2-29-17.jpg 秋葉賢也首相補佐官

 新型コロナウイルスによる肺炎拡大防止の為、政府が大規模なイベントの自粛を要請した26日当日、秋葉賢也首相補佐官、小野寺五典元防衛相がパーティーを開いて居た事が発覚。これにはライブ等のイベントを開催出来ず、倒産・破産の危機に立たされて居る芸能関係者からも猛批判が起きて居る。
 又、小野寺氏のパーティーでは国民が手に入れられ無いで困って居るマスクが“大量配布”されて居たと云うのだ。

 小中高校の全国一斉休校要請等、方針を急転換させた政府に日本中が振り回されて居る。安倍晋三首相が大規模イベントの自粛を要請したのは26日。「Perfume」の東京ドーム公演「EXILE」の京セラドーム大阪公演が当日直前に為って中止に為る等芸能界も大混乱だ。
 それでも政府の「コレ以上、感染を拡大させ無い」と云う強い意思に共鳴して、莫大な損害を被る事に為りながらも、泣く泣く中止や延期を決めたのだが・・・呆れる事に秋葉補佐官は当日夜に、地元の仙台市内で出版記念パーティーを開いて居た。しかも政府の専門家会議が、集団感染が起き易い例として挙げて居た立食パーティー形式だった。

 当然批判が集まり、安倍首相は28日の衆院予算委員会で苦言を呈した。只、更迭に関しては否定した。政府の要請により、中止に追い込まれた某イベント関係者は「我々には自粛要請と云う名の下、事実上の中止や延期命令を出して居るにも関わらず、側近が出版記念と云う名の政治資金パーティーを開くナンて許せ無い! 芸能界ではイベントの中止や延期により、倒産の危機と背中合わせなのに、政治家がそれを守ら無いとは、遣る瀬無い気持ちで一杯」と憤慨して居る。
 バンド「RADWIMPS」のボーカル、野田洋次郎はツイッターで自粛倒産の可能性を指摘しつつ「自粛や休校の要請を出し続けるだけでは無く国は具体的な対策をもう少し出すべきではと思う」等と提言した。

 怒りを買って居る秋葉氏は「パーティーの中止は難しかった。例年よりも規模を半分に縮小する等、補佐官の立場だからコソ慎重に判断した」と釈明しつつ「同じ地元の小野寺五典衆院議員が感染者の出て居る東京で遣って居る」と小野寺氏の名を挙げて暴露し道連れにした。その小野寺氏のパーティーを巡っては、マスクの大量配布が波紋を呼んで居る。

            2-29-19.jpg 小野寺五典衆院議員

 同氏は26日、都内のホテルでパーティーを開催。出席者同士が対面し無い様立食形式からテーブルとイスを横に並べたセミナー形式へ、食事はビュッフェから弁当へと切り替えたが、出席者の一人によれば「テーブルの各席に弁当が用意され、その上にマスクが添えられて居た。数百人分は在った」と云う。首都圏を中心に品薄状態が続くマスクをどう遣って大量備蓄出来たのか・・・
 小野寺氏の国会事務所は本紙の取材に、マスクは各席に300枚置いたと説明しつつ、同氏のモノでは無いと回答。「事務所スタッフに重度の花粉症の者が居る。昨年、段ボール買いしたそうだ」と答えた。事務所スタッフが昨年の段階で数百枚単位で備蓄して居た私物のマスクを出席者に提供したと云う。

 マスクは需要に生産が追い付かず、プレミアムが付いて居る。その為、小野寺氏のパーティーで提供されたマスクは「閉会後、1人で5・6枚コッソリクスねて持ち帰った人も居た」(前出出席者)と云う。この切実な現状が政府には分から無いのか。

 首相の右腕である麻生太郎財務相は28日の閣議後記者会見で、臨時休校要請に関する対応を質問した記者に対して「詰まん無い事聞くネエ」と発言。「働く母親等が居る家庭では(勤務先の)企業活動にも影響が出る可能性があるのではないか」等と質問した記者との遣り取りが終わった後、小声で呟いた。更に質問をした記者に対し「上(司)から(質問をする様)言われてる訳。可哀想だね」とも発言した。

 政府の超絶ノーテンキな姿勢に国民の怒りは爆発寸前だ。


                  以上







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新型コロナ対応で全国一斉休校を要請 「孤独」な安倍政権に危機管理は望め無い




  新型コロナ対応で全国一斉休校を要請 

 「孤独」な安倍政権に危機管理は望め無い


           〜ハフポスト日本版 石戸諭 2/29(土) 15:04配信〜

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ為に、全国の小中高校に臨時休校を「要請」した安倍首相。既に多くの批判も相次ぐこの決断は、安倍政権が「孤独」な政権である事を意味する。そう指摘するのは、ノンフィクションライターの石戸諭さんだ。石戸さんがハフポスト日本版に寄稿した。


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                石戸諭さん

 一斉休校の「要請」何故学校だけなのか

 安倍首相は新型コロナ・ウイルスを巡って、トップダウンで全国一斉休校の「要請」をした。何と無く大きな決断をした様に見えるが、何故学校だけなのかと云う論理的な説明は恐らく出来ない。
 これ迄「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」がギリギリの中で発信して来た・・・非常に真っ当な・・・見解との整合性も出来ないママ終わるだろう。

 積み上がったデータに基づく為らば、特に注意が必要なのは高齢者・基礎疾患を抱えた人々・成人である。学校の休校を要請する前に、遣るべき事は無かったか。全国一斉に子供が休めば、未だ新型コロナウイルスの発症者が具体的に出て居ない地域でも社会活動は停滞する。
 平成の長期不況を思い出せば好い。経済の死は人の死に直結し、皺寄せは先ず社会的弱者に押し寄せる。場当たり的な対策のツケは、弱い立場の人々が払う事に為る。

 論理的では無い説明を繰り返す政権

 これ迄私もメディア等で語って来たが、検査体制云々以前に、日本は感染症対策で遅れを取った国だ。アメリカのCDC・疾病管理予防センターの様な権限や財力を持った組織は存在しない。国立感染症研究所の予算は安倍政権に為ってからも減り続けて来た。「危機管理」を標榜しながら、専門家による助言体制の構築も遅れを取って居た。
 肝心のアベノミクスは第1の矢に大規模な金融緩和を掲げた迄は良かったが、歩調を合わせる様な財政出動は叶わず、2度に渉る消費増税で本来得られるべき効果を得られ無いママに為って居る。

 何故、金融緩和を進めながら増税するのか。アクセルとブレーキを同時に踏み込む様な政策への、論理的な説明は此処でも付いて居ない。
 「桜を見る会」の説明も、検事長の定年延長も同じだ。場当たり的な言葉を並べた結果、論理的には破綻して居る。説得すべき「他者」は不在であり、政権は政権にしか理解出来ない言葉を使い続けて居る。

 そうで有るにも関わらず、政権が延命して居るのは、端的に言って「他に具体的な選択肢」が無いと云う消極的な理由と、国政選挙で勝って来たと云う事でしか無い。 国政選挙の勝利の大きな要因は、自民・公明の選挙協力と云うイデオロギーよりも、小選挙区比例代表並立制と云う制度によって結び着きを強め、相互にメリットを得るシステムによってもたらされたものだ。
 敵失による「勝利」は「民意を得た」と云う言葉の下、場当たり的な説明と論理を肯定して来た。彼等は民主党政権に比べればマシであり、民主党政権に比べれば危機管理に優れて居ると喧伝して来たが、それは本当だったのか。

 トランプと安倍政権の「孤独」

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          ノンフィクション作家 レベッカ・ソルニット氏

 サテ、冒頭の安倍首相の決断を見た私が、真っ先に想起したのは、現代アメリカを代表するノンフィクション作家であるレベッカ・ソルニットだった。 新刊『それを、真の名で呼ぶならば−危機の時代と言葉の力』(岩波書店)に「ドナルド・トランプの孤独」と云うエッセイが収録されて居る。ソコで彼女は明らかにトランプ・・・或るいはトランプ的な気質を持つ人々を念頭に置いてコウ書く。

 「自分の権力を使って対話を沈黙させ、軌道から外れて次第に劣化して行く自我や意義の虚空の中で生きる人も居る。それは、太鼓持ちとルームサービスだけが存在する孤島で正気を失って行く様なものであり、その人がそう言えばどの方向でも北を指す従順な羅針盤を持つ様なものだ。(中略)
 絶対の権力、シバシバそれを持つ者の自覚を堕落させるか、或は自覚を現象させる。自己愛者、社会病質者、エゴマニアには「他者」が存在しないのだ」


 トランプは側近に周りを囲まれて居る。その姿だけ見れば、彼は「孤独」では無いだろう。だが、それは同調する「他人」に囲まれて居るだけで、自分とは異質の、或は対話を必要とする「他者」に囲まれて居る事を意味しない。
 タイトルにある「真の名」とは、物事を名着ける力である。物事に真の名前を着ける事で、私達は「どんな蛮行や腐敗が有るのか」又は「何が重要で可能で有るのか」を知る事が出来る。

 孤独な安倍政権の終わりの始まり

 安倍晋三政権は孤独な政権である。恐らく、彼等にこれ以上の危機管理は望め無い。ソルニットは、もう一つの代表作『災害ユートピア』の冒頭でエマージェンシー・緊急事態と云う言葉の語源を語って居る。エマージ(現れ出る)から生じ、その反対語のマージはラテン語のメルゲレ(液体に沈められた・浸された)から派生して居ると云う。
 「緊急事態は普通の状態からの分離であり、新しい空気の中への突然の進入を意味し、そこでは私達は危急の事態に際して上手く対処する事が求められる」

 今は緊急事態だが、誰が何をしたかを忘れてはいけ無い。此処で、孤独な政権に見切りを着ける事も出来る。

 「今の時代にパラダイスが有るとすれば、ソコへの扉は地獄の中にある」

 危機は何時でも、変化の始まりなのだ。


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             石戸 諭     以上








 ディズニー・函館朝市・競馬場 コロナ自粛 静かな週末

             〜読売新聞オンライン 2/29(土) 12:22配信〜


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   臨時休園と為った「東京TDL」29日午前 千葉県浦安市で 読売ヘリから大原一郎撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大防止の為、政府の大規模イベント自粛要請や北海道の「緊急事態宣言」が出されてから29日は初めての週末と為った。知事が外出を控える様呼び掛けた北海道では、札幌の繁華街や函館の観光名所等が閑散とした。各地でテーマパークが休園したり、イベントが無観客で開催されたりして、街から歓声が消えた。

 千葉県浦安市のテーマパーク「東京ディズニーランド」と「東京ディズニーシー」は3月15日迄臨時休園する。この日は従業員が朝から最寄り駅の前に立ち、ハンドマイクを使って人々に休園を伝えて居た。夫婦で訪れたマレーシア国籍の男性(49)は「休園は知ら無かった。日本の感染の深刻さが判った」と話した。
 同じく15日迄休園する大阪市の「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)でも、看板等で状況を説明した。岡山市の30歳代の女性は「昨日に続き今日も遊ぶ予定だったので残念」と帰宅の途に就いた。

 プロ野球のオープン戦は無観客で行われ、福岡市のペイペイドーム(ヤフオクドームから改称)では午後1時、福岡ソフトバンクホークス阪神タイガース戦が静かに始まった。ソフトバンクの工藤公康監督は「ファンが居ない試合は寂しいが、仕方無い」と語った。

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 中央競馬も無観客と為り、千葉県船橋市の中山競馬場は、馬が地面を蹴る音が聞こえる程の静けさ。田辺裕信騎手(36)は「何時もと違う光景で慣れ無い」と話し、事態の収束を願った。       
 カニやサケ、イクラ等新鮮な海産物が並ぶ函館市の朝市。何時もは飛び交う威勢の良い客引きの声はこの日消えて居た。「本当に静かで、マルで別の場所みたい」土産物店の女性(70)が呟いた。感染が広がるに攣れ、朝市から中国人等外国人観光客は姿を消した。日本人観光客に望みを繋いで居た処に出たのが外出自粛要請だった。海産物店で働く男性(73)は「客は何時もの1・2割。コレが1週間も続けば赤字は避けられ無い」と漏らした。

