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2019年07月22日

管理人の随想 山本太郎氏を追って・・・



 管理人の随想 山本太郎氏を追って・・・


      〜2019年7月22日 管理人〜 


 




 参院議員選挙も投票日を終え終了した。この選挙の間当ブログでは、主に山本太郎氏が主唱する「れいわ新選組」を中心に取り上げました。
 4月に彼が記者会見を行い「小沢一郎氏から独立し新たに組織を立ち上げる」として、多くの人達の寄付を得て参院選挙で、1億集まれば一人、3億集まれば10人の候補者を建てたい・・・と抱負を述べた。それ以来興味強く彼の行動を追って行った。

 そしてその間に彼は、一人二人と同調者を集め、夫々発表し、ヤガて彼を含めて10人で・・・一人を東京選挙区、残り9人は全国比例で立候補すると為った。それが公示日ギリギリの話しで、候補者の一人渡辺氏に至っては、前日の夜に決意したと話す。
 独立以来、公示日前から全国を遊説し、彼の持論を対話形式で「れいわ新選組」の理念と政策を拡げて行った。

 管理人は、その一つ一つに興味を持ち、彼の説明を聞き心からの熱意を感じた。彼はMMT理論やその他多くの学習を行い「政権を執ったら・・・」と熱く語った。「それが出来るのはアナタなのだ、私をその先頭に立たせて欲しい。貴方達でこの組織をコントロール出来るのだ・・・」と市民一人一人に激を飛ばした。
 
 「小泉・竹中が日本の労働社会を打ち壊し日本をブッ壊した!『小泉・竹中ろくでも無い!』と叫んで下さい。ハイ!・・・」

 群衆に大声で連呼させる・・・次第に彼の真意を理解し考え納得し・怒り・同調し「太郎、頑張れ!」と叫ぶ。群衆をアジリ更にハヤシ歓呼させる・・・アジテーター、一種のファッショに似た行動は、一部の人達には眉を顰めさせるが、彼の指摘するものは、一つ一つに政府や公的データーから弾き出された緻密に裏付けされたものだった。


 




 彼の演説には、SNSで呼び掛けられた老若男女が自主的に集まり、他の主要候補者以上の人々を集め次第に広がった。しかし、その行動がネット社会で賑わった様に、実社会では大手マスコミが取り上げず新聞やテレビのメディアからは隠され続けた。
 彼の言葉が過激なのかどうか、彼の言葉を聞けば理解出来る筈なのに、何処かに忖度したのか、NHKを初め殆どのメディアは一切取り上げず、その模様が広まる事は無かった。

 余りの反響の多さに、一部の新聞や週刊誌等で取り上げられた様だが、その影響力は限定された様だ。詰まり、商業主義下の中でのマスメディアの宿命である。商業メディアは、その記事を載せる媒体を続ける為には、広告料を集め収支のバランスの上に成り立って居る。
 広告料を支払い記事を載せる媒体(新聞やテレビ放送)を存続させるには、広告主に逆らう事は不可能であり、広告主を否定する事に通ずる記事は載せられ無い。直接圧力を受け無くとも媒体自身が忖度するのが大人の社会だ。

 しかし、結果として山本太郎氏と「れいわ新選組」は、二人の参議員を国会に送り4.55%の支持を得て、晴れて「国政政党」として認められ、国から政党助成金を得られる。彼はその党首として今後議員以上のフリーハンドで活躍する場を獲得出来た訳だ。
 これからは、今まで以上の政治の台風の目と為りメディアに登場する機会が増える。都度彼の顔が公開され彼の持論が全国に広がる。彼に興味が集中し、彼が出ると視聴率が高まる様に為ると、幾らスポンサーと言えど「彼を取り上げるな」とは言い辛い。
 彼を取り上げないと、折角出したコマーシャルも見て貰え無い・・・そう為れば全国隅々に彼の言葉が行き渡り、彼への支持者・同調者が拡がって行く。

 確かに彼は、思惑通り政権の入り口に一歩近付いたと言えるだろう。今後、組織化された「れいわ新選組」がどの様に進むのか、大いに期待し応援したい。
 

              以上


 





 【関連報道】山本太郎、れいわ・・・左派ポピュリズムの衝撃とどう向き合うか?

  
 〜石戸諭 記者 ノンフィクションライター 7/22(月) 17:00〜
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 日本政治に左派ポピュリズム政党が誕生した。7月21日の参院選は日本においても、欧州で吹き荒れるポピュリズムの風が吹くと云う結果に為った。山本太郎「れいわ新選組」である。比例での得票率は4・6%に達し、既成野党への不満の受け皿と為り政党要件を満たした。大事な点は彼等の主張は、欧米の左派ポピュリズムそのものと云う事だ。

 れいわの衝撃

 7月4日の新宿駅西口地下から「旋風」が起きそうな予感は漂って居た。ニューズウィーク日本版の取材で訪れた私は、予想以上の熱量だったとメモを取って居る。山本太郎は参加者の前で声を張り上げる。

 「今の政治は皆さんへの裏切りだ。20年以上続くデフレ、異常ですよ。物価が下がり続け、消費が失われ、投資が失われ、需要が失われ続け、国が衰退して居る。デフレを続けて来たのは自民党の経済政策の誤りの連続でしょ」
 「生活が苦しいのは、アナタの所為にされて居ませんか?努力が足り無かったからじゃ無いか?違いますよ。間違った経済政策の所為ですよ。消費税は増税じゃ無い、腰が引けた野党が言う凍結でも無い。減税、ゼロしかないじゃ無いですか」
 「無い処から税金を採るな。金持ちから取れ。誰もが自信を持て無い世の中に為って居る。自分が生きていて好いのかと思ってしまうのはどうしてですか?アナタには力がある。諦める前に、チャンスを下さい」


 そして、彼は何度も「選挙は面白く無いといけない」と繰り返した。難病患者が国会に行くと云うストーリー、沖縄の創価学会員が東京で公明党代表に挑戦すると云うストーリーも「おもしろく」演出することに長けていた。
 全国各地を廻り、他の野党候補も積極的に応援しながら、自身への票を掘り起こした。朝日新聞の出口調査によると、応援先の野党支持層から一定数が「れいわ」に流れて居る事が判る。

 盛り上がりは7月19日の新橋、7月20日の新宿で最高潮に達したと言って好いだろう。ミュージシャンや著名人が応援に駆け着けた。結果的に、与党支持層は切り崩せ無かったが、野党の不満は掬い上げた。



 




 上と下の対決

 ポイントは最初から最後まで、安倍政権、そして野党の緊縮財政志向を徹底的に批判する事に多くの時間を割いた事だろう。デフレを糾弾し「上」から金を取り「下」にもっと寄越せと訴える。そして「あなた」に呼び掛け自己責任は無いと言い切る。元俳優、バラエティでも活躍したタレントに為って演説のスタイルも巧みだった。
 時に明確な批判対象を設定し、言葉には他の政治家には無い「本音」と受け取れる様な言葉を盛り込む。先に参照した出口調査によると、40代以下を主要な支持層として取り付けたと云う。個別の政策は兎も角、権威に立ち向かう姿を応援したいと云う層も居た事は間違い無い。

 山本の政策は徹底的な反緊縮と減税である。平たく言えば、デフレ脱却の為に消費税を廃止し、国はもっとお金を掛けて財政出動せよと云うものだ。彼の著作等によると、金融緩和にも肯定的な左派系の経済学者として有名な松尾匡・立命館大教授に学んだ事が転機に為って居る。


 欧州の左派ポピュリズム政党

 一連の主張やスタイルは数年前から欧州を席巻して居る左派ポピュリズムのそれである。政治学者の吉田徹・北海道大教授は「欧州で台頭する左右ポピュリズムを分かつもの」(週刊エコノミスト、2017年2月7日号)でこの様に分析して居る。

 「左派ポピュリズムおいては財政主権や再分配、右派ポピュリズムにおいては国民主権や反グローバル化が唱えられる。こうした主張は、2008年のリーマン・ショックと続く2010年のユーロ危機を経て、既成政党批判と反緊縮財政、金融・財政主権の回復、場合によってはユーロ圏からの離脱と云う政策・言説でもって、両極ポピュリズムは共通の立場を執る事に為る。
 この様な政治的主張は、格差や貧困の進展、労働市場から弾かれ、没落の恐怖に怯える高齢者や中間層、高い失業率に喘ぐ若年労働者層の支持を集める事に為る」

 「左派ポピュリズムと右派ポピュリズムを分け隔てる最大の違いは、個人やマイノリティーの自己決定権を認めた上で『開かれた社会』を認めるか、反対に家父長主義的で権威主義的、伝統的な共同体や家族が個人よりも優先される様な『閉じられた社会』が実現されるべきと考えるかどうかにある」


 要するに左派ポピュリズムには経済的な格差への不満を吸収するだけで無く、価値観を体現する政党と云う性格がある。「れいわ」が難病患者を優先的に当選させた事は、まさにマイノリティーの自己決定権を認めると云う価値観を体現するものと言える。


 




 問われているのは野党

 日本において左派ポピュリズム政党が誕生した背景は、欧州のそれと同じものだろう。問題を突き着けられて居るのは、既存のリベラル系の野党だ。立憲民主党は議席数を伸ばしたとは言え、政権交代の選択肢とはおよそ言え無い。
 比例で当選したのも労働組合系の候補者が上位を占め、都市部の選挙区を含め注目を集めた目玉候補は軒並み落選した。共産党は支持層の一部が「れいわ」に流れて居る。これが何故かを分析しないと、与党支持層、投票に行っていない人達からの票の掘り起こしにも繋がら無い。

 山本自身は落選したが、私がニューズウィーク日本版で予想した通り、次の衆院選への出馬を宣言した。一度吹いたポピュリズムの風は当分止みそうも無い。



 石戸諭 記者  ノンフィクションライター 1984年、東京都生まれ。2006年に立命館大学法学部を卒業し、同年に毎日新聞社に入社。岡山支局、大阪社会部。デジタル報道センターを経て、2016年1月にBuzzFeed Japanに移籍。2018年4月に独立し、フリーランスの記者、ノンフィクションライターとして活躍している。
 2011年3月11日からの歴史を生きる「個人」を記した著書『リスクと生きる、死者と生きる』(亜紀書房)を出版する。デビュー作でありながら読売新聞「2017年の3冊」に選出されるなど各メディアで高い評価を得る。


                  以上


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10分で判るMMT(現代貨幣理論)基礎や批判を判り易く解説 その2



 10分で判るMMT(現代貨幣理論)基礎や批判を判り易く解説 その2



 




 判り易い経済学 古典経済学から近代経済学迄ザックリ解説


 MMT(現代貨幣論)は、飛んでも無い経済学として批判を浴びて居ます。しかし、経済学の大きな流れを見れば、そこ迄突飛な理論で無い事を理解出来ます。経済学は、大きく3つの流れが存在します。 

 1 古典経済学派と近代経済学・・・ミクロ経済学として体系化
 2 ケインズ経済学・・・マクロ経済学として体系化
 3 マルクス経済学

 
 順番に各経済学の主流派閥について解説して行きます。

 ❶ 古典経済学派と近代経済学 古典経済学と近代経済学は、アダム・スミスによって初めて提唱された理論です。「見えざる手」と云う言葉に代表される様に、為るべく政府はマーケットに介入せずに、市場に任せて置けば、自ずと最適化されて上手く行く筈だと云う考えです。
 後に、ミクロ経済学として体系化される訳ですが、この学問で言いたいことは、人々が自由意志に従って最適な行動を取って居れば、マーケットは上手く行くし豊かに為れるのだから、政府は余計な口出しはし無い方が良いと考えます。


 ❷ ケインズ経済学žœ ケインズ経済学は、簡単に言うと、不況時には政府が積極的にマーケットに介入する事で、景気をコントロールすべきだと言う考えです。ケインズ経済学が生かされた例としては、アメリカのニューディール政策が挙げられます。
 19世紀のアメリカは長期にわたる大恐慌で、国民の生活も危ぶまれて居ました。餓死者も当時多く出した程です。その様な中で、大規模な公共事業を政府主導で行うことで雇用を生み出し、アメリカ経済を立て直しました。


