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2019年09月29日

原子力発電をどうする?  その2



 原子力発電をどうする?  その2






  2 何重にも防護が有って決して「絶対に安全」で無い

 核発電は何重にも防護が有って絶対に安全だと関係者は言い続けて来ました。しかし、それは彼等の勝手な「想定」に基づいての話で「想定」の外では全く安全で無い事は、見る人が見れば歴然として居ました。
 多くの人が警告を発して居ました。しかし経産省も保安院も安全委員会も東電も、そう云う警告を全て無視しました。今頃に為って想定外だったと言って居ますが、何の弁明にも為って居ません。

 東電福島3号炉の核爆発の状況は、先ず火を吹いて、それから黒い巨大な噴煙が立ち上りました。 1号炉の水素爆発と比べれば3号炉の爆発の様子は明らかに違います。1号炉は建屋内に溜まった水素が、酸素と化合して爆発したもので、核反応は無関係と考えられて居ます。
 水素と酸素の化合と云う化学反応のレベルなのでエネルギーの放出もそれ程多くは無く、白い雲が横に這う様に膨張して居ます。  

 しかし3号炉では黒い煙が垂直に数百メートル急上昇して居ます。(建屋高さが50メートル)これは原爆のキノコ雲に似て居ます。原爆のキノコ雲は、核の内部から放出される強烈な核反応エネルギーによって周囲の空気が強烈に熱せられて火の玉と為り、周辺の空気を吸い込みながら急上昇する為に発生します。
 それと似た現象が3号炉で起きて居ます。又周辺の可燃物が発火した為に黒い雲と為って居ます。大きな重量物が二つ吹き上げられて落下して来て居ます。    

 アメリカの原子力技術者で70基以上の原発を建設して来たグンダーセン氏の見解では、3号炉では先ず水蒸気爆発が起きて、その衝撃で原子炉建屋の上部にあるプールに並べて在った使用済み核燃料の一部が圧縮されて密度が高まり、臨界に達して連鎖反応が急激に起きたのだろうと云う事です。
 3号炉では昨年10月からプルサーマル運転が始まって居ますが、プルトニウムが多い事も連鎖反応が起き易い原因に為ったのかも知れません。

 2011年4月7日に東京の杉並区のビルの屋上で、フロアーの上に白い粉が積もって居て、そこに検出器を置くとカカカカカカと強い連続音と共にメーターは6.39マイクロシーベルトを示しました。そのママ年間に換算すると56ミリシーベルトです。東日本では、放射線障害の前駆症状である下痢や鼻血が多発して居るそうです。

 その3につづく













2019年09月28日

原子力発電をどうする?  その1




 原子力発電をどうする?  その1







 1 最早、経済的にペイし無いと判って居る

 核発電がダメな第一の理由は、安全性ウンヌンの前に、経済的にペイして居ない事です。詰まり採算が合って居ません。ですから核発電は、普通の資本主義・自由主義の経済の枠組みの中には存在出来無い筈のものなのです。
 政府発表のエネルギー白書で、原発(核発電)の発電コストは1kwh当たり5〜6円で他の方法より可なり安く為って居ます。しかしこれがウソなのです。経産省がどうしてこんなウソを着くのでしょう。核発電の行政が根本から歪んで居る証拠です。
      9-28-1.png  9-28-1

             政府発表のエネルギー白書

 これ(下図)は、2011年4月22日に行われた孫正義さんのプレゼンテーションで示されたグラフです。電力会社が核発電の建設を申請する時に、経産省に提出した申請書の中に記載した発電コストの集計です。1980年頃の申請に7円位と云うデータが有りますが、後は全部10円以上で平均して15円位に為って居ます。

9-28-2.jpg9-28-2

 詰まり電力会社自身が15円位だと言って居るのです。それなのに経産省は、核発電の発電コストは5円から6円だとエネルギー白書に書いて居るのです。本当にどうしてそんなウソを着くのでしょう。
 正しく書くと上のグラフの様に為ります。もう他の方法に負けて居ます。しかしそれだけでは有りません。核発電にはもっとコストが掛かって居るのです。

 先ず、通常の経済活動では万一の為に保険に入ります。しかし核発電は事故が起きた時の保険に加入して居ません。一旦事故が起きると賠償金が莫大に為るので、保険会社が引き受けられ無いのです。
 政府が国策で核発電を推し進めた時、電力会社は事故が起きたら大変で、保険会社も引き受け無いからと嫌がりました。そこで政府が「事故が起きたら政府が払う、保険に入ら無くて良い」と云う法律を作ったのです。
 しかしそれはペテンです。核発電事故で損害を被るのは国民です。政府の金は国民の金です。国民が国民に補償しても何の意味も有りません。福島ではメリルリンチ日本証券の資産では48兆円位の賠償額に為ると云う事です。これ迄の40年間の核発電で作った電力の総量が6兆kwh位ですから、1kwh当たり8円の負担に為ります。

 次に、核燃料の残渣(ざんさ)の廃棄処理のコストが未だ計上出来ていません。どの位の費用が掛かるか「分から無い」と云うのが本当の処で、技術的に可能かどうかサヱ未だハッキリして居ません。出来たとして7円/kwh位掛かると云う説もあります。それ等を合計すると核発電のコストは30円/kwh位に為ります。
 するとコウ為ります。これでは火力や水力と全く競争出来て居ません。火力や水力を増やした方が経済的です。この様に核発電は全く経済的にペイして居無いのです。


 その2につづく















今度こそ「共産主義」は滅びるか? 香港危機が歴史の必然である理由




 今度こそ「共産主義」は滅びるか? 香港危機が歴史の必然である理由


            〜現代ビジネス 9/28(土) 7:01配信〜


       9-29-2.jpg

                  大原 浩氏


 




 一度は打ち勝ったと思ったが…
 
 2016年のトランプ政権誕生(任期は2017年1月20日〜)以来、世界秩序が大きく変わりつつ有る事は、多くの読者が感じる処であろう。
 ヒラリー・クリントン氏とドナルド・トランプ氏の選挙戦は、デッド・ヒートと為り、事前のオールドメディアの予想は全く外れてトランプ大統領が誕生した。この様な状況を考えると、トランプ大統領誕生が偶然であり彼が異端の様に見えるが、決してそうでは無い。世界の歴史の大きな流れの中で、生まれるべくして生まれたのがトランプ大統領なのだ。

 1989年のベルリンの壁崩壊、1991年のソ連邦崩壊によって、自由主義(資本主義)陣営は、共産主義陣営に打ち勝ったと誰もが思った。自由主義陣営の改革の為に尽力したロナルド・レーガン大統領の任期は1989年1月20日迄で在った。同じく「鉄の女」と呼ばれ、浸す自由主義を守る為に戦ったマーガレット・サッチャーの首相任期は、1990年11月28日迄である。
 ソ連崩壊の直前に2人が退任した事は象徴的で、2人の闘士の活躍によって自由主義が勝ち、共産主義が敗北したと誰もが思ったのも無理は無い。

 処が、その後共産主義中国が台頭した事に象徴される様に、世界の共産主義は死滅する処か、依然大きな勢力だ。ベルリンの壁やソ連邦の崩壊で破たんした共産主義が、何故こうも力を持つのか? 
 それを論じると、膨大な長さに為るので、1つだけ重要なポイントを挙げれば、共産主義は「君は悪くない、悪いのは資本家や政府だ」と云う悪魔の言葉を囁くからである。詰まり「金持ちの財産を奪って、皆で分けようぜ」と云う事である。この方式だと人口の多数を占める「持たざる者」は、何も失わずに取り分が増えるから、多くの人々が諸手を挙げて賛成する。

 リベラルは「偽装共産主義」

 しかし、その様な事を続ければ、汗水流して富を生もうとする者が居なくなる。これは、ベルリンの壁・ソ連邦の崩壊で既に実証されて居る。そこで、共産主義国家は「ペレストロイカ」や「改革・開放」で、共産党一党独裁のママ市場経済を導入しようと試みたのだが、ソモソモ一党独裁と「自由市場」は水と油の様なものであり上手く混ざら無い。
 「改革・開放」は一時的に成功したが、現在の香港問題に象徴される様に「両立し無い」事が明らかに為りつつある。従って、共産主義国家そのものは、長い目で見れば自滅する運命に有るから、それ程の脅威では無い。問題なのは、ベルリンの壁崩壊以後、カビの胞子の様に世界中に広がった共産主義である。

 共産主義と云う名前では、日常余り見掛けないが、プロパガンダに通じた彼等は、共産主義・左翼を「リベラル」と呼び変えて、先進資本主義諸国に浸透させた。
 1974年のノーベル経済学賞を受賞した、フリードリヒ・ハイエクも指摘する様に、今や「リベラル」は共産主義や左翼を意味する言葉として定着してしまい、レーガンやサッチャーの様な本当の「自由主義者」をリバタリアンと云う奇妙な名前で呼ぶ状況に陥って居る。それ程、共産主義者達のプロパガンダ能力は優れて居り、例えば、

 ・ 共産主義中国が、大量の餓死者を出した毛沢東の大失敗した経済政策を「大躍進」
 ・ 知識人を徹底的に弾圧し、中国の文化を破壊した現象を「文化大革命」
 ・ 人民を抑圧する武力組織を「人民解放軍」と言い換えて居るのは見事である。



 




 「共産主義」打倒は米国の民意

 5月6日の記事「『2権分立』と云う観点から考えてみる、日本と云う国の継続性」で述べた様に、日本の民主主義は「国家の象徴としての天皇」「世俗権力」が分離して居る事に依って守られて居る。
 江戸時代の様に、天皇の権威の下、世俗権力である征夷大将軍が政治を取り仕切るのが望ましい形であり、シンボルと世俗権力が一体化する天皇親政が非常に危険である事は歴史が証明して居る。

 英国も、日本と全く同じでは無いが、国王(女王)が象徴的存在で、議会が世俗を取り仕切るのは概ね確立された伝統であり「君臨すれども統治せず」は、余りにも有名な言葉だ。それでは、米国での二権分立はどの様に行われて居るのか? 
 勿論、他の先進国と違って、米国には元々王室と云うものが存在し無い。名門ケネディ家も歴史と云う面ではマダマダ力不足だ。筆者の持論に過ぎ無いが、米国の象徴は「独立宣言」だと考える。これこそが米国の「国家の歴史的起源」であり、各国の神話における「天地創造」(国の始まり)に相当するものだからである。

 詰まり、世俗権力であるどの様な大統領も、独立宣言で確立した米国の象徴である「自由と民主主義」に逆らう事は出来ず、世俗権力の独裁が抑制されて居ると云う事だ。勿論、トランプ大統領も、接戦の結果とは言え、国民の民主的手続きによって選出されたのであり「米国の民意」を代弁している。
 好く「自国第一主義」と批判的に論評されるが、正しくは「自国民第一主義」であり、米国の大統領が自国民の事を第一に考えるのは当然である。自国民では無く共産党や自分の親族の利益を優先する、共産主義国家や準共産主義国家の首脳達こそ非難されるべきであろう。或は、自国民より他国民を大事にする政治家は、国民によって徹底的に糾弾される筈だ。