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 異国情緒漂う赤レンガの街並みで人気の函館「金森赤レンガ倉庫」も人は疎ら。道内を1人で旅する兵庫県の大学2年の男子学生(20)は「余りに人が居ない・・・」と驚いた。JR北海道と札幌市営地下鉄は通常通り運行したが、札幌市中心部の駅や街に人は疎ら。普段は観光客で賑わう狸小路(たぬきこうじ)商店街は、一部の店が臨時休業した。


                  以上









  新型コロナ問題の中で
 
 「オール野党」に向けて水面下の動きがある


       〜現代ビジネス 歳川 隆雄 ジャーナリスト 2/29(土) 7:01配信〜


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           衆院予算委員会で政権を質す 枝野代表

 戦後フランス政界に学ぶ


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                ジャーナリスト 歳川 隆雄
 
 正月休みに読もうと昨年末に購入したアニエス・ポワリエの『パリ左岸―1940‐50年』(白水社)はその余りの厚さに尻込みし積んで置く状態だった。しかし新型肺炎拡大でこの1週間、夜の会食が激減した為、ヤッと読了した。

 タイトルからも想像出来る様に、第2次世界大戦後のパリ、それもセーヌ川左岸のサンジェルマン=デ=プレに蝟集した詩人・作家・画家・彫刻家・思想家・歌手・俳優・ジャーナリスト・写真家等を熱狂させて一世を風靡した「実存主義」の先駆者であるジャン=ポール・サルトル、シモーヌ・ド・ボーヴォワールの2人を中心に、当時パリに暮らした米国人を含む芸術家のエキサイティングな「日常生活」を精緻に描いたものだ。
 筆者がココで言及するのは、戦後フランスの政治と芸術の関係、取り分け、戦時中の反ナチスのレジスタンス活動の中核を担い、戦後フランス政界の第1党に躍進した仏共産党とサルトルに代表される進歩派文化人との関係である。

 具体的には『嘔吐』『存在と無』のサルトルと『第二の性』のボーヴォワールが創刊した雑誌「レ・タン・モデルヌ・現代」に関わり、2人の強い影響を受けた『ペスト』のアルベール・カミュは反共産党・反ドゴール主義を強く主張し、他方、シュルレアリズムで名を馳せた詩人ルイ・アラゴンは共産党に従順な芸術家の養成に傾注した事だ。筆者の世代に取って懐かしい?作家・倉橋由美子流に言えば「パルタイ=党」

 その後、サルトルとボーヴォワールは「革命民主連合(RDR)」を立ち上げる等政治色を強めて行った。その頃のサルトルとボーヴォワールの周辺には、
  共産党シンパの現象学者モーリス・メルロ=ポンティと
  党員画家のピカソ
  反共産党の英国人作家のアーサー・ケストラーと
  ダダイズムで知られる詩人アンドレ・ブルトン、そして
  旗幟を鮮明にし無かった『ブラックボーイ』の米国人作家リチャード・ライト・・・小説に「ブッラクパワー」と云う言葉を初めて使った黒人文学のフロンティアであり、筆者が好きな『ジョヴァンニの部屋』の黒人作家ジェイムズ・ボールドウィンの師匠・・・
 等が綺羅星の如く集まり、正に梁山泊の趣であった。

 「オール野党」は実現可能か

 何故、ココで70年も前の「パリ左岸」を持ち出したのか。理由はそれほど難しい事では無い。筆者の現在の関心の一つが、果たして我が野党が次の衆院解散・総選挙を前に野党共闘を実現出来るのかどうかに有るからだ。それを決定付ける重要なポイントは、日本共産党(志位和夫委員長)を含む「オール野党」の成否であり、既存野党の「れいわ新選組・山本太郎代表」との距離感である。

 山本代表は2月17日の記者会見で公約の「消費税率5%の減税」撤回は有り得無いと明言した。一方、野党第1党の立憲民主党の枝野幸男代表は前日の党大会で「私が総理に為れた時に、そして総理を遣って居る間に、消費税を更に上げることはしません」と述べ、その後の会見では「税率引き下げと云う出来ない事を約束する事は絶対にしません」と断じた。
 昨年の参院選後、一躍「台風の目」と為った感が強い山本=れいわであるが、野党共闘実現を目指すにしても、リアリティの無い政策に迎合し無いと言い切ったのだ。加えて「れいわ新選組」は次期衆院選に向けて立憲民主党現職が居る千葉8区と東京22区に公認候補の擁立を発表した。

 水面下の動き
 
 こうした中で、6月18日告示・7月5日投開票の東京都知事選を視野に入れる共産党は、立憲民主党と「れいわ新選組」との間を取り持つ意向を示して居る。それだけでは無い。自民党時代に宮澤喜一政権の建設相も務めた当選14回の大ベテランの中村喜四郎衆院議員(無所属)も又水面下で動いて居る。
 「小沢(一郎)アレルギー」が強い立憲民主党にも内々に仁義を切った上で与野党の有力者に接触し、志位氏とも会談する等野党勢力結集を企図して居る。

 それにしても、焦点は矢張り枝野氏である。共産党を含む「オール野党」には消極的であり、小沢氏がコミットする野党共闘にアレルギーが有るとされる。では「反共産党・反ドゴール主義」のカミュの現代版、即ち「反」では無く「非」を弱にした「非弱共産党・反安倍主義」で纏められ無いのか。
 カミュにはサルトルが居たが、枝野氏にはサルトルに相当する人物が居ないのか。サルトルは後年の1973年「リベラシオン」紙を創刊して進歩派の大同団結を図った。

 因みに、山口二郎法政大学教授や田中信一郎千葉商科大学准教授等は「オール野党」推進派である。そして中村氏が「枝野氏のサルトル」に為るのかにも注目したい。蛇足だが、1966年9月にボーヴォワールを伴い来日したサルトルは、慶應大学(三田キャンパス)で講演したが、筆者は、当日の大フィーバーした聴衆のひとりである。


          歳川 隆雄 ジャーナリスト    以上









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安倍「ナンでも有り」政権が民主主義を破壊する




 




 安倍「ナンでも有り」政権 が民主主義を破壊する

     〜東洋経済オンライン 薬師寺 克行 東洋大学教授 2/29(土) 8:05配信〜


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             東洋大学教授 薬師寺 克行氏

 「今や安倍政権はナンでも有りだ」

 最近、コンな言葉が永田町や霞が関に広がって居る。森友学園や加計学園問題に始まり、安倍晋三首相主催の「桜を見る会」更には検察官の定年延長問題と、政権中枢が関わる問題が表面化すると、場当たり的な説明で切り抜け様とし、それが破たんすると関連する公文書を改ざんしたり廃棄したり。揚げ句の果てには法律解釈を強引に変更したりと遣りたい放題だ。
 目の前の問題を処理する為に、歴代内閣が積み重ね作って来た手続きや法秩序を、意とも簡単に無視し続けて居るのだ。

 失われつつ有る独立機関の政治的中立性

 為政者が政権維持の為に短期的な成果を上げ様と強引な手法を執りたがるのは、安倍政権に始まった事では無い。だからと言って手続きや法律等を軽視すれば、法秩序が揺らぎ倫理観が壊れ、社会全体が混乱する等、中長期的にはより大きな公益が失われる。
 故に、政権の行う政策等が公平さや公正さを保って居るか、法律に抵触して居ないかを常にチェックする必要があり、その為に内閣から或る程度独立した組織が政府の中にも作られて居る。具体的には会計検査院人事院・内閣法制局等だ。広い意味では日本銀行等も独立性が認められて居る。

 処が今、これ等独立性の高い組織が本来の役割である行政のチェックを行う処か、安倍政権が起こす問題の対応に巻き込まれ、政治的中立性を失いつつある。
 コロナウイルスと共に国会で大きな問題と為って居る東京高検の黒川弘務検事長の定年延長問題では、人事院と内閣法制局が重要な役割を果たして居る。森雅子法相は、定年が近付いて来た黒川氏の定年延長を認める為、1月17日に法解釈の変更を「口頭」で決済し、その後、内閣法制局や人事院と協議し、了承を得たと説明して居る。

 この説明をスンナリと受け入れられ無いのは、2月12日の国会審議で、人事院の松尾恵美子・給与局長「現在迄特に、検察官の定年を巡る議論は無い」と答え、検察官には国家公務員法の定年制は適用され無いと云う従来からの政府の法解釈に付いて「同じ解釈が続いて居る」と答弁して居るからだ。この答弁を見る限り、人事院が中立的な立場から内閣の対応に釘を刺して居ると受け止める事が出来る。

           2-29-3.jpg 事院の松尾恵美子・給与局長

 「口頭」で法解釈を変更

 処が、松尾局長の答弁の翌13日、安倍首相が衆院本会議で行き成り「法解釈を変更した」と発言した。此処から人事院の姿勢が一変する。
 松尾局長は12日の発言を「言い間違えた」と取り繕った。処が、法解釈変更の決裁に付いて、松尾局長は「内部で決裁を執って居ない」と発言して居る。この辺りに心の揺らぎが見て取れる。一方の森法相は「口頭で決済した」と強弁して居る。
 そして、もう1つの独立機関である内閣法制局は、近藤正春長官が安倍首相に確りと歩調を合わせて答弁をして居る。更に人事院や内閣法制局との協議の記録が無いとして居る。

            2-29-4.jpg 近藤正春長官

 法律の解釈を変更して、遣りたい事を遣ると云うのは安倍政権の好む手法の様で、既に憲法9条の解釈を180度転換し、集団的自衛権の行使を容認して居る。今回の法解釈変更と云うのは法律の世界では非常に重要な事であり、その目的や必要性、それが合理的であるかどうか等説明が出来無ければ為ら無い。
 当然、内閣法制局等との協議の経過や最終的な決済等の文書が無ければ為ら無いが、それが「口頭」と云うのである。正に「ナンでも有り」状態である。

 人事院は自らの組織に付いて「国家公務員法に基づき、人事行政に関する公正の確保及び国家公務員の利益の保護等に関する事務を司る中立・第三者機関として、内閣の所轄の下に設けられた」(人事院ホームページ)と説明して居る。
 為政者が政治的目的等の為に人事を歪めたりする事をチェックする事も、人事院の重要な役割なのである。松尾局長の初期の答弁には人事院の「矜持」を感じたが、安倍首相の本会議発言を機に一変してしまったのは残念としか言い様が無い。

 内閣法制局は官邸の追認機関に為った

 一方、内閣法制局は内閣に付属する機関では在るものの「法律問題に関し内閣並びに内閣総理大臣及び各省大臣に対し意見を述べる」(内閣法制局ホームページ)事が業務の1つである。
 憲法解釈を初め、法解釈の最終的なゲートキーパーの役割を果たし、歴代首相と言えども内閣法制局を無視して好き勝手な解釈を振り回す事は出来無い。それ故に為政者から嫌われる事の多かった組織でもあった。

            2-29-5.jpg 小松一郎長官

 処が周知の通り、安倍首相は外交官出身の小松一郎氏を強引に長官に起用した。小松氏は安倍首相の意向に沿った形で憲法9条の解釈を変更し、集団的自衛権を容認する姿勢を示して実現させた。

 この人事がターニングポイントと為って、今や内閣法制局は独立性を弱め、首相官邸の意思決定の追認機関と為ってしまって居る。当然の事ながら今回の検察官の定年延長問題でも、中立的立場からの発言は見られ無い。

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 会計検査院の変質も見逃せ無い。森友問題に関して会計検査院は国有地売却に関して説明が付か無い程価格が値引きされて居る事、或は関連する公文書が改ざんされて居る事に一早く気付いて居た。にも関わらず、その事を指摘しなかった。会計検査院は国会や裁判所と同じ様に憲法に定められた極めて独立性の強い組織である。
 ホームページには組織の責務を「コノ国のお金が正しく、又、ムダ無く有効に使われて居るかどうかをチェックする機関です。会計検査院は、この様な重要な仕事を他から制約を受ける事無く厳正に果たせる様、国会、内閣、裁判所何れの機関からも独立して居ます」と高らかに紹介して居る。処が実態は、積極的に政権に物申す事が出来無く為って居る。