 ❸ マルクス経済学 マルクス経済学は、皆さんご存知の様に、社会主義経済の基礎と為って居ます。この経済学は、ロシア等での壮大な実験によって、その問題点が浮き彫りになり、現在余り研究されて居ません。

 よって、経済学の主要な研究分野は❶ 近代経済学か❷ケインズ経済学かのドチラかの派閥に分かれて居ます。この3つの経済学の主要な派閥の中で、MMTが何処に属するのかと言えば、間違い無く「❷ ケインズ経済学」です。
 大胆な財政出動によって、経済を刺激するべきだと言う考え方です。但し、ケインズ経済学がMMTと大きく異なる点は、幾らでも借金して良いとは考えて居ない点です。ケインズは、不況期には大胆に政府支出を増やすべきだが、経済が軌道に乗ったら増税等によって、それら赤字を賄うべきだと言う考えでした。



 




 ケインズ経済学・・・不況時には、大胆に政府支出をして雇用を生み出し経済を刺激する。但し、景気が安定したら、税金を増やし、赤字を賄うべきだ。
 MMT(現代貨幣理論)・・・過度なインフレに為ら無い限りにおいて、政府は借金をして支出を増やすべきだ。


 MMT(現代貨幣理論)への多くの批判


 MMTに対しては、多くの経済学者達が批判して居ます。例えば、経済学でノーベル賞も受賞したクルーグマンは下記の様に批判して居ます。

 「債務に付いては、経済の持続可能な成長率が利子率より高いか低いかに多くを左右されるだろう。もし、これまでや現在の様に成長率が利子率より高いのであれば大きな問題に為ら無いが、金利が成長率より高く為れば債務が雪だるま式に増える可能性がある。
 債務は富全体を超えて無限に大きく為る事は出来ず゙残高が増えるほど人々は高い利子を要求するだろう。詰まり、或る時点において、債務の増加を食い止める為に十分大きなプライマリー黒字の達成を強いられるのである」


 次は、パウエルFRB議長の批判です。

 「自国通貨で借りられる国に取っては、赤字は問題に為ら無いと云う考えは全く誤っている(just wrong)と思う。米国の債務は国内総生産(GDP)比で可なり高い水準にある。もっと重要なのは、債務がGDPよりも速いペースで増加して居る点だ。本当に可なり速いペースだ。歳出削減と歳入拡 大が必要と為るだろう」 ジェローム・パウエル(FRB議長) 2019年2月26日 議会証言

 著名な経済学者ロバート・シラーさんの批判です。

 「パウエル議長が(議会証言で)受けた質問にMMTに付いてのものがあって、これは最近出て来たスローガンだ。もしも大衆が望むなら、政府はどこまでも財政赤字を無限に続けられると云うものだと思うが、これはこのタイミングで出て来た悪いスローガンだと思う。一部の人々に取って政治的には有用なものだ」 ロバート・シラー(イェール大学・経済学者) 2019年2月26日 ヤフーファイナンスインタビュー


 




 MMT(現代貨幣論)は飛んでも無い理論なのか?

 MMTは、経済学の大きな流れから見ればケインズ経済学を乱暴にしたものと言えます。飛んでも無い理論の様にも見えますが、多くの点ではケインズ経済学と似て居ます。但し大きく異なる点は、ハイパーインフレに為ら無い限りにおいて、政府は幾らでも借金をして良いと云う部分です。
 政府が借金しても良い理由としては、自国通貨を発行出来る、自国の中央銀行を持つ国は、万が一の場合は、新たな通貨を発行して国債を買えば良いと考えて居るからです。

 しかし、ここには大きな誤りが存在します。三井住友DSアセットマネジメントの記事にもある様に、国債を直接中央銀行が購入して、マーケットのお金の量を増やす事は財政法第5条で日本では禁止されて居ます
 財政ファイナンスと呼ばれるこの方法は、アメリカでも議論されて居ますが、この方法が認められ無い限りにおいては、MMTの実現は困難です。詰まり、国債の購入は民間銀行によって行われますし、中央銀行は民間銀行の国債を買い取る事しか出来ません。民間銀行の国債購入は皆さんの貯蓄によって行われる事に為るので、政府が余りに借金を拡大して行けば、金利が上昇せざるを得無く為る訳です。



 まとめ

 MMT(現代貨幣理論)は、飛んでも無い理論だと言われて居ますが、ケインズ経済学をより拡大した理論だと言えます。
 MMTの大きな欠陥としては、中央銀行は新規通貨を発行して国債を購入する事は禁止されて居ると云う点です。MMTを擁護する人が主張する、国債は中央銀行が印刷して購入するからデフォルトすることが無いと云う理屈は誤って居ると云う事です。しかし、飽く迄現在の法律上、MMTは有効では無いとこの記事では主張するに留めて置きます。


  以上


 



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10分で判るMMT(現代貨幣理論)基礎や批判を判り易く解説 その1

 

 10分で判るMMT(現代貨幣理論)基礎や批判を判り易く解説 その1


 
 〜2019/04/30  2019/05/19 発表記事より引用〜


 MMT(現代貨幣理論)は、2019年1月にアメリカの史上最年少議員のアレクサンドリア・オカシオコルテス議員が支持した事で話題と為りました。アメリカで大論争を起こしたMMTですが、日本にも議論が飛び火して居ます。その理由は、日本政府の遣り方がMMTの考え方に近いとされて居る為です。
 この記事では、MMT(現代貨幣論)に付いて、判り易く解説します。金利や債務等複雑な部分も、誰にでも判る様に解説して行きます。

 (2019年5月にブリッジ・ウォーターアソシエイツの代表であり著名な投資家であるレイ・ダリオは、政府がMMTへと向かう事は「避けられ無い」と云う記事を寄稿して居ます。下記のリンクで詳しく解説して居ます。
金融政策3(MP3)とMMT(現代貨幣理論)のレイ・ダリオの主張を和訳)



 




 MMT(現代貨幣理論)とは何か?

 現代貨幣理論とは、簡単に言うと「国債を幾らでも発行して良い」と云う理論です。国債は国の借金です。詰まり「国は幾らでも借金したら良いじゃないか」と云う大胆な理論です。MMT(現代貨幣理論)とは?国は幾らでも国債を発行して借金をして良いと云う考え方

 • 日本は財政赤字が000兆円で、税金を増やさ無ければいけ無い
 • 政府赤字がGDPの2倍で危無い
 

 と言った議論が良くされて居ますが、その様な議論を全て無視してしまう様な大胆な理論だと云う訳です。


 国は借金をして何をして居るのか?

 MMTは、国は幾らでも借金して良いと言う理論ですが、国は借金をして何をして居るのでしょうか?国は、国債を発行して通貨を獲得して財政政策を行なって居ます。財政政策とは、公共事業を行なったり社会福祉を充実させたり、補助金等を出す事で経済を刺激する事です。
 例えば、政府の支出で公園や高速道路を作れば、建設業の雇用が生まれます。政府が積極的に支出を増やして公共事業等を行えば、多くの雇用を生み出し景気が上向かせる事が可能です。

   
 財政政策で何が起こるのか?

 政府が積極的に借金をして、財政政策を行えば景気が良く為ります。詰まり「インフレ」に為ります。

 インフレとは?

 物価の上昇を意味する。供給よりも需要が高まる事で価格が上昇する。政府が定める物価上昇の目標は2.0%です。国際的にも2.0%前後が望ましいとされて居ます。 
   
 物価上昇2%目標の理由

 何故世界的に見ても物価上昇2%を掲げて居るのでしょうか?その理由は、適度な消費を促す為です。逆に物価が上昇せずに下落し続けて居る状況を考えてみます。
 例えば住宅を買おうとして居て、来年には5%値下がりするかも知れ無いと思えば、今買うのは辞めて安く為るのを待ちますよね。物価下落の局面だと多くの人が買い控える事に為ります。買い控えると、更に物価は下がります。物価が更に下がると、更に買い控える人が多く為ります。
 この様な悪循環を「デフレスパイラル」と呼び、消費が停滞して居る状態を表します。日本でも最近迄デフレスパイラルに陥って居ました。      

 一方で、物価が2%程度上昇し続けて居れば、適度な消費が生まれ経済が安定します。今買おうとしている住宅が、来年も少しだけ上昇するのであれば、今買って置いても損は無いかなと思えます。この適切な水準が2.0%と呼ばれて居ます。
 逆に10〜20%近く上昇するハイパーインフレの状況に為ると、値上がりを期待して過剰に消費が刺激され、バブルと為ります。日本が経験したバブル経済は、まさに過剰な物価上昇によって引き起こされました。



 




 MMT(現代貨幣理論)の条件

 MMTの理論の適用は、幾つかの条件が示されて居ます。 

 • 自国通貨を自国の中央銀行が発行出来る日本やアメリカにしか適用出来無い
 • 過剰なインフレに陥ら無い限り国債を幾ら発行しても構わ無い


 詰まり、MMTは、自国通貨を自国の中央銀行が発行出来るのであれば、幾ら政府赤字が膨らんでも、新たな通貨を発行して払えば良いと考えます。又、政府が支出を増やす事で、過度なインフレに陥ら無ければ、借金をし続けて構わ無いとして居ます。
 詰まり、今の日本は、政府支出を増やし続けて居ますが、インフレ率2%に到達していないので、全く問題無いと考えます。


  その1おわり その2につづく


 




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2019年07月21日

間違いだらけの「MMT批判」を批判する



  間違いだらけの「MMT批判」を批判する


 




   〜JBpress 7/21(日) 8:00配信〜


  7-21-1.jpg
 
 2015年7月、ギリシャの債務危機に関する会議に出席したステファニー・ケルトン教授(中央)左はバーニー・サンダース上院議員、右はテキサス大のジェームズ・ガルブレイス教授
 

 7月16日 ニューヨーク州立大のステファニー・ケルトン教授が来日し、東京・永田町の衆議院第一議員会館で開催されたMMT国際シンポジウムで講演した。ケルトン教授は現在、2016年並びに2020年の米国の主要大統領候補の一人であったバーニー・サンダース上院議員の経済顧問を務めて居り、MMT(現代貨幣理論)の主唱者の一人だ。

 主流派経済学者が挙って批判するMMT

 このシンポジウムは、筆者が代表を務める京都大学レジリエンス実践ユニットが主催したもので、MMT研究を進める中で、論文等を拝読して居たケルトン教授を是非招聘したいと考え打診した事から実現したものだ。
 このシンポジウム、及び、その後の記者会見等の様子は、テレビ、新聞、雑誌を通して様々に報道されたが、関心のある読者は是非、下記の記事を参照願いたい。

 


 




 サテ、ケルトン教授がこのシンポジウムで主張したMMTと云うのは、大よそ次の様なものだ。

 先ず、彼女の言葉を借りつつMMTを一言で言うなら、プライマリーバランスの様な「人工的」な基準では無く「インフレ率」を基準として、政府支出(より正確には)財政収支を調整すべきとする経済理論だ。
 その主張の背景には、現代国家における貨幣は政府が自ら作り出すものであり、従って「自ら作り出す貨幣の借り入れで『破綻』する事等有り得無い」と云う「事実」がある。具体的には、政府には「最後の貸し手」である中央銀行が存在する為、国債に付いての「債務不履行」「破綻」「デフォルト」に為る現実的リスクは実質上存在し無いと云うものだ。

 MMTはこの「事実」に基づいて、政府は財政赤字や累積債務の大きさに配慮するのでは無く、インフレ率が2%或は3%程度の適正な水準に為る事を目指して、政府支出量(或は)財政収支を調整すれば好いと考える訳である。
 具体的には、インフレ率が高過ぎる状況では財政赤字を縮小させる様に「緊縮的」「抑制的」な財政政策を行い、今日の日本の様に、デフレ下にありインフレ率が低過ぎる場合には、財政赤字を拡大させる様に「積極的」「緩和的」「拡大的」な財政政策を行えば好いと為る。

