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2019年09月20日

「2050年日本の破局」を防ぐ持続可能シナリオ




 「2050年日本の破局」を防ぐ持続可能シナリオ


            〜東洋経済オンライン9/20(金) 16:00配信〜







 〜人口減少問題をどう乗り切って行くべきか「地方分散型」に焦点を当てて解説する・・・1000兆円を超える借金、格差の拡大・社会的孤立の進行「人口減少」を続ける日本は、これ等の問題にどの様な処方箋を用意すべきか。そして、どうすれば生き残る事が出来るのか。この度『人口減少社会のデザイン』を上梓した広井良典氏が「2050年日本」の持続可能性を論じる〜


             9-20-8.jpg

          広井 良典 京都大学こころの未来研究センター教授


 AIは未来予測に活用出来るか
 
 近年、あらゆる場面で「AI(人工知能)」と云う言葉を見聞きする様に為りました。AIによって人間の仕事乃至(ないし)雇用の大半が取って代わられ、大量の失業が生まれると言った話題も繰り返し論じられて居ますが、中にはAIの能力を聊か過大評価して居る様な議論も多く「AIが出来る事」に付いては少し冷静な視点が必要と思われます。
 一方、AIの活用に付いて、実は未だ十分に論じられて居ないのが、それを未来社会の構想や公共政策に活用して行くと云う可能性です。

 『人口減少社会のデザイン』の冒頭において、本全体の議論の出発点と為る未来シミュレーションとして示したのは、そうしたAI活用に関して私達の研究グループが近年行って来た試みです。研究の出発点に有ったのは「2050年、日本は持続可能か?」と云う大きな問いです。
 現在の日本は、財政赤字が拡大し、莫大な借金をこれから生まれて来る将来世代にツケ回しして居ます。又特に1990年代半ば以降、貧困世帯が増加し格差が拡大し、特に若い世代は雇用や生活が非常に不安定で、これが少子化そして人口減少の大きな背景の1つにも為って居ます。

 一方、国際比較調査を見ると、現在の日本社会は先進諸国の中で最も社会的孤立度が高い国に為って居り、家族や集団を超えた繋がりが希薄な社会に為って居ます。更に、地方都市では所謂シャッター通りが増え、街の空洞化が進み、高齢化が進む中で買い物にも困難を来す層が600万人乃至700万人存在すると言った調査結果も出されて居ます。
 先程「2050年、日本は持続可能か?」と記しましたが、今述べた様な状況を踏まえれば、現在の様な政策を続けて行けば、未来の日本社会は「持続可能シナリオ」と云うよりも寧ろ「破局シナリオ」に向かってしまうのではないか。
 
 こうした問題意識から出発し、それでは日本の未来が持続可能なものと為って行くには何が必要かを、AIを活用して探って行こうと云うのが私達の研究の基本的な関心でした。具体的には、京都大学に2016年6月に設立された「日立京大ラボ」との共同作業として研究を進め、2017年9月に第1次の研究成果をまとめました。
 その内容は、財政赤字・少子化・環境破壊等約150の社会的要因から為る因果連関モデルを作り、2050年の日本社会が取り得る約2万通りのシナリオを分析し、日本が持続可能と為る為にはどの様な対応が必要かを明らかにすると云うものでした。

 出て来た結果は、未来の日本の持続可能性に取って「都市集中型」「地方分散型」かと云う分岐が最も本質的であり、その分岐は今から6〜8年後に生じる蓋然性が高く、且つ人口や地域・格差や健康・幸福と言った観点からは「地方分散型」の方が望ましいと云う内容でした。
 又、地方分散型シナリオへの分岐を実現するには、環境課税・再生可能エネルギーの活性化・地域公共交通機関の充実等の政策が有効である事も明らかに為りました。更に、地方分散型シナリオに一旦進んだ後も、それが十分に持続可能か否かの分岐が約15〜18年後に生じる可能性が大きく、持続可能な方向に導く為には様々な政策の継続的な実行が必要である事が示されました。

 こうした試みは他に余り例が無いもので有った為、公表以降、政府関係機関や地方自治体、企業等から多くの問い合わせを頂き、例えば長野県庁や岡山県真庭市とは同様の研究を連携して進めて居ます。こうした「AIを活用した社会構想と政策立案」に関する試みは、未だ試行錯誤の未開拓のものですが、今後も発展して行くと思われます。





 「地方分散型」社会 若い世代のローカル志向  

 処で、先程日本社会の持続可能性に取って「地方分散型」と云う方向が望ましいと云う結果が出たと言いましたが、現在の日本は一極集中が顕著で有る為、そのイメージが掴み難いと云う人が多いかも知れません。
 この点をもう少し具体的に明らかにする為、本書の中で詳しく論じて居る内容ですが、海外の事例や動向を此処で少し見てみたいと思います。

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 写真は、ドイツのエアランゲンと云う、人口約10万人の地方都市の中心部の様子です。印象的な事として、ドイツの殆どの都市がそうですが、中心部から自動車を完全に排除して歩行者だけの空間にし、人が「歩いて楽しむ」事が出来、しかも緩やかなコミュニティ的繋がりが感じられる様な街に為って居ると云う点があります。ベビーカーを押す女性や車椅子に乗った高齢者が極自然に過ごして居る様子が判ります。
 加えて、人口10万人と云う規模の都市であり乍ら、中心部が活気ある賑わいを見せて居ると云うのが非常に印象的で、これはここエアランゲンに限らずドイツの中小都市に広く言える事です。残念乍ら、日本での同様の規模の地方都市は所謂シャッター通りに為り空洞化して居るのが殆どと云う状況です。

 一般に、ヨーロッパの都市においては1980年代前後から、都市の中心部において大胆に自動車交通を抑制し、歩行者が歩いて楽しめる空間を作って行くと云う方向が顕著に為り、現在では広く浸透して居ます。この様な都市や地域の有り方が、先程の「地方分散型」の豊かさのイメージに繋がると思います。

 「地方分散型」に繋がる若い世代の意識

 一方、AIシミュレーションが示した「地方分散型」と云う点に関してもう1つ重要なのは、人々の意識や行動・価値観に関する事です。これは私に取って身近な話と為りますが、ここ10年位の傾向として、ゼミの学生等若い世代を見て居て「ローカル」なものや地域・地元と云った事への関心が確実に強まって居る事を感じて来ました。
 例えば或る学生は「自分の生まれ育った街を世界一住み易い街にする事」をゼミでの研究テーマにして居り、別の学生は「地元の農業をモッと活性化させる事」を最大の関心事にして居ました。マた別の学生は「愛郷心」を卒論のテーマにし、それを軸にした地域コミュニティの再生を掘り下げて居ました。

 或は、元々グローバルな問題に関心が有り、1年間の予定でスウェーデンに留学して居た女子の学生が、矢張り自分は地元の活性化に関わって行きたいと云う理由で、留学期間を短縮して帰国したと云う例も有り、こうした事例は枚挙に暇がありません。
 私はこうした若い世代の意識の有り方は、先程の「地方分散型」と云う方向と繋がると同時に、これからの社会の1つの潮流を示して居ると思います。時代の大きな流れを振り返りますと、下の図に示されて居る様に、明治の初め以降の日本は、急激に人口が増加し、経済の規模も大きく為って行きました。この人口増加の時代とは、他でも無く「全てが東京に向かって流れる」時代であったと言えるでしょう。中央集権化がドンドン進んで行った時代とも言えます。

 それが、2000年代後半から日本は人口減少社会と為り、これ迄とは大きく異なる動きが進んで行く事に為ります。先程述べた若い世代の意識や行動は、こうした新たな時代の流れを先取りして居るとも考えられます。

 「人口減少社会のデザイン」が令和時代の中心テーマ

 思えば、今年は元号が令和に代わった年でもあります。振り返れば「昭和」の時代とは、人口や経済が「拡大・成長」を続け、又人々が集団で1本の道を登る時代だったと言えます。
 「平成」の時代は、その間に日本の総人口は増加から「減少」に転じ、且つ失われた〇〇年と云う事が語られ、様々な社会的変化が生じた時代でもありましたが、しかし経済社会の基調を為したのは、明らかに昭和的な「拡大・成長」志向の発想乃至価値観でした。高度成長期の、ジャパン・アズ・ナンバーワンと迄言われた成功体験の残り香がそれだけ強固だったのです。

 この様に考えて行くと、令和と云う時代の中心テーマは、他でも無く「人口減少社会のデザイン」ではないでしょうか。そこで最も基本と為るのは、昭和〜平成的な「拡大・成長」志向そして集団で1本の道を登る発想から抜け出し、或はそこから自由に為り「持続可能性」や個人の創発性に軸足を置いた社会の有り方に転換して行く事です。
 そうしたテーマに付いて、具体的な政策対応から超長期のタイムスパンに渉る人類史的な視座或は原理的な考察迄を包含する形で、私為りに論じたのが本書の内容と為って居ます。

 現在の日本では、可なり大胆乃至異端と思われる様な提言も記して居ますが、冒頭の「2050年、日本は持続可能か?」と云う問いに象徴される日本の現状への強い危機感から『人口減少社会のデザイン』を書きました。読まれた方々からの忌憚の無いご意見を期待して居ます。


    広井 良典 京都大学こころの未来研究センター教授   以上


 【管理人のひとこと】

 東京一極から地方へ・・・この昔から続く掛け声は、2020TOKYO五輪に依って見事に掻き消され悉く粉砕されてしまった。確かに、東日本大震災や長く続くデフレで将来に不安を抱えて居た当時、国際的イベントを招致し経済の一大起爆点として、国民も大きな期待を持ったものです。
 2019年現在、その期待は既に萎み、経済は一向に上向かず・・・10月からの消費増税を迎え、庶民は諦めと共に更なる衰退国家・日本の将来を案じて居ます。
 ワールドカップ(サッカー)・ラグビーワールドカップ・2020オリンピック・・・そして万博と何かを宛てにして経済再興を夢見るのですが、今度はIRでカジノを・・・どうも土建国家の夢を捨て切れ無い様で、一番の国民総生産の基礎である国民の消費がデフレ下で一向に上向か無いのです。

 堅実な経済復興は、デフレを克服し、国民の消費の向上⇒実質所得の向上⇒安定した雇用の拡大⇒環境整備から始めなくては為ら無いのですが、何かと派手な仕掛けを必要とする為政者の視野の狭さが気に為る処です。小手先の修正を繰り返し次々と綻びを生み続ける政治・・・矢張り山本太郎さんに期待するしか無い様です。
 それにしてもAIで未来を予測し提言するとは、実に健気な心意気ですね。多くの大学・研究所で大型コンピューターを駆使し何らかの政策を挙げて頂きたいものです。それを推し進めるには、矢張り新しい為政者の登場を国民・市民が作り出さ無ければ待って居てもダメな様です・・・






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空母化する「いずも」の訓練実態 日中改善より対立想定した日米安保強化




 空母化する「いずも」の訓練実態 

 日中改善より対立想定した日米安保強化


           〜BUSINESS INSIDER JAPAN 9/20(金) 8:10配信〜


       9-20-10.jpg

 6月19〜20日 南シナ海で行われた日米共同軍事演習の様子 「いずも」と「ロナルド・レーガン」が並走する。


 近く「空母化」される護衛艦「いずも」が、ひと回り大きいアメリカの原子力空母「ロナルド・レーガン」と青い海をユックリ並走する。「いずも」の艦上に「レーガン」搭載のヘリが轟音を上げながら着艦した。2019年6月19〜20両日、南シナ海で行われた日米共同軍事演習の一コマである。
 「いずも」型護衛艦の南シナ海・インド洋への長期航海と共同軍事演習は、2017年以来3年連続。中国に対抗し、日米「共通の外交戦略」に為った「インド太平洋(戦略)」に基づく航海と演習は安保法制と連動し、「日米一体化」を強めて居る。





 対中姿勢で異なる5つの「戦略」

 アメリカ国防総省は6月1日、トランプ政権の新アジア政策「インド太平洋戦略報告」を発表した。安倍首相も2016年、包括的外交政策「自由で開かれたインド太平洋戦略」を提唱して居る。
 この他インドとオーストラリア・東南アジア諸国連合(ASEAN)も夫々「インド太平洋戦略(構想)」を発表して居る。これ等は共通点も多いが、決定的に異なる点がある。それは対中国姿勢だ。

 アメリカの戦略は「(地域における)米軍の軍事的優勢は失われて居る」との現状認識に立ち「対中同盟の再構築」を狙う。その為米中衝突に備えて、日米同盟を初め同盟国・友好国との「重層的ネットワーク形成」」を提唱した。一方、インドとASEANの「戦略」は、中国排除には与せず、対中同盟の形成には否定的である。
 微妙なのは日本だ。安倍首相は日中関係改善を進める中、2018年秋から「戦略」の二文字を封印し、経済と安保の「政経分離を図って、中国と敵対する意図は無い」と強弁して居る。しかしトランプ・安倍両氏は2017年11月の首脳会談で、この2つの戦略を「共同の外交戦略」と唄った。この合意により両国は安全保障面で一体化を進め、相互補完関係を強化する方針を鮮明にしたのである。日米安保の強化と日中改善の整合性を執るのは難しい。