 「安倍一強」と言われる政治状況の下で、中央省庁は本来期待されて居たボトムアップの政策の企画立案の役割が縮小し、主要な政策が官邸主導の基トップダウンで決められ、役所はその下請け機関・執行機関と為って居る。その結果官僚の士気は下がり、転職者が増えモラルも低下して居ると言われて居る。

 繰り返される思い付きの政策

 で有れば余計に、首相官邸が打ち出す政策等に付いて第三者的組織のチェックが重要に為るのだが、既に述べて来た様に、会計検査院や人事院・内閣法制局等の独立性の高い筈の組織が、本来の役割を果たせ無いばかりか、安倍一強の基に平伏(ひれふ)して居るかの様な状況に為って居る。
 長く政権を維持して来た自民党だが、歴代首相で此処迄統治システムの根幹部分に手を突っ込み、独立性の強い組織の主体性を奪ったケースは無いだろう。

 その結果、安倍首相やその周辺の一部の人間が思い付いた政策等が専門的な知識も無く、時間を掛けた慎重な検討も無く打ち出されて居る。そして、何か問題が見付かると、場当たり的な理屈を作って切り抜け様とする。その際、関連する公文書が改ざんされたり廃棄される。今回の様に、突然法律解釈が変更される事も起きた。
 それを会計検査院等の組織がチェックし問題点を指摘し無ければ為ら無いのだが、逆に政権の意向に沿って追認を繰り返して居る。これが今の安倍政権である。

 コレでは権力の中枢から法秩序も倫理観も消えてしまい、統治システムの混乱は避けられ無い。そう云う意味で今、日本は正に危機的状況に有ると云える。


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           薬師寺 克行 東洋大学教授    以上









 安倍首相の「公私混同」お花・うに・自著迄 政治資金で大量購入

               〜FRIDAY 2/29(土) 7:02配信〜

 「支出に問題は無い」

 安倍晋三首相は「桜を見る会」の前夜祭に関して、自らが代表を務める「自民党山口県第四選挙支部」(下関市)が関連経費を支出して居た事を国会で追及されると、そう開き直って居る。
 2枚目写真の領収書は、安倍首相の政治団体が「桜を見る会」及び前夜祭の案内状やアンケートを地元の支援者に送付する為に購入したと思われる2018年1月の切手代である。フリージャーナリストの三宅勝久氏はこう指摘する。

       2-29-13.jpg 公演中の三宅勝久氏

  「桜を見る会の前夜祭が、安倍晋三後援会が主催した集会・パーティだった事は明らか。収支の一切を後援会の政治資金収支報告書に記載する法的義務があります。しかし、安倍首相は、参加者個人がホテルに支払いをしたから明細書や領収書は無い・・・と見苦しい言い訳をして居ます。有権者を『供応接待』した公職選挙法違反を自認して居るから隠して居る、そう思われても仕方無いでしょう」

 安倍事務所の政治資金収支報告書を精査すると「公私混同」と言わざるをえ無いカネの使い方が散見される。例えば、安倍首相の政治団体「晋和会」は、2018年に焼き物「萩焼」を年2回、計約50万円分も購入して居る。
 本誌が販売元の窯元に問い合わせると、担当者は「お中元とお歳暮で、湯のみや皿を後援会に入っておられる方、70〜80人に送って居ります」と答えた。政治学者で日本大学法学部教授の岩井奉信氏が語る。

              2-29-14.jpg 岩井奉信氏

 「地元の有権者に萩焼を贈ったのなら公職選挙法違反に為ります。そうで無ければ法的には問題ありませんが、本来、お中元やお歳暮はお世話に為った人にポケットマネーで贈るべきもの。それを政治資金で賄(まかな)うと云うのは妥当な使い方と言え無いと思います」

 焼き物だけでは無い。左頁に掲載した領収書が示す様に、安倍事務所は「お花」や「うに」更には「自著」を政治資金で大量に購入して居るのだ。

 「贈り先に有権者が含まれて居るのは間違い無いと思われるので、公職選挙法が禁止する『買収』『寄附の制限』に抵触する可能性は濃厚です。対価を得たと云う言い訳も有り得ますが、そうで有れば政治資金規正法違反の不実記載。安倍事務所はグレーな政治資金の使い方が常態化して居ます。『桜を見る会』も含めて、包み隠さず説明すべきです」(前出・三宅氏)

  国会でも安倍首相のウソがバレ始めて来た。ソロソロ潮時なのかも知れない。


  企画協力 三宅勝久『FRIDAY』2020年3月6日号より FRIDAYデジタル   以上









 新型肺炎は リーダーシップの欠如が招いた人災か

           〜安積明子 政治ジャーナリスト 2/29(土) 7:00〜

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 深夜国会無しで衆議院を通過した令和2年度予算

 その予兆は既に在った。1週間程前に、或る秘書がこう言った。「28日は深夜国会が無いと云う話だ」 この日午後6時半、令和2年度の通常予算案が衆議院を通過した。これで年度内に自然成立が可能に為る。

 通常なら大臣や常任委員長の解任動議等が提出され、深夜迄衆議院本会議が断続的に開かれる筈だった。2019年には根本匠厚生労働大臣、2018年には河村健夫衆議院予算委員長の解任決議案が上程された。責めてもの抵抗を野党が示す為だ。  
 しかし今回、そのセレモニーは無い。前日の2月27日では、棚橋泰文予算委員会委員長と森雅子法務大臣の不信任決議案が上程されたが、当初、予定されて居た野党によるフィリバスターは中止に為った。

 小中校の休校の要請は言い逃れ

 それはマルで、嵐の前の静けさにも見える。全ては目に見えぬ敵に戦(おのの)きつつ、安倍晋三首相の真意を測り兼ねて居る。例えば27日午後6時に唐突に発表された「3月2日から全国の小中高の休校」要請は、その際たるものと云える。安倍首相は28日の衆議院財務委員会で「各学校・地域で柔軟にご判断頂きたい」と具体的判断を各自治体に丸投げした。

 最も公立の小中学校の運営に付いては地元の教育委員会が行って居り、国が直接指揮監督出来る訳では無い。よって安倍首相は「要請」と云う言葉を使用したが、周囲はその様に解して居ない。「事実上、命令と同じだ」或る自民党議員はこう述べた。この議員は安倍首相の性急な判断に驚いたと云う。
 「内閣法制局長・NHK会長に続き、今度は検事総長の人事が問題に為って居る。突然の小中高の休校の発表は、その延長に在ると見る事が出来る」

 「休校」は独断人事と同じく思い付き

 これ等人事は何れも政治的恣意が伺える。政府提出の法案に付いて事前審査権を持つ内閣法制局は、憲法解釈において裁判所以上の権限を持つが、その長官として安倍首相は2013年8月に外交官だった故・小松一郎氏を異例にも抜擢した。
 理由は小松氏は第一次安倍政権時の2007年、安保法制懇に従来の内閣法制局の考えを変えて「憲法9条は集団的自衛権の行使を禁ずるものでは無い」と云う解釈を持ち込んだ為だ。
 NHK会長に付いては、籾井勝人元会長と前田晃伸現会長の人事は葛西敬之JR東海名誉会長の息が掛かって居る。葛西氏は安倍首相を応援する四季の会の中心メンバーだ。

 今国会で野党が追及して居る黒川弘務東京高検検事長の定年延長問題は、正に前代未聞だ。2月8日に63歳の誕生日を迎えた黒川検事長を検事総長に就任させるべく、半年定年を延長したのだ。 しかし検事の定年延長は法的根拠が無く、過去の国会答弁でも否定されて居る。
 更にこれを覆したとされる森法務大臣の決裁も口頭のみと云う軽さで、前例を覆す為の慎重さが微塵も見られ無い。 しかも人事院の国会での答弁が途中で変わって居る上、答弁に立った松尾美恵子給与局長が野党の追及に戸惑うと、その背後から茂木敏充外務大臣が「帰れ、帰れ」と叫び、手で追い遣る仕草をした。
 これは内閣から独立してその職権を行うべき人事院の存在を侵害する行為と云える。内閣の一員である茂木大臣には、人事院の松尾局長に対して指示する権限は無い。

 そうした独断を次々と実行して来た安倍政権に執って「全国の小中高に休校を要請する」のは簡単なものだ。「要請」は事実上の「命令」にも為り得るし、都合が悪く為れば、「命令では無い」と逃げる事が出来る。
 実際に翌28日には、安倍首相は「最終的な判断は学校を設置する自治体や学校法人が行う」として「基本的な考え方としてお示しした。各学校や地域で柔軟に判断して欲しい」と述べた。為らばどうして「3月2日から」と一律に限ったのか。

 お陰で現場は混乱して居る。最も被害を受けて居るのは、生徒達だろう。何故もっと影響が少無く為る様に配慮出来なかったのか。あのタイミングで発表したのは、内閣支持率上昇を狙って早急に打った対策としか思え無い。

 間違ったリーダーシップは国民に不幸を招く
 
 一方で新型肺炎の被害はジワジワと広がって居る。66人が感染した北海道では2月28日に鈴木直道知事が緊急事態宣言を発令し、週末の外出を控える様に呼び掛けた。安倍首相も29日夕方に記者会見し、新型肺炎対策に付いて国民に説明する予定だ。
 そしてWHOのテドロス事務局長は2月27日「我々は正念場を迎えて居る」「パンデミックに為る可能性が在る」と記者会見で述べた。もしテドロス氏が中国に忖度せず、世界に向けてWHOが早期に警告を発して居たら、各国はモッと早く新型肺炎に対応した筈だ。感染症とはそれ程早期に伝播するものだと云う事を、感染症の免疫学の修士号を持ち母国エチオピアで保健相を務めたテドロス氏が知ら無い筈が無い。

 リーダーが私益に拘れば、公衆に執って不潔極まり無い結果を生じる事に為る。しかもそれが正に現実に為ろうとして居るのなら、恐怖以外の何ものでも無い。


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 政治ジャーナリスト 安積明子 兵庫県出身。県立姫路西高校、慶應義塾大学経済学部卒。国会議員政策担当秘書資格試験に合格後、政策担当秘書として勤務。その後に執筆活動に入り、政局情報や選挙情報について寄稿すると共に、テレビ・ラジオに出演。「野党共闘(泣)。」「“小池”にはまって、さあ大変!ー希望の党の凋落と突然の代表辞任」(ワニブックスPLUS新書)に続き、ワニブックスから1月27日に「『新聞記者』という欺瞞ー『国民の代表』発言の意味をあらためて問う」を刊行。「記者会見」の現場で見た永田町の懲りない人々」(青林堂)は2019年の咢堂ブックオブイヤー大賞(メディア部門)を受賞。姫路ふるさと大使。



 【管理人のひとこと】

 無自覚症に陥った安倍晋三氏


 安倍内閣の悪口だけを言いたいのでは無いのだが・・・これだけ次から次と悪事を重ねて来た安倍氏だが、恐らく本人には少しの自覚も無いのかも知れ無い。次から次と思い付きの政策を勧め、その実現には周りが異常に忖度して整えてしまう。
 何かを指摘されると、表面的な誤魔化しで言い繕い、更に追及されると文章改ざんや隠ぺいや、時には官僚の自殺者迄出し初期の目的遂行の為に最後には数の力で捻じ伏せる。

 それが今迄通って来たのは、有権者の中の3割の根強い支持者の存在だ。3割の支持で7割の圧倒的多数を握れるのが小選挙区比例代表制の仕組みだ。しかし、法的に認められた圧倒的多数を握って居る事には変わらない。この制度では無論与野党逆転も安易なのだが、NHKを初めマスコミ・メディアへの支配力迄も握る現状では、多くの国民・有権者には隠されてしまい「安倍一強」が長く続いてしまった。
 その状況が長く続くに従い、安倍氏の心にもマヒが起きてしまい、正常な判断が出来ない「裸の王様」と為ってしまった。国内で煩く追及されると「面倒」とばかり、国費を使って明恵夫人を伴った不毛な外遊を続ける。無駄な援助や中国の主席に跪いて「国賓接待」を願ったりする訳だ。
 それ等の全てのツケは、当然税金を支払う私達国民の負担と為り跳ね返って来る。3割の強固な支持者が代わりに支払っては呉れ無いのだから。この国の将来はどう為ってしまうのだろうか。


