 一方、これ迄の主流派の経済学や経済政策論では、デフレであろうが何であろうが「財政赤字を兎に角縮小する事が必要であり、だからコソ、財政赤字がある限り経済がドンナ状況であって消費増税や歳出カットが不可欠なのだ」と言われ続けて来た。だから、主流派経済学者達はMMTを批判する傾向が強い。

 しかしMMTは、貨幣に付いての様々な「事実」をベースにして議論を展開して居る為、多くのMMT批判は、MMTや現実の貨幣流通の仕組みに付いての誤解や理解不足に基づいて為されて居るのが一般的だ。そんな典型的なMMT批判記事が、一橋大学経済学研究科・政策大学院教授の佐藤主光教授の下記の記事だ。


 




 プレジデント・オンライン 消費税は「増やすより減らせ」とは本当か・・・好い話ばかりのMMTの魅力とリスク

 誤解・間違いの多い反論記事

 この記事には、MMTに付いての明らかな理解不足や誤解が散見されるのだが、そうした多数の間違いを記述した上で、結論的に次の様な形でMMTを断罪して居る処が特徴的だ。

 「これ等が持て囃されるのは、消費税の増税を含めて厳しい財政再建し無いで済む理由であれば、何でも良いからかも知れ無い。どの奇策も正しいと云う確信があるので無く、そう有って欲しいと云う願望もあろう。危険なのは、判り易い、或は聞き心地の良い主張が必ずしも正しい処方箋では無いと云う事だ」

 「かも知れ無い」や「有ろう」等と推量の文章で書かれては居るものだが、この記述は明らかに「MMTは、ムシの良い話を主張して居るが、それは単なる願望に過ぎ無いもので、その中身をヨクヨク吟味すれば、何の合理性も無いマヤカシの論理に過ぎない、だからそんなトンデモ無いものを信用してしまうのは、危険極まり無い」と云う「印象」を強烈に喚起するものである事は否定し難いだろう。
 これでは、ワザワザ遠路遥々アメリカから日本迄貴重な時間を割いて飛んで来て呉れたケルトン教授に対しても、間接的ながら「危険極まり無い不当な理論を主張する人物だ」と云う印象、イメージを付与する事とも為りかね無い。

 しかし、ケルトン教授の招聘者として、彼女の名誉を守ると云う意味も込めて繰り返すが、こうした結論の根拠として佐藤教授が記述して居る「MMTの不当性に関する指摘」には、実に多くの誤解や誤りが存在するのである。もしもそうであるとするなら、この佐藤教授の記事は、誠に残念ではあるがMMTに対する「不当な言い掛かり」と言わざるを得無い、と云う事とも為ろう。ついては以下に、筆者がそう判断した根拠として、誤解、誤りの数々を簡単に指摘する事としよう。


 




 「貨幣の保有動機に課税がある以上、何れ増税がある事が前提に為る」

 これは明らかな間違い。そんな前提は一切無い。MMTは、インフレ率が、例えば2〜4%程度に収まる様に、財政支出と徴税制度で財政収支(貨幣供給量)を調整するものだ。そして、その財政収支は徴税制度だけで決まるのでは無い。にも関わらず上記の文章は、財政収支が徴税制度だけで決まる事を前提とした文章と為って居る。
 しかも「貨幣の保有動機に課税がある」と云う事は「貨幣に価値が宿る」事の根拠には為っても「財政収支が一定の条件を満たさねば為ら無い」と云う事の根拠には為り得無い。少なくとも筆者はその様な議論を耳にした事が無い。付いては先ずは、MMTの基礎的な教科書を改めてもう一度お読みに為る事をお勧めしたい。
 
 「逆説的だが、MMTによれば、政府が財政収支を気にし無くて好いのは、その気に為れば何時でも増税出来るからだ」

 これも明らかな間違いである。この文章は「MMTが、インフレ率の調整を徴税制度『のみ』で行うと主張
て居る」と云う事が前提に為って居るが、そんな前提はMMTには存在無い。

 「単なる願望」では無い

 「MMTは高い成長を見込んで居る訳では無い。自然増収では無く増税無しには貨幣を回収出来無い」

 明らかに間違った指摘だ。ソモソモ増税しなくても支出を削減するだけで、財政収支を黒字化して回収する事が可能だからだ。又「高い成長」と云うのが何を意味して居るか不明であるが、今日の様なデフレ下での成長率よりも高い成長率を見込むものである。
 そして、デフレを脱却すれば、税収は10兆円から20兆円規模で拡大する。例えば、安倍内閣は、デフレ脱却が果たせて居ないにも関わらず10兆円規模の自然増収が達成されて居る。

 「MMTは課税を貨幣(タンス預金)の回収と見做すが、回収の仕方に配慮が無い様だ。仮に消費税や所得税で以て課税するなら、景気や成長に与える影響は甚大だろう」

 MMTに付いての明らかな事実誤認である。MMTにおいては、徴税制度によるビルトインスタビライザー(自動調整)機能が極めて重視されて居る。その機能とは詰まり、実質的税率が、不況下では自動的に下がり、好況下では自動的に上がると云う機能だ。「配慮が無い様だ」と云う認識は明らかな事実誤認なのである。

 「タンス預金に直接課税出来ると暗に想定して居るのかも知れない」

 「かも知れない」と云う推量の文章ではあるが、ここで敢えて断定して置くが、MMTにはその様な想定は存在し無い。


 




 「MMTが目指すのは脱デフレでは無く、政府が主導する(慢性的な需要不足を埋め合わせる)経済の再構築、言わば『大きな政府』だ」

 本文章の一文目は、明らかな誤解である。MMTが大きな政府を志向して居ると解釈し得る事は間違いでは無いが、MMTはインフレ率の適正化が重要な政策目標である事を主張して居る。従って必然的にMMTは、デフレ国家の政府に対しては、デフレ脱却を目指す事を提言する事に為る。

 これ等以外にも、多数のMMTに付いての事実誤認が散見されるのだが、これ等の事実誤認に基づいた上で、佐藤教授は最後にMMT(並びにその他の類似理論)が「持て囃される」のは「消費税の増税を含めて厳しい財政再建しないで済む理由であれば、何でも良いからかも知れない」と主張するのだ。そして「正しいと云う確信があるので無く、そう有って欲しいと云う願望もあろう」と迄主張して居る。
 しかし今回、ケルトン教授と様々なディスカッションを重ねた当方としては、彼女は、MMTの理論的主張が正しいとの「確信」に基づいてこれを提唱して居るのであって「単なる願望」の為に主張して居る様には到底思え無かった。

 「好い話ばかりのMMTは、どうせ単なる願望で言って居るに過ぎ無いのだろう」と邪推される余地は、全く無いのではないかと云うのが、筆者の率直な印象である。 
 以上の筆者の指摘が、MMTの、そして、正しい貨幣の仕組みに付いての国民理解に資することを、祈念したい。


           7-21-2.jpg

                筆者 藤井 聡氏


  以上  次回はMMT理論を判り安く解説します・・・


 



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2019年07月20日

「れいわ新選組」報道を妨げる「数量公平」と云う呪縛  公正か、忖度はあるのか



 「れいわ新選組」報道を妨げる「数量公平」と云う呪縛 
 
  公正か、忖度はあるのか?



  〜ニューズウィーク日本版 7/19(金) 19:42配信〜


 




 テレビが「山本太郎現象」を報じ無いのは政府当局への忖度だ

 ・・・支持者はこう批判するが、果たして本当にそうなのか?


 
 7月21日に投開票が行われる参議院選挙を前に、山本太郎代表が率いる政治団体「れいわ新選組」がインターネットを中心に「台風の目」として注目を集めて居る。しかし、雑誌やネットニュースが挙って報じる一方で、選挙期間中はテレビや新聞での扱いは他党に比べて小さく、支持者からは「黙殺」「村八分」と云う批判の声さえ上がって居る。
 遂には、支持者の1人がネット上でこんなページを作り署名活動を始めた。いわく
「山本太郎さんと彼の率いる『れいわ新選組』を、テレビに映して下さい。マルで居ないかの様に無視し無いで下さい!」

 5日間で約1万6000人の署名を集め、宛先は「マスコミ各社」とある署名ページには、こうも書かれて居る。

 「巷やネットでは、社会現象に為って居る程各地で旋風を巻き起こして居る山本太郎さんと『れいわ新選組』ですが、テレビ局は、彼らがマルで存在し無いかの様に今も無視し続けて居ます。これは、恐らく政府当局やスポンサーへの忖度と思われ、ジャーナリズムとして恥ずべき行為に思います。表現の自由、言論の自由、報道の自由に反するのでは無いでしょうか?」

 テレビは本当に「忖度」して居るのだろうか。共同通信社の世論調査によると「れいわ新選組」を比例投票先と答えた人は全国で1.1%(東京新聞7月14日)政党要件を満たして居ない「政治団体」であり、党首討論にも呼ばれ無い。選挙期間中、テレビや新聞が他の政党と同列に報じ無いのは、選挙報道における公正公平に配慮した結果なのではないのか。
 7月17日「表現や言論の自由」が専門で『放送法と権力』(田畑書店)等の著書がある専修大学の山田健太教授(ジャーナリズム学)に、本誌・小暮聡子が聞いた。



 




 今回の参院選報道をどう見ているか。

 近年の日本のメディアの選挙報道は、基本的には@情勢報道とA政策の伝達報道とB選挙が終わってからの選挙速報に分かれて居る。世論調査に基づきドチラが優位かと云う情勢報道と、党首や候補者の政策をキチンと報じると云う事を遣って居る。
 だが、どう「キチンと報じて居る」かと云うと、公職選挙法や放送法と云った法的な規律の中で出来る限り「数量公平」を重んじる事に徹して居る。

 数量公平を図る上で一番簡単な方法は、放送であれば各候補者や各党に付いて同じ長さで流すとか、新聞であれば同じ行数にする事だ。例えば選挙公示日の報道では、NHKは候補者に付いて秒単位で完全に長さを一緒にして居る。しかし公示日以外で毎回全員を同じ枠で報じると云うのは無理があるので、数量公平と云う意味合いを少し変えて、自分達で幾つかの要件を作って居る。

 要件の1つは、現在の議席数に応じて枠を決めると云う方法。もう1つは、所謂「泡沫候補」と言われる当選可能性が少無い候補に付いては無視して、基本的には主要な候補者・主要な政党を報じる方法。
 そうする事によって、文句が来るのを防ごうと云うか、恣意的だと言われる事を防ごうとして居る。その結果、支持者が指摘する様な「れいわ新選組」の報道が圧倒的に少無く為ると云う現象が起きて居る。/span>


 




 「数量公平」は少数政党に取って不利

 テレビは放送法と公職選挙法、新聞は公職選挙法と云う、法的根拠に基づいて各党、各候補者に付いて公平に報じ様として居ると。

 公職選挙法は、放送に付いての条項と新聞・雑誌に付いての条項が別々にある。放送に付いては第151条の3。新聞は第148条。放送法では、第4条で番組編集の基準として「政治的公平さ」を規定して居る。 

 【公職選挙法】

(選挙放送の番組編集の自由) 第百五十一条の三 この法律に定めるところの選挙運動の制限に関する規定(第百三十八条の三の規定を除く)は、日本放送協会又は一般放送事業者が行なう選挙に関する報道又は評論について放送法の規定に従い放送番組を編集する自由を妨げるものでは無い。但し、虚偽の事項を放送し又は事実を歪めて放送する等表現の自由を濫用して選挙の公正を害しては為ら無い。
(新聞紙、雑誌の報道及び評論等の自由) 第百四十八条第一項 この法律に定めるところの選挙運動の制限に関する規定(第百三十八条の三の規定を除く)は、新聞紙(これに類する通信類を含む。以下同じ)又は雑誌が、選挙に関し、報道及び評論を掲載するの自由を妨げるものでは無い。但し、虚偽の事項を記載し又は事実を歪曲して記載する等表現の自由を濫用して選挙の公正を害しては為ら無い。以上