 カリフォルニア州(特にサンフランシスコ)は共産主義(リベラル)の力が強い地域であるが、その様な地域を中心とした共産主義者(リベラリスト)の意見を殊更大きく取り上げるオールドメディアに惑わされては為ら無い。

 香港・台湾こそが冷戦の最前線である

 日本では色々な歴史的経緯等から「朝鮮半島」に付いて熱く語られる事が多いが、実の処、米国に取って朝鮮半島の38度線はそれ程重要なものでは無い。そもそも、北朝鮮が韓国に攻め入って朝鮮戦争が起こったのは、当時の米国が台湾や日本海を反共防衛ラインだと公言し38度線を重要視し無かった為、米国は反撃し無いだろうと北朝鮮が勘違いしたからである。
 米国は反撃しないだろうとサダム・フセインがクウェートに攻め入り湾岸戦争が起きた様なものだ。実際に攻め入ってみると、共産主義国に自由主義陣営の国を奪われる訳にはいか無いと云う事で、米国も反撃したが、38度線を重要視して居なかった米国は当初敗走を続け、その後の兵力増強で一時中国国境に近づいたものの、何とか最終的に38度線を維持した。

 今回も、在韓米軍の完全撤退が視野に入って居り、台湾・香港の戦略的重要性は明らかだ。8月30日の記事「中国は永遠に民主化出来無い……天安門事件より深刻な事態に陥る可能性」等で、これ迄も台湾(民主主義中国・中華民国)・香港の問題に触れて来たが、第2次冷戦における反共の防衛ラインは,日本海とこの2つの地域に為る。
 過去、台湾海峡において、何回も「危機」が在ったのは紛れも無い事実で、1954年の第1次台湾海峡危機から1996年に終結した第3次台湾海峡危機に至るまで、核戦争の恐怖を巻き起こした「キューバ危機」に匹敵する様な危険な状態が在ったのは厳然たる歴史だが、日本では余り知られて居ない。

 又、香港はまさに「共産主義と自由主義の境目」であり、欧米人の多くが香港は「自由主義陣営」だと考えて居るし、多数の自由主義陣営の国民が滞在し活発な経済活動を行って居る。習近平氏が、ナカナカ天安門事件の様な暴力による弾圧に踏み切れ無いのも、中国の首都北京での天安門事件とは違った自由主義諸国の強い反発を恐れて居るからである。

 

 トランプの自由主義・民主主義
 
 トランプ氏の世界戦略を考える上で、彼が根っからのビジネスマンで有る事を忘れては為ら無い。先ず、一部の独裁者と結託する様な輩は別にして、ビジネスマンに取って自由主義・民主主義は極めて重要なものであり、それを守る事を信条として居るのは当然だ。
 又、ビジネスマンで在る事は利益(国民の利益)を優先する考えにも通じる。既に述べた様に「自国第一主義」と呼ばれて居るものは「自国民(の利益)第一主義」なのである。従って、ネオコン等と呼ばれる人々と違って、決して好戦的では無い。

 他国を侵略して植民地にすれば儲かった時代(それさえも歴史を検証すると妖しいのだが……)と違って、戦争は自国民に利益を与えないし、何より選挙に不利だ。だから、拳を大きく振り上げて威嚇をするが、振り下ろしたくは無いのが本音だ。
 最近では、その手口が色々な国に見透かされて居る様だが、トランプ氏が躊躇無く拳を振り下ろす事が出来る大義名分がある。それが「自由と民主主義を守る闘い」だ。これコソが、米国の統合の象徴であり、独立戦争によって誕生した米国と云う国の正当性を示す根幹だ。この大義の為で有れば、米国民は若者達の血が流れる事を是認するであろう。

 そして、欧米人から見て「自由と民主主義」が最も脅かされて居ると感じるのが香港なのである。日本では余り騒がれ無いが、香港こそが欧米人から見たアジアの自由と民主主義の砦であり、もし冷戦がホット・ウォーに為るとしたらこの地域である可能性が高い。
 来年に控えた大統領選挙でトランプ氏が確実に再選されるとは言え無いが、例え民主党政権に変わっても「自由と民主主義」は否定出来ないし、増してや香港問題は「人権」も大きなテーマであるだけに、媚中の民主党も香港の民主派を支持せざるを得無い。

 冒頭でも述べた様に、トランプ政権の誕生は、ベルリンの壁崩壊以来約30年振りの大きな歴史の方向転換であり、トランプ氏はその大きな歴史の歯車にしか過ぎ無い。英国で、ボリス・ジョンソン氏が首相に為ったのも歴史の必然である。
 現在、トランプ大統領の世界戦略と思われるものの大部分は、実の処歴史の必然であり、次回米国大統領選挙でトランプ氏が当選しようが落選しようが、その流れは変わら無い筈である。


           大原 浩    以上






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2019年09月27日

台湾は親日的なのに、韓国が反日的なのは何故か?




 台湾は親日的なのに、韓国が反日的なのは何故か? 

 明治初期の「バグ」が一因に


         〜〈AERA〉AERA dot. 9/27(金) 11:30配信 〜

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 姜尚中(カン・サンジュン 右)1950年生まれ。政治学者。東京大学名誉教授。主な著書に『悩む力』『続・悩む力』『ナショナリズム』『維新の影 近代日本一五〇年、思索の旅』等多数
 Danny Orbach(左) 1981年イスラエル生まれ ハーバード大学で博士号(歴史学)取得。専門は軍事史、日本及び中国近現代史。現在はエルサレム・ヘブライ大学アジア学部の上級講師(撮影/門間新弥)


 日本軍兵士が度々暴走したのは何故か。明治初期の「バグ」に目を向けたイスラエル人軍事史家のダニ・オルバフさんと政治学者の姜尚中さんが、今の日本に引き着けて語り合った。AERA 2019年9月30日号に掲載された記事を紹介する。

 姜尚中 昨年は明治維新から丁度150年。明治国家を振り返り、改めて考察する年と為りました。ダニさんが著した『暴走する日本軍兵士──帝国を崩壊させた明治維新の「バグ」』(朝日新聞出版)は、明治初期は明るかった日本が日露戦争を経て暗く為って行ったと云う、日本人の共通意識を覆す内容です。
 ダニ・オルバフ 多くの日本人は、日露戦争が終わってから日本は落ちて行った、と思って居ますよね。実は明治国家が始まった時に、不服従のルーツと為る志士イデオロギーと云うバグが既に存在して居たのです。
  明治維新後、華々しかった日本が次第に変質して国家主義へと変わって行った、と云うコンセンサスは、丸山眞男にも司馬遼太郎にも有りました。それに対して、この本では「そうでは無い」と間接的に言って居ますね。こうしたダニさんの論によって、近代史の見方が今後変わって来るかも知れません。


 




 ダニ 志士イデオロギーの最たるものは、明治初期に維新志士を靖国神社で祀る事にした政府の決定からも判ります。
  幕末の志士とは、或る種の暴力・テロを通じてでも物事を変えて行こうと云う人達ですよね。
 ダニ 山縣有朋や大山巌ら何人かの志士が陸軍将校に為った様に、明治は確実に幕末を引きズッて居ます。その後、西南戦争・張作霖爆殺・二・二六事件等、政府や軍上層部の意向を無視し、兵士が暴動・暗殺・クーデターへと突き進んで行った源と為るバグが、明治初期に既に埋め込まれて居たのです。
  司馬さんは『この国のかたち』で「統帥権によって日本は魔術の園に居た」と書いて居ます。

 ダニ 私も一番大きな間違いは、統帥権体制の在り方だと思って居ます。明治の国家は急いで作られた為、日常的に問題が発生し、解決する為に新しい構造を作ら無ければ為りませんでした。急いで動くと、間違いが起きるものです。
 同じ統帥権を置いていたドイツには軍事的内閣が在りましたが、日本では作られませんでした。ドイツの場合、軍事内閣で皇帝は軍の統制が出来ましたが、日本の天皇の統帥権は違います。天皇の命令で無ければ軍隊を動かせ無い事に為っては居ますが、天皇が意思を直接示す事は先ず考えられません。
 実際には軍上層部が天皇の意向を想像して軍を動かしました。この危ない志士のアイデアが、明治政府に受け継がれたのです。こうした軍の二重構造の「バグ」が独断実行を是とする第2の「バグ」を生み、際限の無い侵略と暴動を繰り返すバグと為って行ったのです。







  改めて思ったのは、戦前の日本はファシズムでは無く、内部がバラバラの状態だったと云う事。唯一、天皇陛下の下で一つにまとまって居る様に見えたけれど、可なりセクショナリズムが強かったのではないか。そこがナチスドイツとは大きく違うのかも知れません。
 ダニ 「植民地」としての朝鮮半島は天皇直属です。同じ「植民地」でも台湾は内閣直属でした。
  そうですね。今、日本人はどうして台湾が親日的なのに韓国が反日的ナンだろうと考えますよね。でもそれは、台湾統治と朝鮮半島の統治の組織構造の違いを考えると判ります。
 ダニ 当時の大日本帝国憲法の僅かな権利すら民衆に与えず、総督が天皇の代理人として弾圧出来たのが朝鮮でした。朝鮮では総督が代々陸海軍大将で在ったのに比べ、台湾では大正8(1919)年から昭和11(36)年迄貴族院議員の政治家が続きました。

  天皇直属と為れば、時の政府も口出しは出来ません。台湾と朝鮮半島でどうしてこの様な統治の違いに為ったのかが不思議なのですが、天皇統治とは或る意味、統帥権が不可侵であるのと同じです。
 最終的に同化政策の時は、君達は日本の本土に居る人達と変わら無い、と云う事に為ります。天皇の愛顧を皆に挙げると云うのは大変な恩恵であると云う発想です。それを天皇統治では一方的にドンドン進めて行く事に為り、朝鮮半島の日本に対する評価が変わって来る訳です。


(構成 編集部・三島恵美子)※AERA 2019年9月30日号より抜粋

                以上






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北京新空港も開業 国際空港巨大化でトランジット難民続出か?




 北京新空港も開業 国際空港巨大化でトランジット難民続出か?

           
            〜FRIDAY9/26(木)  16:01配信〜

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         9月25日にオープンした「大興国際空港」 写真:アフロ



 




 今、世界中で国際空港の巨大化が進んで居る。この夏、海外旅行をした人の中にも、トランジットの際に延々と歩かされたり、乗り換え損ねたり、荷物の積み換えが間に合わずロストバゲージに為ったりと、トラブルに巻き込まれた人が多いのではないだろうか?