2020年02月28日

蓮舫氏 休校要請に関する質問「詰まん無い事聞くね」発言の麻生太郎氏に「国民感覚に寄り添え無いのであれば・・・」




 蓮舫氏 休校要請に関する質問 「詰まん無い事聞くね」発言の麻生太郎氏に

 「国民感覚に寄り添え無いのであれば・・・」


             〜スポーツ報知 2/28(金) 14:46配信〜


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                   蓮舫氏

 立憲民主党の蓮舫参院議員(52)が28日、自身のツイッターを更新。自民党の麻生太郎財務相が、新型肺炎を巡る臨時休校要請の質問をした記者に対し「詰まん無い事聞くネエ」と呟いたニュースに私見を綴った。

 蓮舫氏は「貴方に取っては『詰まん無い事』ナンでしょう」と書き出し「でも、親に取っての費用負担はトテも大きいものです」とツイート。続けて「税金を預かる立場で、コノ国民感覚に寄り添え無いのでアレばお辞め下さい」と斬り捨てた。


                報知新聞社   以上









 麻生財務相 休校中の学童保育負担

 「詰まん無い事聞く」 新型肺炎対策


                〜毎日新聞 2/28(金) 11:57配信〜


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  閣議に臨む(左から)茂木敏充外相・安倍晋三首相・麻生太郎副総理兼財務相・高市早苗総務相 国会内で2020年2月28日午前8時28分 川田雅浩撮影

 麻生太郎財務相は28日の閣議後の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた小中高校等の臨時休校を巡り、共働き家庭等で生じる学童保育等の費用負担に付いて質問した記者に対して「詰まん無い事」と発言した。

 記者は「出費に付いて政府が臨時の支出をする事も具体的に考えて居るか」等と質問。麻生氏は「休校等の要請をして費用が掛かる場合は、政府が払うのは当然の事なんじゃないですか」と回答した。麻生氏は次の質問を待つ間、記者に「詰まん無い事聞くネエ」と呟いた。
 記者は「国民の関心事ですよ」と返したが、麻生氏は「上から(上司から)言われて聞いて居るの? 可哀そうにネエ」と述べた。

 安倍晋三首相は27日夕、3月2日から春休み迄の休校を全国の小中高校等に要請する方針を表明した。仕事を休め無い共働き家庭等では、急きょ学童保育等子供の預け先を確保する事が必要で、費用が重く圧し掛かる可能性がある。


           毎日新聞 古屋敷尚子    以上



まかせて!BOCCO




 麻生財務相 休校費用の質問に「詰まん無い事聞くね」

            〜朝日新聞デジタル 2/28(金) 15:59配信〜


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              麻生太郎財務相 2020年2月18日

 麻生太郎財務相が28日の閣議後記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた学校の臨時休校を巡り、発生する費用に付いて聞いた記者との遣り取りの中で「詰まん無い事聞くネエ」と答える一幕があった。

 この日の会見では、安倍晋三首相が小中高校と特別支援学校の臨時休校を要請した事に関連して、ソレに対応する親が働く企業への影響や、その際の費用負担に付いて見解を問われた。麻生氏は「経費が掛かるとか色んな事に付いては、対応する事に為るんだと思います」と、政府の支出と為るとの考えを示した。
 これに関連して、記者の一人が「具体的なスキーム(仕組み)はコレからか」と質問した処、麻生氏は「コチラは要請を受けて出すんですから、コチラが最初にお幾らですよって決めて言う訳無いでしょう」と回答。その後に「詰まん無い事聞くネエ」と発言した。
 この記者から「国民の関心が高い」と反論されると「言われて聞くのかね?上から言われてる訳? 可哀想だネエ」と返した。

 麻生氏と記者団との主な遣り取り

 麻生氏と記者団の主な遣り取りは以下の通り。
 

 ・・・臨時休校要請をして居る。働く母親等が居る家庭に付いて企業活動にも影響が出る可能性があると思うが 「出るでしょうね」
 ・・・大臣の受け止めを 「学校が休みに為ると、預ける先が無いお子さん達を抱えて居られる共働きの家庭とか云った処に支障が出る事はモウハッキリして居ます。そう云ったものに対する対応に付いて、経費が掛かるとか色んな事に付いては対応すべき。我々最初からそう思って居ましたから。そう云った事に対応させて頂くと云う事に為るんだと思いますけども」
 ・・・そうした臨時の出費に対して政府が何か臨時の支出をする事も具体的に考えて居るか 「聞いてんのソレ? 質問?」
 ・・・質問です 「こう云うのを要請をして、経費が掛かる場合は政府が払うと云うのは、当然の事ナンじゃ無いですかね。当たり前の事聞かんでください」
 ・・・具体的なスキーム(仕組み)はコレから 「コチラは要請を受けて出すんですから。コチラが最初にお幾らですよって決めて言う訳無いでしょう」
 ・・・そうですね 「もう一寸常識的な事を聞こう」
 ・・・(質問への回答を)有難うございます 「詰まん無い事聞くネエ」
 ・・・嫌々、国民の関心事ですよ 「言われて聞くのかね?上(上司)から言われて居る訳? 可哀想だネエ」

                朝日新聞社     以上









 三浦瑠麗氏 オフィスに「子供が居られる環境整える」と宣言 娘だけで無く・・・

            〜デイリースポーツ 2/28(金) 15:30配信〜


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                三浦瑠麗氏(提供・共同通信社)

 国際政治学者の三浦瑠麗氏が28日、ツイッターを更新し、自身のオフィスに「何人か子供が居られる環境を整える」と、会社で自身の子供だけでは無く近所の子供も居られる様にすると呟いた。

 三浦氏は、27日に発表された全国一斉休校の要請を聞いた瞬間「頭を抱えた」と呟き「私が・・・と云うのでは無い。数多くのギリギリで働いて居るお母さん達の事だった」と、沢山のワーキングマザーの事が頭を過(よぎ)ったと記した。

 「シッターを雇う余裕も無い人達。余裕が在っても前以て計画し無ければ、来週から手配出来る訳も無い」と心配し「余りの場当たり感と相場感の無さに言葉を失った」と絶句。そして「だから、責めて近所で助け合いをする事にしようと思った」と云う。
 「様々な物を注文し、オフィスに何人か子供が居られる環境を整える。仕事のスタイルを少し変える」と宣言し「コレから毎週、オフィスで子供祭りします世。何時も貴方達を先ず大事にしたいから」と働くお母さんと子供達への思いを呟いて居た。


                    以上








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パンデミック迫る「新型コロナ感染」の非常事態




 パンデミック迫る 「新型コロナ感染」の非常事態

      〜東洋経済オンライン 青沼 陽一郎  作家・ジャーナリスト2/28(金) 17:40配信〜


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 大規模な感染が確認された韓国でマスクを求め長蛇の列に並ぶ人々 ソウルで2月27日(写真REUTERS/Heo Ran)


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              青沼 陽一郎  作家・ジャーナリスト

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の勢いが止まら無い。安倍晋三首相は、2月26日に開かれた政府の新型コロナウイルス対策本部で、この1〜2週間が感染拡大防止に極めて重要として、大規模なスポーツや文化イベント等の今後2週間程度の中止か延期、若しくは規模の縮小を要請した。

 これを受けて、ドーム球場でのコンサートが突如中止と為ったり、プロ野球のオープン戦や競馬が無観客開催と為ったり、東京ディズニーランドとディズニーシー等も休園を決めた。又、前日に策定された政府の基本方針が示され、専門家会議からは濃厚接触を避ける為の立食パーティーや飲み会の自粛が呼び掛けられた事もあって、飲食店では事前予約のキャンセルが相次ぎ、夜の繁華街も閑散として居る。これは最早、事実上の国家の非常事態と云える。

 同時に、この風景は私が過つて取材したSARS・重症急性呼吸器症候群が蔓延した2003年当時の台湾・香港・中国の街の様子と重為って来た。

 クルーズ船の下船は正しかったのか

 横浜港に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から乗客の下船が始まった当時、コレは感染拡大の可能性がある「ギャンブル」だと以前に書いた。(『クルーズ船乗客下船、日本の新型肺炎対策の限界』)その後、東京や千葉、栃木、徳島等で体調を崩した下船客が検査の結果、陽性である事が判明して居る。
 徳島の場合は、下船後に公共交通機関を使って羽田空港から航空機で帰宅。四国に初めてウイルスが持ち込まれた事に為る。感染症は、隔離・封じ込めが重要とされるにも関わらず、全国に感染者を広めると云う全く逆の事を仕出かした。明らかなギャンブルの失敗だろう。

 下船が始まった19日当時は、日本の感染者は、発生源の中国に次いで2番目に多く、クルーズ船も含めると706人だった。処が、それから数日の内に韓国での感染者が爆発的に増えて日本を抜き去り、今では2000人以上と為って居る。

 韓国での感染拡大の原因は、新興宗教団体「新天地イエス教会」大邱・テグに在る教会だった。感染が疑われる症状の有った信者の1人が検査を拒否し、病院を抜け出して礼拝に参加した事から感染が広まった。
 この教団は、他のキリスト系の宗教団体に潜り込み、牧師を醜聞等で追放して乗っ取ってしまう事で知られる。感染拡大後には「伝染が新天地だけの問題では無い事を知らせよう」と、信者が一般教会の礼拝に潜入してウイルスの拡散を目論んで居た事が、SNSのグループトークへの書き込みから発覚、地元マスコミに暴露されて居る。
 このカルト教団とも形容される宗教団体は、東京都内にも教会支部が在って、韓国から牧師も往来して指導に当たって居る。

 日本国内でも集団感染のリスクは有る

 実は、日本でも昨年1月に三重県で麻疹(はしか)の集団感染が発生して居るが、これが新興宗教団体に依るものだった。この宗教団体では、信者の多くが予防接種を受けて居なかった。現代医療を否定し、手かざしによってアラユル病気は治ると教えが説かれて居たからだ。  
 今回の事態でも、全国各地に支部を置く或る新興宗教団体では、既に教祖が仏法の力で「ウイルスを死滅出来る」と説き、信者に「マスクは必要無い」と呼び掛けて居る。更に、会費を募った祈願イベントを開催。この宗教団体では、この先2週間も各地で行事が予定されて居る。

 信仰の自由が有るのは勿論だが、政府が遣る事はモッと他に有るのではないか。日本国内では28日現在、19都道府県で200人の感染が判明して居る。小学生の兄弟の感染が認められる等、都道府県別で最も感染者の多い北海道では、小中学校の休校を各自治体に求めて26日から実施された。
 これを追う様に安倍首相は27日に、週明け3月2日の月曜日から全国の小中学校と高校・特別支援学校に臨時休校を要請した。現場には混乱が広がって居る。共働き世帯や一人親家庭では子供の面倒を看るのは困難な筈だ。

 首相は企業に有給休暇等を取り易い対応の協力を求めて居るが、それだけでは企業活動が停滞してしまう。SARS取材時の台湾では、社員も出勤し無く為った企業が倒産の危機を訴えて居た。日本国内でも社会全体の動きが止まっても可笑しくは無い。既に28日には、世界同時株安が進んで居る。
 韓国に並んでイタリアでも北部を中心に感染者が急増して、11の自治体が事実上の封鎖状態と為った。又イランでも感染者と死者が増加。此処でも宗教が大きく影響した。首都テヘランの南に位置するコム州が感染者の発生源とされ、此処に在るイスラム教シーア派の聖廟の集団礼拝から広まって行ったとされる。何れも、ヨーロッパ・中東の周辺諸国へ感染を広めて居る。

 そうした中、27日にはブラジルで感染者が認められた。南米では初めてで、コレで南極を除く5大陸で感染が広がった事に為る。WHO・世界保健機関によれば、26日時点で8万1000人以上が感染し、中国以外にも40近い国に感染が拡大して居る。その内中国では7万8000人以上が感染、死亡者は2700人を超えて居る。

 パンデミックと為った時の日本はどう為るか

 最早コレはパンデミック・世界的感染爆発だろう。アメリカのCDC・疾病対策センターもパンデミックが近い事を認め、同国内での感染の広がりを予測して居る。WHOのテドロス事務局長も27日に「パンデミックの可能性がある」とし、各国に対応を要求して居る。SARSの時には無かった事だ。