 読めば判る様に、ここには「自由を妨げるものでは無い」と書かれて居り、公職選挙法は選挙報道の自由を定めている法律だ。「但し、......公正を害しては為ら無い」と書いてあるが、条文は主として自由を定めて居る。
 公職選挙法が規定して居る「公正さ」詰まり公正に報道しなさいと云うのは、飽く迄「但し書き」だ。本則の条文には、選挙報道は自由ですよと書いてある。ワザワザ選挙報道は自由です、と云う事を定めて居る条文にも関わらず、何と無く但し書きの方の、公正さを担保しましょう、と云う方がメインに為ってしまって居る。但し書きと原則が逆転してしまって居ると云う状況が今の日本の選挙報道にあると思う。

 では「公正な報道」とは何を指すのかと云うと基本的には @党派性によら無いA恣意的に為ら無い、と云う公正さだ。だが、党派的とか恣意的に為ら無いと云うのは主観的な要素を免れ無い部分がある。その為外部から、特に候補者から文句を言われた時に困ら無い様にと外形的な平等さを守る、詰まり数量公平を重んじる様に為って居る。
 実際の処、ここ数日のNHKは、夜のニュースの参院選特集の中で「密着・党首の選挙戦」と題して、各党に付いて順番に報じて居る。キッチリ秒数を測った訳では無いが、NHKは大よそ議席数に配慮して遣って居ると思う。

 例えば自民党の安倍晋三党総裁と立憲民主党の枝野幸男代表が特集された回では、安倍氏の時間は長く枝野氏は短かった。完全に議席数に基づいて遣るならもっと差が開くのだろうが、それでも時間に相当差は着けて居る。
 公職選挙法における公正さを気にする余り但し書きを原則化してしまい、外形的な数量公平を図ろうと努力し、それが結果的に少数政党に不利に為ってしまって居る。



 




 公平さを守る事が「正しい」と云う意識

 テレビと新聞を分けて聞きたいのだが、テレビが気にして居るのは公職選挙法なのか放送法なのか。

 両方だ。しかし最近は、放送法を気にして居る可能性があるかも知れ無い。放送法4条に違反すると、近年、総務省が放送局の所轄官庁として行う「行政指導」が行われる実態があるからだ。過つては政府も、放送法は倫理的な規範に過ぎ無いとして居たのが、最近は行政処分の根拠に為り得るし、しかもその違法判断は政府が行うと、法解釈を180度変更してしまって居る。
 こうした状況がある中で、免許事業の放送局はどうしても総務省の顔色を気にせざるを得無い。本当は、政府の解釈が誤って居るとして、キチンと白黒を着ける必要があるのだが。


 2014年末の衆議院選挙に際し、自民党がNHK及び民放各社に「選挙時期における報道の公平中立並びに公正の確保に付いてのお願い」と題した書面を出した事が話題に為った。行政指導を気にして居ると云うのは、NHKと民放の両方に言えることか。

 言えるだろう。多くの放送局では、選挙期間に為ると責任者名で、扱いに注意しましょうと言った内容のお触書が回る実態があると聞く。

 テレビ局の方達と話す中で、現場がドンドン「忖度」する様に為って居ると云う空気を感じるか。

 選挙だから特に気にする、と云う事は無いと思う。私が出演した番組で特別にそんな事を気にして居たとは全く思わ無い。それは思わ無いのだが、全体的に見ると放送局が息苦しく為って居ると云う処はあると思う。息苦しさと云うのは、官邸を気にして居るとか、行政指導を気にして居ると云うよりも、文句が着くと面倒だと云う事だろう。

 文句と云うのは、政府から文句が着くと云う事か。

 政府は余り無いかも知れ無いが、自民党かも知れ無いし企業かも知れ無いし、視聴者・聴取者かも知れ無い。視聴者が或る面では一番「面倒」かも知れ無い。メールや電話でクレームが来ると、対応し無ければ為ら無い。私の感覚では、只でさえ人が少無くて忙しい中そう云うクレームを避けたいと考えて居る様に思う。それよりも、本当に戦わ無ければいけ無い処で戦いましょうと。

 テレビには、報道番組とワイドショーがある。選挙報道において2つで棲み分けはあるのか。ワイドショーであれば泡沫候補でも取り上げるが、報道番組では公平性に配慮するなど。

 有ると思う。報道番組と銘打って居る処の方がより意識して居るとは思う。外形的な公平さを守ろうと云う意識は、公職選挙法に基づいて報じ様と云う事だ。何処かに忖度して居ると云うよりも、それが正しいと思って居ると云う事だろう。
 文句ウンヌンの話と云うより、メディアとしての在り様の話だ。これは今に始まった事では無く、日本のメディアは公平さが大事だと思って居る。取り分け選挙の時には党派性を帯び無い、何処かの政党に組みし無いと云う思いが強い為、出来るだけ平等にヤルのが好い事だと思って居る。



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 報じるかどうかよりも、どう報じるかが問題

 泡沫候補をどう報じるかに付いて、過去の判例はどう判断して居るのか。

 1986年2月12日に東京高裁で、ザックリ言えば、泡沫候補は無視しても好いと云う判決が出て居る。一方で、これは「自由に報道して好い」と云う判決だった。

(東京高判1986. 2. 12、判時1184. 70)有力候補に焦点を合わせ、所謂泡沫候補を軽視する選挙レポートの是非が争われ「選挙に関する報道又は評論に付いて、政見放送や経済放送と同じレベルにおける形式的な平等取材を要求して居るとは解し得無い」と判示した。(山田健太、『法とジャーナリズム 第3版』学陽書房、2014年)


 泡沫候補を無視しても好いし、取り上げても好いと云う判決だと。

 勿論そうだ。もっと言うと、放送で言う為らば「放送倫理・番組向上機構(BPO)」が2017年に2016年の参議院比例代表選挙を振り返り、選挙報道に付いては自由であるべきだとワザワザ表明した位だ。放送倫理検証委員会「2016年の選挙を巡るテレビ放送に付いての意見」(2017年2月7日、BPO)の中で、BPOはこう書いている。

 「そもそも選挙に関する報道と評論の目的は、有権者が誰に投票するのか、どの政党に投票するのかを決める判断材料を提供する為に、立候補者や政党の政策、政治家としての資質、選挙運動の状況等の情報を伝えることにある。
 そして、この様な目的に照らせば、多数の立候補者の中から有力と見られる候補や、注目されるべき政策を掲げた候補等一部の立候補者を重点的に取り上げる番組を編集し放送する事は、放送倫理として求められる政治的公平性を欠く事には為ら無い。
 重要なのは、選挙に関する報道と評論に当たって放送局が複数の立候補者の中から特定の立候補者を重点的に取り上げる場合には、各放送局が夫々に定めた合理的基準に基づいて番組を制作・放送する事である」

 私は、これだけ山本太郎現象がニュースに為って来ればその内報道はすると思う。寧ろ、その報道の仕方の方が問題だ。山本太郎現象を「現象」だと言って面白可笑しく取り上げるのか、キチンと彼の政策を真っ当な政策として取り上げるのか、その違いが重要だと思う。

 前回の米大統領選をニューヨーク支局で見て居たのだが、当時アメリカの主要メディアは只管ドナルド・トランプを追い掛け、トランプのメディア露出は急激に増えた。後から振り返れば、トランプは金額に換算すると約56億ドル分のCM枠をタダで手に入れた様なものだったと云う。(調査会社メディアクオントの推計)
 この反省から、今年トランプが大統領選に出馬すると表明した際、CNNとMSNBCは生中継の演説を途中で打ち切った。
 例えば今山本太郎現象が起きて居たとして、日本のテレビが数量公平はサテ置き何か意味がありそうだと挙って放送し始めたら、それ自体が「現象」を作る事に為るかも知れ無い。テレビにはそれ程の影響力がある。報じるか報じ無いかを、どう云った「合理的基準」で測るのかが難しい処だと思う。何を基準に考えれば好いのだろうか。


 私は単純に、選挙期間中に限らず、日本の場合はテレビも新聞も自由に報じれば好いと思って居る。特に新聞は放送法の制約も無い訳だから、原則は好きに書けば好いと思う。自分の責任で好いと思った事について自由に書くのが一番好いと云うのが私の基本スタンスだ。 


 




 数量的な公平よりも「質的公平」を

 報じる意義があると思ったら、書くべきだと。

 そう思う。只その時に唯一気にし無ければ為ら無いのは、全体として、媒体として或る特定の党派に対して偏って居る報道をするかどうかはあると思う。例えば、一切自民党に付いては報じ無いとか、一切れいわに付いて報じ無いと云うのは、私は或る種、党派的な報道だと思う。
 日本のテレビや新聞は、党派性を帯びる事を原則はしないと言って居るので、それは守った方が好い。例えばアメリカの新聞が社説で政党への支持を明らかにするのとは違って、日本の場合は支持政党を明らかにしないと云う報道倫理を守って来た。

 それが好いかどうかは別として、日本の場合は党派性を帯び無い前提で、テレビで政見放送をし新聞に選挙広告を税金で載せる事が出来る。日本のマスメディアは、党派的で無い事を前提とした、或る種の社会制度に為って居る。仮に党派性を持っても好い事にする為らば、政見放送や選挙広告の制度が成り立た無く為ってしまうだろう。
 

 選挙報道の公平さとは何かに付いて、BPOは以下の様に言って居る。報道の「質」に関して、今後、求められる選挙報道とは。

 「選挙に関する報道と評論に『量的公平性(形式的公平性)』が求められれば、放送局にこれを編集する自由は無く為る。従って、選挙に関する報道と評論に編集の自由が保障されて居る以上は、求められる『公平性』は『量的公平性(形式的公平性)』では有り得ず、必然的に『質的公平性(実質的公平性)』と為る」

 先ずは、折角公職選挙法によって、詰まり憲法によって報道の自由が保障されて居るのだから、自分達の立場は自由な報道をする事が大事なのだと肝に銘じる事だ。その上で、取り分け選挙中と云う短い期間での演説や政策のチェックは、リソースのある報道機関が担うべき役割だ。
 アメリカでは一般的に為って居るファクトチェックを日本の新聞も一部ヤリ始めては居るが、選挙報道に限って言えば、もっと積極的に行うべきだと思う。場合によってはそれが特定候補に取ってダメージに為ったとしても、気にせずにヤルべきだろう。
 もう一つ、山本太郎現象に付いては、もし今の与党にも野党にも無い第三極を目指すと云うのであれば、単なるブームや現象では無く第三極を目指す動きとしてそれ為りに正当な評価をして政策判断をした方が好いと思う。単に演説が面白い、と云う事では無く。


 公職選挙法には新聞と雑誌が同列に規定されて居るが、選挙報道における雑誌の役割は。

 今日現在で言うなら、新聞が数量公平に縛られ勝ちな訳だから、それを無視して報道すると云う事が一番では(笑)折角法で、定期刊行物には自由な報道が保障されて居るのだから。

 小暮聡子(ニューズウィーク日本版記者)  以上



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2019年07月19日

山本太郎現象と零れ落ちた人々・・・





 山本太郎現象とこぼれ落ちた人々・・・


    〜ニューズウィーク日本版 7/19(金) 15:26配信〜


 山本の演説に多くの人が足を止めるのは何故なのか つのだよしお AFLO


 <反緊縮・反エリートを掲げる「れいわ新選組」は、日本に左派ポピュリズムを根付かせるのか>


 




 7月4日午前10時過ぎ・・・参議院議員選挙が公示されたこの日、通勤の混雑が一段落した新宿駅はもう1つのラッシュアワーに見舞われて居た。
 立憲民主党の枝野幸男代表が、躍進を果たした前回17年の衆議院議員選挙と同じ東南口でマイクを握り、西口では共産党の志位和夫党委員長が東京選挙区での議席確保を目指し声を張り上げる。そして午前11時、西口地下では山本太郎率いる政治団体「れいわ新選組」も街頭演説の準備をして居た。カメラの数は既成政党のそれと比べても大差無い。