 「自由秩序」と「抑圧秩序」の戦い

 アメリカ国防総省の戦略は余り報じられて居ないから、少し説明したい。戦略報告は、インド太平洋地域をアメリカの将来に取って「最も重要な地域」と明記。地域における安全保障の対立を「自由な世界秩序を求める」理念と「抑圧的な世界秩序を求める」理念との戦いとし、中国を米秩序に挑戦する「修正主義国家」と断じた。
 更に「中国との衝突」に備え、次の3点を挙げる。

 ・如何なる戦闘にも対応出来るアメリカと同盟国による「合同軍」の編成
 ・米中衝突に備え日米同盟を初め同盟・友好国との重層的ネットワーク構築
 ・中国と対抗する上で台湾の軍事力強化とその役割を重視


 興味深いのは「侵略抑止と安定維持」の為のネットワーク作りだ。地域の同盟・友好国を7グループに分けて「海軍力増強の支援」を挙げる。





 米艦防護と地球規模の後方支援

 安倍政権の安保政策と「インド太平洋」との関係を振り返る。安倍氏は2014年、集団的自衛権の行使を容認する政策に転換、2015年には安保法制を成立させた。2016年に施行された安保法制で、

 ・自衛隊による平時の米軍艦船等の防護
 ・米軍を地球規模で後方支援


 この2点が可能に為り、日米同盟の対象地域は「アジア太平洋」から地球規模に拡大された。同じ2016年、安倍首相はケニアで「自由で開かれたインド太平洋戦略」を発表。経済と安保の二本柱から為り、経済では中国の一帯一路への対抗意識を滲ませ、安保では、両大陸を繋ぐ海を平和な、ルールの支配する海にする為「日米印豪4カ国」(QUAD)「戦略的連携を一層強化する」と訴えた。中国けん制の狙いは鮮明だろう。

        9-20-6.jpg 空母いずも

 2018年末の「新防衛大綱」は「いずも」型護衛艦の空母化計画を定め「いずも」に配備するステルス戦闘機F35Bや地上配備ミサイル防衛システム「イージスアショア」等、米国兵器の大量購入を明記した。「いずも」は2017年5月「米艦防護」の任務を初実施した。
 防衛省によると、自衛隊が米軍艦等を守る海と空での「武器等防護」活動は、2019年2月末迄に16件に上る。安保法制と「インド太平洋」の連動は明らかであろう。2019年5月28日、訪日したトランプ大統領は、海上自衛隊横須賀基地で空母化が決まって居る護衛艦「かが」に初めて乗艦。安倍氏が、両国首脳が揃って両国隊員を激励するのは「史上初めて」と強調したのは記憶に新しい。

 噛み合って来た日米戦略

 冒頭に書いた「いずも」の活動は、海上自衛隊の「インド太平洋方面派遣訓練」(2019年4月30日〜7月10日)の一環だった。海自は訓練に付いて「米海軍との相互運用性の更なる向上を図ると共に、強固な日米同盟を礎に、地域の平和と安定への寄与を図る」と解説する。日米両戦略が本格的にかみ合って来たのが「日誌」を読むと分かる。

 5月19日「いずも」はベンガル湾で、日仏豪米の4カ国初の共同訓練を実施。フランス原子力空母「シャルルドゴール」と豪潜水艦等10隻が参加した。続いて5月22日迄スマトラ島西方の海空域で、対潜水艦戦や搭載ヘリの相互発着艦の訓練を行い、冒頭の日米合同演習(6月10〜12日・19〜20日の2回)へと繋がる。
 「いずも」には、2018年に発足した日本版海兵隊の「水陸機動団」が初めて乗艦。7月16日、オーストラリア北東部海岸での米海兵隊との共同訓練に初参加。輸送艦から水陸両用車や揚陸艇で上陸し、陸上戦闘を想定した実戦さながらの演習が行われた。
 ブルネイ沖では、日本の海上保安庁と異例の合同訓練も行った。尖閣諸島で中国海警局の公船と対峙する巡視船との演習が、中国を想定したものであるのは間違い無い。これ等の演習は、米戦略の「同盟・友好国を7グループに分け『海軍力増強の支援』」にも当たる。

 



 改善より対立にリアリティ

 中国は「いずも」空母化を盛り込んだ防衛大綱に対し「中国脅威論を助長し関係改善に不利。中国は強い不満と反対を表し、日本に厳正な交渉を提起した」(中国外交部)と批判した。
 しかし日本の「インド太平洋(構想)」に対しては、表立った批判は避けて居る。米中対立の深刻・長期化の中、日中対立はプラスに為ら無いとの思惑もあるだろう。こうして観ると、首脳の相互訪問に代表される表向きの「日中関係改善」より、水面下で展開される安保対立の方にリアリティを感じる人が多い筈だ。

        9-20-7.jpg 岩田清文・元海上自衛隊幕僚長

 その日中対立が本格化し兼ね無い「物語」を紹介する。岩田清文・元海上自衛隊幕僚長は2017年9月、ワシントンでのシンポジウムで「アメリカが南シナ海や東シナ海で中国と軍事衝突した場合、米軍が米領グアム迄一時移動し、沖縄から台湾・フィリピンを結ぶ軍事戦略上『第1列島線』の防衛を、同盟国の日本等に委ねる案が検討されて居る」と明らかにした。(2017年9月16日付共同通信)
 同氏はこの中で「米軍が一時的に第1列島線から下がる事に為れば、日本は沖縄から台湾に続く南西諸島防衛を強化する必要がある」と述べたとされる。噛み砕いて言えば、米中有事の際は、日台連携して中国軍に対峙する恐れがあると云う意味だ。避けたいシナリオだ。

 日米安保の強化と日中改善ーーこの相反するベクトルの整合性を執るのは難しい。



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 岡田充 共同通信客員論説委員 桜美林大非常勤講師。共同通信時代、香港・モスクワ・台北各支局長などを歴任「21世紀中国総研」で「海峡両岸論」を連載中

          岡田充     以上




 


 【管理人のひとこと】

 このブログでは、何度も防衛問題を取り上げて居るが、全てが自公政権とアメリカの軍事思想とのチグハグな遣り取りが多い。実際の現場では、緊密な繋がりが出来上がって居るのだろうが、それは軍事機密が絡む厚いベールに覆われ我々には知る事も出来無い。
 我々は、日米安保に則ったスムーズな交流が続いて居るものと想像するしか無いのだ。アメリカに言われて数々の高額な武装を買い入れたが、それは全て日本の防衛には必需品だと信じて来た。しかし、防衛思想が統一され無い中での装備に一体どれ程の信用が置けるのだろう。
 安倍自公政権にこのまま日本の防衛を任せて本当に大丈夫なのか、防衛省・自衛隊は、そんな政権には左右されず真摯に任務を執行していると信じて居るのだが・・・







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内田樹氏「断韓」を中刷りにした週刊ポストに怒ったわけ





  内田樹氏 「断韓」を中刷りにした週刊ポストに怒ったわけ


            〜ニュースソクラ 9/19(木) 12:31配信〜


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         神戸女学院大学名誉教授の内田樹氏 撮影・角田氏







 大手出版が社会を分断するのは許せ無い HANADAとは違う


 〜神戸女学院大学名誉教授の内田樹氏に『週刊ポスト』の嫌韓的記事の特集を入り口に、横行する排外主義等に付いて聞いた。内田氏は、背景に中国等独裁国家の経済的成功があると云う(聞き手は角田裕育)〜


 ・・・今回の『週刊ポスト』の嫌韓的排外主義的な記事の見出しに憤(いきどお)りを表明し、今後は一切寄稿し無いと宣言されました。しかし『週刊ポスト』関係者は、記事の内容は数号前から変わって居ないのにと考えて居る様です。

 週刊ポストの実売は35万部、記事の詳細に迄眼を通す人は多く有りませんが、新聞広告の見出しや中釣り広告はその数十倍の人の目に触れます。そして、多くの人は見出しで世論の潮目を判断する。
 日本には50万の在日韓国・朝鮮人の人が居ます。「韓国ナンて要らない」と云う文字列を見たら、どれ程不安な思いに駆られるか。見出しだけで判断するナ、記事の詳細を読んでから文句を言えと云う人が居ますが、そんなエクスキューズは通用しません。記事内容を大幅に誇張したタイトルを着けて、それで「記事を読ま無い人達」を或る方向に誘導すると云うのは週刊誌の定型なんですから。

 何より許し難いのは、この広告によって小学館と云う老舗出版社が国民の分断に加担した事です。小学館や講談社の様なサイズの出版社には固有の社会的なミッションと云うものが有ります。只金に為れば、どんな本を作っても好いと云うものではありません。
 『WILL』や『Hanada』の様な雑誌は最初から国論の分断を目指して出版されて居るので、お好きにすれば好いと思いますが、大手出版社の責務は違う。1億2700万人国民の一人でも多くの声を拾い上げて、国民的な対話の場を立ち上げる事は大手メディアの第一の社会的使命の筈です。
 対話の場を立ち上げるべきメディアが、国民の一部を組織的に排除し、対話の可能性を拒絶すると云うのは、社会的使命の放棄と云うに等しいと思います。

 大手出版には社会的なミッションがある

 ・・・小学館や講談社クラスの出版社に為るとテレビ局の様に公共性が高いと云う事ですか。

 公共性と云うのは必ずしも中立性と云う事ではありません。中立性と云うのは今のメディアが遣って居る様に、非常識的な言葉にも差別的で排外主義的な言説にも「両論併記」で場所を与える事です。「言論の自由」と云うルールを機械的に適用して居るだけで、社会的公正を目指して居る訳では無い。
 表現の自由には「手段としての表現の自由」と「目的としての表現の自由」の二つが有ります。表現の自由を禁圧する社会を目指す人達が、その発言を「表現の自由」を盾にして行う事は許されません。表現の自由は只の固定的な形式の事では有りません。更なる表現の自由を目指す力動的なプロセスの事です。

 ・・・そこ迄憤りを感じて居て、小学館の依頼は断ると云う事ですか?
 
 別に未来永劫仕事をし無いと云う訳ではありません。キチンとした謝罪が有れば水に流します。只、ホームーページでの今回の謝罪は全く謝罪に為って居ないと思います。今回も「誤解が招く様な文言があったこと」に付いて謝罪はして居ますが、テクスト自体が間違って居たと言って居る訳では有りません。
 記事の本旨を誤読した読者に最終的な責任を押し付けて書き手を免責して居る。だから、何れホトボリが冷めたら、又同じ事を始めると思います。


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 排外主義が蔓延するのは世界情勢が背景

 ・・・嫌韓本の様な排外主義の本が出版業界では一定のビジネス市場を形成して居ます。その辺をどう考えますか。

 排外主義は世界的な流れです。アメリカもドイツもフランスも北欧も南米も東アジアも、何処でも一国主義・排外主義が勢いを増して居る。民主的で穏健で対話的な政治が成功して居る国を探す方が難しい位です。
 強権的で非民主的な国が増えている最大の理由は中国の成功だと思います。中国は確かに効果的に統治されて居る。経済的にも目覚ましい成功をして居るし、AI軍拡競争でアメリカを抜くのは時間の問題だと言われて居る。何れ中国も経済成長の過程で民主化せざるを得無いだろうと欧米は楽観して居ましたが、その予測は今の処当たって居ない。

 これからアメリカの国力が衰微し、中国が世界のスーパーパワーに為って行くと云う見通しが可なり広く国際社会では共有されて居る。独裁制によって国民を統制し自国国益を最優先し、国際的協調を軽視する事によって中国は成功したのだと思い始めた人達が無意識の内に「中国モデル」を模倣し始めて居る。
 もう一つは株式会社と云う企業形態がデフォルトに為った事です。株式会社はCEOが全権を握って、トップダウンで事が決まる。トップの掲げるアジェンダに賛成する人間だけが登用され、反対する人間は馘(くび)に為る。経営方針の適否は社内の合意によって判断されるのでは無く市場が判断する。

 株式会社は民主主義と全く無縁の組織ですけれど、それが現代社会の支配的な組織形態に為って居る。今の人達は生まれてからそう云う非民主的な組織しか見た事が無い。だから、非民主的な国家運営を見ても別に違和感を持た無い。「うちの会社と同じだ」と思うだけで。
 中国は国家そのものが一種の巨大な株式会社に為って居ると考えたら好いと思います。行政だけで無く、司法も企業活動も大学の学術活動も、全てを習近平の指示で動かす事が出来る。だから、或る特殊なテクノロジーの開発が国家的急務であると党中央が判断すれば、挙国的な体制が一瞬で出きて、そこに膨大なリソースを集中させる事が出来る。

 アメリカでは同じ事が出来ません。GoogleやApple で働いて居るサイエンティストに「明日からアメリカ国防省でAIセキュリティーの開発をしろ」と政府が命令する訳には行か無い。企業活動の自由が認められ、個人の人権が認められて居る社会では、中国の様な「リソースを一点に集中する」と云う技が使え無い。それがAI軍拡競争でのアメリカの劣勢の理由です。
 だから、今世界の人達は「議会制民主主義は、統治方法として効率が悪い」と思い始めて居る。アメリカでもイギリスでもフランスでもドイツでも、何処でも議会制民主主義を採用して居る国の国力が相対的に下がって居る。だから、トランプもボリス・ジョンソンも、無意識的には習近平やプーチンを模倣して居ます。勿論安倍晋三も。


 




 習・トランプ・プーチンもケミストリーは同じ

 ・・・知り合いの外交担当記者にはトランプと習近平は同じ様な人間と云う見方が有ります。

 習近平もトランプもプーチンもケミストリーは同じだと思います。ナチスドイツが短期間にアレだけの影響力を持ち得たのも、統制と独裁によって劇的な成功を収めたからです。だから、1930年代にヨーロッパの国々では次々とファシスト政党が誕生した。別に強制された訳でも洗脳された訳でも無く「ナチスの成功例」に憧(あこが)れたからです。人間は傍(かたわ)らに成功例が有ると無意識の内に模倣するものなんです。

 だから、多分そう言うとビックリすると思う人が多いでしょうけれど、自民党政府は無意識に中国の統治形態に憧れて居る。アメリカの統治形態に憧れて居る自民党の政治家ナンか一人も居ませんよ。議会や最高裁やメディアが行政の暴走を抑止出来る仕組みを是非日本でも実現したいナンて思って居る自民党の政治家ナンかゼロですよ。彼等が本気でモデルにして居るのは、中国とロシアとシンガポールと北朝鮮です。

・・・中国が、ヘイトスピーチ等の震源地と云う事ですか?