 今回の新型コロナウイルスは、SARSに比べて感染力が強い事が判って来た。SARSは肺に入って重症化し、ウイルスを撒き散らす。しかし、今回は喉等の上気道にも留まって増殖する。それだけウイルスが放出され易い。感染者の2割が重症化する一方で、8割は軽症であり無症状のケースもある。自覚症状の無いままウイルスを撒き散らす。だから、誰からどう感染するのか判ら無い。
 SARSの現地取材では、ホテルや公共施設に入るには、必ず検温を実施して居た。それもホテルでは、熱が無い事が確認されると、目印に小さなシールを胸元に貼られた。日本でもそうした検温の対策を執るべきだと考え、繰り返し指摘して来た。だが、発熱の症状も無いままウイルスを撒いて居るのならその効果も無い。

 幸い8割は軽症と云っても、基礎疾患を持って居たり、高齢者は死亡のリスクが高く為る。新型コロナウイルス感染者全体の死亡率は約2.3%で、SARSの約10%よりも低いとされる。とは言え、感染者数が増えれば、それだけ死亡者の数が増える事は云う迄も無い。
 政府は、この2週間が感染抑止の瀬戸際として居るが、それでも感染者が増える事を予測して、優先的な医療体制を整える対策に乗り出して居る。感染者が急増して医療機関に一気に押し掛ける事によって、病院機能が追い着かず、処置が遅れる事も十分に考えられる。

 院外に置かれたストレッチャーに、患者が寝かされて居たSARSのケースの様に。そう為ると、重症化も進み命を落とす事も増える。実際にソコで亡く為った老人をSARSの現場で知って居る。
 すると、今出来る事は、自分が感染し無い様にする事と同時に、寧ろ、もう感染して居るのかも知れない可能性も考慮した対策だ。感染して居たとしても、絶対に人に遷さ無い事にも注意を払う段階に来て居る。マスクと手洗いは自他共に感染を防ぐ有効な手立てだ。ソコにもうひとつ、他人を思い遣る本当の意味での忖度が必要に為る。


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         青沼 陽一郎  作家・ジャーナリスト     以上








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「右」からも見放される安倍政権が抱える 習近平訪日・コロナウイルス・東京五輪





 



 
  「右」からも見放される 安倍政権が抱える 

 習近平訪日・コロナウイルス・東京五輪


             〜文春オンライン 2/28(金) 6:00配信〜


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 年末年始、少し回復して居た安倍政権の支持率ですが、1月から2月に掛けて大きく低迷し始め、調査によっては支持を不支持が上回ると云う結果が出て来ました。学校も全国的に休校に為るらしいですね。
 「桜を見る会」でのドタバタ答弁や、安倍晋三総理自らが飛ばした野次を問題視されて謝罪に追い込まれる等、好く考えたらモリカケ騒動以降も日常的に見られる国会の風景ではあります。只、取り分けコロナウイルスCOVID-19が日本全体をパニックに追い遣り始めた2月第2週以降、支持率下落が顕著に為って居る様に見受けられます。

 詰まりは、桜を見る会や東京高検検事長・黒川弘務さんの定年延長問題と言った・・・所謂、政治産業を報じるマスコミの関心事で、幾らメディアが盛り上がった処で支持率はそこ迄落ちませんでした。処が、消費税増税に伴う景気低迷やコロナウイルス禍の様な、国民の生活にダイレクトに響く様な分野での失政は、そのママ内閣支持率の下落に繋がる様であります。モウ、憲法改正処では無いと思うんですよね。
 景気の低迷に付いては、言わずもがな消費税増税による落ち込みは否定出来ない反面、大型台風到来による被害や暖冬の影響も有り、2019年第4四半期(2019年10月から12月期)は名目GDPの成長率は前期比マイナス1.2%(年率でマイナス4.9%)と云うゴミ見たいな結果に為ってしまいました。

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               文 文芸春秋 山本 一郎氏 

 アベ政治が悪い。勿論、消費税引き上げはこれから増える事が確実の高齢者を支える為の社会保障費をどう捻出するのかと云う安定的財源を求める話だったのですが、消費税によって入る歳入よりも、これによって景気が低迷してしまって入ら無く為る法人税・所得税の方が大きく為って、結局社会に取ってはカネが回ら無くて大変じゃん・・・見たいな結論に為ったとしたら残念なことです。
 しかも、次の四半期である2020年1月から3月期は、思い切りコロナウイルス禍による景気低迷を引き起こす事は確実です。余りにも観光地に人が来無く為ってしまったので、政府も潰れそうな観光業等の事業者に対して特別融資を実施する等して底支えをし無ければ為ら無く為りました。

 これでモウ、憲法改正処では無いと思うんですよね。恐らく向こう半年は、景気回復に向けてどうするのかと云う経済政策が中心に為らざるを得ないと思います。

 コロナウイルスは基本的に風邪の類

 で、直近の問題はこのコロナウイルス対策でありまして、国内で騒ぎが広がり出してから概ね1か月が経ち、コロナウイルスの正体も大分分かって来ました。日本の感染症対策の中心で活躍して居られる 高山義浩さんのFacebook が一番現状と今後の展望を明確に示して居ると思うので、ご関心のある方はご一読ください。

 厚生労働省の公式ホームページでも「 新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け) 」が掲示され、また、BuzzFeedでは岩永直子さんが感染症対策の専門家・坂本史衣さんのインタビューを通じて、コロナウイルスの感染が疑われる「軽症者」に対して何故検査を行わ無いのかと云う疑問に対して明快に回答をして居ます。

    新型コロナ、なぜ希望者全員に検査をしないの? 感染管理の専門家に聞きました   
        https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/covid-19-sakamoto


 恐らくは、政府も相応に考えて、コロナウイルス対策に付いて疫学的に概ね正しい政策を打ち出し、確りとした対応をして来て居るとは思うんですよ。
 勿論、多数の感染者を出して国際的に問題に為ったダイヤモンド・プリンセス号の問題は有りましたが、これも結局は本来日本が寄港拒否をしても可笑しく無い事態なのに、高齢な日本人客が多数乗船して居たので無視出来なくて受け入れて見たら大変な事に為った、と云う背景があります。
 もしもその対応を拒否してしまって日本人に多数の死者が出たら、それはソレで政府は世論から激しくブン殴られて居た事でしょう。

 ソコへ、何故か厚生労働副大臣の橋本岳さんが出て来て不用意に正直な見解を述べ画像を公開してしまったので、不当に世論からブン殴られると云う事態に為りましたが、感染症の専門家だけど組織的な対策チームの決まりを守らずに2時間かそこらで船から降ろされた、神戸大学教授で医師の岩田健太郎さんが業務パンパンに為って居る現場の状況を無視して余計な事を国内・海外に喧伝したから起きた話で実に残念な事件でした。

 ソレやコレやあり、コロナウイルスに関しては国民からすれば不安でしょうが無い話に為って、最大の関心事に発展したのは事実です。勿論、現時点では希望者全員に感度の高い検査を行う事は出来ないし(疫学上はする必要も無いし)、仮に感染が確認されても積極的な治療の方法は無いので病院で手厚く寝かされる以上の処置は出来無い訳です。
 みようによってはインフルエンザ以上の感染力や重症化も有るかも知れないけど、基本的に風邪の類であって、糖尿病等の基礎疾患の有る70代・80代以上の高齢者に取っては大変であると云う疾患と見られます。

 コロナウイルスが危険だと感じるのは不安が有るからナンですよね

 理性的に考えれば、コロナウイルスの流行は騒ぎ過ぎであり、国際的にパニックに為って居る割に、実際に本当に人が亡く為って居る数としてはインフルエンザだったり結核・風疹等別の感染症の方が多く、下手をすると毎年1,600人位亡く為るお餅を喉に詰まらせる事案の方が余程危険です。
 只、コロナウイルスが危険だと感じるのは、未だ治療法がハッキリ判って居らず、感染拡大に対して防備しようにも限界が有り、今アメリカで16,000人亡く為って居るインフルエンザの猛威以上にコロナウイルスが流行したら多くの人が死んでしまうのではないかと云う不安が有るからなんですよね。

 詰まりは、学術的に医学的に見てコロナウイルスへの対策が正しいのは間違い無いにしても、社会的に、精神的に不安を感じる人達に取っては、学術的な100の説明よりも熱が出て不安な自分に検査をして欲しいと云う事なのでしょう。

 「体調不良を感じたら2週間寝ててください」と云う対策は正しい

 保健所も大変だし、病院に症状を抱えた人が遣って来てソコで感染爆発をして欲しくないから「体調不良を感じたら2週間寝ててください」と云う対策は正しい筈です。しかし、体調不良を来した人に取っては、矢張り「体調悪いのに検査も受けられ無いのかよ」と云う不満が先に立ちます。病院に行って診察され検査を受けられる事が不安払拭に取って大事だ、と云うコミュニケーションの問題だとも言えます。

 同じくパニックに為った東日本大震災、それに続く福島第一原発事故の教訓を、思い出すべきじゃないでしょうか。我が国に取って非常に不幸な福島第一原発事故が起きて放射能汚染で物凄く騒いだけれども、実際に亡く為った人の数としては、津波による犠牲者の方が原発事故そのものや避難生活による死者よりも圧倒的に多かった。
 そして、その後の日本人には放射性物質に対する恐怖感や不安だけが色濃く残って、原子力発電所の再稼働を各地で差し止め、でも電力は必要なのでボンボン化石燃料を燃やして火力発電をフル稼働させて、その後グレタさんに叱られて環境大臣・小泉進次郎さんが世界の中心でセクシーとか言ってしまう事件が起きる訳です。

 安倍ちゃんが無能扱いされて支持率低迷に至る原因は

 その様な状況で在るので、コロナウイルスへの対策が後手に回ったと国民が思い、国内での感染拡大に付いて不安に思う気持ちに安倍政権は現時点では応えられず、対策にマアマア成功して居るにも関わらず安倍ちゃんが無能扱いされて支持率低迷に至る原因は中国対策にあります。

 2017年の内閣支持率低迷と今回の下落で決定的に違う事は、今迄どうやら堅牢であった自民党支持者の中から安倍政権に対する不支持率が高く為って来て居ると云う点です。自民党は支持するけれども安倍政権は良く無いと思って居る人達の調査票でのフリーアンサーを具(つぶさ)に見て居ると、矢張りコロナウイルス対策と経済政策何れかに不満を持って居ます。そして、コロナウイルス対策に付いては、中国に対する弱腰を強く警戒する意見が目立ちます。

 今年4月に控える中国国家主席・習近平さんの国賓での来日を巡り、日本も中国もコロナウイルス問題を「大した事の無い問題である」として、何事も無く来日を強行する方向で話を進めて居る様です。
 しかしながら、今やコロナウイルス対策をコントロール出来る様に為ったと対外的に発表する中国自体が、日本からの渡航者を制限する事態に為って居ると云うのに、我が国はコロナウイルス発祥地・武漢等からの渡航者のみを制限し、中国全体からの渡航者を制限すると云う政策を打って居ません。

 国民の安心・安全よりも中国との友好が大事?