 政治家と云うより、ロックスター然としたデニムジャケット、白のTシャツ細身のパンツにスニーカーと云う出で立ちの山本が登場すると、集まった支援者は大きな拍手を送った。


 「今の政治は皆さんへの裏切りだ。20年以上続くデフレ、異常ですよ。物価が下がり続け、消費が失われ、投資が失われ、需要が失われ続け、国が衰退して居る」
 「生活が苦しいのを、アナタの所為にされて居ませんか? 努力が足り無かったからじゃ無いか?違いますよ。間違った自民党の経済政策の所為ですよ。消費税は増税じゃ無い、腰が引けた野党が言う凍結でも無い。減税、ゼロしか無い」


 彼は緊縮財政を徹底的に批判する事に多くの時間を割いた。「上」から金を取りもっと「下」に寄越せとばかりに時に叫び、低い壇上から「あなた」に呼び掛ける。
 テレビで活躍して居た元俳優だけあって、地下道を舞台に変える術は熟知して居る。熱狂的な聴衆が彼を取り囲み、開始から30分を過ぎる頃には、後列に仕事中とおぼしきスーツ姿の若いサラリーマンも足を止めてジッと山本の言葉を聞いて居た。

 夕方、場所を秋葉原に変えての演説では、未だ知名度が低い「れいわ」の候補者をリングアナ風に紹介する等場を盛り上げ、選挙に不慣れな候補者のサポートに徹する姿も見せて居た。
 参院選を前に、山本の動きは大手メディアで異例とも云える注目を集めて居た。政党要件を満たしていない「政治団体」であり、代表の山本は党首討論等には呼ばれ無い。露出は少ないのに何故注目されたのか。



 




 <枝野との決定的な違い>

 理由は資金面の動きと選挙戦略だ。彼が4月に「れいわ新選組」の立ち上げを宣言して以降、公示日前日までに集めた寄付は2億3000万円を超えた。大手メディアもこの動きを分析する記事を出した。
 更に比例で優先的に当選出来る「特定枠」に、自力で体を動かす事が困難なALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の舩後靖彦ら障害者を擁立した事も話題に。自身も全国比例から出馬するが、比例順位は3番目と敢えて高いハードルも設けた。これが安倍政権だけで無く、権威に立ち向かう姿勢を演出する効果を持った。


 <一運動家から左派ポピュリズムを体現する政治家に>

 2011年以降は極端な反原発運動家に為って居た山本が、初当選を果たしたのは13年の参院選だ。当時の彼は、福島を取材して居た私から見ると、時におよそ根拠が不確かな福島危険論を展開する運動家だった。この6年で、山本は明らかに変化して居た。一運動家から左派ポピュリズムを体現する政治家にである。

 ホームページを開けば「反緊縮」を軸に「反TPP」と云った反グローバリズム、リベラルな人権擁護を目指した政策が並ぶ。これ等は、欧州各国の選挙で「台風の目」と目された、左派ポピュリズムの典型的な主張と同じである。
 加えて、山本自身が体現するのは永田町エリートが独占する既得権益への挑戦と云う「物語」だ。彼は「選挙は面白く無いといけ無い」と連呼する。如何に選挙戦を楽しませるかが彼の気を配る処なのだ。

 SNS上の注目は既存政党よりも高く、常にトレンドを賑わせる。これと云った実績が無い政治団体に金と人が集まる現状は何を意味して居るのか。前回の衆院選でリベラル派の期待を一身に背負った枝野と比較してみよう。

 同日午後5時、東京・有楽町・・・立憲民主党の演説会が始まって居た。枝野の前に元「モーニング娘。」の市井紗耶香らタレント候補がマイクを握る。彼等はタレント候補と呼ばれるのを好しとしないだろう。「当事者」である事が自らのアイデンティティーだからだ。市井は子供を育てる「母親」である事がアピールポイントに為る。
 スーツ姿の枝野は、演説の締めで真剣な表情を崩さず「令和デモクラシー」の実現、民主主義のアップデートを訴えたが、足を止める人は少無い。

 枝野の主張も戦略も、彼等の立ち位置から考えれば殆ど正しい。保守的かつ男性中心の自民党に対して、女性やLGBT運動を牽引する当事者をブツケ多様性を訴える。だが、私には、彼等はトランプに屈したアメリカのリベラルが犯した失敗を踏襲して居る様に見えた。エリート層やリベラル派に受けの好い言葉を並べて居るだけで、幅広い層に突き刺さる言葉を喪失して居るからだ。
 


 




 <「私達」と遠いリベラル>

 安倍晋三政権は発足以来、今も40%台後半の高支持率を維持して居る。だが、NHKの世論調査によると、支持理由は「他の内閣より良さそうだから」が圧倒的なトップであり、その支持は消極的なものである事が分かる。枝野の「正しい」主張は、そんな消極的な支持層を振り向かせる事に失敗して居る。

 <何処にも属せ無かった「こぼれ落ちた人」の代表>/span>


 米コロンビア大学の政治学者、マーク・リラがトランプ大統領誕生後に執筆した『リベラル再生宣言』(邦訳・早川書房)の中で、こんな事を書いている。  

 「リベラルの政治は『私達』と云う感覚が無ければ成り立た無い。私達は皆、同様に市民でありお互いに助け合って生きて居ると云う感覚だ」

 リラは、リンカーン元大統領が喝破した「民衆の感情は全てである」と云う政治の鉄則を右派は好く理解して居るのに、どうしてリベラルは無頓着なのかと問う。多数派の感情を理解しようとせず「私達」と云う感覚から程遠いリベラル派像は日本でもそう変わら無い。枝野的な理念先行の「令和デモクラシー」はその典型である。
 立憲側は、社会的に困難を抱えた「当事者」に寄り添って居ると云う認識なのだろうが、彼等の支持者以外からはどう見えるか。リベラルエリートが選んだタレント候補が「母親」と云う当事者性を以て「私達」の代表然と振る舞う。違和感は拭い切れ無い。

 左派ポピュリズムは、お金を持って居る既得権益やエリート層の代弁者に為って居るリベラル層への不満の表れとして理解するのが適切だろう。
 山本は「持たざる私達」「将来に不安を抱えて居る私達」と云う枠組みを新たに政治に持ち込もうとして居る。彼等には既成政党が捉え切れて居無く何処にも属せ無い「こぼれ落ちた人」の代表と云う意味が付与される。

 各社の世論調査を総合すると、SNSでの盛り上がりに反して「れいわ」は1議席の確保がヤット視野に入って来た処だが、その意味合いは決して小さいものでは無い。一度火が点いた左派ポピュリズムの動きは当分消えそうも無い。
 山本は落選しても、次の衆院選への立候補と云う道が残る。当落の如何に関わらず今後も旗印であり「台風の目」ではあり続けるだろう。


 <本誌2019年7月23日号掲載> 石戸諭(ノンフィクションライター)  以上


 





 【関連報道】テレビに映ら無い「れいわ新選組」は、リアルを動かせるか? 



  〜参院選2019 7/19(金) 18:31配信  選挙ドットコム(畠山理仁)〜



 〜7月21日(日)に迫る第25回参議院議員通常選挙(以下今回の参院選)の投開票日。今回の参院選で山本太郎氏が率いる「れいわ新選組」がネット上の注目を集めて居ます。「れいわ新選組」が巻き起こすムーブメントに、フリーランスライターの畠山理仁氏(主著:『黙殺 報じられない”無頼系独立候補”たちの戦い』集英社)が選挙の現場から迫りました〜


 




 テレビが黙殺する「れいわ新選組」

 4月からの寄付総額は3か月で3億円以上。街頭演説会場には最低でも100人。多い時には千人以上が駆けつけ、演説終了後にはボランティア登録者や寄付者が列を為す・・・
 そんな一大ムーブメントを巻き起こして居るのが、山本太郎が4月に一人で立ち上げた「れいわ新選組」だ。しかし、この盛り上がりが「選挙期間中」のテレビでは殆ど報じられ無い。そんな異常事態が現在も進行中だ。

 誤解の無い様に言って置く。テレビ局の記者達は「れいわ新選組」の取材をして居ない訳では無い。「れいわ新選組」が参院選の公認候補予定者を続々と発表した6月末〜7月3日。記者会見場や街頭演説会場には、沢山のテレビカメラが遣って来た。そこでは記者との活発な質疑応答も行なわれて居た。
 新情報による驚きもあった。当意即妙な返答で起きる笑いもあった。しかし、テレビカメラが撮影した映像が「選挙期間中」にテレビで流れる事は殆ど無かった。

 参院選公示前日の7月3日、山本太郎は「有為な人材を優先的に当選人とする」比例特定枠の1位に難病ALS患者・ふなごやすひこ、2位に重度障害者・木村英子を指定すると発表した。山本自身は前回4位で当選した東京選挙区(今回から定数6)からは出ず、比例で立候補するとも発表した。
 現職議員が地盤を変える。しかも、山本が当選する為には「れいわ新選組」は比例で3議席以上獲得し無ければ為ら無い。東京選挙区で山本が出れば1議席を維持する事は固いと見られて居ただけに大きな賭けだ。一方で「れいわ新選組」が1議席でも獲得すれば、介助が必要な重度障害者の国会議員が誕生する事に為る。これは大きなニュースに為ると考えた筆者は、記者会見で山本に次の様な質問を投げ掛けた。


 畠山 「重度障害者のお二人を特定枠に入れた事で、テレビの報道姿勢は変わると思いますか? 有権者に情報が届く様に為ると思いますか?」

 山本はマイクを持つと、キッパリ言った。 

  山本『全く期待して居ません。「れいわ新選組」が立ち上がってからテレビは殆ど取り上げて呉れて居ません。それ位ハードルの高さを感じて居ます。特定枠を使った事で何かがリセットされて、広げて呉れると云う期待は一切持って居ません』


 




 テレビに映ら無い理由は政党要件

 テレビが「れいわ新選組」を扱わ無い理由は簡単だ。れいわが公職選挙法上の「政党要件」を満たして居ないからである。ここで簡単に「政党要件」についてお浚いをしよう。

 公職選挙法では1)国会議員5人以上(2)直近の衆院選又は参院選で選挙区か比例代表の得票率が2%以上・・・の何れかの条件を満たさ無ければ政党として扱われ無い。これが所謂「政党要件」だ。
 選挙には、既存の政党だけで無く新しい団体も参入する。今回の参院選比例区における名簿届出政党は全部で13。その内、政党要件を満たして居るのは自民党・公明党・立憲民主党・国民民主党・日本維新の会・日本共産党・社民党の7つだ。

 それに対して、れいわ新選組・幸福実現党・NHKから国民を守る党・安楽死制度を考える会・労働の解放をめざす労働者党・オリーブの木の6つは政党では無く「政治団体」として扱われる。両者の間には大きな壁がある。
 公職選挙法は、虚偽の事項や事実の歪曲を除き、報道及び評論の自由を全面的に認めて居る。詰まり、選挙期間中であっても自由に表現する事が可能だ。しかし、日本のテレビは選挙期間中の選挙報道に関して、とても慎重な姿勢を取って来た。

 特に、許認可事業であるテレビは「公平性」を重視する。「れいわ新選組」を扱えば、他の政治団体も公平に扱う必要が生じる。全ての団体を扱えば放送時間の「枠」に収まら無く為る為「政党要件」が「放送するかしないか」の事実上の基準に為って居る。
 党首クラスが呼ばれるテレビの討論番組に「れいわ新選組」の山本が呼ばれ無いのも政党要件がフィルターとして作用して居るからだ。
 
 勿論、山本太郎自身も「テレビに映ら無い」事は重々承知して居る。山本は筆者の度重なる質問に、何度もこう答えた。
 山本『恐らく、今日来て居るカメラは開票特番の時に流す映像を撮りに来て居るんでしょう。テレビに映る事は全く期待して居ません。地道にドブ板で広めるしか無いですね』
 テレビは現場に取材に来ても報じ無い。しかし、街頭演説会場は盛り上がる。演説終了後に行なわれる候補者達と支援者との「記念撮影会」も毎回長蛇の列だ。