 以前、中国から『街場の中国論』の翻訳のオッファーが有りました。その時、本の中の文化大革命と少数民族ナショナリズムに付いて言及した章を削除させて欲しいと言って来たので、翻訳を断った事があります。中国では、今でも文化大革命と少数民族ナショナリズムは「無かったこと」にされて居ると云う事をその時知りました。

 中国には54の少数民族が居り、総人口は1億4千万人で日本の人口より多い。でも、彼等は自治も許され無いし、固有の言語や宗教を守る事も許されて居ない。日本が過つて朝鮮半島や台湾で行った「皇民化」教育と同じ様に、少数民族の「漢民化」が進行して居る。
 少数民族を見て居ると、中国共産党に反対する勢力・中国への同化を拒む勢力は全て排除すると云う強い意志を感じます。この「漢民化」は安倍政権の支持層であるネトウヨ達の「外国人は日本から出て行け」と云う「皇民化」と同型的な発想です。


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 株式会社と云う組織形態しか知ら無い世代が増えて居る

 ・・・日本が何故排外主義やヘイトスピーチに染まって居るのですか?

 先程も言った様に、生まれてからズッと株式会社と云う組織形態しか知ら無いからだと思います。トップが全てを決めて、従業員には経営方針に付いて発言する権利が無いと云う事を子供の頃から刷り込まれて居る。
 僕が生まれた1950年、日本の勤労者の半分は農業従事者でした。「戦後民主主義」と云うけれども、当時の日本人は民主主義がどう云うものかナンて誰も知ら無かった。だから、結局は農村の村落共同体における合意形成システムの事を「民主主義」だと思う事にした。村落共同体は一種の運命共同体ですから、一人も脱落者が出無い様に組織を運営します。

 重大な事案に付いては、村全体で時間を掛けて協議する。アアでも無いコウでも無いと長い時間を掛けて議論して、最終的に様々な選択肢が消えて「もう、これしか無い」と云う事に付いて全員が諦め顔で納得した処で話が決まり、決定に付いては村民全体が責任を負う。
 決めた事が成功すれば皆で喜び、失敗すれば皆で悲しむ。強いて言えば、それが日本の戦後民主主義の実相だったと思います。でも、農業から工業、サービス業へと云う産業の基幹的形態の推移に伴って、日本人が参照する「ものごとの決め方」そのものが変わってしまった。

 過つて日本的経営の特徴として、終身雇用・年功序列・企業別組合と云うものが有りました。これは「家」制度をそのまま企業組織に当て嵌めたものです。前近代と近代のハイブリットが1950年代から70年代に掛けての日本の企業の有り方だった。何故かそれが奇跡の高度成長を齎(もたら)した。日本人はこう云うのが一番性に合って居るんです。
 漢字とカナの混ぜ書きもそうだし、神仏習合もそうです。日本では、伝統的な固有のものと外来の新しいものが混ざり合って、アマルガムが出来ると、そこに不思議な活力と生命力が生まれる。

 僕が子供の頃の会社は疑似的な家族でした。上司は部下に対して家父長の様に接した。仲人をしたり家に招いて宴会をしたり麻雀をしたりして、休みの日はハイキングや海水浴に行ったりした。今はもうソンな疑似家族的な繋がりを持つ企業は殆ど存在しません。短期間での転職離職が普通なので、疑似家族に為れる程長い期間同じ会社に勤める事が無い。
 年功序列制度が無く為って、煩(うるさ)く勤務考課をする様に為ったので、若い人を皆でジックリ育てて一人前にすると云う習慣も失われた。過つての企業内組合は可なり深く経営にコミット出来ましたけれど、今は組合の意見を聴いて経営方針を決めるCEO何て居ません。経営方針の適否は、マーケットが判断するものなんだから、従業員は黙ってトップの言う事を聞けと。

 今の40代位から下の人達は、組織と云うのは株式会社の様で無くては為ら無いと素朴に信じ込んで居ます。だから、橋下徹氏が大阪府知事に為って「民間では有り得無い」と痛烈に批判して、自治体を徹底的にトップダウンの組織に作り変えると宣言した時に「それは株式会社の話でしょ」と言って抑止する人が誰も居なかった。







 中国は超新自由主義

 ・・・そう云う人々がネトウヨ化して居ると云う事ですか?

 「ネトウヨ」と云う言葉はこの様な事態を指すのに余り適切だとは思いませんけれど「ネトウヨ」達が、株式会社モデルに全く疑問を感じて居ない事は確かですし、無意識の内に中国やロシアに憧れを抱いて居る事も確かです。

 ・・・中国コソ新自由主義的な国家と云う気がしますが。/span>

 中国は新自由主義と云う以上の国だと思います。14億人と云う人口は19世紀末の世界人口ですから。過つての全世界の人口を統制し、反対派を抑え込み経済成長し、軍事力を増強し学術的な発信力も高い。これは殆ど「奇跡」と云うのに近いんです。 
 日本の国力が急激に衰えて居る事に、多くの人はもう気が付いて居ます。日本の没落と云う足元の現実と、中国の興隆と云う対岸の現実を見比べると「矢張り、戦後民主主義体制が非効率でいけ無かったのだ。日本も中国みたいな独裁国にすべきだ」と推論するのは、或る意味では合理的なんです。

 シンガポール型統治を目指す日本は韓国が邪魔

 ・・・それは戦前の絶対君主的国家に帰ると云う事ですか?

 絶対君主的な国家には為りません。為りたくても為れ無い。戦前なら「天壌無窮(てんじょうむきゅう)の皇運(すべらぎうん)を扶翼(ふよく)すべし」とか「八紘一宇(はっこういちう)」とか「大東亜共栄圏」とか、国策を飾るイデオロギーが有ったけれど、今の日本が目指して居る独裁体制にはイデオロギーが有りません。
 仕方が無いから、74年前に敗戦で放棄した筈の大日本帝国のイデオロギーを拾い上げて来て、使い回しして居る。

 でも、そう云う誇大妄想的なイデオロギーが過つてはそれでも使い物に為ったのは、大日本帝国が主権国家であり植民地帝国であり、世界有数の常備軍を有した大国だったからです。今の日本は、そのドレでも有りません。アメリカの属国である日本に超国家主義のイデオロギーを掲げられる程の力は有りません。
 日本が国家目標として掲げる事が出来るのは「金」だけです。だとすると、モデルと為るのはシンガポールに為る。中国は大き過ぎるし、余りに複雑で精密な統治システムを持って居るので、とてもじゃ無いけど日本の政治家や官僚には中国型システムを制度設計する事が出来無い。

 それに比べると、シンガポールは真似し易い。一党独裁で治安維持法が有って、政治警察は令状無しで気に入ら無い人物を逮捕拘禁出来、反政府的なメディアは存在しないし、学生は「反政府的な思想を持って居ない」事を証明する書類を政府に発行して貰わ無いと大学に入れ無い。
 そう云う国が現に経済的に成功して居る。シンガポールは人口500万人の千葉県位のサイズです。これ位なら日本の政治家や官僚がどれ程無能でも、統治機構の真似する位の事は出来る。そう踏んで居るんだと思います。

 でも、中国モデル以外のモデルが実は身近に存在して居るのです。韓国がそうです。韓国は長く軍事独裁で苦しんで来ましたけれど、1987年の民主化以来、市民達が自力で民主制を整備し、併せて経済成長を遂げ、文化的な発信力を急激に上げて来た。
 一人当たりGDPで韓国は日本が今世界26位で韓国は31位ですが、日本は2000年の世界2位からの不可逆的な転落過程であり、韓国は急成長中ですから、抜かれるのはもう時間の問題です。「独裁を脱して、民主化を進め乍ら経済的にも成功し、国際社会でのプレゼンスも増して居る」と云う点では韓国は極めて例外的な国なんです。ですから、当然「成功モデル」として日本に取っては模倣し無ければ為ら無い対象に為る。でも、それだけは嫌なんですね。

 中国やシンガポールの真似ならしても好いけれど韓国の真似だけは嫌だ。そう思って居る人達が沢山居る。そういう人達が嫌韓言説を服用して居る。「韓国に学べ」と云う事だけは口が裂けても言いたく無い人達がそのママ「中国=シンガポール型の独裁国家にシフトする事に依って生き延びる」と云う選択肢に惹き着けられて居る。


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 日本人は強い指導者を望んで居る

 ・・・今の国民の潜在意識の中には、民主化に抵抗する意識が有ると云う事ですか?

 習近平やプーチンみたいな人が総理大臣だったら好いと思って居る人は実際に多いと思いますよ。安倍首相は国際的には全く無力ですが、国内的には極めて強圧的です。組閣の顔触れを見れば判る様に、政治家としての能力よりも、自分に対する忠誠心を優先して格付けして居ます。
 諫言(かんげん)する人間を遠ざけ、自分に諂(へつら)う人間を重用(ちょうよう)すると云う在り方が如何にも独裁者らしくて、それを嬉しがって居る支持者が多いと思います。習近平やプーチンやトランプと他に比べるとマルで役者の格が違いますけどね。

 それでも国内的には精一杯偉そうにして居ますから、海外メディアに触れる機会の無い人達は「この人はキッと世界的にも偉いに違い無い」と信じ込んで居る。独裁者だと思われたいから、安倍首相は国会にも出ないし、野党と対話もしないし国民とも話さ無い。
 沖縄の辺野古基地問題にしても、アノ様な暴挙が出来る国は、先進民主国の中には有りません。アア云う事が出来るのはロシアや中国や北朝鮮位です。別に是非辺野古に海兵隊基地を作ら無ければ為ら無い事情ナンか無いんです。それは米軍自身が明らかにして居る。それでも、民意を踏み躙(にじ)って工事を強行するのは「オレは習近平やプーチンみたいな独裁的な統治者なんだ」と云う事を国民に誇示したいからです。







 ・・・確かに昔の自民党なら野党の国対ナンかと何度も話しあったと思いますね。

 昔の自民党なら海兵隊基地はグアム移転が決まって居るんだから、何とかして沖縄から基地を少なくする様に、米軍を説得し沖縄の人を説得する為に、アレコレと手立てを講じたと思いますよ。そう云う事を一切しないのは「全部オレが決める。一度決めた事は絶対に撤回しない」と云う「独裁者のポーズ」を取り続ける事が彼に取ってはアラユル事に優先するからです。現に、それで喜んで居る人が沢山居るんですから。

 自分は保守で天皇主義者

 ・・・処で、先生はリベラル派文化人と見られて居ますが?

 僕は保守ですよ。武道ヤッテ能楽ヤッテ、滝行して禊(みそ)ぎ祓(はら)いヤッテ毎朝祝詞(のりと)を唱えて居る天皇主義者がどうして「左翼」なんですか?

 ・・・マルクスを語って居ますが?

 マルクスを語ったらどうして左翼なんですか? 書棚を見て下さいよ。大川周明、頭山満、北一輝、村上一郎、権藤成卿・・・三島由紀夫だって大好きだし。

 ・・・今、リベラルが排外主義に対抗する手段は有りますか? 