 そんな中、中国・北京に世界最大級の巨大空港「大興国際空港」が9月25日オープンした。総工費は1200億元(約1兆9000億円)鉄道路線や道路等周辺の整備費用も含めると総額4000億元(約6兆3000億円)にも上る桁違いの国家プロジェクトだ。
 何故中国は、ここ迄肝入りの巨大国際空港をこのタイミングに作ったのか。航空・旅行アナリストであり、年間100フライト以上に搭乗して居る鳥海高太朗(とりうみこうたろう)氏に話を聞いた。

 「必要に駆られてが、一番大きな理由でしょう。現在の北京首都国際空港と上海の浦東国際空港・虹橋国際空港は、便数、路線数を増やしたくても出来無い状況で、トウにリミットを越えて居ます。中国は2040年迄に年間旅客数を1億人に迄増やす計画の様です。
 後はココ数年、中東の航空会社が可なり力を着けて来て居るので、そこに対抗し、中国としての威厳を高め強い経済力を見せ着ける意味合いも有るのでしょう。現状は、サービス面等で中東が選ばれ勝ちですが、中国はソフトを改善する事で大きなライバルに為り得ます」



 




 今、北京『大興国際空港』が作られたワケ

 世界観光統計によると、2018年の海外旅行者総数は14億人。(UNWTO=国連世界観光機関調べ)2030年には18億人に拡大するとも予測されて居る。民族大移動と呼べる程多くの人々が国内外を移動するに当たり、必要不可欠なのはそれだけの人数を受け入れる事が出来る巨大な国際空港だ。そして人の流れが変わる事は、その国の経済にも多くの変化をもたらす事に為る。

 「空港を大きくする事によって沢山の便数を確保出来れば、目的地だけで無く、乗り継ぎの経由地として選ばれ、ビジネスマンや観光客等多くの人を誘致する事が出来ます。
 100以上の都市と繋がる、世界的なハブ空港を持つドバイは、経由地として利便性を高める事で金融の国に為りました。又、シンガポールも以前は飽く迄も経由地と云う位置付けでしたが、世界空港ランキング7年連続1位を誇るチャンギ国際空港の充実もあり、今では観光地として栄え沢山の企業が進出して居ます。空港の発展と比例して、その国の経済が発展して居るのは明らかです」


 世界中の大小様々な空港を利用して来た鳥海氏によると、現存する巨大空港の潮流は、主に二つに分けられるという。

 「一つは多くの便数・路線数を確保し、大量の利用者を受け入れる事が出来るスケールメリットを生かした空港、そしてもう一つは最初から乗り継ぎ客に照準を絞り、兎に角素早く簡単に、時間を掛けず乗り継ぎが出来る様利便性を重視した空港です。どちらもメリット・デメリットがありますが、利用する私達が用途に合わせて巨大空港を選ばないと、思わぬトラブルに巻き込まれる事もあります」

 事前に集めた「巨大空港で起きたトラブル」に関するアンケートによると、圧倒的に多かったのが、預け入れ荷物が行方不明に為ってしまうロストバゲージ。その次が、乗り継ぎが上手く行かず空港内を走らされる事だった。

  「JFK⇒LA⇒サンノゼと移動する際、LA便が遅れてトランジットに失敗。航空会社に代替便の手配をお願いしましたが、JFK空港の管制が遅れた所為なので自分達の所為では無い、レンタカーでも借りて行って呉れと言われ、空港内を走り回り、他の航空会社の便を購入。しかもロストバゲージ未遂と云う地獄を経験しました」(メーカー勤務 40代男性)

 「日本からクアラルンプール経由フランス行きでロストバゲージしました。飛行機が遅れたものの、乗り換えにはギリギリ間に合ったのですが、そんなに荷物の積み替えが早く終わる筈も無く、全員の荷物が置き去りに。後で何とか為るだろう精神で、取り敢えず人だけ送ったそうです。そしてパリに着いて手続きをすると、僕が少しフランス語が話せたのを好い事に、殆どの日本人の通訳をさせられました」(飲食店勤務 30代男性)

 「フランスのシャルル・ド・ゴール国際空港で、搭乗の2時間前に着いたにも関わらず、空港が大き過ぎてチェックインカウンターが遠い⇒待って居る人が多くてカウンターの段階でボーディングタイムギリギリ⇒缶に入ったクッキーで荷物検査捕まる⇒空港内モノレールで搭乗口へ行かねば為らず……と常に時間に追われていて、生きた心地がしませんでした。何とか間に合いましたが、アンな経験はもうタクサンです」(保険会社勤務 30代女性)


 これ等の体験談を聞いても、鳥海氏は全く驚か無い。

 「どれもアルアルですね(笑)。特に乗り継ぎの場合は、荷物の積み換えが間に合わず、目的地に着いたら荷物が無いと云う事が起こり勝ちです。又、空港とチケットによっては一度入国審査を通ら無くてはいけ無い場合があり、そこで時間が取られてしまうと乗り継ぎがギリギリに為ってしまうケースも好くあります。直行便であれば余りそう云うトラブルは起きませんが、乗り継ぎであれば使用する空港も選択した方が良いでしょう」


 




 鳥海氏が教える乗り継ぎベスト空港

  1 オーストリア ウィーン国際空港
 2 スイス チューリッヒ空港
 3 フィンランド ヘルシンキ・ヴァンター国際空港


 「徹底的に乗り継ぎ客がスムーズに行けるターミナルの作り方をされて居るので、30分の乗り換え時間でもラクラク。荷物のオペレーションが確りして居るのでロストバゲージの可能性もホボありません」

 鳥海氏が教える乗り継ぎワースト空港

 1 イギリス ロンドン・ヒースロー空港
 2 アメリカ サンフランシスコ国際空港
 3 アメリカ ロサンゼルス国際空港


 「ロンドンは便数が多いんですが、頻繁にターミナルが変わるので、2〜3時間は乗り継ぎ時間を確保して置きたい処。アメリカの二つは入国審査に時間が掛かると、乗り継ぎが危うく為ってしまうので要注意です」

 スケールメリットか利便性か

 話を北京の大興国際空港に戻そう。この空港は手を広げた様なヒトデ型で、放射線状に伸びた部分がターミナルに為って居る。巨大な作りだが中心部から各先端部まで600メートルで、歩いても8分足らずだと云う。

 「この形は、ハッキリ言って異様。放射線状のターミナルは贅沢な作りで、相当広い土地が無いと出来無いんです。資本主義国では無く、共産国家だから実現出来たんでしょう。中心部にショッピングモール等を集中させる事が出来ますし、各ターミナルにも行き易い。メリットは大きいですが、土地の狭い日本では絶対に真似出来ません」

 この巨大国際空港が出来る事で、我々一般人にはどの様なメリットがあるのか。

 「今でも中国経由ヨーロッパ行きの格安チケットは出て居ますが、それが更に増えるでしょう。中東経由より4〜5時間フライト時間が短いので、ヨーロッパに行き易く為ります。地方空港から中国行き、若しくは中国経由の便も増えますよ」

  海外出張が多いビジネスマンや旅好きには喜ばしい一方で、気に為るのが日本の空港事情だ。先に述べた様に国際空港の大きさは、国の経済に直結する。只、国土の狭い日本において、大きさで勝負する空港は作れ無い。このママ手を拱いて居るしかないのか。

 「日本のメリットは、アジアの一番東にある事。最近、日本経由アメリカ行きの便を利用するアジア人が増えて居るんです。日本の航空会社はサービスが良いですし、運賃的にも安いのが選ばれる理由でしょう。そしてスケールメリットが難しければ利便性で勝負する。羽田空港や成田空港では出入国審査のスピードが旅客数に対して追い付いて居ない感がありますが、そう云った細かいオペレーションを改善して行けば日本の空港もマダマダ勝負出来ます。
 そして何より、目的地として東京のエンタメ性に魅力がありますからね。乗り継ぎの間に東京観光を楽しむ利用者も増えると思います」


 利便性とエンタメ性、それを兼ね備えるべく、来年6月には羽田空港国際線ターミナル近くに日本最大級のエアポートホテルや飲食・物販施設、温浴施設やイベントホール、バスターミナル等が完成予定だ。
 目的地として到着した人、乗り継ぎする人だけで無く、空港を利用し無い人迄も楽しめる様、空港の廻りに複合商業施設を建てると云う世界的空港トレンドを確り押さえた空港作りは吉と出るか。空港の今後の発展に注目したい。


 取材・文 周防美佳 FRIDAYデジタル 最終更新:9/26(木) 16:32  以上







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知って置きたい! カトリックとプロテスタントの4つの大きな違い




 知って置きたい! カトリックとプロテスタントの4つの大きな違い


           〜ダイヤモンド・オンライン 9/26(木) 6:00配信〜


 アメリカ・ヨーロッパ・中東・インド等世界で活躍するビジネスパーソンには、現地の人々と正しくコミュニケーションする為の「宗教の知識」が必要だ。しかし、日本人ビジネスパーソンが十分な宗教の知識を持って居るとは言えず、自分では知ら無い内に失敗を重ねて居る事も多いと云う。
 本連載では、世界94カ国で学んだ元外交官・山中俊之氏による著書『ビジネスエリートの必須教養 世界5大宗教入門』(ダイヤモンド社)の内容から、ビジネスパーソンが世界で戦う為に欠かせ無い宗教の知識をお伝えして行く。


         9-27-1.jpg

 ルターの登場と「個人主義」の始まり

 ローマ・カトリックと東方正教会に分かれて世界に広がって行ったキリスト教は、16世紀に大転換期を迎えます。これが好く知られた宗教改革です。先駆者であるウィクリフや処刑されたフスの後を継いだのがマルティン・ルターです。

 「聖書を解釈するのは教皇と聖職者の仕事。何も判ら無い一般人は、有難く教えて貰い従い為さい」

 一寸意地悪な言い方ですが、これが当時のローマ・カトリック。そしてローマ・カトリックは「善行主義」ですが、善行にも色々あります。例えばボランティア活動や恵まれ無い人への施しをローマ・カトリックは今も昔もとても大切にして居て、これは明らかに「善きこと」でしょう。
 処が、当時は「ローマ教皇にドンと寄付する」と云った事も善行に含まれ、更に聖職者達が絶対的な権力を握った事で汚職や不正も横行して居ました。ルターは、今のドイツに住む一司祭でしたが、大学で神学と哲学を学んだ知性派です。

      9-27-4.jpg ルター氏肖像

         「神と人が一対一で向き合うのが本来の姿ではないか」
         「大切なのは善行では無く、信仰そのものではないか」


 この様に考えたルターは、腐敗したローマ・カトリック教会の改革を目的に、1517年に95箇条の論題をカトリック教会に突き着けます。ルターは、悪い事をしてもそれを買えば赦されると云う贖宥状(しょくゆうじょう)の発行が、ローマ教皇の資金源に為って居る点も厳しく非難して居ました。
 ローマ教皇の絶対権力に反発する人達もこれに賛同。こうしてルターの主張からプロテスタントと云う宗派が確立して行きます。プロテスタントとは「抗議」を意味するラテン語です。

 この様に書くと、ルターの主張がドンドン広まったと云う事実に注目してしまいますが、様々な文献を紐解くと、実際のルターの人生は何時殺されるかも判ら無いと云うまさに命を懸けた際どい戦いだった様です。
 何故なら当時、ローマ教皇に反対意見を表明する事は、異端であり死刑を意味しました。ルターとホボ同時代の科学者コペルニクスは、地動説を信じながら聖書の天地創造の教えに反する事からナカナカ出版が出来ませんでした。彼は、地動説を発表する書籍の原稿が到着した日に病死したので、弾圧に遭わずに済んだのです。