 山本『ドンドン撮って、広めて下さい。皆さんの力、貸してください』

 山本を初め「れいわ新選組」のスタッフ達は、必死に呼び掛けを続けて居る。


 




 ネット選挙は現実を動かせるか

 テレビには映ら無いが「れいわ新選組」のネット上での人気、演説会場での盛り上がりは尋常では無い。7月7日、新橋駅で行なわれた「れいわ新選組」の演説会終了後、寄付をしたばかりの男性に話を聞くと、こんな答えが返って来た。

 「ネットで見た動画に共感して演説会に来てみました。実際に現場で聞いてみて『僕らが支え無きゃ、政治は僕等のものなんだ』って初めて思えました。政治関係の寄付をするのは初めてです。ボランティアの登録もしました。僕らが広げ無きゃ」

 公示直後の演説会場では、常連メンバーによる声掛けが目立った。しかし、日を重ねる毎に人数は増え、新しいメンバーが続々と熱狂の渦に加わって居る。こうした現場に居ると「大躍進をするのではないか」と錯覚しても可笑しく無い。実際に、支援者達の間ではそんな空気も見え隠れする。しかし、山本は危機感を隠さ無い。

 山本『本当に多くの方に足を運んで頂いた実感はあります。只、この熱が直接票に繋がるかと云うと過信はして居ません。今後、このエネルギーを、お一人お一人がどれ位広げて下さるかと云う処でしか、答えは導き出せ無いと思って居ます』

 7月12日「れいわ新選組」は品川駅港南口に候補者10人が勢揃いする街頭演説会「れいわ祭り」を行なった。司会は女優の木内みどり。ゲストとして、ロックバンド「LUNA SEA」のギタリスト・SUGIZOや、作家の島田雅彦、脳科学者の茂木健一郎も登壇した。スタート時間の17時には500人程度だった聴衆は、クライマックスを迎える20時には約3倍に増えて居た。

 畠山「これ迄の取材に比べて、カメラの数も相当増えた様ですが」

 演説会終了後、囲み取材に答える山本に、そう声を掛けてみた。

 山本『そうなんですよ!「随分乗り遅れた人達が居たんだな」って云う話だと思うんですね(笑)』

 テレビカメラを目の前にしての強烈な皮肉。れいわの動きを当初から報じて来たネットメディアやスポーツ紙の記者からは笑いが漏れた。笑いを取りに来るのは何時もの事だが、その後には真面目なメッセージも入れて来るのが山本のヤリ方だ。

 山本『すみません、ありがとうございます(笑)この映像に関しては、恐らく開票速報まで流さ無いんだろうな。その時の素材取りなのかなーと思いながら遣って居ます。でも、これがもう一寸数字が前に出て来れば、選挙期間中に流すチャンスが出て来る。流さざるを得無いだろうと思って居ます』

 改めてテレビカメラを見据えると、山本はこうも言った。

  山本『なので、会社の中で戦って下さい。皆戦ってます。テレビ局の局内でも戦って欲しい。もう十分戦ってらっしゃるから、多分この場に来てるのかも知れませんけれど、一緒に遣って好きましょうと云う事です』

 選挙期間中、日本のテレビは「開票速報特番」の宣伝は頻繁にする。しかし、投票の判断材料と為る選挙期間中の報道はそれ程多く無い。各候補の主張を「投票が終わった後」の特番でしか報じ無い「タイムマシン報道」で本当に好いのだろうか?
 テレビ抜きのネット選挙が、どれ程現実に影響を与えられるのか・・・山本太郎と「れいわ新選組」の戦いは、その試金石に為るだろう。


        畠山理仁  以上



 




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躍進するれいわ新選組  その公約「消費税廃止」が可なり現実的なワケ



 躍進するれいわ新選組  

 その公約「消費税廃止」が可なり現実的なワケ



   〜現代ビジネス 7/19(金) 8:01配信〜


 




 〜消費税が10%に増税される「Xデー」がイヨイヨ10月に迫って来た。今、現実に消費税が10%に上げられた場合、日本経済に壊滅的な打撃と為り兼ね無い事は既に多くのエコノミストが指摘して居る。しかし、現在行われて居る参議院議員選挙で「消費増税」が大きな争点に為って居るとは言い難い。それ処か低投票率が予想される極めて低調な選挙戦と為ってしまって居る。

 そうした中、ここへ来て存在感を高めて居るのが山本太郎参院議員が立ち上げた政党「れいわ新選組」その「れいわ新選組」が柱の政策として掲げるのが「消費税廃止」だ。一見突拍子も無い公約と思われるかも知れ無いが、実は経済のプロの間では決して突飛な話では無い処か、実現性の高い政策なのだと云う。選挙戦の最前線と消費税廃止の現実味に付いて緊急レポートする〜



 





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        消費税はゼロ! 立憲宮城 野党統一候補 石垣のりこ氏


 山本太郎が叫んだ!


 「私は『消費税廃止』しか無いと思ってます。収入が少無い人程消費税の負担率は上がる。入って来る収入の殆どが消費に消える。負担率が上がるのは当たり前です。ダイヤモンドから紙おむつまで同じ税率なんて不公平と呼ばずに何と呼べば好いんですか」

 7月12日夕方、品川駅港南口での演説会には3000人を超える人だかりが出来て居た。ステージ上の山本太郎氏は冒頭から消費税廃止を訴えた。
 山本氏は参院選公示前から連日全国各地でこうした街頭演説会を遣って居り、その各地で千人規模の聴衆を集めて居る。有権者に共感が広がって居る最大の要素は「経済政策」取り分け「消費税廃止」だろう。その公約には、


 「初年度、物価が5%以上下がり⇒実質賃金は上昇⇒景気回復へ。参議院調査情報担当室の試算では、消費税ゼロにした6年後には、1人当たり賃金が44万円アップします」

 と記して居る。今の消費税8%を一気に「ゼロ%」にすると、物価は強制的に大幅な下落を余儀無くされる。その一方、個人は可処分所得が大幅に増え、企業は負担が軽減される。結果、景気の好循環を招き、デフレからも脱却出来ると云う論理である。


 




 消費税収は「大企業のフトコロ」に消えて行く


 自民党は今回の参院選の公約に今年10月の消費増税を明記して居る。詰まり与党が勝利すれば確実に10%への引き上げが決行される事に為る。
 これに対して野党各党の公約は「消費増税の凍結」でまとまって居るものの「廃止」にも「減税」にも踏み込んで居ない。消費税の減税を主張する事で「ポピュリズム」「無責任」と云った批判を浴びる事を恐れて居るのかも知れないし、立憲民主党等旧民主党勢力は民主党政権時代に消費増税の道筋を着けたと云う負い目もあるのだろう。

 しかし、山本氏はその様な野党各党の姿勢を「生ぬるい」と批判し、現在の長引くデフレ不況を脱する為には「消費税は廃止。最低でも5%に引き下げるべき」と強く訴えて居る。
 そんな「消費税廃止」については、一見突拍子も無い政策に感じるは人は少無く無いだろう。しかし、実は消費税廃止と云う政策は決して絵空事では無く、経済のプロの間でも実現性の高い政策として注目されて居るのである。

 実際『消費税は0%に出来る』(ダイヤモンド社)の著書を持つ経済学者の菊池英博氏は「消費税を廃止する事は可能です」と断言する。そんな菊池氏によれば、ソモソモ消費税による税収は私達一般国民の生活の為に等殆ど使われて来なかったと云う。次のグラフを見て頂きたい。これは消費税を導入した1989年度から2014年度迄の消費税収の推移と、1989年度を基準として翌年以降の法人税減収の推移を示したものである。
 消費税の累計282兆円に対して、法人税減税は累計255兆円。実に消費税収の9割が法人税の減税に充てられて来たと云う衝撃的な事実が浮かび上がって来るのだ。



 




 日本の消費税 実は高い
 

 菊池氏が言う「消費税収の殆どは法人税減税に充てられて居ます。これ以外にも大企業には『租税特別措置による政策減税』等の税制優遇があり、実効税率は世界的に見ても可なり低く為って居ます。その結果、大企業は近年、史上空前の利益を出して居ますが、経済の活性化には全く寄与して居ません。
 このデフレ不況下で設備投資を積極的にする訳も無いからです。収益の殆どは株の配当金、役員報酬、そして内部留保に回って居ます」


 菊池氏は安倍政権が国内の経済状況を無視して消費増税に踏み切る理由も「法人税の減税にあるのではないか」と指摘する。

 「安倍政権は2013年度に37%だった実行法人税率を毎年引き下げて居り、2018年度には29.74%迄大幅に引き下げて居ます。安倍政権は消費増税を原資にする事をアテにして法人税の実効税率引き下げを決定した為に、その財源確保の為にも消費増税を決行する必要に迫られて居るのでしょう」

 政府与党は「消費増税は社会保障の充実の為」と主張して居る。しかし、事実としてこれ程迄に消費増税分が法人減税分に充てられて来ている以上、その説明には納得し難いと云う訳だ。

 「日本の消費税率8%は欧州先進国に比べるとマダマダ低い」

 これは消費増税推進派が好く使うセリフだ。実際にその様に刷り込まれ「10%程度の消費税率は止むを得ない」と思い込んで居る人も居る様だ。しかし実態は異なる。それは次の表からもハッキリ見て取れると云う。
 現在の消費税率は8%でその内国税分は6.3%である(残る1.7%は地方税分)。財務省の発表によると、昨年度の日本の国税収入に占める消費税の割合は27.9%にも上る。これは消費税率の高い国々と比べても遜色が無い。

 消費税が10%に為った場合、国税分は7.8%と為り、欧州の中でも特に消費税割合の高いドイツ(国税の標準税率19%)よりも国税に占める消費税の比率が高まる見込みだ。どうして税率が倍以上の国々以上の負担に為ってしまうのか。



 




 大企業優遇を辞め、法人税にも累進性を
 


 菊池氏は言う。「欧州では消費税は『贅沢税』と云う意味合いが強く、生活必需品には課税しないのが基本です。例えば、イギリスでは教育・医療は勿論、映画・演劇・コンサート等は非課税。食料品や出版物・交通運賃・医薬品・子供服等はゼロ税率です」

 菊池氏はドイツの学者と懇談した際「どうして日本人はそんなに高い消費税を課せられて黙って居るんだ」と聞かれた事があると云う。日本は既に世界的に見ても「消費税負担の重い国」に為って居るのだ。
 それでは、どの様にすれば「消費税廃止」が実現出来るのだろうか。菊池氏は、税制の不平等を是正するべきだと説く。


 「大企業優遇を辞め、法人税率の最高税率を引き上げると同時に累進性を導入するべきです。それから所得税の累進性を高め、一律20%と為って居る証券税制を辞めて、証券所得を総合所得に入れるべきだ」

 実は山本太郎氏が「消費税廃止」の為の「財源」の根拠として居るのも、それ等の税制改革である。7月15日、立川駅での街頭演説会で山本氏はこう唱えて居た。

 「消費税が導入される前は所得税と法人税で財源を確保して居た。だから、消費税を止める為には消費税導入前に戻ろうと云う話だ。下げて来た所得税の最高税率を上げる。又、分離課税を辞めて総合課税にする。法人税にも累進性を導入する。儲かって居る時には税率は高まるが、儲かって居ない時には負担が低く為る。これが一番真っ当な取り方だと思います。
 これ等の税制改革をヤレば、財源は29兆円担保出来ると云う試算もある。為らば、消費税を廃止した時、幾ら位掛かるかと云うと20兆円。お釣りが来ます」


 山本氏は税制改革以外で財源を捻出する方法として「新規国債の発行」も挙げて居る。例え税制改革で消費税廃止分の財源を生み出す事が出来無かった場合でも、国債を発行して埋め合わせた処で問題は無い。何よりも緊急を要するのは「デフレ不況からの脱却」だからであると云う理屈だ。
 それ処か、ソモソモ日本は世界最大の債権国であり、対外純資産は昨年末時点で342兆円(財務省発表)にも上る。そう考えると、実は財源はどうにでも為るのである。