 有ります。天皇です。天皇制を本気で直視して来なかった事が日本の左翼リベラルの最大の弱点だと思います。三島由紀夫が1969年5月に東大全共闘に対し「君達が一言『天皇』と言って居て呉れたら、一緒に安田講堂に篭っただろう」と言った時に三島由紀夫が言わんとした事を僕は判る様な気がします。
 僕が求めて居るのは「挙国一致」です。国民が分断を乗り越えて、統合される事、出自を異にする多様な市民を包摂(ほうせつ)出来る寛容で開放的な社会を構築する事です。その場合に、どの様な統合軸を立てれば国民的分断が解消されて対話的な環境が出来るか。僕はそれをズッと考えて居ます。

 山本太郎は保守本流

 ・・・れいわ新選組の台頭をどう思いますか?

 支持して居ます。直ぐに寄付もしました。山本太郎も凱風館に来た事がありますし。

 ・・・れいわ新選組はリベラルの結集軸に成り得ますか?立憲民主党の関係者ナンかは否定的です。  

 山本太郎は保守ですよ。保守本流です。彼のモチベーションは「虐(しいた)げられた者達への惻隠(そくいん)の情(なさけ)」です。その点では左翼的に見えるかも知れ無いけれども、彼の政策は理屈から出て来たものじゃ無くて、真率(しんそつ)な感情から出て来たものです。だって天皇に直訴したんですよ。田中正造以来なんですよ。
 国民が一人も脱落し無い様に、全員が何とか食える様に気を配るのが国民国家における保守政治の仕事です。その意味では安倍首相は全く保守ではありません。アレは急進主義者です。だって、国の根幹である憲法を変えろと言い乍ら、憲法を変えてどう云う国を作るかに付いて、全く具体的な事を言って居ないんですから。只、総理大臣に全権を委譲出来る様に憲法に変えろと言って居るだけです。僕が穏健保守で、あちらが過激派ナンですよ。







 次期衆議院選挙で野党は「挙国一致」を目指せ

 ・・・過つての宏池会的な保守本流と左翼陣営が接近して居る状況が有ると思いますが。

 有るかも知れませんね。だから、山本太郎さんが与党の中の穏健な部分と共産党をブリッジすると云う「アッと驚く」解が提示される可能性はゼロでは無いと思います。挙国一致戦線を成り立たせる触媒の役割をするとしたら彼でしょう。
 この前の『赤旗』の取材で「次の衆議院選挙が在れば、テーマは何か?」と訊かれて「挙国一致」と答えました。安倍政権と国論を二分しても対立すると云うスキームでは無くて「国民を統合する運動」「国民を分断する運動」と云う形で相違点を可視化する。もうここ迄国力が衰えて居るんですから、国民が分断される様な余裕は無いんですよ。次の衆院選では「挙国一致」を掲げるべきだと言ったら『赤旗』の記者は困ってましたけれど。

 ・・・『赤旗』にも沢山出て居ますし、ネトウヨ何かから見れば「左翼系文化人」「パヨク」と思われて居ると思いますが。

 僕を「左翼」と云う人は僕の書いたものを全く読んで居ないと思いますね。僕が政治的に一番近いと感じるのは一水会の鈴木邦男さんです。右翼だったら、米軍駐留を屈辱だと感じて国家主権の回復を願う筈です。

 私は会津藩の末裔で古い日本に親しみ

 ・・・戦後の体制派右翼は殆ど親米で来たが?

 宗主国に親和する植民地現地民がどうして「右翼」ナンですか?宗主国に擦り寄る人間がどう遣って民族解放闘争をするんです?

 ・・・安倍さんを右翼とも保守とも認め無いのは判るが、貴方は過つての自民党のタカ派に近いと云う事か?

 全然違いますよ。僕は靖国神社ナンて行か無いもの。僕が親しみを感じて居るのはモット古い日本です。現在の自民党が有難がって居る「日本の伝統」為るものは、殆ど明治維新後に政治的意図を以て作られた人工物です。
 明治の日本人が近代化の為に必死で工夫したものですから、僕だって一定の敬意は持ちますけれど、僕が継承したいのは、明治維新が敢えて抑圧し破壊し、隠蔽した前近代の「伝統」です。

 内田家は四代前が庄内藩士、三代前は会津藩から婿入りした人なので、家系的には戊辰戦争の敗者・賊軍の家系です。ですから、明治政府の奥羽越列藩同盟の諸藩に対するその後の仕打ちには全く納得して居ません。
 靖国神社は明治政府に貢献が有った死者だけを祀り、敗者達を祀ら無かった。近代日本の生みの苦しみの中で横死した人達に対しては、政治的立場に関わらず等しく感謝と敬意を示すべきだと思います。現在の権力者に対する忠誠心の違いで、祭祀の当否を決める様な了見の狭い宗教施設に僕は敬意を抱く事等出来ません。



 




 <聞き手から>>『しんぶん赤旗』等左派の媒体にも登場し、リベラル左派政党を支援して居る内田氏が、自らをバリバリの「伝統的保守主義者で右翼」と表明した事は新鮮だ。内田氏は真正保守と云う立場から、安倍内閣や政権の支持基盤と為って居る国家主義的な勢力を保守とは認め無い。一方でリベラル左派と認識されて来た「れいわ新選組」と山本太郎氏を保守と規定して居る。
 極端な排外主義や戦争を煽る様な発言をする事を「愛国」そして「保守」と勘違いして居る人々が多い中、日本の在り方が問い直されて居るのでは無いだろうか。内田氏は思想家・武道家・翻訳家等々多彩な顔を持つ。神戸市に有る内田氏の主宰する合気道館(自宅兼務)「凱風館」にてインタビューした。


 角田 裕育(ジャーナリスト) 1978年神戸市生まれ。大阪のコミュニティ紙記者を経て、2001年からフリー。労働問題・教育問題を得手として居る。著書に『セブン−イレブンの真実』(日新報道)『教育委員会の真実』等。


 【管理人のひとこと】

 内田氏の言葉全てに何とスッキリとした事だろう。管理人は、氏よりは数年歳上に当たるが、心情として全てに納得し心から理解出来るのです。山田太郎氏を応援すると明言し、彼を真正保守と称え、彼なら挙国一致の為に、共産と自民の真正保守とを繋げる人間に為るだろうとの言葉には心服しました。マルで、司馬遼太郎の描いた「竜馬」の様な役割を山本氏に期待して居る様です。
 安倍晋三に対して「独裁者の振りをしたい無能者」と片付け、中国に対する観方や韓国に対する観方も、全く新しい観方だと目から鱗状態です。管理人も何時の間にか、女子バレーで中国に3-0で負けた事より韓国に3-1で負けた事に、より悔しい思いをしたのを悔やんで居ます。どうして韓国に負けたく無いのか・・・彼の国が何れ日本を追い越し引き離されそうで恐ろしいのでしょうね。
 何と無く管理人の心情と全てが同じで気味が悪い思いですが、世の中にはこの様な方も居られると心を安らかに眠りに就こうと思います。



 



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2019年09月19日

野党で「消費税減税法案」国会提出か 玉木・国民民主党代表の決意




 野党で「消費税減税法案」国会提出か 玉木・国民民主党代表の決意





          〜〈週刊朝日〉AERA dot. 9/19(木) 8:00配信〜



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          国民民主党・玉木雄一郎代表 (撮影/田中将介)


 国民民主党・玉木雄一郎代表の政策の根幹は「家計第一の経済政策」だ。消費を軸とした好循環を作り出す事が不可欠だと語る。その溜めには、消費にマイナスに為る消費増税は遣るべきでは無いと主張する。玉木氏は、これ迄の日本が経済の循環を大企業起点にして来た事を反省点として挙げた。

 「大企業が豊かに為れば、働く人も豊かに為り、中小企業も豊かに為り、地方も豊かに為る、と云う話だった。それを徹底して遣ったのがアベノミクスだ。確かに法人税減税をして企業業績は上がった。史上最高益を挙げて居る企業も有るし、経済全体も戦後最長の景気回復だと言って居る。けど、働く人の可処分所得は増えて居ない」

 その為消費は伸びず、企業が生産増強してもモノは売れ無い。結局、価格を下げてデフレに為ると云う悪循環に陥って居るのが現状との見方だ。





 「経済政策の考え方を根本で変え、経済の循環のスタート地点を家計にすべきだ。兎に角内需。その中でも国内総生産(GDP)の6割近くを占める消費を、兎に角元気にする政策に」

 消費税の代替となる財源に付いては、下げ過ぎた法人税を上げる事だと云う。

  「減税を続けて来た法人税率を適正化する。法人税が一定で、社会保障費が居るから消費税を更に上げましょうなら判るが、法人税を下げ、下げた分だけ消費税を上げて居る。トータルの税収は増えて居ない一方で、社会保障費は増えて居る。国民に説明して来た中身とは違う。国際協調して法人税を上げて代替財源にすれば良い。企業が内部留保を積み上げる為に減税した訳では無い筈だ」

 一方で、労働者への還元を高めた企業には減税する政策を提案する。

 「所謂『賃上げ減税』収益を上げた分、従業員に給与や賞与を沢山払う企業には、法人税減税する。国に納めるんだったら、その納めるべきものは従業員に配る。逆に、そうして還元した企業からはその分を取ら無い。そう云うメリハリの利いた法人税減税にして行かないといけ無い」

 所得税に付いては累進性を強化すべきだと主張する。

 「所得税の負担率は事実上、1億円をピークに金持ち程下がって行く現状は、所得の再分配から考えても可笑しいので、金融所得課税を強化すると云うのが最初に遣るべき事」

 今後、国会等でも税制が大事なテーマに為ると言い、所得税、法人税の改革はポイントに為ると観て居る。先ずは野党でマトマッての税制改革法案提出に向け、動きたい考えだ。立憲民主党の枝野幸男代表とも議論して居ると云う。


  「8%への減税法案を出す事を野党全体で議論しようと云う流れがある。枝野さんとは、未だ具体的に一致して居る処までは行って居ないけど合意出来ると思います。法人税とか所得税の改革に付いても『是非、一緒に遣ろう』と話して居ます。野党がマトマッて、明確な政策を出してムーブメントを作れば、一気に変えられる」

 (本誌・田中将介)※週刊朝日  2019年9月27日号より抜粋  以上







 【管理人のひとこと】

 8%への減税法案を出そう・・・立憲と国民等が何度も話し合い衆参での統一会派結成に合意されたとするが、多寡がこの程度の提案で多くの国民にアピール出来ると考えて居るのが嘆かわしい。世の中の上辺だけをサラリと眺めて居るに過ぎ無いこの提案に一体誰が注目するだろうか。
 万年野党・何でも反対野党の温床に何時まで浸かり続けて抜け出せないのだ。時には安倍氏の関心を得ようと「憲法改正論議に参加する」と色目を使ったり時には減税を・・・湯党・・・野党でも与党でも無いぬるま湯の湯党と扱き下ろされても仕方無い。自然消滅する前の一時のアガキにしか見え無いのは何故なのだろう。









山本太郎「出来ると確信」 立憲議員らと〈消費税廃止〉のマレーシア訪問


 

 山本太郎 「出来ると確信」 立憲議員らと〈消費税廃止〉のマレーシア訪問

         
          〜〈週刊朝日〉AERA dot.9/19(木) 8:00配信〜


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      グラフや図を示しながら本誌記者に説明する山本太郎氏(撮影・伊ケ崎 忍)





 〜7月の参院選で2議席を獲得した「れいわ新選組」の山本太郎代表(44)は、政策の軸に「消費税ゼロ」を掲げる。緊縮財政によるデフレの状態から脱却する為には、財政の出動が必要だと主張し「税の取り方を変えれば消費税だって辞められる」と訴える〜


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              マレーシアを視察したメンバー

 「この国では、カレコレ20年以上のデフレが続き、人々の生活と人生はスッカリ疲弊して仕舞いました。既に生活が苦しく消費税が8%でもシンドイ。だから、今回の(消費増税の)特徴的な事として、10%に上がる前の駆け込み需要が帆酖ど起きて居ません。これは一部の富裕層を除く国民に、買い溜めして置こうと云う体力が無く為って居るからです」

 1997年4月、当時の橋本龍太郎内閣の時、消費税率が3%から5%にアップした。それと同時に政府は支出を抑える緊縮政策に舵を切る。翌98年から日本経済は本格的なデフレに陥る。

 「私は、消費税自体がこの国の経済とか人々の暮らしを壊して来たと思って居る。消費税を5%に上げた事を、後で橋本さんは、間違いだったと認めてらっしゃいますから。人々の生活を壊す事に繋がったと云う事を認識されて居る訳ですね。
 勿論、消費税だけでは無くて、1997年にはアジア通貨危機も在ったので、内外で不安定な状況が生まれたと云う部分も有るとは思うんです。だけど、日本国内での消費の落ち込みであったりとか、就職氷河期であったりとかの、本格的なデフレに突入させる引き金を曳いたのは、消費増税であった事は間違い無いです」
 