 現在はもう国内の二次感染が広がり中国からの渡航者を制限した処で疫学上はコロナウイルスの流行を止める為のさしたる効果は無いのでしょうが、しかし前述の様に学術的に正しくても不安が止められ無い国民からすれば「対策にさしたる価値が無いと分かって居ても、安心出来る措置を政府には取って欲しい」と願う訳です。

 世界を見渡せば、イスラエル等一部の国では日本人の渡航は一部制限され、人権大国が犇(ひし)めいて居た筈のヨーロッパでも、日本人を含むアジア人に対する差別感情が露わに為ると云う社会問題が起こって居ます。中国に至っては北京で日本人の行動が制限される事態迄起きて居て、何処発祥の病気だったんだっけ? と思ってしまいます。

 安倍政権の外交として、恐らく総理秘書官の今井尚哉さんや外相の茂木敏充さんを中心に中国との戦略的融和を目指し、日本と中国の間で『第五の政治文書』の締結を目指す動きが顕著に為って居ます。アメリカとの信頼関係を崩して迄この様な対中外交を融和的に行う意図は好く分かりませんが、中国の歓心を買う為に危険を承知で中国からの訪日を制限させず、国民をコロナウイルス感染の危険に晒す様な、国民の安心・安全よりも中国との友好が大事であるかのごときメッセージを投げて居る様にも見える訳です。

 東京五輪が開催出来ないと為れば、政権へのダメージは計り知れ無い
 
 だからコソ、ゴリゴリの安倍政権支持であった筈の著名人・知識人も又安倍政権に対する失望を叫び、この状況で国民の為の政治では無く習近平さん来日に血道を上げるアベ政治を許すな的な話に逆回転してしまうのも分から無いでもありません。

 此処でウッカリ習近平さんも来日出来ない状態に為れば、当然日本は世界的に危険な感染地であると云う認知をされてしまう事に為ります。その後如何に日本が終息宣言を打った処で、東京オリンピックの開催に黄信号が灯るのも致し方の無い処です。
 日本に選手団を派遣しない国が出たり、出場を辞退する選手が増えれば、当然イベントとしてはシュリンクせざるを得ませんし、これでどう遣って観戦客を呼び込むのかと云う話も出るでしょう。馬鹿みたいにおカネを使って色んな整備を進めて置きながら、最終的に一大イベントで在った東京五輪が開催出来無いと為れば、政権へのダメージは計り知れ無い訳ですよ。

 足元を見れば、景気低迷が株安を引き起こし、アメリカでもダウが大幅に調整をしてしまって居る中で、コロナウイルスの直撃とそれに対する社会不安・パニックが、色んな思惑をなぎ倒しながら未来を暗くする様な方向に進んで居るのは事実です。
 恐らくは、コロナウイルス対策の強化と並んで低迷した景気を立て直す為の包括的な追加予算をどう遣って捻出するのかと云う難題が安倍政権の前には立ち倮(はだ)ります。

 この国難を回避する為に大規模公共工事として、大仏でも建立して厄払いをするしか無いんじゃないかと云う冗談も出る状態です。これでもう直ぐ東京都知事選があり、更に安倍晋三さんの自民党総裁4選が在るか無いかと云う情勢に為ってしまうと、コロナウイルスが寧ろ不安要素を洗い出して呉れて居る位の勢いなんじゃないかとすら思ってしまう毎日です。


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     ※2020/02/28 07:30 一部加筆修正しました 山本 一郎     以上









 安倍首相発言の嘘 コロナ IR汚職めぐる検事の定年延長

           〜NEWS ポストセブン 2/28(金) 11:00配信〜


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          嘘の上塗りが・・・BAK-ABE (時事通信フォト)

 流石に国民も気付き始めた事だろう。安倍晋三首相の言葉に「誇張」や「フェイク」「大風呂敷」が交じって居る事を。振り返れば今に始まった事では無い。政権復帰からの7年間、首相とその周辺は、嘘に嘘の上塗りを重ねて来たのではないか。そして今、塗り固められた筈の嘘の壁が崩れ落ち様として居る。

        【一覧】安倍氏の「誇張」「フェイク」「大風呂敷」

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 「WHOも日本を評価して居る」

 チェコスロバキアの共産党支配を無血で打倒した「ビロード革命」の中心人物で、劇作家でもあったハヴェル大統領は、地下出版された著書『力なき者たちの力』の中で全体主義体制下の社会をこう描いている。
 〈権力は自らの嘘に囚われて居り、その為、全てを偽造し無ければ為ら無い。過去を偽造する・現在を偽造し未来を偽造する・統計資料を偽造する・・・〉(阿部賢一訳)
 そして人々はそれを信じて居る様に振る舞わ無ければ為らず〈それ故、嘘の中で生きる羽目に為る〉と。

 何時の間にか、日本も「権力者の嘘」の中で人々が生きて行か無ければ為ら無い国に為って居るのではないだろうか。安倍首相は息を吐く様に嘘を着く。新型コロナウイルスの対応に批判が高まると、自民党議員との会合でコウ胸を張った。「WHOも(日本の対応を)評価している」(2月21日)
 そのWHO・世界保健機関の進藤奈邦子シニアアドバイザーが、新型コロナの緊急セミナーで「中国は光が見えた。今、世界中が心配して居るのは日本」(2月14日)と警鐘を鳴らして居るのは聞こえ無いらしい。

 国会中継では、総理大臣が着いた一つの嘘を守る為に、役人達が嘘を着き、嘘が嘘で塗り固められて行く様子をリアルタイムで見る事が出来る。その嘘は東京地検特捜部のIR汚職事件の政界捜査をストップさせた異例の人事を巡って飛び出した。
 安倍首相は捜査が自民党の複数の議員に向かうと、国家公務員法の規定を使って政権寄りの黒川弘務・東京高検検事長を次の検事総長に据える為に定年延長を閣議決定し、特捜部に睨みを利かせた。

 処が、この閣議決定には法律違反の疑いがある。従来の政府の法解釈では「国家公務員法の定年延長規定は検察官には適用され無い」とされ、野党の追及に人事院の松尾恵美子・給与局長も「現在迄同じ解釈を続けて居る」と認めた。
 黒川氏の定年延長の法的根拠が崩れたのである。窮地に立たされた安倍首相は、松尾答弁の翌日、国会で大胆な嘘を着く。 「今般、国家公務員法の規定が適用されると解釈する事とした」(2月13日)

 法解釈を変えて、黒川氏の定年延長に適用出来る様にしたと云う苦しい説明だが、人事院側の答弁と180度食い違う。折れたのは松尾局長だった。「言葉が正確では無かった」と自分の国会答弁を撤回したのだ。
 法務省と人事院はその後、法解釈を変更した証拠として協議文書を国会に提出したが、作成日が明記されて居ない怪しい代物だった。行政文書で日付が無い等在り得無い。国民の目には、総理の嘘を守る為に官僚達が役所を挙げて「嘘の正当化」に走って居る様に映る。


          ※週刊ポスト2020年3月13日号    以上







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官邸の圧力か 報道ステーション大量追放を招いた「ある出来事」





 官邸の圧力か 報道ステーション大量追放を招いた「ある出来事」

        〜まぐまぐニュース! 新 恭 2/28(金) 5:00配信〜


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 テレビ朝日の看板番組「報道ステーション」による、10名ものディレクターの切り捨てが衝撃を呼んで居ます。テレ朝は誰に忖度し何を恐れて居るのでしょうか。元全国紙社会部記者の新 恭さんは今回、自身のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』で「スタッフ大量追放」との関連を疑わざるを得ない昨年末の或る出来事を取り上げると共に、現在テレビ朝日の放送番組審議会委員長を務める意外な人物の実名を記して居ます。

 報ステの制作スタッフ一斉追放は官邸の思惑通りか

 テレビ朝日の「報道ステーション」が、飛んでも無い事に為った。番組を支えて来たディレクター達10人が3月末で契約を打ち切られ、ゴソッと抜けるのだとか。新聞労連、民放労連、出版労連等の「日本マスコミ文化情報労組会議・MIC」が2月13日に開いた集会「報ステを問う」の録画を見て、これは単なる労働問題では無いと思った。

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 夜10時、寛いで一日の出来事を振り返るのに、報ステは打って付けの番組だ。度重なる官邸や自民党本部の圧力に崩れ掛かりながらも、辛うじてニュースステーション以来のエンタテインメント性と批判精神を保ち続けて来た。その原動力は、長年に渉って番組制作に携わって来た外部の契約スタッフ達である。
 「派遣」と云う不安定な立場ながら、これ迄契約が続いて来たのは、番組に欠かせぬ人材であったからだろう。殆どのテレビ番組は、下請けのテレビ制作会社やフリーランスのディレクター等外部スタッフが造って居る。プロデューサーだけがテレビ局の社員と云う事も珍しく無い。勿論、報ステも同じだ。
 自他共に認める手練れのディレクター等を、何故急に「3月末で契約打ち切り」としたのか。テレビ朝日の内部で今何が起きて居るのか。

         2-28-3.jpg テレ朝 早河会長

 この方針が告げられたのは昨年12月だ。会社側が言うには「体制刷新」「人心一新」との事だが、決まり切ったスローガンの様で、全く説得力が無い。と為ると、どうしても昨年12月のアノ出来事との関連を疑わざるを得無く為る。
 12月10日放送の報ステ。「桜を見る会」の疑惑を取り上げる中で「与党内には早くも年越しムードが」のナレーションと共に、自民党の世耕弘成・参議院幹事長ら参院幹部3人が映し出された。世耕氏が「説明出来る範囲は確り説明をしたと」と言う場面の後に、繋げられたのが次のシーンだ。

 「年内の会見は何時迄遣るんですか?」と記者が質問。ドリンク缶を開けながら世耕氏が「もう『好いお年を』と云うか・・・」と笑顔で返す。コレを見た世耕氏が激怒し、12月10日にこうツイートした。

 ・・・今夜の報道ステーションの切り取りは酷い。私は定例記者会見が終わった後、今日の会見が今年最後に為るかも知れ無いと云う意味で「良いお年を」と言っただけなのに、それを桜を見る会をと絡めて、問題を年越しさせ様として居るかの様に編集して居る。印象操作とはこの事だ。

 世耕氏の気持ちは判るが、普通、この位の事でテレビ局がビク着く事は先ず無い。処が、テレビ朝日は過敏に反応した。ナンと、翌日早速報道局長が参院幹事長室を訪れ世耕氏に謝罪したのだ。世耕氏は早速勝ち誇ったようなツイート。

 ・・・先程テレビ朝日報道局長が幹事長室に来訪し謝罪が有りました・・・今夜の番組内で何等かの対応をするとの事です。放送内容を見て、謝罪を受け入れるか判断します。

 現場のスタッフはドンな思いで、安倍政権に対するテレビ朝日幹部の弱腰な姿勢を受け止めたのだろうか。編集の仕方が拙かったかも知れないが「桜を見る会」問題に、参院自民党が真摯に向き合って居るとは思え無い。派遣スタッフ10人への契約打ち切りが告げられたのは、それから間も無くだったと思われる。

 日本マスコミ文化情報労組会議は1月10日「報道ステーションスタッフ契約打ち切りによる『番組解体』を許さ無い」と題する声明を発表した。以下はその一部だ。

 ・・・今回、契約終了を一方的に通告されたスタッフは、ニュース担当のディレクターを務めて居ました。中東情勢や沖縄の基地問題、原発、災害、事件報道等に精通したメンバーです。番組の中核スタッフとして、時に政治権力等からの圧力を受けながらも、政治や社会の問題点に斬り込む日本有数の報道番組を支え、日本のジャーナリズムを体現して来ました。
 彼等を解雇すると云うのは、只でさえ過つての様な舌鋒が鈍って居る「報道ステーション」の言論を、更に政権寄りに変えようと云う事に他なら無い。


 2月13日の抗議集会に参加した元TBS記者で立憲民主党の杉尾秀哉・参院議員はこう言う。

 「テレビ報道で働く全ての人に取って旧ニュースステーション・報道ステーションは特別な番組です。記者は材料を集めて来る人。その材料を腕の好い料理人がコンテクストとして繋げて行く。長年そう云う経験をして来た手練れのディレクターが今回切られ様として居る10人の方々です」

 メディア対策に異常な関心を抱く安倍政権の下、報ステを取り巻く政治的圧力が如何に強く為ったかは好く知られて居る通りだ。記憶に新しい処では、2015年1月23日、報ステのオンエア中、官邸から掛かった抗議電話が基で、コメンテーターの元経産官僚・古賀茂明氏が番組を降ろされた一件がある。
 所謂古賀氏の「I am not Abe」発言に対する官邸からの攻撃に、早河洋会長等経営陣は勿論、報道幹部は早々に屈し、統括チーフプロデューサーも配置換えの憂き目に在ったのだ。

           2-28-2.jpg 幻冬舎社長の見城徹氏

 処で、テレビ朝日の放送番組審議会委員長は誰かご存じだろうか。幻冬舎社長の見城徹氏である。意外と思う方も多いだろう。見城氏と云えば、ベストセラーの仕掛け人であるが、本人を目の前にして照れもせず、安倍首相をヨイショし捲くるお座敷芸にも長けて居る。