      9-27-5.jpg ニコラウス・コペルニクス氏肖像

 プロテスタントの広がりの背景には、当時の印刷技術の発展もありました。教会に足った一冊しか無い外国語の聖書では、ソモソモ手に取る機会が無いし、在ったとしても読む気に為ら無いでしょう。処が、自国の言葉に翻訳された聖書が印刷物として大量に出回れば、一般の人達の識字率も上がって行きます。
 例えて言うなら、それ迄のカトリックでは、神やキリストが「作家」であり、そのメッセージはローマ教皇や聖職者と云う「マスコミ」経由でしか得る事が出来ませんでした。情報にバイアスが掛かって居ても、真相は判りません。処が宗教改革を切っ掛けに、人々は自分で聖書を読める、詰まり神からダイレクトに情報を得られる様に為ったのです。マルでネット社会の到来の様ではありませんか。

 ルターが掲げたのは「信仰主義」「聖書主義」「万人祭司」の三つです。ザックリ言うと、神と一対一で対峙して信仰を大切にし、聖書を読んで自分為りに解釈し、主体的に行動すべきだと云う主張です。これは現代社会の個人主義のスタートと言って好いと思います。


 




 ローマ・カトリックとプロテスタントの四つの違い/span>
 
 日本人から見ると、プロテスタントとローマ・カトリックは「同じキリスト教」に見えるかも知れません。処が、キリスト教徒に取っては「違う宗教」と言っても好い程大きな違いがあります。(但し、第二バチカン公会議〈1962〜65〉以降、お互いの関係は近付いたとも言われて居ます)
 例えば「カトリックからプロテスタントに改宗する」としたら、イスラム教に改宗する程では無いとしても、人生の軸が変わる大きな出来事です。東方正教会とカトリック、プロテスタントとの間でも同じでしょう。ビジネスパーソンであれば、この違いは理解して置いた方が好いでしょう。そこで詳しく論じる前に、判り易く象徴的な点をまとめて置きます。

 1 善行のローマ・カトリック信仰のプロテスタント カトリックは、ドンな罪人も善行を積めば救われると考えます。ここで言う善行とは巡礼や寄付・ボランティアの事です。逆に、労働はややネガティブに捉えられて居り、蓄財には罪悪感すら有ります。
 一方で、プロテスタントは、ドンな罪人も信仰によって救われると説きます。当時、この様なルターの信仰義認説をまとめた「キリスト者の自由」がドイツで大ベストセラーに為りました。

              9-27-2.jpg

               カトリックの神父の正装

 2 ゴージャスなローマ・カトリックシンプルなプロテスタント 日本人がイメージする「教会」は、ステンドグラスやマリア像・宗教画で美しく飾られた尖塔を持つカトリックの教会だと思います。しかし、プロテスタントの教会は簡素で装飾の無い作りが一般的です。

              9-27-3.jpg

              プロテスタントの神父の正装

 3 感じるローマ・カトリック考えるプロテスタント カトリックは、過つては聖書の自国語訳が認められず、神父の話や美術・音楽で信者に教えを説いて来ました。神父によるミサをするのは基本的にカトリックだけで、プロテスタントには有りません。 (最後の晩餐に由来する聖餐式はあります)こう考えるとカトリックは、神父の言葉や美術や音楽で神を「感じる」もの、プロテスタントは自分で聖書を読んで神に付いて「考える」もの、と言っても好いでしょう。

 4 生涯独身のローマ・カトリック結婚OKのプロテスタント カトリックの神父は生涯独身で、プロテスタントの牧師は妻帯が認められて居るばかりか、女性の牧師も存在します。
 これは基本中の基本ですが、私は宗教に付いて理解が浅い若い頃、大失敗をした事があります。有ろうことか、マルタ出身のローマ・カトリックの神父に「ご結婚為さって居ますか?」と尋ねてしまったのです!今思い出しても恥ずかしく成程で、クレグレモ同じ轍を踏ま無いで頂きたいと願って居ます。

 又、プロテスタントでは認められて居る離婚が、カトリックでは原則許されません。(新約聖書には、離婚に付いて大変ネガティブな記述があります)実際には法律で認められて居る国が多いですが、フィリピンの様に離婚が認められ無い国も残って居ます。


         山中俊之    以上


 




 【関連記事】【特集】ローマ法王が日本訪問を前にメッセージ
 
 テレビ長崎の記者がバチカン取材報告 法王フランシスコの素顔とは

            〜KTNテレビ長崎 9/26(木) 20:57配信〜

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              被爆地・長崎への思いを語る

 被爆地訪問を前にローマ法王がメッセージ

 〜今年11月、1981年の故ヨハネ・パウロ2世の来日以来38年振りに、ローマ法王フランシスコが日本を訪れる。正式発表以降、日本のメディアとして初めてKTNテレビ長崎の取材に対し、ローマ法王が今の心境を語った。被爆地、そして核兵器廃絶への熱い思いとは。KTNテレビ長崎の記者が、バチカンから現地報告する〜

 ローマ法王 フランシスコ

 法王フランシスコは気さくな人柄で知られる。人々の熱い視線を集めるのはローマ法王 フランシスコ。世界で約12億9000万人の信徒が居るローマ・カトリック教会の最高司祭だ。「カトリックの総本山」と呼ばれるのが世界最大級の教会「サン・ピエトロ大聖堂」だ。キリストの使徒、聖ペトロの墓の上に作られたと言われて居る。大聖堂が在るのがイタリアの首都・ローマ市内に位置する「バチカン市国」世界で最も小さな国として知られる。
 国土全てが世界遺産に登録されて居て、サン・ピエトロ大聖堂の中には目を見張る文化遺産が並ぶ。多くの観光客が訪れるが、一般謁見の日に早朝から出来る行列のお目当ては矢張り、法王フランシスコ。オープンカーに乗り、何度も車を止めて参列者と触れ合う等、気さくな人柄で知られる。法王フランシスコは南米アルゼンチンの出身で、2013年ヨーロッパ以外の出身者としては約1300年振りに法王に就任した。謁見に訪れる信徒もラテンアメリカ系が増えたと云う。

 ローマ法王は「世界の黄門様」「現場主義」のパパ様

 和田 誠 神父は、40年近くバチカンと日本の橋渡しを担い、1981年に来日した故・ヨハネパウロ2世など4代に渉って夫々の法王の素顔に触れて来た。

 「法王によって人柄は全然違う。今までのパパ様は荘厳だったが、今のパパ様は普通の何処かの神父様みたい」

  親しみ易いだけで無く82歳と為った今も「現場主義」を貫いて居る。紛争や人権問題の現場に自ら赴き、解決を促している。

 「昔、日本の大使が言っていました。『世界の黄門様みたいだ』と。世界の何処かで良く無い事が起こると苦言を発するとか。大体、ヨーロッパの新聞ではパパ様が発言すると一面に出る。それ位大きな影響力がある」

 「核兵器は非倫理的」 被爆地、核兵器廃絶に強い関心
 今年11月の来日のテーマは「全ての命を守る為〜PROTECT ALL LIFE」高齢者の孤独死や自殺者の多さ、児童虐待等現代の日本が抱える課題へのメッセージも込められて居る。そして強い関心を寄せるのは、被爆地と核兵器廃絶への思いだ。

 「原爆は私が想像出来無い事。何回も繰り返し言って来た事を理解して頂きたい。核兵器、原子力を戦争の為に使うと云う事は非倫理的、反倫理的であると云う事です」

 「長崎・広島から発信したいと云う使命感」 核兵器廃絶のメッセージを被爆地から発信へ

 長崎出身 前田 万葉 枢機卿 「法王は、殉教も原爆も考えられ無い事だと話して居た。日本と云う被爆国で、長崎・広島と云う被爆都市で、そこから、今迄主張して来た核兵器廃絶に対するメッセージを発信したいと云う気持ち、その使命感に燃えて居るのでは」

 法王の来日は11月24日

 法王の来日まで後2ヵ月。長崎訪問は11月24日で、平和公園等を見て回った後長崎ビッグNスタジアムでのミサも予定されて居る。法王フランシスコの目に被爆地や今の日本はどの様に映るのか、そして何を感じるのか。被爆地から世界へ届けられる法王のメッセージに注目したい。


                 以上






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2019年09月26日

東浩紀 エッセイ AERA 歴史的事件の加害側が害を記憶し続け無ければ悪循環は断ち切れ無い・・・




 東浩紀「歴史的事件の加害側が害を記憶し続け無ければ悪循環は断ち切れ無い」

        〜〈AERA〉AERA dot. 9/26(木) 16:00配信 〜


     9-26-40.jpg

           東浩紀(あずま・ひろき)氏

1971年 東京都生まれ。批評家・作家。株式会社ゲンロン代表。東京大学大学院博士課程修了。専門は現代思想・表象文化論・情報社会論 1993年に批評家としてデビュー・東京工業大学特任教授・早稲田大学教授など歴任の上現職 著書に『動物化するポストモダン』『一般意志2・0』『観光客の哲学』等多数

 
 〜批評家の東浩紀さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、批評的視点からアプローチします〜


 




 米国で奴隷の子孫への補償を求める声が高まって居るとの記事を読んだ。アフリカから強制連行された奴隷が独立前の米国に足を踏み入れたのは1619年。今年で400年と為り、節目を期に議論が高まって居ると云う。
 奴隷制は忌まわしい過去である。リンカーンによる奴隷解放宣言から1世紀半、公民権運動からも半世紀が経つが、今も米国には様々な格差や差別が残り、その原因は遡(さかのぼ)れば奴隷制に帰着する。社会全体としてその過去に直面すべきだとの訴えは正当だろう。トランプ政権下での白人至上主義の復権も背景にある。
 とは言え、個別補償が解決に為るかと言えば、判断は難しい。奴隷制は1世紀以上前に廃止されて居り、生存者は居らず遺族の確定は困難だ。拙速な議論は分断を深めるだけにも思われる。

 近年、歴史的事件に付いて、被害側(被害者だけで無くその遺族や子孫等)による責任追及や補償の要求が世界的に強まって居る。グローバリズムや多文化主義の進展、SNSの普及等がそれ等の声を後押しして居る。日本も又韓国との間に論争を抱えて居る。
 人間は悪を犯す。それを記憶し未来に生かす事は不可欠である。加害者の反省と被害者の救済は絶対に必要だ。

 けれども、その追求は何処まで遡行出来るだろうか。世紀単位の過去に付いて、先祖が如何なる加害にも関わって居ない集団等有るだろうか。人々を加害側と被害側に分け、後者の訴えを無条件に支持する事が今の「リベラル知識人」の流行だが、それは時に思考の怠惰にも見える。被害側の権利要求は新たな憎悪に繋がる事もある。歴史はそんな皮肉に満ちて居る。

 加害側は加害を忘れる。或は忘れた振りをする。被害側はその忘却を阻止する為、要求を次々と過激化させる。今世界中で起きて居るのはその様な悪循環だが、そこで本当に求められて居るのは「加害側が害の存在を記憶し続けて居る事」だ。加害側がその責務を果たさ無い限り、悪循環は止ら無い。知識人はその記憶の道コソを考えねば為ら無い。


       ※AERA 2019年9月30日号    以上


 