 その後もデフレが20年以上続いて居る。

 「どう云う状態か? 世の中にお金が廻って居ない状態。人々はお金が無い、若しくは将来に不安があるからお金を出さ無い。消費が弱まって行けば、投資をしようと云う企業が減るのは当たり前なんです。人々も企業も金を出さ無いと云う事は、世の中に廻るお金が、より少なく為って居ると云う事。これに加えて政府が支出を削減したり、増税したりすると、更に廻ら無く為る。廻ってるお金を間から抜いて行くのが増税。より状況が悪く為るに決まってる」





 こう主張する山本氏が、消費税廃止を実現した国の例として挙げたのが前述したマレーシアだ。

 「マレーシアでは、消費税が物価上昇を招き、国民からの不満が溜まって居たんです。マハティール首相が消費税ゼロを実現し、財源が失われた部分は有るけれど、高級なサービス等を受けた時に掛かるお金持ち向けの旧税(SST売上税・サービス税)を復活させました。判り易く言うと、定食屋ではそうした税は掛から無いけど、高級レストランでは掛かる、みたいな話です」  

 消費税廃止以前は非課税品目が545だったが、旧税を復活させた事によって、非課税品目が5443品目に拡大した。

 「これだけでも随分、一般の消費者に取っては負担が軽減されたと思います」
 
 廃止から1年。マレーシアの2019年4〜6月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比で4.9%増(日本は1.0%増)と伸び、GDP全体の6割弱を占める個人消費は同7.8%増(日本の民間最終消費支出は0.9%増)と好調さを示した。

 「消費税を辞める事によって一気に消費が高まり、旧税を復活させた反動で一回落ち込む。けれど又上がって居る状態だと思う。マレーシア政府の見解は、成長する事によって税収を増やして行く、と明確に示して居ます。普通に考えて、消費の落ち込みと云うのが有ったならば、消費に掛かる税金を軽減して行くのは当たり前の話なんですよね」





 参院選の前、山本氏は消費税5%への減税を主張して居たが、選挙では「廃止」に為った。どうしてなのだろうか。

 「消費税は5%に減税、を野党の共通政策として参院選を戦いたい狙いがありました。落とし所を5%にする為には、廃止でプレッシャーを掛ける必要があると。5%が適えば旗を降ろすと迄宣言して居ましたが、影響無かった様で(笑)野党は『増税凍結』で選挙に突入した。
 ですから本番でも遠慮無くこの国に一番必要な廃止を訴えました。8%から5%、3%を経由して段階的に廃止する遣り方だと、次に税率が下がる時まで待とうと云う買い控えが生じる恐れも有りますから、本物の景気回復には廃止の方が好い」


 とは言え、消費税をゼロにした場合、財源はどうするのだろうか。

 「消費税を辞めると仮定した場合、年間20兆円位の財源が必要に為ります。その財源を何で埋めるかと云うと二つある。一つは国債の発行。もう一つは税で遣る。法人税を累進性に変えて行く。儲かって居る時に税率は高まるが、そうで無い時は税負担が低く為ると云うやり方です。
 更に、所得税に付いても累進性を強化し、分離課税等を辞める事で金持ちからより取れる様に為れば、29兆円の財源が出来ると云う試算が存在するんです。飽く迄ザックリとした数字。でも、税の取り方を変えれば、消費税だって辞められる、と云う事です」


 法人税を厳しくすると、海外に企業が出て行くと云った指摘が出て来る事に付いては、こう反論する。

 「経済産業省の2014年の海外事業活動基本調査によれば、企業が海外進出を決定した理由として『税制、融資等の優遇措置がある』と答えたのは、足った8.0%。1位の67.5%は『現地の製品需要が旺盛』海外に出るのは物が売れるから。
 この国はどうかと言えば、人口減で賃金も上がって居ない。内需が弱って居るから将来的な展望が持て無い。何故企業側が内部留保をアレだけ溜め込むのかと言ったら、投資に回してもリターンが無いと思うからです」






 こうした内部留保に対して課税するべきだとの主張に付いては反対と云う。

 「合法的に溜めたものを『新たに金寄越せ』と云うのはヤクザ過ぎる。吐き出させると云うのなら、国の成長戦略を下に、投資をして頂くのが王道です」

 もう一つの財源と為る国債発行に付いては、大胆に財政出動すべきだと指摘。

 「国が、成長産業が何かを見極めて、投資すべきです。教育・保育・介護等、国がケチり続けて来た分野は
伸びしろしか無い。『国が本腰を入れるので、皆さんも参加しませんか』と遣れば好いんですよ」


 只、大規模な財政出動には、インフレを懸念する声が上がる。こうした主張に対しても、疑問を持って居る。

 「ハイパーインフレの心配があると云う人達に聞きたい。未だデフレから脱却すら出来て居ないのに何がハイパーインフレですか?金利は30年以上下がりっパナシ。これが破綻(はたん)すると言うのなら、金利が上がって居ないと可笑しい。そこの説明が出来て居ない」  





 消費増税後は、既に冷え込んで居る景気が更に落ち込むと観て居る。


 「年間の自殺者は2万人を超え、未遂も推計50万人を超えて居る。生活困窮を自己責任化する空気も原因と考えます。誤った政策によって、人生が行き詰まり、自ら命を絶つ程に追い詰められる社会を止めたい。8%でも首を括ら無いといけ無い様な状況だった人が10%に為ったらどう為るか。中小零細企業を壊す気か、と。本当に、政府はロクでも無い事を遣って呉れるなと思います」

(本誌・上田耕司)※週刊朝日  2019年9月27日号より抜粋   以上





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「売春島」三重県に在った日本最後の「桃源郷」は今......




 「売春島」三重県に在った日本最後の「桃源郷」は今......


   〜NEWSWEEK JAPAN 印南敦史(作家・書評家)2018年2月5日(月)16時31分〜







 〜置屋・ホテル・飲食店でも女の子を紹介される、最盛期にはドラム缶から札束が溢れた、自称経営コンサルタントが「島の顔」を崩壊させた・・・「売春産業に依って成り立つ島」として都市伝説化して居た渡鹿野島、その過去と現在を雑誌記者が探った〜/span>


 『売春島「最後の桃源郷」渡鹿野島ルポ』(高木瑞穂著、彩図社)は「売春産業に依って成り立つ島」として長らく都市伝説化して居た、三重県志摩市の的矢湾に位置する離島「渡鹿野島(わたかのじま)」の実態を浮き彫りにしたノンフィクション。
 著者は、風俗専門誌編集長、週刊誌記者等を経て独立したと云うルポライターだそうだが、本書に目を通すと、豊富な取材経験を持って居るので有ろう事がハッキリ分かる。取材姿勢に妥協が無く、通常では立ち入れ無い様な領域迄踏み込む殊に成功して居るのである。

 冒頭から、強烈なインパクトに圧倒される。ナンパされた相手に騙されて売られた当時17歳だった少女が、この島から泳いで逃げて来たと云うエピソードからスタートするからだ。本人の視点で書かれた回顧録に続き、この様な解説が続く。

 通称売春島から命からがら泳いで逃げて来たと云う少女に、テレビ関係者の知人の青木雅彦(仮名)氏が東海地方の某所に会いに行ったのは、2000年2月の事だった。
 「会う迄は半信半疑だったけど、聞けば実際に売春島"で働いた事が無いと分から無い様な話だった。第一印象?容姿は良かったよ。このコが売春して居たら『人気が出るだろう』ってレベルの。でもフツーと云うよりは少しヤンキーと云うか風俗に染まってる感じのコ。彼女は一人で遣って来た。最寄り駅で待ち合わせ、雪道を歩いて近場の居酒屋に入ったのを、今でも鮮明に覚えて居る」(17ページより)


 泳いで逃げ帰って来た少女が、果たして本当に存在したのか?客観的に判断して、そこには疑問も残る。とは言え、渡鹿野島が売春島であった事を嫌でも実感させる話ではある。
 著者は約8年前に雑誌の取材でこの島を訪れ、その実態を目の当たりにして居るが、そこで見たものは、予想以上に寂(さび)れた島の実態だったと云う。置屋、ホテル、旅館、客引き、飲食店等でも女の子を紹介して呉れ、セックス出来はするものの、それは桃源郷と呼ぶには程遠いものだったと云うのである。
 そして著者自身もこの時点では、ヤバい島だと云う程度の認識しか持って居なかったのだそうだ。処が、或る事を切っ掛けに「モッとこの島の事を知りたい、探りたい」と云う思いが大きく為る。2016年5月に開催された、第42回先進国首脳会議の伊勢志摩サミットである。







 売春島は、サミット会場に為った賢島(かしこじま)に程近い位置に在る。それにより複数の雑誌媒体等が売春島とサミットを関連させ、未だ売春産業が続くこの島の現状をルポし、それと同時に行政側の隠蔽体質を浮き彫りにした。
 しかし、それ等の報道は、当事者達を置き去りにした問題提起に過ぎ無かった。僕が八年前から数回に亘ってこの島をルポして来た様に、年々疲弊する島の現状を伝える、観光業を全面に押し出しクリーン化を進める流れと対極に在る売春産業、その光と影の上澄(うわず)みだけを掬い取り過渡期と論じる。それ以上でも以下でも無かったのだ。これが僕を突き動かした。(28ページより)


 かくして著者は、サミットが終わった同年の12月から取材を開始。「走りがね(船人相手の女郎)」が存在して居た江戸時代に端を発するこの島の売春事情が、終戦後にも引き継がれた事を知る。

 次いで、四国や九州から移住した「4人のオンナ」が、スナック型の置屋を興隆させ、それが渡鹿野島を売春島として認知させる事に繋がった事を突き止める。
 そして以後も、当時を知る関係者を一人一人訪ね、ズッと明らかにされ無かった事実をコツコツと解明して行く。そのプロセスは「コツコツと」と表現するに相応しく、別な表現を用いるならとても手の掛かるもの。しかしその甲斐あって、ナカナカ明らかにされる事の無かったこの島の真実が、少しずつ明らかに為って行く。

 「(前略)もう、どんだけ儲けたか。最盛期、島では『ドラム缶から札束が溢れトル』って噂やったから。モウお客さんが並んで居る状態やったからサァ。(中略)次から次へと売春婦が遣って来て、女のコの部屋が足りず民家の一間も借りとる程やったで。(中略)家賃払えば皆貸して呉れたんや。しかも安い値段や無いと思うで。だから大通りは人が歩けん程やった。肩がブツからずに歩けんかった程湧いトッタ」(181ページより)

 これはチーママとして置屋を切り盛りして居た、A組下部組織組長の姐さんによる証言だが、決して誇張された話では無い様だ。絶頂期だった1980年代にはパチンコ屋・ストリップ劇場・ホテル・喫茶店・スナック・居酒屋等が犇(ひし)めき合い、一大レジャーランドの様相を呈して居たと云うのである。人口200人程度の小さな離島である事を考えると、驚きを隠せ無い話である。
 しかし時の経過と共に、その観光産業は衰退して行く事に為る。暴力団と繋がりを持つ置屋の女将が経営する大型ホテル「つたや」の成功で島は絶頂期を迎えるも、2000年代に現れた自称「経営コンサルタント」の事件屋が女将に取り入り、その財産を根コソギ奪ったのである。

 



 売春島は、こうした事件屋が付け狙う程売春産業で隆盛し、中でも一人勝ち状態だった『つたや』がターゲットにされた。そして『つたや』の崩壊により、更に島の凋落が加速したのは、揺るがぬ事実の様だ。当然である。島の顔として君臨して居た大型ホテルが一つ、蛻(もぬけ)の殻に為ってしまったのだ。(161ページより)

 そんな渡鹿野島では現在、浄化運動が推し進められて居る。浄化の流れは行政指導では無く、旅館組合等島民達が1990年頃に立ち上げ、それに行政が乗った形だと云う。詰まり、未だ売春産業が成り立って居た時期からそう云う動きが在った事に為る。
 その背景には「つたや」への妬みがあったと云う意見も存在するが、摘発が相次いだ時期でもあり、クリーン化に舵を切るのは仕方の無い事ではあった。しかしその結果、売春島の景気は凋落し、今や風前の灯と為って居るのだ。
 何しろ、観光スポット等無い場所なのである。温泉が目的なら、三重県内には名の知れた温泉街が幾らでもある。美味しい魚介類を食べたいなら、ワザワザ島に渡ら無くとも志摩にはアワビや伊勢海老等豊富な海産物を堪能出来る旅館が多い。ソモソモ渡鹿野島には魚介を採る漁師が居ない為、島で食べられるものは志摩等から買って来たものばかり。

 言わば、売春産業無くしては遣っていけ無い島。浄化によって衰退したとしても、全く不思議な話では無いのである。しかし意外なのは、売春産業に直接関わって居ない住民達も決してそうした島の歴史を否定して居ない点だ。