 




 「消費税廃止」で景気が好転する


 菊池氏も又税制改革と合わせて、政府がデフレからの脱却に向けた経済政策を打つべきだと語る。  

 「先ずは政府が積極的な財政出動をする事が第一です。民間に資金需要が無い以上、政府がお金を使わ無ければデフレからは脱却出来ません。積極財政で景気を好転させると同時に、法人税や所得税を引き上げれば消費税を廃止してもそれ以上の税収が得られるでしょう。勿論、消費税廃止自体が景気を好転させる『経済政策』としても機能します」

 「消費税廃止」を実現する事は出来る。財源もある。ソモソモ30年前までは存在し無かった税なのだ。出口の見え無いデフレ不況に苦しむ日本経済。消費税が消費を冷え込ます大きな要素と為って居る事は明らかだ。その処方箋として、もっと真剣に「消費税廃止」が議論されても良いのかも知れない。         

 小川 匡則  以上


 



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マレーシア 消費税を実質廃止   



 マレーシア 消費税を実質廃止

 政権交代で税率6%→0%に 政治の力で変えられる


 〜元静岡大学教授・税理士 湖東 京至さんに聞く〜


 〜消費税(GST・商品サービス税)の是非が最大の争点に為ったマレーシアの国政選挙(5月9日投票)で、消費税廃止を掲げたマハティール元首相が率いる野党連合が勝利し、歴史的な政権交代が行われました。マハティール新政権は公約通り、6月1日から消費税の税率を6%から0%にしました。
 マレーシアでどんな選挙が戦われたのか、日本で消費税を廃止させる事は可能か。湖東京至・元静岡大学教授(税理士)に聞きました〜



 




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               マハティール氏


 どんな選挙が戦われたのですか。

 野党を率いたマハティール氏は過つて22年間、マレーシアで最も長く首相を務めた人物です。92歳で首相に返り咲けば、世界で最も高齢の首相と為ります。
 
 解散時の議席数は、与党連合・国民戦線が130議席 野党連合・希望連盟が72議席でした。選挙結果は与党・国民戦線が79議席、野党・希望連盟が過半数を超える121議席を獲得しました。与党連合が51議席減らしたのに対し野党連合は47議席増やしました。
 予測では、与党連合がヤヤ優勢と見られて居ましたが、終盤に為ってマハティール氏の個人的人気と、消費税廃止を公約の中心に据えた野党連合が逆転勝利しました。


 消費税が争点に

 何故、消費税が最大の争点に為ったのですか。

 与・野党の選挙公約を比較すると野党・希望連盟は第一に消費税の廃止を掲げた他、主婦を対象とした公的年金制度の導入・全国統一最低賃金制の導入・低所得者が私立病院を利用出来る為の基金の創設・低所得者に対する奨学金の返済停止等、低所得層を重点にした公約を掲げました。
 これに対し与党・国民連合は、トップに300万人の雇用機会創出を掲げた他、最低賃金の段階的引き上げ・低所得層に対する補助金の増額・親の介護の為の医療費控除の倍増・住宅貸付所得に対する所得税免除・それに新空港建設や高速道路の拡充等を掲げました。与・野党の最大の違いは消費税を廃止するか否かでした。



 




 国民に強い不満

 マレーシアの消費税導入は2015年4月です。と言っても、全く新税と云う訳では無く、それ迄あった単段階課税の小売売上税(税率10%)とサービス税(税率6%)を廃止して、多段階の消費税(税率6%)に変えたものです。消費税は物価高騰を招き国民の不満の的に為ったのです。
 更に中小事業者の事務負担や滞納問題も大きな問題と為って居た様です。消費税廃止を公約に掲げたマハティール元首相率いる野党は勝つべくして勝ったと言えましょう。

 税率を6%から0%にすると云うのはどう云う事ですか。
 
 「オヤ、何故廃止では無く0%なの?」と不思議に思う人が居るかも知れません。現地からの報道によると「消費税は準拠する法律が沢山あり、廃止する為には税制改正の関連法に乗っ取って手続きを進め無くては為りません。時間が掛かるので実質的に廃止と為るゼロ税率にした」(THE DAILY NNA、マレーシア版、2018年5月17日)と云う訳です。
 同紙は又、財務省は「消費税の廃止に向けて省内で関連法を精査して居る段階」と報じて居ます。野党・希望連盟の選挙公約が早くも実施に移されたのです。


 




 消費税廃止後の財源はどうするのですか。
 
 マハティール氏は「消費税を廃止した場合、代わりの財源として消費税導入時に廃止した小売売上税・サービス税を復活させたい」と言って居ます。しかし、消費税の税収は売上税・サービス税の税収のおよそ2・5倍もあり、税収不足は避けられ無いと云う指摘もあります。
 これに対しマハティール氏は「歳出には大きな無駄があり、今後切り込んで行く」とし、更に「石油のロイヤルティー等からも補う上、消費税廃止により景気の伸びが年6%と予測されるから、不健全財政には為ら無い」と反論して居ます。


 日本で消費税を無くすことは可能でしょうか。
 
 翻って我が国に置いても、野党が力を合わせて国政選挙に消費税廃止を公約に掲げればマレーシアの様に政権が交代する可能性があります。その際、出て来るのが「代わりの財源はどうするのか」と云う主張です。私達は「財源は沢山あります」と確り反論する事が出来ます。


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      不公平税制・・・消費税には大企業には還付金が・・・


 増税中止出来る 

 今ある不公平な税制を辞め、能力に応じて払う応能負担原則に基づいた税制に変えれば、国税と地方税を合わせて30兆円を超える財源が確保出来ます(下図)。例えば、法人税は1988年の42%から2018年には23.2%、所得税の最高税率は1988年の60%から2017年には45%に引き下げられて居ます。これを消費税導入前の税率に戻すだけでも11兆円超の財源が確保出来ます。

 加えてマハティール氏も言って居る様に、日本の歳出にも大きな無駄があります。大型開発優先の歳出を見直し、5年連続して過去最高額を更新した軍事費の大幅削減や、政党助成金の廃止等を検討すべきです。又、消費税を廃止すれば景気は回復します。景気が回復すれば法人税や所得税の税収も伸び、財政は健全化します。
 マレーシアでの戦いは、政治の力で消費税を廃止する事は可能である事を示して呉れました。マレーシアに倣って、2019年10月からの税率10%への引き上げを中止させ、廃止に追い込む戦いを大きく広げる。民商・全商連の出番です。


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 日本でも増税しなくても財源はある 

 全商連も参加する「不公平な税制を正す会」は応能負担の原則に基づいて、大企業優遇の法人税や高額所得者・資産家優遇の所得税等の不公平な税制を見直せば、消費税を増税しなくても財源が生まれる事を毎年、発表して来ました。

 2017年度は増収試算額は国税と地方税を合わせれば合計38兆円を超えて居ます。消費税の税収は約22兆円(16年度)です。2019年10月からの税率10%を許さ無い運動を大きく広げる時です。


  全国商工新聞(2018年6月18日付)   以上


 







消費税廃止を掲げる「れいわ新選組」が大躍進するかも知れ無い




 消費税廃止を掲げる 「れいわ新選組」が大躍進するかも知れ無い

 今や自公の対立軸と為った



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            ジャーナリスト 伊藤 博敏氏


 




 「れいわ新選組」の人気が高い


 山本太郎代表が率いる「れいわ新選組」の人気が高い。東京選挙区から比例代表に回った山本氏は、全国を駆け回って遊説し数多くの聴衆を集めて居る。参院選公示日前日の7月3日迄に2億3100万円の寄付を集め「3億円の寄付で10人を擁立」と云う条件は整ったとして10名の候補者を決めた。
 人気は日を追う毎に高まって居り、寄付金は5日迄に2億5200万を達成。2日で2000万円超を集めた計算で、無党派層を大きく取り込むウネリを感じさせる。その象徴が「れいわ新選組」のネット上での人気の高さ。

 選挙ドットコムの集計によれば「れいわ」所属候補のツイートに対する「リツイート」と「いいね」の数は、1ツイート当たり1547.73に上り、自民候補の449.09立憲民主候補の109.71を圧倒的に上回る。
 マスメディアの間では諸派扱いが多く、山本代表が討論等に招かれる事は無いが、ネットを主な情報ツールとする若年層の間では、自公VS統一候補を含む野党と云った対立構図では無く、既存政党への対立軸として「れいわ新選組」が捉えられて居る。

 旧来の発想では「れいわ新選組」の公約と人選はポピュリズムの極地である。消費税の廃止・最低賃金1500円・奨学金徳政令・公務員増員・第一次産業戸別所得補償・・・「財源はどうする!」と云う批判も当然で、それに対して山本代表は、国債発行を柱とするMMT(近代貨幣理論)と富裕層や大企業への累進的大増税で捻出すると主張する。そうして得た財源をバラ撒き政策に使う「左派ポピュリズム」である。常識的には無茶な発想だが、だから対立軸と為った。



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             全国遊説する山本太郎氏


 




 人選に付いてポピュリズム批判が起きたが・・・


 民主党政権時代、民主党・自民党・公明党は、消費税を5%から8%、8%から10%に段階的に引き上げる事を決めた。民主党を引き継ぐ立憲民主党と国民民主党は、この「三党合意」の呪縛から逃れられ無い。だから新鮮味が無く、期待度・支持率共に低迷。
 「れいわ新選組」が訴え掛ける1990年代から2000年代の非正規雇用が急増した就職氷河期、世に出たロストジェネレーション世代は、既存政党に何の期待も抱け無い。

 山本代表は、選挙公報の中でロスジェネを、シングルマザー・障害者・非正規雇用・蓄えの無い高齢者等を含む「弱者」と位置付け「弱者に明るい未来を与える政治」を訴える。その上で、ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の舩後靖彦氏、重度障害者の木村英子氏の2人を比例特定枠の候補者とし、山本代表の上位に位置付けた。山本代表は3番目。300万票以上を得無ければ議席は確保出来無い。
 この人選にも、ポピュリズム批判は起きた。だが、山本氏は「生産性で人の価値を測る社会で好いのか。その選別を合法的に行なう国会に、介助・介護無しには動け無い議員を送り込みバリアフリーを実現、健常者だけが選抜される状況を改め、障害者の声を国会に届ける」と意に介さ無い。



 




 反緊縮・反グローバリズム・反新自由主義経済


 高度経済成長の果てにバブル経済が発生。その崩壊で日本経済がガタガタに為って以降、国民は只管我慢を強いられた。ITが進展、インターネットが急速に普及する中、経済的にはグローバリズムが世界各国を覆い、効率の良さで新自由主義経済が採り入れられた。
 当然の帰結として、能力ある者・力のある者・努力を怠ら無い者・その上で運の好い者が、一握りの成功者と為る二極化が進展した。だが、政府も又効率化を迫られ、緊縮財政の中、公共工事や補助金は削減され、民営化を推進、失業者、落伍者、老齢者、貧困家庭に目配りする余裕は無く為った。それが失われた20年の間に起きた事である。

 ファンド資本主議・金融資本主義・そして今、データ資本主義と。経済社会を動かすエンジンは変化して居るものの、主たるプレーヤーは一握り。大半の一般大衆は「企業の力を強くする為には法人税減税は不可欠」「証券市場等を通じた成功者への手厚い報酬は経済成長に欠かせ無い」と云う言葉を受け入れて来た。
 日米欧のそうした経済常識が生んだのが、世界の最も裕福な26人が世界38億人の総資産と同額・・・と云う歪んだ二極化である。従って、反緊縮・反グローバリズム・反新自由主義経済は、米サンダースやオカシオ・コルテスに見られる様に、世界の一大潮流に為って居る。「れいわ新選組」は生まれるべくして生まれたのであり、山本太郎と云う「役者」を得て花開こうとして居る。



 




 参院選の一番の見所


 もうひとつ世界的潮流の中では「右派ポピュリズム」もあり、広く捉えれば米トランプ政権はそれに当たるが、日本ではトランプ流の自国第一主義は勿論、ネット右翼や在日特権を許さ無い市民の会(在特会)も含めて安倍政権を支持して居る。
 野党が対立軸に為って居ないのは前述の通りであり、小池百合子都知事人気に乗ってブームと為った希望の党は、小池氏が踏ませた「安保の踏み絵」に象徴される様に、所詮「第二自民党」でしか無く「排除の論理」と共に雲散霧消した。

 自民の3倍の「リツイート」と「いいね」に象徴される様に「弱者へ向けたメッセージ」は、着実に拡散、支持を集めて居り、それが大河の流れと為る可能性もある。結果「れいわ新選組」は何議席を確保するかが、争点の無い今回の参院選の一番の見所と為って居る。



 ジャーナリスト 伊藤 博敏氏プロフィール 

 ジャーナリスト 1955年福岡県生まれ。東洋大学文学部哲学科卒業。編集プロダクション勤務を経て 1984年よりフリーに。経済事件等の圧倒的な取材力では定評がある。 著書に『「カネ儲け」至上主義が陥った「罠」』、『トヨタ・ショック』(井上 久男との共著)『 金融偽装―米国発金融テクニックの崩壊』 (何れも講談社刊)等

                   以上


 




 



















2019年07月18日

この国のメディアは「政権」に擦り寄る"太鼓持ち"?