 【関連記事1】

 東浩紀 「韓国には韓国の歴史が有り韓国の神が居る」

      〜連載「eyes 東浩紀」東浩紀2019.2.14 16:00AERA#東浩紀〜

       9-26-41.jpg

 〜安重根が初代韓国統監だった伊藤博文を暗殺したのは、黒竜江省ハルビンのハルビン駅ホーム。同駅には安重根の記念館がある〜


 正月に旅順を訪問した。中国・遼東半島先端の軍港都市で、戦前は関東州として日本の植民地だった所だ。旅順は日本では日露戦争の激戦地として知られる。けれども韓国では別の理由で知られて居る。旅順には、安重根が処刑された刑務所が在るのだ。

 安重根は日本では、1909年に伊藤博文を襲撃した暗殺者として知られる人物である。しかし韓国では独立運動に身を捧げた義士であり、国民的敬愛を受けて居る。刑務所は今は博物館として公開されて居り、安が最期を過ごした独房や刑が執行された絞首台を見学する事が出来る。
 肖像写真を掲げた特別室には、韓国人観光客が残したものなのだろうか、多くの花が手向けられて居た。それは恰も聖人を祀る教会の様に見えた。

 その光景を見て、日韓の歴史論争は今や宗教戦争に似つつ有るとの感覚を抱いた。歴史認識問題の解決の為には、事実の検証と冷静な話し合いが必要だと言われる。けれどもそれだけでは届か無い感情がある。日本には安を犯罪者として扱った100年の歴史があり、韓国には安を義士として称えた100年の歴史が有る。
 その溝は幾ら事実を積み上げても早々には埋まら無い。今の韓国人に安がテロリストである事を認めろと迫るのは、聖人を捨てろと要求する事に近い。

 現在、日韓関係は再び悪化して居る。元徴用工訴訟問題とレーダー照射事件が相次いで起き、日本の世論は過つて無く硬化して居る。ネットでは「断交」の様な過激な言葉が躍って居る。僕は日本に住む日本国民であり、苛立ちは理解出来る。
 けれども心配なのは、そこで、韓国はソモソモ論理が通用し無い国であり、付き合っても無意味だと言った侮蔑入りの諦めが台頭して居る事である。

 それコソが敗北である。韓国には韓国の歴史が有り韓国の神が居る。日本に日本の神が居る様に。異なった神と歴史を信じて居る以上、不毛な対話も有るだろう。けれども人類はその不毛さを乗り越え、多文化共生の国際社会を作り挙げて来たのだ。東アジアでもその可能性を諦めては為ら無い。


       ※AERA 2019年2月18日号  以上


 




 【関連記事2】 もし尖閣周辺で武力衝突が始まったら、ドッちが勝つ?

          〜2012.9.24 07:00週刊朝日 中国・尖閣・自衛隊〜

 〜尖閣諸島周辺で、中国公船の領海侵入が続いて居る。中国側の挑発行為がエスカレートし、両軍の激突と為った場合、ドチラが勝つのだろうか? 軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏が本格的な戦争に為る事を想定してシミュレーションした〜

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                    中国海軍

 中国海軍からは浙江省寧波を司令部とする東海艦隊が、海上自衛隊からは4個護衛隊群の内、恐らく佐世保の第2護衛隊群が出動するだろう。東海艦隊は駆逐艦とフリゲートを30隻以上、潜水艦・揚陸艦を夫々20隻以上も擁して居り、その内3分の1を振り分けるとしても、優に20隻以上の大艦隊と為る。
 他方、海自の方は水上艦艇が8隻。他に潜水艦が数隻参加する事に為る。数では圧倒的に不利な海自だが、艦艇の性能は上だから、一方的に負けると云う事は無いだろう。但し、潜水艦戦力の差は日本側に非常に厳しい。

 中国側の潜水艦は海自よりも可なり旧式のものばかりで、対潜哨戒能力も海自の圧勝だが、海中に潜む潜水艦を実戦で見付けるのは実際には非常に難しく、数の多い方が有利に為る。海自の護衛艦も無防備に動き回る事は出来無い。
 しかし、この程度の戦力の差は、現実には殆ど意味が無い。イザと為れば日中双方共援軍を短時間で投入出来るが、自衛隊も中国軍も、戦闘機や艦艇から発射する長射程ミサイルを大量に持つ強力な軍隊であり、総力で戦うにはこの海域は狭過ぎるのだ。

 これ程の戦力同士が戦えば、戦域は尖閣周辺海域だけには収まらず、上海や沖縄本島まで必然的に広がる事に為る。しかし、そこ迄戦域を拡大すれば国家同士の全面戦争だ。当然ながら米軍も参戦する。中国軍もよもやそこ迄出来まい。詰まり、尖閣海戦と云う局地戦で、ドチラかが完全に勝利を収める事は無いのである。


         ※週刊朝日 2012年10月5日号     以上


 




 【関連記事3】中国初の強襲揚陸艦が進水 海軍力増強を誇示


            〜CNN.co.jp 9/26(木) 16:45配信〜

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         中国海軍が初の強襲揚陸艦「075型」の進水式を実施した

 香港(CNN) 中国人民解放軍の公式サイト(英語版)は25日、同国海軍が同日、初の強襲揚陸艦「075型」の進水式を上海で実施したと伝えた。 船体の大きさや性能は不明だが、竜骨建設の画像は5カ月前に出回って居り、進水式迄の期間の短さも関心を集めて居る。

 ハワイ太平洋大学講師の元米海軍将校は「中国の海軍力の増強、強襲揚陸作戦やその兵力の拡大を誇示するもの」と指摘。中国は最終的に3隻の075型を建造するとも予想した。
 米国防総省は今年5月、米議会へ向けた中国の軍事力に関する年次報告書で075型はより小型の071型の艦隊に合流するだろうと分析。071型は甲板の広さが限られ、搭載可能なヘリコプターは4機のみと説明して居た。

 強襲揚陸艦は、島嶼(とうしょ)若しくは沿岸部の作戦に用いられる小型空母とも評される。通常は数十機の航空機やヘリコプター、数百人規模の地上部隊・車両や装備品の搭載が可能。只、中国は米国と違い、強襲揚陸艦に積める短距離離陸・垂直着陸が可能なF35B型機の様な戦闘機を保持して居ない。中国はこの種の艦載機を開発中で075型はその搭載が可能な大きさを持つとの見方もある。
 中国軍は進水式の発表に伴い、075型が艦隊に実際に組み込まれる前に遣るべき作業が未だ有ると指摘。次段階では装備品の据え付けや円滑な運用に取り組み、停泊試験や試験航行に移ると述べた。

 太平洋海域では日米が強襲揚陸艦を運用。米海軍の報道発表文によると、強襲揚陸艦「ワスプ」は今月、日本を拠点にした18カ月間以上の作戦遂行を終え、アジア太平洋地域を離れた。年内に新型でより大きい「アメリカ」がワスプの任務を引き継ぐとした。


                以上


 




 【関連記事4】吊るされ火炙り 母は目の前で処刑・・・壮絶な収容所体験

            〜2014.3.19 11:30AERA 北朝鮮関連〜

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「ヒッソリ暮らしたいが、収容所を無くす為、辛い思いに耐えて経験を話し続けて居る」
 申氏は現在、ソウルで一人暮らし。創設したNGO「InsideNK」の活動等で、1年の半分程は欧米に滞在して居ると云う(撮影 編集部・田村栄治)


 目の前で母が絞首刑に、続けて兄が銃殺刑に処された。その時申東赫(シンドンヒョク)氏(31)を襲ったのは、悲しみでも絶望でも無く、2人に対する「怒り」だったと云う。14歳に為って10日後の事だ。

 「母と兄が脱走を企てた事で(拷問等)酷い目に遭った。2人をとても恨んで居た」
 「罪を犯したのだから、死ぬのは当然だと思って居た」

 
 彼の半生を振り返ったドキュメンタリー映画「北朝鮮強制収容所に生まれて」で、申氏はトツトツと語る。その言葉は、肉親に対する愛情の獲得すら許され無い閉鎖空間の凄まじさを知らしめる。この映画や彼の著書等によると、申氏は1982年北朝鮮中部の价川(ケチョン)市に有る政治犯の強制収容所「14号管理所」で生まれた。両親は模範的な収容者同士として「表彰結婚」をした。
 物心着いた時、申氏に執って母は「生存競争の相手」だった。食事は僅かな配給だけで、申氏は何時も空腹だった。或る朝、母が働きに出た後、昼食にと作って在ったトウモロコシの粥を母の分迄平らげた。母は激怒し、申氏を激しく殴打した。しかし彼はその後も、機会を狙っては母の食べ物を奪い、折檻に耐え続けたと云う。

 学校に入ると、自分は両親の罪を受け継いだ人間だと教師から叩き込まれた。収容所で生まれた子供は他にも居たが、経歴に付いて話す事は禁じられて居た為、どの位の人数だったのかは知ら無い。他人は勿論、友人や家族も常に監視し、話の内容や行動に可笑しい点があれば、教師等に報告する様教育された。
 そんな申氏に取って、彼が13歳の春に執った行動は、直感的で自然なものだった。その日偶々、教師の指示で学校の寄宿舎から自宅に帰ると、居る筈の無い兄が家に居た。セメント工場の労働から逃げ出し、見付かれば銃殺は確実だった。夜、申氏が話し声に目を覚ますと、母と兄が収容所からの脱出を話し合って居た。母は、普段食べられ無い白米を、兄の為に炊いて居た。

 申氏は午前1時に学校に行き、見たママを警備員に密告した。見返りに、食べ物と学年リーダーの地位を求めた。申氏が次に母と兄の姿を見たのは、7カ月後の2人の公開処刑の場だった。この間、申氏と父も脱出計画への関与を疑われて監禁され、天井から吊るされ火で炙られる等の拷問を受けた。 
 22歳の時、収容所を脱出。中国経由で韓国に渡った。申氏は現在、唯一の収容所生まれの脱北者とされる。


        ※AERA 2014年3月24日号より抜粋    以上


 




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 闇に葬り去られた徴用工とは何か




 

  闇に葬り去られた徴用工とは何か


      〜コピーライトマーク株式会社全国新聞ネット 2019/9/18 08:00 (JST)9/26 11:46 (JST)updated 〜

          47NEWS編集部 共同通信編集委員 佐々木央氏


       9-26-36.jpg

     大間鉄道・二枚橋橋梁の跡(青森県むつ市大畑町)下北文化社・竹浪和夫さん提供


 




 日韓関係が悪化して居る。殊の発端は徴用工訴訟だと云う。日本の報道の多くは、1965年の日韓請求権協定で「決着済み」と云う日本政府の主張を当然とし前提として居る様だ。徴用工とは何か。それを知る事が、この問題を考える「初めの一歩」だと思うが、そんな記事もコメントも殆ど見無い。(47NEWS編集部、共同通信編集委員佐々木央)

 私の故郷である青森県の下北半島には、未完成の大間鉄道のトンネルや橋梁がソコココに残る。津軽海峡に面した海岸線のホボ中央、大畑駅迄の鉄路を、半島の西北端・大間迄延ばす。それが大間鉄道だった。日中戦争最中の1939年に着工、戦況が悪化して1943年に建設中止と為った。