 古くから島で商売する飲食店の店主は言った。「栄えた時代を知っとる年寄りやからサァ、ヤッパリ下火に為ったから『昔は良かったネェ』って話ばかりなんやけど。でも、もし栄えて着た時に、果たしてこの島で働く人が居るだか......。ここはサァ、高校が近辺に無いからサァ。
 すると伊勢市迄出て下宿に為るからさぁ。そうして街の味を知ったら若いコが帰って来る訳無いよね。(中略)クリーンとか言ってサァ、ワザワザ船に乗って迄この島に来る?ヨッポド魅力がある観光施設が無いと無理でしょう」(205〜206ページより)


 居合せた地元生まれの老女にも意見を求めた。「私もアパート経営で潤って居ましたけど、今は殆ど空き部屋の状態です。だから復活して欲しいと迄は言わんけど、昔は良かったなと思いますよ。それにここ迄ダメに為ったらもう、復活は無理でしょう。(中略)
 ハッキリ言って、昔は売春に頼って居た島でした。ほんとそうです、この島の全部が。100パーセントと言っても過言じゃ無いよ、皆何かしら恩恵を受けて潤っとった訳です。オネーチャンが居ればタバコ一つ、自動販売機でジュース一つにしても買って呉れたんですから。幾ら『私らは関係無い』と言っても、関係無いでは通らへんのです。
 だから女のコの商売がダメだとか、そんな事は全く思って居なかった。皆そうだと思います。私が幼い頃からね、風除け街として船が港にバーッと停まって。もうその頃から遊郭が何軒もあったんですから」(206〜207ページより)


 

 先述した2016年の伊勢志摩サミット前後から、三重県内はサミット一色に染まったと云う。会場と為った賢島は勿論、周辺ホテルは何処も満室と為り、関連商品も飛ぶ様に売れ、サミット終了後も活況を呈する事に為ったと云うのだ。
 しかしその様な動きは、売春島の凋落を一層激しくさせる事にも為った。当然ながらそれは、売春産業の流れに、大きな影響を与える事に為ったのである。上記の発言者がそうで有る様に、島の最盛期を知る人は皆高齢。最盛期には多くの女の子が暮らして居たものの、現在は日本人と東南アジア系合わせて10人程しか居ないと云う。

 渡鹿野島は、ハート型の地形である。その為島は、恋愛が成就する「ハートアイランド」としての認知度を高め様として居る。ウェブサイトにも「ハートのカタチのふるさとです」と書かれて居る。売春島恋愛成就の島とは冗談にも為ら無いが、果たしてこの島はそうしたイメージ戦略によって復活出来るのだろうか?残念ながら本書を読む限り、その道則は前途多難だとしか言え無い。



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     『売春島――「最後の桃源郷」渡鹿野島ルポ』高木瑞穂 著 彩図社

 [筆者] 印南敦史 1962年生まれ。東京都出身。作家、書評家。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。現在は他に「ライフハッカー[日本版]」「WANI BOOKOUT」などで連載を持つほか「ダヴィンチ」「THE 21」などにも寄稿。新刊『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)をはじめ、『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(ダイヤモンド社)など著作多数


 【管理人のひとこと】

 この様なレポートを読むと、何か浦島太郎の乙姫様の昔話がフト脳裏に浮かぶ。幼い頃に聞かされたお伽噺(おとぎばなし)に似た郷愁さえ覚える、世の男達の飽くなき欲望でもあるのだろうか・・・それにしても、何とも現実的な都市伝説なのだ。
 これから連想するのが「カジノ解禁」による国の施策IR法案だ。一攫千金を夢見て人々が集まりべら棒な利益が上がり開催地に莫大な税金が納められ裕福に為りそう・・・そんな願いが篭って居るのだが、果たしてその様な夢が現実のものに為るだろうか。
 国は、国際会議場・巨大宿泊施設・レストラン・遊技場・公園・美術館・・・それに巨大カジノが隣接する一大環境を作ろうとして居るが、他の世界中の環境を徹底的に調べる必要性があるだろう。果たして博打日本にこれ以上の博打環境を必要として居るのだろうか。何とも生産性の無い政策なのだ。



 




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元CIA局員達への取材で炙り出された 日米の諜報活動の実態




 元CIA局員達への取材で炙り出された 日米の諜報活動の実態


 



          〜ニューズウィーク日本版 9/18(水) 18:48配信〜


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 CIAが極秘扱いにして居たキヨ・ヤマダの生涯を明らかにした山田敏弘氏 Hisako Kawasaki-NEWSWEEK JAPAN


 日本にも有ると云うCIAの養成学校の存在と、元CIA局員が指摘する日本のJICAとCIAの類似性 

 〜又一つ、埋もれて居た歴史が発掘された。この程発売された新著により、戦後、アメリカのCIA(中央情報局)に日本に送り込むスパイを育成して居た日本人女性が居た事が分かったのだ。
 その女性の名はキヨ・ヤマダ。日本で生まれ育った生粋の日本人で、1954年に渡米し1969年に46歳でCIAに入局。日本語インストラクターとしてCIA諜報員に日本語や日本文化を教えて居た人物だ。日本のメディア関係者をスパイにする為の工作に関わったり、企業にCIAスパイを送り込む工作にも従事して居たと云う。

 国際ジャーナリストの山田敏弘氏は、米マサチューセッツ工科大学(MIT)に安全保障問題の研究員として留学中の2015年にキヨ・ヤマダに付いて取材を始め、今年8月に『CIAスパイ養成官ーーキヨ・ヤマダの対日工作ーー』(新潮社)を上梓した。

 そこに記されて居るのは、1922年に東京で生まれたキヨが戦後、日本を捨てる様にしてアメリカに移り住み、CIA局員として対日工作に関わり乍ら2010年12月27日に88歳で他界する迄の波乱に満ちた人生だ。
 山田氏はこれ迄にも、CIAだけで無くイギリスやイスラエル、インドやパキスタン等世界の諜報機関の取材を続けて来た。今回もCIAが極秘扱いにして居たキヨの身分や任務を炙り出す過程で、複数の元CIA局員から直接話を聞いたと云う。
 取材を通して見えて来たキヨ・ヤマダと云う元CIA局員の姿と、現在の日米の諜報活動の実態に付いて聞いた〜



 ・・・キヨ・ヤマダはどの様な経緯でCIAに入ったのか。

 キヨは戦後3年間、神奈川県藤沢市に在った湘南白百合学園で英語の臨時講師を数年務めて居たが、元々家族との関係が悪かった事と、戦前から西洋文化への憧れがあった事からフルブライト奨学生制度に応募し、合格してアメリカに留学した。
 だが念願叶ってアメリカに渡ったものの「敗戦国」から来た彼女が米空軍に勤務するアメリカ人男性と結婚して家庭に入り、夫の仕事で基地を転々とする生活が続けて行く内に自分を見失う。それでも日本で教師として培(つちか)ったものを生かしてCIAに入り、アメリカに自分の居場所を探しながら生きて行く。

 CIAで働く事でキヨが見付けた自分の「居場所」

 ・・・彼女は日本で生まれ育ってからアメリカに渡り、CIAで働く事を決めた。そこに「母国」を裏切って居る、と云う様な気持ちは無かったのだろうか。

 恐らく一つ大きいのは、CIAで働く事に決めた時には日本にもう家族が居なかったと云う事。後、自分の取材から見えて来たのは「日本」を過去のものとしてアメリカに渡ったと云うイメージだ。
 実際に、母親が亡く為ったと云う報告が来ても日本に戻ら無かったし、家業を継いで呉れと言われても戻ら無かった。そのママアメリカで生活して行く中で段々自分もアメリカ人に為って行くのだが、それでも自分の居場所はグラついたママだった。

 アメリカに住んだ事がある人なら誰しも分かると思うが、外国人がアメリカに住むと、自分がメインストリームには入れ無いと云う疎外感がある。だから同じ人種の人達でコミュニティーを作り、固まり易く為る。長く住んで居る人でもそうだ。キヨも、何時まで経っても自分の居場所が無いと感じて居たのではないか。
 本来なら夫が自分に取って一番身近な存在で有る筈だが、キヨはアメリカ人の夫が黒人を差別する姿等を目の当たりにして来た。アメリカ人も、元々は皆移民なので、自分達の立場を守ろうとする余り排他的に為ってしまう処が有ったりするのかも知れない。そんな中、CIAの様な国家の中枢機関で国策に貢献出来る仕事をする事で、キヨはアメリカに自分の居場所を見付けて行く。

 本にも書いたが、キヨは晩年、自分の身の回りの世話をして呉れて居たアイルランド人のアンジェラと云う女性にこう語って居る。「私がCIAに入って好かった事は、ヤッとアメリカに受け入れられたと感じる事が出来た事なの」と。
 恐らくキヨは、CIAで働く事でヤッと居場所を見付けた。だから自分がして来た事に誇りに思って居たし、晩年に為って、自分がCIAで働いて居た事を周囲に打ち明け始めたのだろう。

 ・・・取材を始めるに当たって、キヨ・ヤマダと云う人物に興味が有ったのか、CIAに興味が有ったのか。

 そもそも諜報機関に対する興味が長年有って、ズッと取材をして来て居る。イギリスやイスラエル等、現役の諜報員は難しいが、以前働いて居た人等は機会が有れば取材をして来た。今は中国の諜報力が凄いと云う人も居るが、CIAは予算も人員も影響力も歴史も含めて大きな組織だ。
 特にCIAに関心を持って居た中で、日本人でCIAに関わって居た人が居ると知人から聞き、それは面白いと思った。
 CIA局員は仕事柄、自分の身分も任務も周囲に明かす事は無いが、キヨが日本語インストラクターをして居た当時の教え子、詰まり対日工作に関わった元スパイに話を聞けるかも知れないと為り、これは是非本にしたいと思った。

 



 名古屋にもCIAの協力者が居た

 ・・・CIAと云う組織とその任務は、今も拡大して居るのか。

 実際の処の細かい人員数や予算は、機密情報なので分から無い様に為って居る。只恐らく、人材の質は変わって居たとしても、規模は変わって居ないのではないか。今諜報活動は過渡期にあって、デジタル化が進み、ハッキング等が非常に重要に為って居る。
 昔は人を尾行して居たが、今はその必要も無い。過つてはウォーターゲート事件じゃ無いが、ビルに入り込んで情報を盗むと云う事を遣って居たが、今はその必要も無い。

 例えば、イスラエルのネタニヤフ首相は昨年、イランが核兵器を開発して居ると言ってイスラエルの国防省で会見を行った。その証拠がコンナニあると、イランから盗んで来たと云う資料を大量に提示した。多分盗んだものをヘリにでも乗せて逃げて来たのだろうが、今はその必要が無い。
 物理的に持ち出して、逃げて来るのは大変だしリスクが伴う。いかにデジタル化して盗む事が出来るか、と云う技術力の方が今は重要に為って居る。スパイ活動も変わりつつある。

 ・・・CIAはハッカーを養成して居るのか。

 CIA専門のハッカーは居る。ハッカー等を扱って居た元CIA幹部を知って居るが、局員以外でも協力者や契約職員としてハッカーを囲って居る。アメリカにはNSA(国家安全保障局)があるので、そこには米国でトップの数学者やハッカー達が揃って居る。
 NSAは軍寄りなのでCIAとは余り仲が良く無いと言われるが、作戦に為ると一緒に活動する。例えばアフガニスタンにドローンを飛ばす指揮はCIAが執るが、何処に敵が居るかをハッキングや盗聴等で調べるのはNSA等の組織だ。

 ・・・日本にCIA工作員はどれ位居るのか。

 分から無い。だが1つだけ言えるのは、日本からも欲しい情報は有ると云う事だ。日本の中枢に居る様な人達で、日本版の国家安全保障会議(NSC)とか、内閣情報調査室とか、アア云う情報関係の人達はCIAと繋がって居るだろう。これ等で働く人達は、部下達から直ぐに情報を集められる。
 情報の世界は絶対にギブ・アンド・テイクなので、ギブだけと云うのは有り得無い。テイクしないといけ無いので、恐らく日米も有る程度はギブ・アンド・テイクで遣って居る。当然、提供出来無い情報は有るだろうが、日米間で「協力」と云うのは常に遣って居ると思う。
 日本の場合はアメリカから情報を盗まれても致命的に成程では無いのでは無いか。只、それが経済問題や民間企業の場合は、知的財産等が盗まれる事に為る。例えば名古屋にもCIAの協力者が実際に居たと聞いて居る。

 日本国内にCIA養成学校がある

 ・・・山田さんはこれ迄諜報関係者に数多く取材をして来ているが、彼等は何故取材に応じて呉れるのか。彼等に取って、取材に応じる事による「テイク」は何か。

 彼等が今遣って居る仕事にプラスに為ると考えて居るのではないか。CIAを辞めた後に民間企業に入る人はとても多い。コンサルタントの様な事をして居たり。そう云う人達が、記者である自分と繋がって居た方が云いと思うから喋って呉れるパターンは有るだろう。若しくは、こう云う話が有ると伝えると、ココ迄だったら話しても好いと、自分との関係性の上で話して呉れる人も居る。
 だが今回の取材で一番大きかったのは、答えて呉れた人達がキヨの事を尊敬して居たと云う事だろう。キヨの人生がこう云う形で、歴史には記録され無いママ終わって行くと云う事を、自分達も同じ仕事をして居るので知って居る。そんな中で、もうキヨは亡く為って居るし、彼女が遣って来た事を歴史の一部分として、完全に匿名でと云う条件でなら話しても好いと応じて呉れた。彼女が生きたと云う事を遺したいと云う私の意図に乗って呉れたのだと思う。