 

 <青い空/白い雲>
 
 この国のメディアは「政権」に擦り寄る"太鼓持ち"?
 
 〈サンデー毎日〉


   
 〜mainichibooks.com 7/18(木) 12:07配信〜



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  ◇牧太郎の青い空/白い雲 727 


 若干、盛り上がりに欠ける「安倍1強」下の参院選。でも個人的には、山本太郎が代表の小さな小さな「れいわ新選組」に興味を持って居る。「消費増税凍結」では無くて「消費税廃止」それに「最低賃金1500円」「奨学金徳政令」「1次産業戸別所得補償」・・・「5月末迄に1億円!」とカネ集めの「目標額」を公表した。「カネ集めは善!」なのだ。

 「カネの流れ」に関して言えば自民党は「国家志向⇒拡張財政志向」公共事業で金持ちの大企業にカネを回す。一方、野党(旧民主党系)は「個人志向⇒均衡財政志向」福祉の拡充を訴え貧乏人の味方に見えるが、自民党に「貧乏人へのばら撒(ま)き」と批判されると「均衡財政」を言い出し中途半端に為る。
 「れいわ新選組」は違う。「個人志向⇒拡張財政志向」個人に富を分配する。堂々と「ばら撒く」と云うのだ。その為に選挙で勝つ!その為に市民(貧乏人でも)はカネを出せ!それに賛同して「何かを変えたい!」と思い「ナケナシのカネ」を叩いた若者も多い。

 山本太郎さんは、前回66万票を取って当選した東京選挙区からは出馬せず、沖縄創価学会壮年部の野原ヨシマサさんが代わりに立候補。比例区は新しい「比例特定枠」の制度を使って、難病の筋萎縮性側索硬化症患者で全身まひのギタリストふなごやすひこさんが1位、脳性マヒで重度障がいのある、全国公的介護保障要求者組合書記長を務める木村英子さんが2位に夫々名を連ねる。
 山本太郎さんが議員で居続ける為には、2人を上げた上で自分も票を獲得し無ければ為ら無い。果たして、思い通りに行くのだろうか?     

 この「れいわ新選組」をメディアはどう扱って居るのか?

 朝日新聞はこの小さな集団を「政党」として、公示の紙面で「社民党」と同じ様な扱いをした。でも、それは少数。比較的リベラルな東京新聞でも「諸派」扱いで殆ど政党として扱って居ない。新聞、テレビはどうしても「大政党寄り」に為ってしまう。
 マア、選挙報道で少数派が不利に為るのは致し方無いが・・・それにしても、昨今の新聞テレビは「安倍政権」の味方に為って居る。確か、政権復帰直後、安倍首相は官邸記者クラブとの間で「単独インタビューは受け無い」と云う紳士協定を結んだ様に記憶する。
 それが、何時の間にかこの「伝統」を破って、特定の新聞テレビを選んで、立て続けに「単独」を強行した。「好きな時」に「好きなメディア」を選んで一方的に情報を発信するのだ。

 例えば、参院選を控えた6月22日、読売テレビの「ウェークアップ!ぷらす」に出演「今度の参議院選挙に於いては、審議すらしない政党を選ぶのか審議をする政党を選ぶのか、それを決めて頂きたい」と話した。 ご尤も!と言いたいが、当方から見れば審議から逃げ廻って居るのは安倍さんじゃないのか? 
 それでも、視聴者に「審議しない」野党の印象がインプットされる。メディアは単独インタビューで、結果的に安倍さんを応援して居るのだ。そればかりか、自民党は「公正な報道」と云う名目で、メディアの「政権批判」を排除しようとして居る。この国のメディアは結果的に「政権の太鼓持ち」に為って居るのではあるまいか?     

 メディアは「安倍政権」に文句が言え無い状態なのか? そんな事は無い!と信じたい。でも、第2次安倍政権の発足以降「世界報道自由度ランキング」(国境なき記者団)で、日本は2018年〜19年の2年連続で67位。G7各国の中で最下位と為って居る。世界から見ると「日本のメディアは政権の言い為り」に映るのだろう。
 参院選が盛り上がら無いのは、メディアが「政権批判」を放棄して居るからではあるまいか?新聞が売れ無いのも「御用新聞」に成り下がって居るからではあるまいか?

 ネットの登場で、新聞は売れ無く為ったのは事実だが、ニューヨーク・タイムズの健闘を見て貰いたい。トランプ政権を徹底的に批判し、2018年末時点で、電子版と紙媒体を合わせた購読者数の合計は約430万人。過去最高である。
 参院選も後僅か。新聞テレビに「報道の自由」を取り戻して貰いたい。敢えて「れいわ新選組」の話を書いたのは「少数派にも平等なメディア」でありたいからだ。



 
 貯蓄は美徳?消費が美徳?投資は「美徳のよろめき」


 〜mainichibooks.com 2019年7月14日号〜

 
 ◇牧太郎の青い空/白い雲 725


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 「美徳」と云う言葉に初めて出会ったのは中学1年の昭和32(1957)年頃だった。その年、三島由紀夫の『美徳のよろめき』が30万部のベストセラー。結婚前の男友達と再会して関係を持ち、官能に目覚めたヒロインが妊娠・中絶を繰り返す。そんなストーリーだった様な気がする。
 12歳の少年には刺激的過ぎる物語だった。そんな出会いだったので「美徳」と云う言葉は「許され無い出来事」と勘違いしてしまった。少しは勉強した大学時代、古代ギリシャの哲学者アリストテレスの説教に出会った。

 「優秀さは訓練と習慣の賜物(たまもの)である。私達は美徳と優秀さを持って居るから正しく行動するのでは無い、寧ろ正しく行動するから美徳と優秀さを持つ事が出来るのである」

 難解ではあるが、アリストテレスの言葉通りなら「正しい事⇒美徳⇒成功」と云う事に為る。「謙遜は美徳」と云う言葉を知ったのもこの頃。周囲と調和して、荒波を立てずに生きるのが「美徳」と知った。   
 母は「貯蓄は美徳」と言って居た。欲しいものを我慢しておカネを貯(た)める事が善だと教えて呉れた。処が就職した頃(1960年代後半)世の中の価値観は一寸変わった。「岩戸景気」を経験した日本人は「消費は美徳」と言う様に為った。生産性が何よりも大事、消費は次なる生産に結び着く!だから「消費は美徳」?我慢することは善なのか?悪なのか?未だに分から無い。
    
 例の「老後2000万円不足」騒動のキッカケに為った「金融審議会・市場ワーキング・グループ報告書『高齢社会における資産形成・管理』」為るものを読んだら余計分から無く為った。聞き慣れ無い「資産寿命」と云う言葉が登場する。
 資産寿命とは「老後の生活を営むにあたって、築いて来た預貯金等の資産が尽きる迄の期間」の事らしい。長く生きる為には「資産寿命」を延ばさ無ければ為ら無い!と言うのだ。その為に投資しろ!と言うのだ。

 具体的には「現役期であれば、長期・積立・分散投資等少額でも資産形成の行動を!リタイア期前後であれば、長い人生を見据えた中長期的な資産運用の継続と計画的な取り崩しを!」・・・どうやら「投資が美徳」と言いたいのだろう?一定の税制優遇が有る積立投資「つみたてNISA」等を推奨して居る。
 この報告書を読んだ友人の一人は「投資が美徳?何も投資して居ないと損をするのか?」と当方に聞く。彼は「美徳」と云う言葉を「得」と云う意味で使って居るらしい。貯蓄が得か?消費が得か?投資が得か?益々分から無く為った。
    
 投資を奨励する金融庁が平気で「昨年3月末迄に国内29の銀行で投資信託を購入した個人の46%が損を出した」と調査結果を公表して居る。半分が損をする?益々分から無く為る。後輩の経済記者に意見を求めたら「金融審議会の報告書は本来、金融事業者向けなんですよ。「下々の不安、弱みに着け込むと儲(もう)かります・・・と云うメッセージ。騙(だま)されたら行けませんよ」と言われた。
 投資には「三つの余裕」が必要らしい。時間の余裕・資金の余裕・心の余裕・・・この三つの余裕が全て満たせ無い人は投資に向か無い。と云う事は、普通の人は投資で大火傷(やけど)する。

 それを知りながら「投資が美徳」とするのはお上の陰謀だろう。輸出型の大企業を優遇する為に金融緩和して円安を誘導する。その結果、金利は低く為って居るがその歪(ゆが)みが顕在化して居る。日銀は必死に株価買い支えて居るが・・・そこで「投資熱」を煽(あお)り、国民の手元にあるカネを株に換えさせ、株価を安定させたいのだ。    
 多分「投資は美徳」は嘘(うそ)だろう。敢えて「美徳」と云う言葉を使うなら「投資は美徳のよろめき」と言うべきだ。「蹌踉(よろ)めく」とは「足取りが確かで無く、ヨロヨロする」事。三島由紀夫が小説で書いた「美徳」とは「悪」と知りつつ誘惑に乗ること。ヒロインは不倫の喜びに「よろめき」悲しい結末を迎える。小説はどうでも好い。「老後2000万円不足」の現実に慌てて「投資話」に騙され無い様、ご用心、ご用心!


                以上



 【管理人のひとこと】


 どうやら、大手メディアの中にも、自分達の報道姿勢が如何に偏(かたよ)り多方面からのバイアスに絡め取られて居る現状を認識し出した様だ。確かに商業主義の下での民間報道機関の在り方は難しい。戦前の様に、メディアは政府報道・大本営発表を逃したく無いと政府に擦り寄り、金主である企業に擦り寄り、読者の知りたいとするものを隠して政府宣伝の報道者へと為り下がって居た。
 今のNHKも、国民から税金の如く視聴料を取りそれで居て政府の好い様に報道する「ポチ」へと飼い慣らされた。無論民放もネタ元の政府に擦り寄り更に企業の手足と為って、政府・企業の都合の好い記事を優先し、悪いものはソモソモ取り上げもしない。

 私は民放の報道でもNHKの報道でも「れいわ」新選組に関する報道を見たり聞いたりした経験は無い。単に見過ごして居たのかも知れ無いが「れいわ新撰組が街宣で賑わって居る」との報道は全く聞か無い。ネットでの人気が高いのは、ネットニュースや動画で認識して居るが、全く振られてい無いのには驚くだけ。
 世界の人達や専門家はそれを確りと観察して居る。日本のメディアは世界の67位でG7各国の中で最下位との評価。新聞が売れ無いのは無理も無い。管理人も既に中央紙の購読を辞めてから久しい。無論中には素晴らしい記事もあるのだろうが、ネットで充分なのだ・・・


 

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