 捨てられた地域史
 
 大間は今ではマグロで有名だが、北海道迄20キロ足らず、津軽海峡を航行する船舶を睨んで戦略的に重要な拠点である。大間鉄道は軍事路線であり、だからコソ戦時中にも過河原ず着工されたのだ。子供の頃大人から聞かされたのは「アノ鉄道が完成して居れば…」と云う繰り言めいた言葉。そして「アソこにはタコ部屋があった」と云う囁(ささや)きであった。
 もし開通して居れば、地域が発展して居ただろう。繰り言の意味は、子供にも分かったが「タコ部屋」が理解出来たとは言え無い。突いては行け無い・知ら無い方が好い事の様に思われた。だが、それこそが「徴用工の現場」だった。

 地域史研究者・鳴海健太郎は中学時代の恩師でもある。昨年、86歳で他界されたが、タコ部屋で強いた労働を「捨てられた地域史」と言い、史実発掘の意欲を燃やし続けた。それには自らの原体験があった。

 「私は少年時代に、朝鮮人の働いて居る姿をマザザマと見て居ます。大間鉄道のトンネル工事の時、タコ部屋と云う拘禁の飯場があり、下風呂甲峠(しもふろかぶととうげ)で働いて居るのを見たのです。
 髪はボウボウで、裸・・・顔の眉間の辺りが茶色がか゚って居て、草鞋(わらじ)を履いて居ました。歩いて居る人が珍しいらしくモッコを脇へ置き、茫然と、二、三人が当方を見て居ました」(地域誌「はまなす」創刊号、1994年)表記は原文のママ、一部の読みはかっこで補った。引用については以下も同じ扱いとした。

 鳴海は1931年生まれであるから、当時8歳から12歳の間。その光景は恐らく、抑圧と差別の風景として、幼い心に深く刻印され、逃れられぬ使命を彼に課した。

 「タコ労働の成立・存続は、是非とも史実として下北地域史に残さねば為りません」(同上)「どうしても下北の地域史に、キチンと明記して置かねば為ら無い事がある」(「はまなす」21号)等と再三、書いて居る。

 飢えると自分の体を食うタコ

 大間鉄道のタコ部屋に関する資料は少ない。鳴海がシバシバ示すのは、当時、大間鉄道の木野部(きのっぷ)・下風呂間の工区担当だった二松慶彦・下風呂出張所長の記録である。それを収めた「鉄道建設物語 盛岡工事局60年の歩み」(編集・発行 日本国有鉄道盛岡工事局 1978年刊)をこの度、さいたま市の鉄道博物館で確認した。タイトルは「下風呂出張所と、タコ部屋」タコ部屋の仕組みを次の様に説明する。

 ・・・僅かの前借金を方に監禁同様に現場に居住させ、過酷な労働をさせる雇傭組織で、監獄部屋とも称して居たものである。(中略)労働の代償として支払われる賃金は、部屋代・食費・衣服費等と差引かれるので、前借金の返済処か、時には借金が増加して約定の時限迄に解放される見込みが少無く為るのが実状であった。その事が、餓えて来ると足等身体の一部を食べると言われる蛸に似て居ると言うので「たこ部屋」と呼ばれて居た・・・

 人身売買同様の強制労働である。大間鉄道の木野部に在ったタコ部屋に付いて二松は「労働者は日本や朝鮮(現在の韓国)の各地から募集に応じた人々」とする。宿舎や労働実態はどうだったのか。

 ・・・飯場は棟割長屋で、一棟に30人程収容し、窓には物々しく鉄格子を入れ、周囲の人夫頭の住居等も監視に役立つ様な配置であった。就労以外の外出は禁止して居たらしく、労働基準法等は無い時代で、労働時間は朝早くから夜暗く為るまで時間一杯働かせて居た。その為能率は良かったと思う・・・


 




 「飛びっちょ」には死のリンチ

 二松は「能率は良かった」と言い、他の処で「盛土、掘削共に人力で、機械力は殆ど使用され無かった。コンクリートも手練りで打設された」とサラリと書く。だが、海岸線に山が迫る地形で平地が殆ど無く、山中に隧道(ずいどう)を掘り、陸橋を掛ける難工事だった。
 厳冬期の下北の寒さは凄まじく風雪が容赦無く見舞う。満足な防寒具も無しに終日、原生林の山をツルハシやスコップで穿(うが)ち、山中の道無き道を辿って重い土砂を運んだ。夜、飯場で暖は取れたのだろうか。燃料費も惜しんだ筈だ。皆凍傷に苦しんだに違い無い。当然、事故は頻発する。動け無く為る者、病気に為る者、逃亡する者が続出する。二松の記述に戻る。

 ・・・作業に出る人夫には、20人に一人の割合で棒頭(ぼうがしら)と呼ばれる監視兼人夫頭が着いて、一列に為って現場に行き、現場の作業監督員の指揮によって作業するが、棒頭は棍棒を持って作業監視に当り、動作の鈍い者、怠けて居る者は容赦無くブッ叩いた。
 作業中でも、逃亡した人夫が出ると「飛びっちょが出ました!」と言って作業を放棄し全員が追跡した。もし捕らえられれば、その場で殴る蹴るの暴行を加えた。即ち私刑(リンチ)である。それで死亡した例もあったらしい。唯、不思議な事に、警察が介入して犯罪捜査と為った事は聞か無かった・・・


 本来、大切な労働力だ。激しいリンチを加える事は、その労働力を失う事を意味する。怪我をした人に医療的措置が用意されて居たとは思え無い。それでも徹底的なリンチを加えたのは、見せしめだったろう。警察沙汰に為ら無いのは、癒着や取引を窺わせる。では監督役の工区職員はどうして居たのか。

 子供が子供を撲殺した

 ・・・終日、人権を無視した労働を強いられ、逃亡、リンチを眼の当たりにして、監督に立つ所員が、度々困惑させられたものである。(中略)工区側の監督、業者の監督等が作業上の不手際等に付いて注意すると、棒頭は「貴様等の仕事がノロイからご注意を受ける!」と人夫を叱咤し棍棒を振るうので、工事区職員はその激しさに恐れを為して、現場に就く事を老練の工手長でも好ま無かった・・・

 「困惑させられ」「現場に就く事を好ま無かった」が、救おうとはし無い。それ処か棒頭を恐れ、竦んでいる。二松は次の様なエピソードも紹介する。

 ・・・或る時、家族で飯場で生活して居る棒頭の子供が、自分より幼い他の子供を「ヤキを入れる」と言って、親がリンチを行うのを真似し、棒で叩いて殺した事件が起きた。私達はその無残さを耳にするだけで慄然とした事を覚えて居る。又、逃亡した人夫が山の中で行き倒れと為った。その死体の浮かんで居る渓流の水を、知らずに数日間飲んで居た珍事があり、気持ちが悪いと大騒ぎした事もあった・・・
 
 工事が中止されたのは1943年12月。タコ部屋の労働者は要約解放されたのか。嫌、待って居たのは余りにも悲惨な運命だった。

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 下北半島の未成線「大間鉄道」の現場に在った強制労働の「タコ部屋」地域史研究者の鳴海健太郎(1931〜2018年)は次の様に書く。

 「大間鉄道の労働者は、日本全国からと朝鮮半島(当時、日本の植民地)から募集され、人身売買と差程変りなく連行、重労働を課したのである」(「ウィークしもきた」2002年8月17日号「下北史点描」第197回)

 前回述べた様に、幼い鳴海少年が目撃したのは朝鮮人労働者の惨状だったが、日本人も多かった様だ。(47NEWS編集部、共同通信編集委員佐々木央)


 




 焼却された証拠

 鳴海はおよそ近代の事とは思え無い恐ろしい話も紹介する。引用文中「棒頭」(地元の言葉で「ボガシラ」)は、作業現場の監視兼人夫頭である。

 「二枚橋のトンネル・釣屋浜のトンネル・甲下風呂(かぶとしもふろ)のトンネル・桑畑(焼山)のトンネル等、難航工事で多くの犠牲者が出たと言われて居ます。ボガシラ(棒頭)による暴力と拘禁とで維持したタゴ部屋には人柱伝説が生まれました。人柱は土固まると言い、トンネル等の構築には神の心を柔らげる為と、生き埋めをしたと云うのです」(1994年8月、地域誌「はまなす」創刊号)

 だが、徹底的な調査を身上とする鳴海も、その伝説の真偽は確定出来無かった様だ。鳴海は同じ文章で、地元の二本柳市太郎と云う当時85歳の男性から木野部(きのっぷ)トンネルに纏わる秘話を5年前に聞いたとして、そのメモを紹介する。(以下の引用中「瀬崎組」は大間鉄道・木野部〜下風呂間の工区を請け負い、タコ部屋を運営した業者である)

 「私(二本柳氏)は、瀬崎組で働いて居た朝鮮人をチャッカー船に乗せ、ムシロを被せて函館まで行き、逃がして遣りました。・・・食料に飢え、重労働を強いられて居たからです」この様な人が居た事を、同じ下北半島の出身者として誇りに思う。更に鳴海による二本柳取材メモから。

 「朝鮮人の無縁仏は、戦時中には大畑町(現むつ市)の大安寺で供養して居たそうです。敗戦と為ってそれ等に関する書類の焼却命令があり、慌ててそれ等を燃やしてしまったので、寺にも役場にも今は証拠と為る書類が残って居ない模様です」

 人の死の記録そのものを焼却してしまって居た。伝説は伝説のママと為る。その命令は誰から誰に出されたのか。焼却を実行したのは誰か。大切な事は闇に葬られた。

 強制労働条約に違反
 
 工事を監督する立場だった人達はどうして居たのか。前回も引用した盛岡工事事務所(当時)の下風呂出張所長、二松慶彦の回想の一部を再掲する。

 「就労以外の外出は禁止して居たらしく、労働基準法等は無い時代で、労働時間は朝早くから夜暗く為るまで時間一杯働かせて居た」「終日、人権を無視した労働を強いられ、逃亡、リンチを眼の当たりにして、監督に立つ所員が、度々困惑させられたものである」(「鉄道建設物語 盛岡工事局60年の歩み」)

 労働基準法も無い時代だから、超長時間労働の強制やリンチを見ても何も言え無かったと読める。鳴海はこのタコ部屋労働に付いて次の様に述べて居る。

 「これは日本がILO強制労働条約に1932年批准登録し、翌年効力を発生して居るから完全に条約違反である」(前掲「下北史点描」第197回)

 国際労働機関(ILO)は1919年、ベルサイユ条約に基づいて創設された。今年は創設100周年。ILO駐日事務所のホームページによると、日本は創設以来の原加盟国であり、長く常任理事国を務める。
 傍論だが、驚くべき事に日本は、ILOの第1号条約に批准して居ない。労働時間を1日8時間週48時間に限定する条約だが、日本の労働法制には抜け道が有るので批准出来無いのだ。これが「過労死」「過労自殺」の今に繋がって居るのではないか。
 もっと傍論に為るが、ILO条約で日本が批准して居るのは49で、全条約の4分の1程に過ぎ無い。この国際標準からの脱落(後進性)が、今「働き方改革」を迫られる日本の労働問題の根幹に有るだろう。