 



 ・・・CIAで働いて居た日本人はキヨだけでは無かったのか。

 日本人が居たのかは判ら無い。日本語を教えて居たのはキヨだけでは無く日系人は居た。キヨよりも後の世代の日系人で、取材に応じて呉れ無かった人も居た。

 ・・・著書の中に、CIAを養成する学校が日本にも在る、と云う件(くだり)がある。そこでは何人位養成して居るのか。

 CIA以外にも、色々な立場の人が入り混じって居て、何の組織か好く判ら無く為って居る。それ以上、詳しい事は此処では言え無いが(笑)。因みに、日本国内の各国大使館に、夫々の国の諜報職員を紛れ込ませて居ると云うのは有名な話だ。

 ・・・日本にCIAの様な組織はあるのか。

 強(し)いて言えば内閣情報調査室だが、内調は基本的には国内の事をメインに扱って居るだろう。日本の組織の中で海外の諜報活動をして居る処はホボ無いと言って好い。だが警察関係の中に、海外に行って動いて居る人達は居る。とは言えその人達も、国外で集めて居るのは日本人に関する情報だ。そう云う事も含めて考えれば、日本にはCIAと同じ様な組織は無いと言える。
 恐らく何処の国にもCIAの様な、国外で自国の国益に為る様な情報を拾う、若しくは自国に危険が及ば無い様に情報を収集する組織は有るのだが日本には無い。それだと日本を守れ無いので、日本版CIAを作った方が好いのでは、と云う話は政府関係者の中でも聞かれる。

 元CIA局員が語る、JICAとCIAの類似性

 只、この取材で会った元CIA局員から面白い事を言われた。「日本はJICAって有るでしょう。アレって、ホボCIAみたいじゃないか。可なり色々な情報を収集して、政府関係者等にも可なり食い込んで居るでしょう」と言うのだ。
 世界中にオフィスを持つJICA(国際協力機構)やJETRO(日本貿易振興機構)は各国で莫大な資金を使ったプロジェクトを行って居るので、その国の中枢で働く人や省庁の役人達、もっと言えば大統領等とも繋がる事が出来る。信頼もされて居るだろうし、アア云う人達は全部CIAに出来ますよね、と冗談っポク言われた。
 CIAも、局員の遣って居る事の多くはペーパーワークで、後は現地のスパイ達に情報を集めさせたりして居る。集まった情報を局員がマトメて上に挙げる。JICAで働く人達が既に遣って居る様な事だ。JICAはコバートアクションと呼ばれる秘密作戦や工作は遣ら無いが、情報収集に関しては既に行って居る。
 彼等はドチラかと云うと現地寄りなので転換は必要だし、そもそもJICAの職員は途上国支援等と云った志が有るので情報収集を仕事にはしようとはし無いだろうが、彼等の持って居る情報網はCIAの様な情報活動に近い、と云うとイメージし易いかも知れない。

 ・・・著書の中で、日本のジャーナリストも実際にCIAにリクルートされたと云う話が出て来る。今でもそう云う事はあるのか。

 CIAに限らず、居るでしょうね。名前は言え無いが。只、例えばイギリスの諜報機関が「協力者」を使う場合、使われて居る方は自分が協力者に仕立て上げられて居る事を知ら無い場合がある。普通の会社員が、知ら無い間に諜報工作に手を貸して居る場合はある。


 ・・・山田さん自身は、リクルートされた経験はあるか。

 一切無い。誤解され易いのだが(笑)。

          小暮聡子(ニューズウィーク日本版記者) 以上



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れいわ新選組・山本太郎代表 北海道の利尻島入り「1枚でも多くポスターを」全国行脚で支持拡大狙う




  れいわ新選組・山本太郎代表 北海道の利尻島入り
 
 「1枚でも多くポスターを」全国行脚で支持拡大狙う







     〜北海道放送(株)HBCニュース 9/18(水) 18:50配信〜


 7月の参議院選挙で躍進を遂げた「れいわ新選組」の山本太郎代表が、18日、北海道の利尻島に入りました。次の選挙を見据え、道内での支持拡大を狙います。18日午後2時頃、利尻島に降り立った「れいわ新選組」の山本太郎代表です。

  「(利尻島は)初めて。空気の澄んだ感じがハンパ無い。好い処に来たなと。でもプライベートじゃ無いので。兎に角1枚でも多くポスターを貼らせて頂く」(れいわ新選組・山本太郎代表)

 「れいわ新選組」は、結党から僅か3か月、国会で2議席を確保。山本代表自身は参議院選挙の比例代表で落選したものの、99万票を集める等党の躍進に貢献しました。次に見据えるのは、衆議院選挙。100人規模の候補の擁立を目指して、利尻島を皮切りに18日から全国での活動をスタートさせました。住宅を一軒一軒訪ね、党のポスターを貼って貰えないかお願いします。

 「SNSは自分で見に行か無いと見られ無い。(ポスターは)街角で目にするので宣伝効果がある」(山本太郎代表)

 身軽さを重視したラフな格好も「山本流」1人でも多くの有権者に直接、思いを届けます。

 「全国横断的な問題と云うのは数々あると思う。地方衰退や最低賃金が安いとか。それ以外にも(北海道の)独自の問題は有ると思う。そう云うものは何なのか知りたい」(山本太郎代表)

 山本代表は、今月28日まで釧路や札幌等を廻る予定で、道内での支持拡大を狙います。


           北海道放送(株) 以上








 れいわ山本代表、利尻島から全国行脚「先ず知って頂く」

          〜読売新聞オンライン 9/18(水) 19:05配信〜



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   支持者にチラシを手渡す「れいわ新選組」の山本代表(18日北海道・利尻島で)


 「れいわ新選組」の山本代表は 18日、次期衆院選に向けた党勢拡大の為、北海道で全国行脚をスタートさせた。次期衆院選では100人の擁立を目指して居り、全国行脚を通じて候補者の掘り起こしも進める考えだ。
 山本氏は18日、北海道・利尻島を訪れ「先ず、(党の)存在を知って頂く。足を使いながら遣って行く」と語った。雨の降る中、同行した党職員等と共に、住民の許可を得てポスターを貼ったり、党の政策が書かれたチラシを配ったりしながら島内を歩き回った。
 全国行脚の「第1弾」が北海道で、28日迄釧路市や札幌市、旭川市等を回る予定だ。これに先立ち、れいわは17日、国会近くの東京・赤坂に党本部を開設した。


            読売新聞 以上







 「れいわ新選組」全国行脚スタート 支持拡大へ北海道から

             〜共同通信 9/18(水) 18:41配信〜

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    住民と握手する「れいわ新選組」の山本代表(左)18日午後、北海道利尻富士町

 れいわ新選組の山本太郎代表は18日、北海道・利尻島を皮切りに全国行脚を始めた。次期衆院選を見据え、ミニ集会や街頭演説を通じて支持拡大を狙う。山本氏は「私達が何をして居るか、知って居る人を増やしたい」と記者団に語った。参院選で主要公約に掲げた消費税廃止を訴えながら、年内に全国を一巡する予定だ。
 山本氏は「生活や経済が後退する原因を作って居るのは消費税だ」と強調。遊説の起点に北海道を選んだ理由に付いては「環太平洋連携協定(TPP)等で地方の衰退が加速して居る。その象徴が北海道だ」と述べた。

 28日まで道内を回り、有権者と対話を重ねる。

                 以上


 




  北海道・利尻から全国行脚開始 れいわ・山本代表

          〜北海道新聞 9/19(木) 6:03配信〜


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  宗谷管内利尻富士町内で、住民の許可を得てポスターを張るれいわ新選組の山本太郎代表(手前)


 道内に11日間 ポスター張りや街頭演説

 【利尻富士】「れいわ新選組」の山本太郎代表は18日、宗谷管内の利尻島を皮切りに全国行脚を始めた。先ずは道内を党首としては異例の11日間掛けて回り、道東や札幌等でポスター張りや街頭演説を行う。次期衆院選での全国的な候補者擁立を視野に知名度を高める狙いで、立憲民主党の牙城とされる道内を手始めに、全国で多くの有権者と接する「ドブ板戦術」を繰り広げる。

 「国の失策により地方都市の衰退が加速して居る。その象徴が北海道だ」山本氏は18日、利尻富士町内で、道内を全国行脚のスタートに選んだ理由を記者団に語った。この日は激しい雨の中、住宅を1軒1軒訪ねてポスターを張る許可を得たり、住民等と握手して支援を求めた。住民の80代の女性は「政治家が離島に目を向けて呉れるのは好い事だ」と歓迎した。
 「全国ツアー」と題した行脚では、山本氏が地域の課題等を聞く他、次期衆院選を睨み、街頭演説や集会等を開催。候補者に為り得る人材の発掘も目指す。19〜28日は稚内・網走・釧路・根室・札幌・旭川・帯広を回る計画。年内に全国を一巡する。

 山本氏は記者団に「(7月の参院選で)政党要件を得たから躍進出来る訳では無い。草の根、足を使いながら遣る」と強調。人口の少ない地域からのスタートは、政治的影響を受けた自由党前共同代表の小沢一郎衆院議員の「川上戦術」を思わせる。
 訴えの中心に据えるのは「消費税減税」だ。山本氏は8月、野党各党に消費税率5%への引き下げを共通政策として、次期衆院選での共闘を呼び掛けた。山本氏は消費税減税で一致すれば「政権交代するのではないか」と自信を見せる。

 只、この提案に共産党は賛同したものの、立憲民主・国民民主の両党は表立った反応を示して居らず「何処までお付き合い出来るか」(立憲民主中堅議員)と様子見の空気も漂う。
 れいわは消費税率5%が共通政策と為ら無かった場合、単独で全国に100人規模を擁立する構えを見せる。山本氏は道内で、次期衆院選での候補擁立検討を表明する一方「野党共闘のバランスを崩す事はし無い」と協調も重視する意向を示して居る。


          北海道新聞   以上


 



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2019年09月18日

インド人が驚く日本の「ナン」独自過ぎる進化



 
 インド人が驚く日本の「ナン」独自過ぎる進化





 ホッピーも有る「インネパ料理店」ってナンだ


   〜東洋経済ON LINE 田嶋 章博  ライター編集者  著者フォロー 2019/05/06 5:40     


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 インド料理店に行くと、コンな光景が好く見られる。ターリー皿(銀色の丸い大きな皿)の上に、バターチキン等のカレーと生野菜サラダ。そしてその横には、ターリー皿から食み出した巨大ナン。
 処がカレーの本場・インドでは、こうした大きなナンは先ず見られ無いと云う。何故日本のナンは、インドよりも大きく為ったのか。その謎を解くカギが、近年激増して居るインド・ネパール料理店、通称「インネパ店」にあった。

 ナンを見た事の無いインド人も

 そもそもインドでは、ナンと云う食べ物自体がそれ程一般的では無いと云う話を好く聞く。実際はどうなのだろう。インド食器輸入販売店「アジアハンター」店主でインド現地の事情に精通する小林真樹氏に話を聞くと、こんな答えが返って来た。

 「ナンは北インドやパキスタンの一部では日常的に食べられて居ますが、それ以外の地域では高級寄りのレストランで出される位で、多くの庶民には身近では有りません。在日のインド人から『日本に来て初めてナンを見た』と云う話も何人からか聞いた事があります」

 因みに、写真の様な日本のインド料理店で一般的なスタイルは、北インドの料理がルーツと為って居る。ナン、バターチキン、タンドリーチキンと云ったメニューに代表される北インドのスタイルは、今や日本のインド料理店で広くフォーマット化して居る。
 処が、インドには北インド料理以外にも、南インドスタイルや、東インドのベンガルスタイル等、土地によって様々な料理が存在する。多くはナンが主食では無い。にも関わらず、日本には何故インドの一地方に過ぎ無い北インドのスタイルが圧倒的な主流と為って居るのか。

 その理由は意外にもロンドンに有ると云うのが、南インド料理店「エリックサウス」等を展開する円相フードサービス専務の稲田俊輔氏だ。稲田氏はエリックサウスの全メニューの開発を手掛け、インド料理やカレー文化に詳しい。

 「インドがイギリスの植民地だった時代、イギリス人駐在員達は、現地インドの使用人がイギリス人向けにアレンジしたインド料理に親しみました。そして1947年のインド独立後、スパイス料理の魅力を知って本国に戻ったイギリス人に向け、今度はインドやバングラデシュの人達がロンドンに移り住み、インド料理レストランを開いたんです。
 ヨーロッパ人向けのレストランと云う事で、そこでは肉をメインとしたカレーやタンドール料理、そしてパンに趣が近いナンと云う、所謂北インドの料理をベースとし、更にそれを食べ易くアレンジしたスタイルが定着します。その後、当スタイルはインターナショナルインド料理として各国に広まり、逆輸入の形でインドにも入りました。そうして伝播した国々の一つに、日本もありました」