 「信義に厚くウソが言え無い。外交も歴代の総理でコレだけの事を遣った人は居ないですよ」「安倍独裁と悪く言われるのは、余りにも実行力が有り過ぎるから」(2017年10月8日、AbemaTV)

 見城氏率いる幻冬舎は山口敬之氏の『総理』や小川榮太郎氏の『約束の日 安倍晋三試論』等、安倍首相を持ち上げる本の発行でも知られて居る。
 何故その見城氏がテレ朝の放送番組審議会委員長なのか・・・経緯は好く知らないが、早河会長との仲は頗(すこぶ)る良い様で、テレ朝が出資し早河氏が会長を務める「AbemaTV」に「徹の部屋」為る番組を昨年6月迄持って居た。そこに出演者として安倍首相を招いた際に繰り出したのが前掲の「絶賛コメント」の数々なのである。

 早河会長は安倍首相やその取り巻きと会食を重ねて居る内に、他の多くのマスコミ経営者と同じく、堕落の道を辿って行ったと筆者は勝手ながら推測する。1985年に久米宏氏の「ニュースステーション」を初代プロデューサーとして手掛け、その後、田原総一朗氏の「朝まで生テレビ!」を担当したジャーナリスト魂は何処かに消えてしまったようだ。
 官邸との繋がりが深まり、番組のお目付け役である見城氏への忖度が強まる程、早河会長等テレ朝上層部と「報道ステーション」現場スタッフとの意識のギャップは広がって行ったに違い無い。

 首相と頻繁に会食し、権力の甘い蜜のお裾分けに預かったマスコミ経営者は、官邸の手の内に取り込まれて行く。保身の虜に為り勝ちな編集・制作部門の幹部は、経営者の意向を嗅ぎ分ける能力を日々磨いて居る。そして、遂には政権への批判精神を脈々と受け継いで来た番組の中核メンバーが派遣切りで追放される。
 黒を白と嘘を着き通しても総理大臣の地位に留まる事が出来る歪んだ政治状況を許して居るのは、誰の所為なのか。今や定番と為った結論「野党のふがいなさ」を使うのも好いが、マスコミの堕落はそれ以上に深刻なのではないか。


 image by: Osugi / Shutterstock.com MAG2 NEWS 最終更新: 2/28(金) 5:00  以上







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楽天の送料無料方針 公取委が東京地裁に「緊急停止命令」申し立て




  楽天の送料無料方針 公取委が東京地裁に
 
 「緊急停止命令」申し立て


               〜毎日新聞 2/28(金) 15:02配信〜


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    楽天クリムゾンハウス(本社)東京都世田谷区で2020年1月10日 後藤豪撮影

 楽天が通販サイト「楽天市場」で一定額以上の商品の送料を出店者負担で無料とする方針を決めた問題を巡り、公正取引委員会は28日、独占禁止法違反(優越的地位の乱用)の疑いで、無料化の緊急停止命令を出すよう東京地裁に申し立てた。緊急停止命令の申し立ては16年ぶり。

 公取委は2月10日に独禁法違反の疑いで、楽天に立ち入り検査に入った。だが、楽天の三木谷浩史会長兼社長は13日、予定通り3月18日から無料化を実施すると表明した。検査開始から違反行為を辞めさせる排除措置命令迄には1年以上要する場合も多い事から、無料化実施の前に効力を発生させる緊急停止命令に踏み切った。

 楽天は昨年、税込みで3980円以上の商品を購入すれば送料を無料にする方針を発表。一部の出店者が任意団体「楽天ユニオン」を設立して公取委に調査を求める等対立が問題化して居た。緊急停止命令は独禁法の規定で、独禁法違反の疑いが有る行為が現在も存在し、放置すると競争秩序を著しく侵害するか、違法状態からの回復が困難に為る為緊急の必要が有る事が要件。


             毎日新聞 渡辺暢    以上









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2020年02月27日

防衛大学校が「悪しき体育会系」の総本山に為って居るヤバい実態




 防衛大学校が「悪しき体育会系」の総本山に 為って居るヤバい実態

              〜現代ビジネス 2/27(木) 7:01配信〜


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 軍隊はその国を象徴する。自衛隊は軍隊では無い、と言う向きもあろうが、日本で足った一つ軍事力を有する組織である事は間違い無い。その唯一の実力組織が今、静かに迷走して居る。自衛隊が、今岐路に立って居る。組織の進むべき方向を示せ無い。年功序列と、無意味で形骸化した柵に縛られる・・・その姿は、そのママ日本社会の姿と重なる。本連載では現役の自衛隊幹部への取材を通して、彼等が直面する根深い課題を浮き彫りにする。

 自衛隊の現役幹部 衝撃告白 「災害支援隊に為って行く私達の葛藤」
 
 知られざる内外の懸念


            〜ジャーナリスト 松岡 久蔵〜

 「ドッチ着かずの状態に為って居る」

 「災害支援と云うのは、自衛隊に取って『麻薬』の様なものナンですよ」或る陸上自衛隊幹部はこう言って溜め息を着く。「麻薬」とは一体、どう云う意味なのか。

 内閣府による2017年度の世論調査では、自衛隊に対して「好印象を持って居る」と答えた人が約9割に上った。又、自衛隊に期待する役割に付いては「災害派遣」を挙げた人が約8割と「国の安全の確保」の約6割を大きく上回ってトップと為って居る。
 「戦争放棄」「平和主義」が絶対的スローガンとされた戦後日本において、自衛隊は「鬼っ子」として忌避されて来た。幾ら黙々と日々の訓練を積み有事に備えても「自衛隊等無いに越した事は無い」と云った言説を声高に唱える識者も少なく無かった。国民は何処か、一歩引いて彼らと恐々接する面があった。

 そうした空気が変わったのは、2011年の東日本大震災だ。津波で押し流された泥に塗れながら、被災地のガレキ処理、そして被災者の救助活動に取り組む姿が国民に広く好印象を与えた。以来、この国で頻発する自然災害に際して「人々を助けるヒーロー」と云うイメージが確立し、国民にも受け入れられる存在に為って来た。一見歓迎すべき事の様に思える現状の何が、先の陸自幹部は問題だと言うのか。

 「自衛隊とはソモソモ、何の為のどの様な組織なのか・・・そうした根本的な問題に、誰も向き合わ無く為った。災害支援がその為の口実に為って居ると云う事です。飽く迄軍隊として外敵に立ち向かう為の組織である、と自己定義するならその為の訓練をすべきだし、災害支援に特化する道を選ぶのであれば、その専門的な技能を養うべきでしょう。
 しかし今の自衛隊は、ドッチ着かずの曖昧な状態に置かれて居る。結果として、全体の士気も練度も落ちて行く事が問題なのです」


 近年ではメディアも、前述した様な国民感情の変化に沿って、被災地に入る自衛隊を好意的に報じる事が増えた。しかし、高まる世の中の期待とは裏腹に、自衛隊内部には葛藤があるのだと云う。

 「例えば、陸自で最精鋭の第1空挺団(千葉県船橋市)が昨年、千葉県での豪雨被害を受けて、倒木を伐採する等の支援活動をして話題に為りました。一般社会から見れば『社会貢献活動に取り組んでいて偉い』と云うだけでしょうが、その間、彼等の訓練活動は中止されます。
 幾ら精鋭とは云っても、彼等は災害支援のプロフェッショナルでは無く、その点では体力の有る素人と左程変わりません。勿論災害支援も命令ですから嫌な顔は見せ無いでしょうが『最精鋭の部隊に配属に為ったのに、木を切らされるのか』と違和感を持った隊員も少なく無いと聞きます。実は優秀な隊員程、自分の存在意義に疑問を抱き、除隊の道を選ぶ者も多いのが現状です」


 「好感度」を手放せ無く為った

 こうした問題が有る事は、筆者も別件の取材を通して知って居た。以前執筆した「自衛隊員のメンタルもやられた豚コレラ『5万頭殺処分』の壮絶現場」では、自衛隊が豚コレラに感染した家畜豚のと殺処分に動員されて居る事を報じた。
 又捕鯨問題の取材では、鯨肉の消費が落ち込む中、或る自民党議員が「クジラの肉が余ったら自衛隊に食べさせれば好い」と発言するのを聞いて、自衛隊が国から悪い意味で「便利屋」の様に扱われて居ると感じたものだ。とは言え、災害支援による国民からの「好感度上昇」を今更手放す訳にも行かない。陸自の別の中堅幹部が言う。

 「自衛隊には、演習の騒音問題等で周辺住民との軋轢が付き物でしたが、災害派遣が広報される様に為ってから、住民の対応も全く変わりました。『物騒な邪魔者』から『イザと云う時に頼りに為る存在』に為ったと云う訳です。世論を味方に着け続ける為にも、災害支援は辞められ無く為って居る。
 又、これは陸自特有の問題ですが、人口減の時代にあって、政府は陸自の隊員数を減らす方向で話を進めて居ます。その中で、予算等の利権を維持する為にもなるべく組織の規模を維持したい陸自に取っては、災害支援は言わば渡りに舟だった。警察や消防の活動範囲に食い込めるのはソコしか無かったんです。警察は県境より外にはナカナカ展開出来ない。消防は人員が限られて居る。その点、自衛隊は全国展開出来ますから、適任だと主張出来た」

 米軍にも問題視されて居る

 自衛隊に取って災害支援が大きなウェイトを占める様に為って居る現状を、重く見て居る組織がある。米軍である。
 「軍隊」でも「災害支援隊」でも無い、言わば宙ブラリンの組織と為った自衛隊に付いて、或る米軍関係者は日米共同訓練に参加した際の経験を踏まえて「自衛隊は、米軍からレベルが低過ぎて見放され掛けて居る」と重い口を開いた。

 「調整の中でミス・コミュニケーションが起きるのは日常茶飯事です。誰が窓口かも確認せずに適当に遣り取りして置きながら、こちらからメールを送っても反応しない。結果、物品が届か無かったり、必要な支援が提供出来なかったりします。又、自衛隊側が欲しいと云うから最新兵器による支援の準備をしたのに、ソモソモしう能力が無かったと後々判明したと云う事もありました。我々に本当に協力して欲しいと思って居るのか、疑問に思わざるを得ません。
 又、軍事組織で在るにも関わらず指揮系統が定まって居らず、米軍では少佐に当たる3佐に判断を仰いでも『私には権限がありません』とイチイチ持ち帰って上司に相談する為、物凄く意思決定に時間が掛かる。何の為に階級があるのか判らない。
 英語でキチンとしたコミュニュケーションも出来ませんから、現場レベルではトラブルが頻発して居るし、米軍からクレームが来ると逆ギレする。計画の調整をしようとしても『一生懸命頑張ります』としか答えられ無い。信じられ無いと思うかも知れませんが、これが米軍から見た自衛隊の実情なのです。
 米軍側も日米関係には亀裂を入れたく無いですから、現場のイザコザには『大人の対応』で上官には強く報告せず表沙汰に為って居ないだけで、相当不満が溜って居ます。米軍幹部も当然この事は承知して居て、『ハッキリ言って、面倒を観るのは懲り懲りだ』『日米共同訓練は出来れば遣りたく無い』と云うムードがある」


 或る防衛省幹部は、こうした米軍の本音を筆者が伝えると「返す言葉も無い」と恐縮した。

 「私も組織の人間ですから申し上げ難いのですが、その通りと言わざるを得ない。勘違いしないで欲しいのは、個別の部隊は優秀なんです。真面目に訓練もして居る。問題は、そう云う部隊がどう動くべきかをマネジメントする人材が圧倒的に不足して居ると云う事です。計画に無い不測の事態に対応出来る力、異なる文化の組織と上手く協働する力、これらが圧倒的に足りて居ない。
 これは自衛隊の訓練の仕方にも問題があります。例えば演習では『攻める側は只管攻めて、守る側は只管守る』と云う様な訓練をして居るのですが、テロリストやゲリラと対峙した際に、相手がその様な折り目正しい攻撃をして来るでしょうか?騙し討ち、ゲリラ戦法等も序の口でしょう。しかし、訓練で不意打ちをすると『卑怯だ』と罵られる。これでは臨機応変な戦闘なんて出来っこ無い。正に『訓練の為の訓練』をして居るだけだ、と言われても仕方ありません」