 発注者が黙認したタコ労働

 さて、鳴海の挙げる強制労働条約(29号)は1930年に採択され、今も有効な基本条約の一つだ。ILO駐日事務所ホームページが説明する29号の「概要」から冒頭を引用する。

 「全ての強制労働の使用を、出来る限り短い期間の内に廃止する事を目的とした条約。この条約で、強制労働と云うのは、処罰の脅威によって強制され、又、自らが任意に申し出たもので無い全ての労働の事である」

 鳴海が指摘する通り、タコ部屋の強制労働はILO29号条約に照らして、完全にアウトであろう。しかし、国際法を持ち出すまでも無く、人を欺罔(ぎもう)してタコ部屋に送り込み、命を削る労働を強制する事は、明らかな犯罪である。
 二松等下風呂工事事務所の人達は工事を発注した側で、業者を指揮・監督する立場に在った。加害行為の前で「度々困惑」して居ないで、自らの尊厳に掛けて、労働条件を少しでも改善したり、救出したりする事は出来なかったのか。だが、そう出来無い事情があったのかも知れない。当時の権力の実態に切り込む鳴海の言葉を引く。

 「大間鉄道工事の目的は、本土決戦に備え軍需品輸送を最優先する事でした。その為に軍部政府と土建資本との癒着も在ったと思われます。工事の発注者である国鉄が、タコ労働を黙認したとも考えられます。又、警察関係の取り締まり関係機関は、逃亡したタコを詐欺罪として捕らえ、タコ労働を保護する立場を執って居ました」(「はまなす」創刊号、原文は「タゴ」、ここでは表記を統一した)


 大間鉄道のタコ部屋を含め、下北半島には当時、4千人とも、7千人とも言われる朝鮮人が居た。何故、それ程の沢山の人達が、本州北端の半島に来て居たのか。植民地支配が終わった時、彼等は自由の身に為れたのか。


              続く





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実は怖く無い!「人口減少社会」の「希望の未来」




 実は怖く無い!「人口減少社会」の「希望の未来」


            〜東洋経済オンライン 9/26(木) 5:30配信〜


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 〜人口減少問題を抱えながら、これ迄の拡大・成長路線のママ突き進むと日本は崩壊の道を進む事に。日本に生き残る方法は有るのだろうか?
 1000兆円を超える借金、格差の拡大、社会的孤立の進行。「人口減少」を続ける日本は、これ等の問題にどの様に対処すべきか。そして、国として生き残る事が出来るのか。
 読書・対話コミュニティ「大人の教養大学」代表の市野美怜氏が、ツイ目を逸らしてしまい勝ちな人口減少問題に付いて前向きに捉え直す為の糸口を、広井良典氏が上梓した新刊『人口減少社会のデザイン』から導き出す〜


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                   著者 広井良典氏







 日本を優しさで処方する

 ・・・青々とした樹々の間から、木洩れ陽が差して居る。風がソヨギ、ハラハラと葉が地面に落ちると、そこには木立の光と影。私達は、空と大地の中に在るのだ・・・マルで松任谷由実の「やさしさに包まれたなら」が流れて来る様な読後感を持った。新しい未来が待って居り、悲観し無くても好いのかも知れない、と云う希望が訪れる。
 「人口減少社会」と云う言葉を目にした時、暗雲垂れ込める様なイメージを抱く人の方が多いだろう。最近は、人口減少に対して、解決策の提示も無く警鐘を鳴らすだけ鳴らして、私達の不安を過度に煽る文物も多い。そんな時、何処か我が身を責められて居る気がして、そっとページを閉じてしまう。

 どうしてこんなに苦しいのだろう。そんな痛みとも嘆きとも着かぬものが去来し、途方に暮れる私達に、広井氏は「処方」を差し出して呉れた。
 決して誰かを怖がらせたり、不当に責めたりするのでは無い物言いで、的確に日本の進むべき道筋を示す。「処方」だから現状分析やその治療法には、一寸だけ傷の痛みや薬の苦みを感じる場面があるかも知れないが、定量・定性的な科学的データを基に、中長期的なスパンで見通した、極めて現実的で地に足の着いた10の提言である。

 先ず冒頭では「2050年、日本は持続可能か?」と云う問題設定の下、3つの観点

 (1) 財政或は世代間継承性
 (2) 格差拡大と人口
 (3) コミュニティ乃至「繋がり」

 
 に関する持続可能性と「幸福度」と言った主観的な要素も視野に入れたAI技術による将来シミュレーションが提示される。

 日本社会の現状そして今後において重要と考えられる149個の社会的要因を抽出すると共にそれ等から為る因果連関モデルを作成し、それを基にしてAIを活用したシミュレーションによって2018年から2052年迄の35年間の期間に渉る約2万通りの未来シナリオ予測を行い、それらを先ず23のシナリオ・グループに分類した上で、最終的に6つの代表的なシナリオ・グループに分類した。
 分類に当たっては、@人口A財政・社会保障、B都市・地域C環境・資源と云う4つの局面の持続可能性と、(a)雇用(b)格差(c)健康(d)幸福と云う4つの領域に注目した。(p 22)

 ここから明らかにされたのは、日本全体の持続可能性を図って行く上で「都市集中」か「地方分散」かが、最も本質的な分岐点であると云う事だ。
 今から8〜10年後の間に両シナリオの分岐が発生するが、持続可能性の観点から望ましいのは「地方分散型」又、約17〜20年後迄継続的な政策実行が必要で、その間に地域内の経済循環が十分に機能し無ければ、持続不能と為る可能性が有ると云う。
 詰まり、日本は「地方分散型」を前提に、不断の努力を続けるべきだと云うのである。地方から上京し都内に住む私には少し耳の痛い話である。

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            「大人の教養大学」代表の市野美怜氏 

 しかし、広井氏の描く今後の地方都市の「デザイン」は、魅力的に見え、寧ろ都会暮らしに疲れた心が癒やされ、満たされるかも知れないとも思えた。ドイツのニュルンベルク郊外にあるエアランゲンの様な、緑豊かで空間が広く、適度な賑わいと、緩やかなコミュニティの繋がりが感じられる「人間の顔をした」地方都市が例示されて居るからである。

       9-26-32.jpg エアランゲンの若者達

 ドイツは人口約8000万人で、面積は日本とホボ同じ。2100年に日本の人口が約8000万人で定常化すると予測されて居る事と照らし合わせると、人口が或る程度減少しても日本は国として遣って行ける事が実証されて居ると言える。但し、そこに必要なのは、生活の基盤として効果的に機能し、人間の身体に心地好くフィットする社会の「デザイン」だと広井氏は云う。


 




 私達はポスト資本主義社会を求めて居る

 地方出身の人なら経験があると思うが、田舎のシガラミに嫌気が指し、強い憧れを抱いて上京した内は、それ為りに都会の暮らしを謳歌する(中世当時の本来の意味とは異なるが「都市の空気は自由にする」とは好く言ったものだ)だが生産者として働き始めると、兎に角毎日大量のタスク処理が求められ、その目まグルしさに気後れし、心を乱される日も増える。
 又、新しいモデル(流行)を切れ目無く作り続け、自己否定を繰り返す事で自己増殖して行く消費社会(或はそこで見せられる「こうで無ければ人で無い」と言わんばかりの広告が象徴する情報社会)と云うものに、都会の消費者として付き合っても、偶に振り回され過ぎて生き辛い。

 こうした大量生産・大量消費の回転を、情報の力で加速し、モッと速く、モッとモッと速く、モッとモッとモッと・・・(ハムスターの回し車を想像して欲しい)と為ると、その内遠心力で何処かに吹き飛ばされてしまうのではないかと不安に為る。

 広井氏によると、このアメリカ的な資本主義を基調とした「限り無い拡大・成長」志向が日本に根強いのは、高度経済成長期に味わった「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の成功体験を未だ引き摺って居るからである。
 又、社会保障を初めとした日本全体のシステムが「分配の問題は成長によって解決出来る」と言った前提で組まれて居るので、この発想を捨てられ無い。

 だが「地球資源の有限性と言った物質的・外面的な意味」でも「幸福と言った精神的な充足の面」でも「或る種の飽和点乃至限界に達しつつ在る」と広井氏は続ける。ホモ・エコノミクス的な思考のママ、大量のエネルギー消費や不当な人的搾取を続ければ、資源の枯渇や紛争の契機をもたらし兼ねず、実は自分達で自分達を奪って居ると云う事だろう。
 そして面白いのが、こう言った問題が認識されて来た帰結として「人間の利他性」「協調行動」「関係性」に関心が集まり、脳研究や行動経済学、ソーシャル・キャピタル論、幸福研究等が湧き起こって来たのではないかと云う見立てだ。

 広井氏は、過つて狩猟採集社会や農耕社会の成熟・定常期に起こった「物質的生産の量的拡大から文化的・精神的発展へ」移行した歴史に準(なざら)えて「人間の行動や価値の力点を変容させて行かなければ、人間の生存が危ういと云う状況に現在の経済社会が為りつつある」と推論する。
 詰まり、遠心力で吹き飛ばされる前に、高速回転以外の道が模索され、より好い世界へ辿り着けるかも知れないと云う事だ。少し安堵する。

 日本は「第3の定常期」へ進めるか

 広井氏が、従来より高次の価値観が希求され、今まさに時代が変わろうとして居ると述べるのには科学的な根拠がある。それは、アメリカの生態学者ディーヴェイが「世界人口の超長期推移」で示した、世界人口は大きく3回の増加と成熟化・定常化のサイクルを繰り返して居り、現在は3回目の定常期への移行期と捉えられると云う理論だ。

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 しかし、現在の日本では、アメリカの影響を受けた強い拡大・成長路線が推し進められて居り、この価値観のママでは日本は崩壊の道を歩んで行く事に為るのかも知れない。
 小泉政権時代の構造改革で非正規雇用労働者が増え、若者世代は奨学金を返せ無いで居る。大規模小売店舗立地法(大店立地法)の施行によって大規模店舗が進出し、地方の商店街はシャッター通りと化して居る。又、現在の都会に人が吸い寄せられる構造では地方から人が離れ農業従事者も減るだろう・・・

 こう云った事から、広井氏はヨーロッパの「環境志向+相対的に大きな政府」型を好ましいと考えて居り、現時点では若者・地方・農業向けのベーシック・インカム等によって富の再配分を考え直す提言もする。調和が取れた社会モデルを目指そうとする公平性と優しさが、主張の端々に立ち現れて居る。

 人類はポスト・ヒューマンの夢を見続けるか

 そして、最も目から鱗だったのが「シンギュラリティ(技術的特異点)」或は「ポスト・ヒューマン」論が「一見非常に新たな方向である様に見えて、実は近代社会のパラダイム、詰まり個人が利潤を極大化し人間が自然を支配すると云う世界観を言わば極限迄伸ばして行ったものに過ぎ無い」と云う点だ。
 人工知能が人間の能力を超えるとされる2045年問題、テクノロジーによって身体を操作・改造したり、人間の意識を機械へ移植したりする現代版「不老不死」の夢等が盛り上がりを見せて居る現代に、私は予てより薄っすらとした違和感を持って来た。