 



 日本での進化を担った「インネパ料理店」

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    日本人客で賑わう東京・森下のインド・ネパール料理店「サッカール」(撮影:梅谷秀司)

 1970年代から1990年代に掛け、このロンドンスタイルを取り入れたモティ、サムラート、ラージマハール、マハラジャと云ったインド料理店が日本で大人気に。豪華な内装に、クリーミーなカレー、そして豪快でエキゾチックなタンドリー料理、フカフカのナン。既にヨーロッパ人向けにアレンジされたスタイルだっただけに、日本人にも受け入れ易かったのだろう。
 以降このスタイルは「日本人に一番請けるスタイル」として多くのインド料理店が採用し、日本人にも広く受け入れられて行き、完全に定番化する。

 処が、このロンドンを経由したスタイルは、日本でその後更なる大進化を遂げる事に為る。その中心的な役割を担ったのが「インネパ店」だった。
 インネパ店とは、ネパール人が経営するインド料理店の通称だ。インド料理と云えばインド人経営が一般的かと思いきや、近年はインド人経営の店よりインネパ店の方が多いと言われる。仕事とライフワークで日本全国のインド料理店を長年巡って来た前述の小林氏もそれを実感して居ると云う。

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 インド食器輸入販売店「アジアハンター」店主・小林真樹氏。印・日のインド料理店を数々食べ歩いてきた。5月中旬に著書『日本の中のインド亜大陸食紀行』(阿佐ヶ谷書院)を上梓(撮影:梅谷秀司)

 「数としてはインネパ店の方が圧倒的に多く、今現在も増え続けて居ます。元々ネパール人は、インド人より人件費が安い上真面目で素直な人が多いと云う事で、1970〜1980年頃から日本のインド料理店で好く雇われて居ました。そして1990年代以降、彼等が独立してインド料理店を始めたのが、インネパ店の起こりと言われます。
 お店が1店在ると、従業員として地元のネパール人を日本に数人呼べるので、ネパール人が沢山来日しました。更にそこから独立する人も出て、インネパ店はドンドン増加。それにより、20年程前はインド料理店と云えば1駅に1店位しかありませんでしたが、今や4〜5店在る事も普通に為って居ます」(小林氏)

 インネパ店の急増は、日本で確立されたインド料理のフォーマットを、より進化させる事に為る。前述の稲田氏はこう話す。

 「日本人が喜ぶものをと云う事で、ナンはドンドン大きく、甘く、フカフカに為って行きました。又、意外と気付き難い処で大きかったのが、カレーのグレービー(汁気)の分量です。以前はグレービーと具の分量はおおよそ半々だったのが、グレービーが多いカレーに慣れ親しんだ日本人のニーズに応え、今やグレービー8・具2位の割合に為って居ます。
 他にも、以前はあったインドの前菜は生野菜サラダに変わり、更に近年はそれを生春巻きに変える店もあります。こうして日本人が好みそうなものを徹底的に追求する事で、他国のインド料理には先ず無い、日本ならではのスタイルが生まれました」


 こうした流れは、インド料理に対するネパール人とインド人のスタンスの違いが大きく関係して居ると小林氏は言う。

 「インド人の方々も様々な工夫をされて居ますが、ヤッパリインド人に取ってのインド料理は、物心着いた時から慣れ親しんで居るもので、こうあるべきもの』と云う拘りや思い入れが強く有る。対してネパール人に取ってのインド料理は、決して子供の頃から食べて来たものではありません。だからコソ固定概念に囚われず、柔軟にアレンジして行けるのだと思います」

 今やインネパ店には「チョコレートナンやハニーチーズナン、更にはめんたいこナンやあんこナンを出す店もあります」と小林氏。「最近はインド料理だけで無く、タイ料理やベトナム料理を出すインネパ店も好く見ます」

 インネパ店の中にはクオリティの低い店や、短期間で閉店してしまう店も少なからずあるが、反対に多くの顧客の支持を得て、次々と支店を出す繁盛店もある。

 「例えばイオンモールや、東京駅近くの有名駅ビル等、普通にはナカナカ入れ無い商業施設に入るインネパ店も目にします。先日納品に行ったお店は、大きなショッピングモールの1階の一等地に、100席以上もある巨大な店舗を構えていました」(小林氏)

 



 居酒屋メニューやホッピーまで

 インネパ店には、こんな裏技的な楽しみ方もある。その一つが「居酒屋使い」だ。カレーとお酒は一見合わ無そうにも思えるが、それを補って余り有るのが、魅力的なサイドメニューだ。

 「居酒屋で働いた経験のあるネパール人が手掛けるお店が意外と多く、そう云う店には、梅きゅうりやひざ軟骨揚げ、レモンサワーと云った居酒屋メニューがあったりします。時にはホッピーを置いていたりも。お国柄、インド人よりネパール人の方が、酒飲みが断然多い為か、飲めるメニュー展開である事が多いんです。価格もリーズナブルです。
 又ネパール人と云う事でモモ(ネパールのスパイシーな餃子)やチョエラ(肉のスパイス和え)と云ったネパール料理を出す店もあり、そちらも摘まみとして最高です。それと意外にも、インネパ店をファミレス的に使う子連れのママさん達も見掛けます。ネパール人の多くは子供の騒ぎ声や長居に対して寛容なので、気軽にママ会等を行えるのでしょう」(小林氏)


 インド料理やスパイス料理の入門店として、そして多様な使い方が出来る店として、数を増やし続けるインネパ店。その間口の広さと使い勝手の良さを踏まえると、まさにインド料理界のファミレスとも云うべき存在なのかも知れない。勿論、ストイックに味を追求する店もある。何れにしても、そうしたローカライズをネパール人が担って居るのが、とてもユニークな処だ。


                以上


 



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日本人が知ら無い「インド」強烈な不条理と魅力




 【世界紀行】日本人が知ら無い「インド」強烈な不条理と魅力


          〜東洋経済オンライン 9/18(水) 15:00配信〜


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 深刻な貧困等の問題を抱える一方で、アメリカのシリコンバレーを支える人材を輩出するIT大国でもあるインド 13億人が住む「混沌の国」の素顔は(写真:Arkadij Schell/iStock)


 〜13億人・・・10年以内に中国を抜いて人口世界一。GDPも10年以内に日本を追い越すと予想されるインド。その巨大市場に企業が熱視線を送って居る。
 社会・経済・市民生活、様々なデータを挙げつつ、著者が触れて来た在りのママのインドを描く『新インド入門 生活と統計からのアプローチ』を書いた国際交流基金職員の田中洋二郎氏に聞いた〜



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             国際交流基金職員の田中洋二郎氏


 物乞いの数やアグレッシブさも激しい

 ・・・依然として、訳の判ら無い、混沌の国と云う印象なんですが。

 強烈なイメージを放つ国ですからね。貧困レベルも、物乞いの数やアグレッシブさも激しい。一方で、数字のゼロを発見した国であり、アメリカのシリコンバレーの基盤を支えるIT人材供給国でもある。

 ・・・え、物乞いがアグレッシブ? 

 オート三輪に乗って居た時、道端から物乞いが飛び掛かって来て、持ってたペットボトルを奪われた。それが空だったから「フザケんなっ!」と力一杯投げ着けられて。堂々と物乞いして来るし、成果が無いと堂々と怒って来るし。

 ・・・処で今回、統計を用いたアプローチを試みたのは? 

 一度インドに纏(まつ)わるイメージを壊して貰いたかった。道端の貧困だけ思い浮かべて居ると、今の経済大国インドが見え無く為る。数字は私の意見でも誰かの意見でも無く事実を物語りますから。

 ・・・インドが大国なのは頭では理解して居るんですが、如何(いかん)せん感覚との間にギャップが……。

 矛盾するイメージを大量に放ち続けてる国なんです。経済発展著しいのに何で道が汚いママなんだ、何で農民は貧しいママなんだと当惑するかも知れない。でも人口13億に270の言語を抱える国の舵取りは難しいのが現実。中国の様な1党独裁じゃ無いから、上海からはスラムが消えてもインドの都市からは絶対無く為ら無い。

 



 ・・・田中さんご自身、意外だったデータはありましたか? 

 飲酒経験の無い人が9億人と云うデータ。ヘエそんなに居るんだと。イスラム教徒が2億人居て、人口の8割を占めるヒンドゥー教徒も禁欲の傾向が強いんだけど、飲む人は凄い飲むんです。個人の自由と云うか、個人の選択がそのママ尊重されて居る感じで。後ボリウッド。ハリウッドの3倍映画製作して、観客数もアメリカの2倍。世界一の映画大国です。

 実は牛肉輸出量は世界一

 ・・・牛が神聖視されて居て、街中を闊歩して居る姿も浮かびます。

 ヒンドゥー教では、牛は食べ無い殺さ無い。4年前、牛を殺して食べ冷蔵庫にも保存して居ると云う噂から、リンチ殺人事件が起きた。処が南東部諸州では牛の屠殺(とさつ)が認められて居て、牛肉の輸出量はインドが世界一です。イスラム居住区に行けば普通に買えるし、牛肉を食べる人もブラジル・アメリカ・オーストラリアに匹敵する位多い。

 ・・・日本でも数年前にインド式算数がブームに為りましたが、自然科学系学位取得者数が33万人居て、コチラの数も世界一と。

 インド式掛け算、アレ暗記して居る人結構居ます。インドの教育って基本暗記型なんです。頭が好いって云うのは、記憶力が抜群に好い事を指す。暗算が速いのも、それだけ多くパターンを覚えて居るから、3桁も4桁もコツさえあれば後は暗記で応用が利く。
 インド人が何故数学に強いのかは、私も好く判ら無いんです。ココに来て色んな偶然が重なったと思うんですけど、ソモソモ英語が出来れば海外で仕事が出来る。その時に理系の知識があれば更にお金が稼げる。
 今や世界に名の知れたインド工科大学(IIT)は、頭脳立国を掲げて初代ネルー首相が創立した。それから70年、グローバル化時代が到来し、英語が出来、且つ理系に強いと云う事で卒業生が世界の一流企業へ羽ばたいて行った。それに続けと機運が高まり国も後押しして来た。

 ・・・更に象徴的なのが、未だ強固なカースト制度。最下層2億人の不可触民は、その身分をどう受け入れて居るのでしょう? 

 自分の周囲が皆そうで、生まれてからズッと諦めて生きる様教えられる。何か突出した才能に目覚める事でも無ければ、これが自分の世界と云う思考に為るのは仕方無いかも知れない。それが何千年も続いて来た。
 只、都市部に限った話ではありますが、近年はカースト以上に英語力や高等教育、コンピュータ知識等がモノを言う現象も起きて居ます。
 低いカーストでも理系の才能や商才が有れば、チャンスが回って来る。この社長は自分より低いカーストだけど、上質の服を着て高いものを食べて居る。そうハッキリ見える形で低カーストの成功者が増えて来ると、経済活動においてカーストの位置付けは凄く曖昧に為る。只家に戻れば、俺の娘を下のカーストに遣る訳には行か無いと云う、浄不浄の考え方は未だ根強いですが。

 



 農村部ではレイプは普通に有る

 ・・・本の中に「インドでは女性は常に不条理を受け入れる側に居る。問うてみても意味が無い」と云う一文がありました。ネットでもインドの性犯罪が好く報じられますが、件数自体増加して居るとか。

 男尊女卑社会で有る事は間違い無い。全ての職業は男性が主導権を握ってるので、女性は生きる為に男性に従うしか無い。表面上は禁欲社会なので、ハケ口を求め男性の負のエネルギーが爆発する事がある。実は農村部ではレイプは普通に在って、誰も気に留めて来なかった。
 でも2012年に首都で起こった「ギャング・レイプ」事件は、医学生だった中流階級の女性が襲われた事で大きく報じられた。夜遅くボーイフレンドと歩く女性は、昔の価値観からするとフシダラナ女性だったんですね。何千年の古い価値観と新しい現象が今衝突して居るんです。

 ・・・最終章で「インドは美しい」と云うイメージを加えたいと書かれて居る。でも一般人からすると、それ、一気に飛び過ぎです。

 インドって昔から好き嫌いが分かれる。嫌いな人は最初に結論アリキで、インドは汚い、だからココがダメ、インド人はウソツキと為る。負のイメージを補強する材料ならインドは事欠きませんから。一方インド好きな人は、目の前で起こってる事を何故?と考え、自分なりに解釈してその都度、こんな部分も有るんだなと違った推論を同居させられる。
 結論アリキだとインドは見え無い。自分からアプローチして行か無いと、適当な看板がソコラ中に転がってる国ですから。


           中村 陽子 東洋経済記者   以上


 



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