 進むべき道が判ら無い

 組織をどう構築し、どう活かすかと云うビジョンが無く、現状維持と前例踏襲に縛られて現場の効率が上がらず、全体のパフォーマンスが停滞する・・・この悪循環は、日本型組織が陥る典型的な病理だ。陸自もその例に漏れ無い、嫌、日本でも有数の「ダメ組織」であると若手の陸自幹部は明かす。

 「企業では『働かないオジさん』が問題に為って居ますよね。自衛隊も全く同じですよ。陸自の組織では、一般企業で云う課長クラスの1佐以上に昇格すると、多くの人は仕事の負担が圧倒的に減ります。ソコに昇格する迄は、朝5時起き・残業はエンドレスのブラックな労働環境なのですが、そこから抜け出してしまえば、部下からと忖度される側に為り、トコトン物を考え無くても好く為ってしまう。
 広報対応等の業務は全て部下が応答要領を書いて呉れるし、間違って居た場合は当然部下が責任を執る。時間とエネルギーが余るので、組織内政治に走る人、筋トレばかりして『サムライ化』する人、部下の仕事の重箱の隅を突いて現場を混乱させる人が出て来る。
 私の同僚にも、上官に『「てにをは」が気に入ら無い』と報告書を何回も突き返されてノイローゼに為った隊員が居ました。幹部の部屋には基本的に産経新聞しか置いて居ませんから、イデオロギー的に偏って居る事も多い。そう云う幹部が米軍のエリートに『ブレクジットに付いてどう思うか?』等と聞かれても、真面な話が出来る訳が無い。向こうからは『何でコイツがコンなに偉いんだ?』と思われて居るでしょう」


 世界情勢の激動の中で・・・

 戦後の日本は現場力が支えて来た。優秀な技術者や営業マンのミクロな努力が、時代に合った製品やサービスを生み、国の地位を押し上げて来た。しかし大局を考えずとも、只管目の前の仕事を片付ければ結果が付いて来た時代はもう終わった。
 米中が突入した「新たな冷戦」を見るまでも無く、世界のパワーバランスは再び大きく揺れ動いて居る。何時米国が「ひとり立ち」を要求して来ても今や可笑しく無い。自衛隊にも、己を組織に捧げる「兵隊」だけで無く、大局を見極めリスクとリターンを吟味し、決断を下せる「将」が必要に為って居ると云う事だ。

 しかし、今の陸自内部には、そうした理想と掛け離れた惨状がある。組織改革の足枷と為って居るのが、幹部養成学校である「防衛大学校」が抱える問題である。

 米軍の士官学校との大き過ぎる差

 「自衛隊の問題は、防衛大学校にその根っコがある」或る陸上自衛隊幹部はこう嘆く。自衛隊幹部を養成する日本唯一の教育機関の防衛大学校・・・防衛大が抱える矛盾は、自衛隊そのものの矛盾でもある。

 「例えば、最近の防衛大卒は前線に立つ戦闘職種を殆ど志望し無い。これでエリート軍人の養成学校と言えますか?」

 近年、自衛隊で戦闘職種への配属を希望するのは、一般の大学を卒業した幹部候補生ばかりだと云う。この幹部が続ける。

 「防大卒で無ければダメだと云う気は全く無いのですが、それなら防大は一体何の為に在るんでしょうか?自衛隊幹部の約7割は現場からの叩き上げです。その多くは大学を出て居らず、軍事の高度な専門教育では無く、現場での経験を基礎に育って来た人材なのです。
 一方で例えば米軍の士官学校はどうかと云うと、代々エリートの家系出身だったり、高校時代迄にリーダーとしての業績を築いたりした優秀な人間が高度な専門教育を受けて居る。学位も修士以上はザラですし、叩き上げであっても将校に為れば、大学卒の資格を取ら無ければいけません。自衛隊との差は明らかです。
 軍隊の戦略・戦術が高度化した現代では、現場の事を好く知って居ると云う事は、軍人のホンの一要素に過ぎ無い。寧ろ抽象的に物事を考えられる力が求められて居るのです」


 過剰に重視される「体育会活動」

 防衛大学校ではおよそ2000人の学生が、人文社会系3学科・理工学系11学科で学ぶ。学生は授業料を免除されるだけで無く、全寮制で制服や食事の支給を受けられ、更に月々11万円の手当を受け取る事が出来る。
 しかし、防衛大の内情に詳しい前出と別の自衛隊幹部は「仮にも士官学校なのに、此処迄居眠りばかりして居るのはこの学校だけだ・・・と何度も留学生の送り出し国から言われた事がある」と話し、実態に付いてこう指摘する。

 「私が問題視して居るのは教育内容の偏りです。現場や研究開発で必要な工学系の教育は手厚いものの、安全保障を初め、指揮官に求められる人文社会科学系の教育が不十分。これは日本の大学一般に言える事ですが、矢張り理系教育偏重で『安全保障とは何か』『戦争とは何か』と云った理論に為ると、余り真面目に取り組ま無くても好いと云う雰囲気に為り、結果的に大局観が身に着か無い。
 学校側もレポートを適当に書いて出せばそれで単位を与えてしまいますから、士官学校で軍事理論やリベラルアーツを確りと叩き込まれた欧米のエリート軍人に適う筈がありません。事実、海外の軍の士官同士のパーティーで、教養が求められる話題に為ると、日本勢がサッと引くのが当たり前の光景に為って居ます」/span>

 防衛大の教育の柱は、教育訓練・学生舎生活・校友会の3つだ。教育訓練は学問と文字通り訓練を指し、学生舎生活は所謂寄宿舎生活、校友会はクラブ活動である。先の自衛隊幹部は、防衛大の中では、過剰な迄に校友会活動が重視されると話す。

 「校友会は基本的にアメフト等の体育会活動で、成果が出易いので学校側も奨励すると云う構造があります。国際水準の論文を数本書くよりも、全国1位の選手やチームを輩出した方が好いと。只問題は、これが学業より優先されて居る事。外部の教育機関に出たり、海外留学して初めて『図書館で勉強してる学生を初めて見た』と云う防大生も居る程です。
 学生舎生活がその風潮に拍車を掛けて居ます。要するに、先輩とは言え子供が子供を指導する訳ですから、偶々面倒見の好い先輩が居れば増しですが、幼稚な先輩の下に着いた下級生は悲惨です。上からの命令は絶対ですし、8人部屋で共同生活する以上、人間関係が広がらず閉鎖的なママ。このグローバル化の時代に合った形での『人格の鍛錬』が出来る状況とは思えません」


 詰まりは「体育会系」の悪しき部分が凝縮された教育機関に為ってしまって居るのだ。

 パワハラ体質の発生源に為って居る

 体育会的な組織は、内部の人間関係が上手く行って居る内は非常に快適で円滑に運営出来るかも知れない。しかし裏を返せば、ソコで形成された「疑似家族」的な共同体から逃れられず、自衛隊や防衛省に入った後も学生時代の上下関係を引きずる事に為る。防衛大出身の防衛省幹部はこう内情を話す。

 「学生舎生活で培われた人間関係は絶対で、往々にして階級を超えてしまう事もあります。出身クラブの先輩には敬礼しても、指導官には敬礼し無い事も珍しくありません。体育会の秩序を叩き込むばかりで、プロの軍人としての見識を身に着けさせることに失敗して居るのではないかと感じます。
 その所為か、陸自では一方的に怒鳴り着けたりする等、典型的な体育会スタイルで部下に接する上官も少なくありません。報道されたものだけでも、例えば2015年に1等陸佐(当時)が連日の様に部下を『バカ、ボケ』『目障りだ』等と罵ったり、机を蹴ったりして、約10人の内2人を精神的に追い込んだ事例があります。
 この1佐は事件に付いて上司に報告せず、更に彼の上司も、定期的なアンケート等から問題を知って居たにも関わらず指導を怠って居たとして処分を受けて居る。組織的にパワハラを隠蔽する体質がある事はお判り頂けると思います。結局、この部下の内の1人は自殺しました。
 根深いのは、この1佐は更迭された次のポストでもパワハラを続けたと云う点です。異動先の部署はセクハラやパワハラを働いた高級幹部の溜り場と為って居り、防衛省内では『セリーグ』『パリーグ』と揶揄される始末。此処でも1佐は懲りずに若手へのパワハラを続け、又精神を病む部下を出してしまいました。
 こうした事案が起こる度、自衛隊全体で組織体質を改善しようと云う掛け声ばかり上がりますが、根本は何ら変わって居ない。パワハラ体質の上司がノサバル一方で、良識があってマネジメントが出来る幹部はドンドン脇に追い遣られている。余りにパワハラ処分案件が多過ぎて懲戒処分が順番待ちに為って居る程で、将来が危惧されます」

 
 蔓延するパワハラを容認してしまう自衛隊の体質の根本に、防衛大で創られる閉鎖的な人間関係が有る、と考える隊員は少なく無い。

 「国際交流」に実態は有るか?

 前回、筆者は陸上自衛隊が最重要同盟国である米国との共同訓練で、英語でのコミュニュケーションが満足に出来て居ない現状がある事を報じた。しかし、防衛大の入試難易度は難関とされる私立大学と同程度であり俄かには信じ難い。
 防衛大は前校長の五百旗頭真氏の時代から、国際交流教育重視に舵を切って来た。五百旗頭氏が校長を務めて居た2006年から2012年に掛けて、
 (1) 4年間の留学生受け入れ・卒業資格付与
 (2) 約4ヵ月の1セメスター交流・派遣・受け入れ 
 (3) 短期派遣・会議等の短期交流・派遣・受け入れが進められた。
 これにより米国や欧州だけで無く、タイ等アジアにも受け入れ・派遣先が広がった。

 防衛大のホームページによると、昨年4月時点で、一般大学の学部生に当たる本科学生は1990人、大学院生に当たる研究科学生は162人で総勢2152人。この内留学生は夫々115人、21人で合計136人で約6%を占めている。だが当時の状況を知る防衛大卒の自衛隊幹部は、この「国際交流」は眉唾だと話す。


 「五百旗頭氏は『民間人材の登用』をスローガンに就任しました。彼は国際化を打ち出して各国に出向き受け入れ・派遣先を準備した迄は好かったのですが、肝心の防衛大側の体制を全く整え無いママ見切り発車した為、現場に大変な混乱を与えました。
 海外留学に必要な英会話等のスキルを学生に教えるカリキュラムを組ま無かった為に、米軍の士官学校に留学した学生が引き籠りに為って、米国側から強制送還される直前迄行った例や、1セメスターも留学したのに学習成果が無く、何の意味も無かったと云う例もあります。単位交換の制度も未整備だった為、学生が卒業困難に為り掛けた事もありました。
 各国の士官候補生を呼んで議論させる国際士官候補生会議・ICCも五百旗頭時代に拡大した事業ですが、防衛大生は真面に英語でディベート出来ず、報道公開出来ない状態でした。各国の士官候補生からの失笑を買ったのは言うまでも無く、米軍の士官学校生からは『日本には行く意味等無い』との声も上がって居ます。東南アジア各国からも、欧米諸国への留学が叶わ無かった学生が来る様に為りました。
 自衛隊の高官は『国際交流』が留学生数の増加に寄与して居ると思って居る様ですが、税金で運営されて居る防衛大が、約6%も留学生を受け入れる意味が何処に有るのか。タイの空軍司令官が過つて防衛大の留学生だった事が自衛隊内では『成功例』として語られて居ますが、タイは日本の主要な防衛交流国ではありません。防衛政策の視点から適切な評価が為され無いママ、意味の薄い『国際交流』をする事が自己目的化して居るのです」


 この様な実態は、日本の役所や企業とも共通して居る。実績は兎も角「海外に留学した」「国際交流プログラムに参加した」と云う事実だけがものを言い、相手の文化や思考様式を深く学ぶ経験や努力が求められ無い。留学や海外赴任も「ハクを着ける為の旅行」に為って居るのだ。
 これでは、各国の士官候補生との差は開いて行くばかりだ。防衛大卒業生のレベル低下はそのママ、自衛隊の弱体化と云う形で日本へ跳ね返って来る。


            松岡 久蔵 ジャーナリスト   つづく







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