 勿論、テクノロジーの発展によって大いに恩恵を受けて居ると思う。しかし、その内に「『人間』より『データ』の方が価値が高いんです」等と言われそうで、人間の為のデータなのか、データの為の人間なのか判ら無い。今でさえ、高速なデータ通信に身体が着いて行け無い時があり、どうしてボウッと生きて居ては行け無いのかと悲しく為るのに。

 ものごとの適正なサイズから、膨張し過ぎて自縄自縛(じじょうじばく)に陥って居ないか

 広井氏が、果たして人間の「生」を無限に引き延ばす事が幸福な事なのか、倫理無き「拡大・成長」路線は破綻が来ないかと述べて呉れた事が嬉しかった。とは言え、残念ながらサンクコストが惜しくて、これ迄歩んで来た道をナカナカ引き返せ無いのが人間の性である。
 今後更に人口が少無く為って行く中で、国や様々な組織・個人が、どの様に欲望を昇華させ、どの様に幸福を捉えて行くかが問われて行くだろう。又、生存戦略として人間の欲望は尽きる事無く、名誉欲から中国でゲノム編集された双子が生み出されたり、支配・反発・防衛・・・と云った理由で核武装や貿易戦争が起こったりする。

 世界や日本の「定常化」を阻む不測の因子は無数に有り、日本がグローバル社会から切っても切り離せ無い立場であると云う理由から、日本国内のみ為らず、国外の状況と各国との適切な関係性構築に付いても引き続き注視したい。
 書籍『人口減少社会のデザイン』は、木洩れ陽を感じるべく、私達に渡された、世界を見詰め直す為の「種子(たね)」でもある。


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           市野 美怜  編集者「大人の教養大学」代表

                  以上


 




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「最低賃金引き上げ=中小企業倒産」の図式が神話に過ぎ無い理由




 「最低賃金引き上げ=中小企業倒産」の図式が神話に過ぎ無い理由

           〜ダイヤモンド・オンライン 9/26(木) 6:01配信〜


   最低賃金引き上げの議論で必ず出る「中小企業の倒産誘発論」だが、実は何処にもエビデンスは無い

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           ノンフィクションライター 窪田順生氏

 〜最低賃金引き上げを巡る論争が本格化し、様々な意見が飛び交って居る。相変わらず「中小企業の経営が厳しく為る」と難色を示す人も多いが、実はイギリスでは最低賃金を引き上げても廃業率は上がらず、寧ろ労働生産性が上がったとする調査結果が明らかに為って居る(ノンフィクションライター 窪田順生)〜







 最低賃金労働者は 「無能」なのか?

 イヨイヨ「最低賃金引き上げ」を巡る論争が本格化して来た。様々な専門家の方が夫々の立場で意見をブツけ合うと云う事は、社会に取っても良い事なので、是非侃々諤々(かんかんがくがく)で遣って頂きたい処だが、頭の上をビュンビュンと飛び交う意見の中には、思わず二度見してしまう様なダイナミックなものも散見される。
 例えば最低賃金引き上げ慎重派の、と或る著名な評論家の方。ザックリまとめると、こんな事を仰って居たのだ。

 〜最低賃金で働いて居る人と云うのは、スキルが低いので一度職を失うと再就職が出来無い。最低賃金を上げる事は結果として、こう云う人を苦しめる事に為る。だから、最低賃金を引き上げて中小企業を倒産させる様な愚かな事はするな、生産性向上の為には、低スキル労働者の教育に力を入れるべきだ〜
 
 「ん?」と引っ掛かった人も多いのでは無いか。そう、確か日本は「深刻な人手不足」だった筈なのだ。コンビニはバイト確保が出来ず24時間営業もママ為ら無い。物流も深刻なドライバー不足で現場が疲弊して居る。建築や介護の現場に至っては、外国人労働者に頼ら無いと回ら無い――と云う話に為って居なかったか。
 一方、平成27年の内閣府の資料には「最低賃金程度の時給で働く労働者は300万〜500万人程度」と有り、もっと多いと云う指摘もある。詰まり、この専門家の方は、日本人労働者の数%を「人手不足でもう限界だ!」と悲鳴を上げる事業者でさえも採用を見送る程「使え無い人材」だと仰って居るのだ。

 そんな考えをベースにして、最低賃金の引き上げは慎重にすべきと主張すると云うのは、中小企業は何処にも行く宛ての無い無能の人を雇って挙げて居る篤志家なんだから「時給1000円」ナンて無理難題を押し付けず、自分達のペースでノンビリ遣らせてやれよ、と言わんばかりなのだ。
 勿論、立派な専門家センセイなので当然、我々素人には計り知れ無い深いお考えがあるのかも知れないが、素直に受け取れば「労働者ディスり」にしか聞こえ無い。ナカナカ痺(しび)れる発言ではある。

 最低賃金引き上げは 中小企業倒産に繋がら無い
 
 その一方で、ダイナミックと云うよりも、日本人にはナカナカ受け入れ難いショッキングな提言をして居る御仁も居る。元ゴールドマン・サックスのアナリストで、山本七平賞受賞の「新・観光立国論」(東洋経済新報社)等で政府の観光推進政策にも多大な影響を与えて来たデービッド・アトキンソン氏である。

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 来日から30年に渉って日本経済を分析し、過つて日本の大手銀行が17も有って群雄割拠して居たバブル期に「日本の主要銀行は2〜4行しか必要無い」と云うレポートを出した事もある「慧眼」で知られて居るアトキンソン氏は、今の日本の低成長・低生産性を解決するには、最低賃金を年5%程度引き上げて行くべきだと予てから主張して居たのだが、この度発売された新著「国運の分岐点 中小企業改革で再び輝くか、中国の属国になるか」(講談社+α新書)で更に驚くべき分析をして居るのだ。

 日本の現在の低成長は、国が成長出来無い小さな企業を手厚く保護する政策をスタートさせた「1964年体制」に在るとして、この古い体制を改革しないで放置して居ると、人口減少と自然災害と云うリスクの中で、日本経済が弱体化して、中国資本の支配力が強まって行くと云うのだ。
 この辺りに付いて興味の有る方は是非本をお読み頂くとして、実は同書の中には、現在の「最低賃金引き上げ」を巡る議論に一石投じる様な記述があるのでご紹介したい。それは、冒頭の専門家の方の主張にも通じるが「最低賃金を引き上げたら倒産が増加して不況に為る」と云う言説に対してものだ。以下に少し長いが、引用しよう。

 〜この20年間、最低賃金を引き上げ続けて来たイギリスでは、政府が大学に依頼して、賃金引き上げの影響を詳しく分析をして居ます。具体的には、最低賃金若しくはそれに近い賃金で雇用して居る割合の高い企業を対象にして、最低賃金を引き上げる前と、後の決算書を継続的に分析して居るのです。
 そこで判明して居るのは、最も影響を受けた企業群でも廃業率が上昇する事は無く、単価を引き上げる事も余り無く、雇用を減らす事も無かったと云う事です。そしてここが極めて大事なポイントですが、経営の工夫と社員のモチベーション向上によって、労働生産性が上がった事が確認されて居るのです(P.193)〜


 要するに「最低賃金を引き上げたら倒産が増加して不況に為る」と云うこの手の議論で必ず出て来る言説は、科学的根拠の無いデマだと云うのだ。


 




 最低賃金引き上げに 猛反発する日本の産業界

 と聞くと「イギリスは日本より格差が開いて、物価高で貧しい人が増えて居るぞ!そんな英政府の調査等信用出来るか!」と噛み付く人も居るが、アトキンソン氏は別にイギリスが素晴らしいから日本も真似しろ等と言って居る訳では無く、最低賃金引き上げの影響に付いて国家レベルで調査が行われ、そこでは倒産に繋がらず、労働生産性が向上すると云う結果が出て居ると示して居るだけに過ぎ無い。
 「イギリスの貧しい人は日本より貧乏だぞ」ミタいな感覚ベースの議論では無く、科学的な議論をすべきだと言って居るのだ。

 又、イギリスにおける格差や貧困が問題だと云うが、実は貧困率は日本の方がアメリカと並んで先進国で最悪レベルで、イギリスよりもダントツに高い。格差や貧困が有る国のエビデンス何て信用出来るか、と云う話に為るのなら、先進国の中で唯一成長して居らず、ダントツに生産性が低くダントツに貧困率の高い日本で生まれた経済理論等全て価値の無いゴミに為ってしまう。国の経済と、そこで得られたエビデンスは切り分けて考えるべきなのだ。

 勿論、この話も人によって受け取り方は様々だが、個人的には腹落ちして居る。「最低賃金を引き上げたら倒産が増えて不況に為る」と云う話には以前から胡散臭(うさんくさ)さがプンプン漂って居るからだ。
 例えば、今から12年前の2007年12月、改正最低賃金法が成立した。最低賃金が生活保護の受給額を下回ると云う事が問題と為って、流石に生活保護よりは高く為る様に徐々に引き上げて行きましょうや、と云う話に為った訳だが、中小企業は「それは我々に死ねと云う事か!」と大ブーイング。当時の日経産業新聞(07年12月3日)には以下の様な悲痛な声が紹介された。

 「給与水準を人為的に底上げする事に為り、雇用維持が難しく為る」
 「採用した人材は一人前の戦力に為る迄どうしても時間が掛かる。最低賃金の引き上げは企業の雇用意欲を低下させる」


 日本でも最低賃金引き上げは 倒産に結び着か無かった

 要するに、働く人達の賃金が生活保護を下回る事よりも「中小企業が雇用出来る」事の方が大事と云うのだ。何とも釈然とし無いものを感じて居た8ヵ月後、今度は中央最低賃金審議会が、時給687円の全国平均額を15円程度引き上げる事を決定すると、更にヒステリックな声が上がった。日本経済新聞(2008年8月6日)の「中小・零細、雇用に重し」と云う記事には、中小企業経営者達の声が紹介されて居る。

 「中小企業の倒産を誘発し、雇用に悪影響が出る可能性が高い」
 「賃上げが心理的な経営圧迫に繋がる」

 
 だが、事実は全く逆だった。中小企業の倒産件数は2008年の1万5646件から減少が続き、2017年は8405件と云うレベルに迄為った。嫌、倒産は減ったが休廃業が増えて居ると云う人も居るが、別に顕著に増えて居る訳では無く、多くは後継者不足や販売不振が原因である。
 日本においても「最低賃金を引き上げたら倒産が増加して不況に為る」事を証明する客観的事実は何処にも無い。詰まり「神話」や「思い込み」の類である可能性が高いのだ。

 何れにせよ、このアトキンソン氏が投じた問題提起に対して「そんな話は日本に当て嵌らん!」何て島国根性丸出しで耳を塞いで居るだけでは、日本はデフレ・低成長からは何時までも脱却出来無い気がする。この30年只管続けて来た「日本のやり方」を続けて居るだけだからだ。
 最低賃金を引き上げたら倒産が続出する。最低賃金で働く人はスキルが無いので、一度職を失うと失業したママだ・・・この様な主張をされる専門家の皆さんは是非とも、感覚的な話で我々素人の恐怖心を煽るのでは無く、科学的根拠を示して建設的な議論をお願いしたい。


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                  窪田順生氏    

                     以上






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